登録日:2012/02/09(木) 17:18:31
更新日:2023/11/20 Mon 13:13:11NEW!
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エンバーミング フランケンシュタイン 人造人間 フランケンシュタインの怪物 チート 化け物 奇人 狂人
お前言った「全ての人造人間を殺す」
その全てのうちの8体
ポーラールート製
機能特化型人造人間究極の8体を
お前に破壊してもらう
究極の8体とは、エンバーミングに登場する用語兼登場人物の総称である。
概要
この作品に登場するフランケンシュタインは、一般的なフランケンシュタインのイメージだけではなく、一見普通の人間と変わらない者もいれば、どう見ても化け物にしか見えないもの、
更にはミミズクのような動物型からドラゴン型と言った架空の存在もフランケンシュタインとして扱われ千差万別であり、作中ではそれらのフランケンシュタインを人造人間と称されている。
故に個体ごとに能力も様々であり、その中でも人体機能の一部を特化させたことにより、他の人造人間とは一線を画する能力を持っているのが「究極の8体」であり、作中では「〇〇機能特化型」と呼ばれている。
特化型の各機能の汎用性は非常に高く、例えば皮膚機能「強化型」のカタヴェリック・スパムは角質硬化と高速増殖、更に応用で筋肉を使って角質を弾丸のように飛ばす程度の能力しかないが、
皮膚機能「特化型」のエルム=L=レゲネイドは皮膚の厚みを調整して衝撃吸収、皮膚の軟度を調整して跳躍加速、硬度を調整して対攻撃、再生速度を活性化して高速修復、爪の長さと強度を調整して攻撃、吸着力を調整しての真空圧着など、皮膚機能だけで攻撃から防御まで様々なことに対応している。
分かりやすく言えば、カタヴェリックは皮膚の硬さだけが取り柄、エルムは硬さや厚さなど皮膚機能の調整だけで色々な応用ができるということである。
長身かつ筋骨隆々とした体格と片っ端から攻撃するパワーバカな性格のカタヴェリックに対し、アホの子でロリでチビのエルムではカタヴェリックのほうが強そうに見えるが、
人造人間としての性能はエルムのほうが遥かに上であり、双方が真っ向から戦ったときはエルムのほうが圧倒的な強さを見せた。
更に強度もエルムがカタヴェリックを大きく上回っており、アシュヒトの使う対人造人間用50m口径拳銃「鋼鉄の腕」を喰らっても特化型のエルムは「痛い」で終わったが、強化型のカタヴェリックの角質では銃弾を防げず致命的なダメージを受けるに至った。
これらの特化型人造人間は大創造主こと「Dr.リヒター」によって創造されたため(例外として一体のみ元々人造人間だったものを再調整した)人造人間の動力源である電極が二本の黒い角のような形状をしている「プラグボルト」という共通の電極を使用している。特化型は共通の構造をしているため、例外もいるが基本男性型パワーと持久力、女性型はスピードと瞬発力が秀でている。
また、究極の8体は元々ポーラールートという人造人間創造の聖地で作られ、所属していたが、
現在は世界一の死体愛好家であり、自身も人造人間である「死体卿」率いるブリッツ=ブルーダーの下に多数所属している。
創造主 ゲバルト=リヒター
究極の8体を生み出した創造主。人造人間創造において右に出るものはいない程の天才で「大創造主」という肩書きでポーラールートのNo.2に立つ男。
どのような不測な事態になろうと「私の創造は何一つ揺らぎはしない」と言って跳ね除ける恐ろしいまでのポジティブシンキング。とある人造人間が暴走した事故で顔の左半分が大怪我を負ってしまったためその部分に仮面を付けている。感情が高ぶると様々な顔芸を披露したり左目が光ったりと忙しい。
自分の理想のためならそれ以外のものは全てどうなろうと一向に構わない狂人であるが、これでも昔は真面目で優しい良き父であり、美しく家族思いの伴侶のダリアと優秀な息子のアシュヒトと共に素晴らしい家庭を築いていた。本人はその世界を"楽園(エデン)"と例えていた。
しかし妻ダリアを亡くしたことにより全てが狂いだす。大創造主の肩書を持ちながらも最愛の妻を病原菌などというちっぽけな存在によって失ってしまい自身の無能と非力を呪い揺らぎそうになるが、死亡した妻を蘇生させる"永遠の命の法"を確立させ再び自分たちだけの"楽園(エデン)"を築くために狂人へと変貌した。
究極の8体を創り出したのはただの実演(デモンストレーション)でしかなく、全ては自分の研究のための資産と地位を確立させるためであり、特化型も「使い途の無い化物」程度としか考えていない。
息子のアシュヒトがポーラルートに戻った後、永遠の命の方を確立させるためにアシュヒトを自身の助手になるよう誘うものの、お互いの人造人間と命のあり方を巡り結果対立してしまう。新たなる家族による楽園を創造するために旧い家族であるアシュヒトを抹殺しようと試みる最中、ポーラルートNo.1であるグロース=フランケンシュタインと永遠の命の優先順位を巡り口論となり、お互いに発砲。グロースは即死、ゲバルトは即死こそしなかったが両腕を吹っ飛ばされ、そのまま救助されることもなく人知れず死亡した。
エクゾスケルトン(アイン)
骨格機能特化型人造人間。27歳没
見た目は骨そのもので、普通の骸骨との違いは頭の両脇にある電極のみ。
完璧な肢体を創造した反面、精神は完全に失敗したため自分では一切何も出来ない。
そのため他の人造人間の小脳と結合して初めて動くことが可能。
敵の攻撃に対して一切の思考を介さず超高速且つ自動的に反応、防御、そして反撃を行うため、人造人間というより装備パーツに近い。
最初はレイスに装備品として与えられたが、その後死体卿がエグゾスケルトンにレイスの脊髄神経を支配させ、巨大なガシャドクロのような化け物として
"エグゾスケルトン・W・レイス"となる。
骨の性質を活かした圧倒的な防御力と赤子同然の自我で暴れ回っていたが、ヒューリーとアシュヒトの連携で圧倒的な防御力を突破されて大破。残った頭部で今度は満身創痍のヒューリーを支配しようとしたものの、最期は突如として乱入したジョン=ドゥに破壊された。
リッパー=ホッパー(ツヴァイ)
肺機能特化型人造人間。19歳没
5人の娼婦を惨殺し倫敦を戦慄させた「切り裂きジャック」ことジャック・ザ・リッパー張本人。
頭が相当狂っているため「HAHAHA!!」と笑い発言も厨二臭い上に常時フル勃起*1していたりと、機能特化の中でも恥さらしの扱い*2。
"異形の肺"と言われる特殊な肺に取り込んだ空気を全身に送ることにより、かまいたちを起こしジェット噴射の様に空を飛ぶ姿は正にRipper=Hopper。
生前は倫敦の下水道を住処としていた名前すら持たない犯罪者。下水道という劣悪な環境で暮らす過程で常人以上に発達した肺を得た。
強盗や殺人を繰り返し生きていたものの、あまりに盗み、殺しすぎたため周辺住民に私刑された結果、命を落とす。しかしその優れた肺を見出され呼吸機能特化型に選ばれた。
漠然とした記憶の中でも、生前の名も無く誰にも知られずに殺された惨めな"終わり"に納得いかず、自らの存在の証明の為に凶行に走るように至った。
ジャックによる五人目の犠牲者であるメアリー=ケリーが人造人間として蘇ったのをその肺で感知、再び惨殺するためにメアリーの前に現れ、同じくメアリーを追っていたヒューリーと対峙する。最初は機能特化型の格の違いを見せつけヒューリーを圧倒していたが、ヒューリーが機能特化型の力に目覚めたため徐々に形勢が逆転されていく。それでも倫敦の下水道という地の利を活かしてヒューリーを追い詰めるものの、ヒューリーの予想以上の猛攻の前に敗北。
機能が停止する間際でも六人目の犠牲者を出そうと足掻くものの失敗。しかし最期は「切り裂きジャック」として世に自らの存在を知らしめたことに満足し、更には「切り裂きジャック」事件を迷宮入りさせて自分を永遠の存在とすべく、自爆して果てた。
スカベンジャー=ベービ(ドライ)
消化機能特化型人造人間。没年齢不明*3
普段から気怠い感じで常に腹が減っている様で、よく「腹減った」と呟いている。
触手のような消化器官を口から吐き出し目につくもの全てを喰い尽くす悪食家。胃の中に寄生蟲型人造人間の擬似卵を大量に内包し、大量に喰らうための大回蟲、細かく噛み砕くための糸蟲群、そして大量殺戮用の巨回蟲を必要に応じて吐き出し喰らい尽くす。
普段表立って行動しているイケメンは言わば影武者の様な存在で、複数体存在している。
本体は腹を空かせた節制の無い子供で、消化器官の内部に隠れている。
子供であるため物事の判断基準は美味しい食べ物をくれるかどうかであり、本体が発見されお菓子で懐柔された。以後はアバーのおっさんなどから「スカ坊」と呼ばれている。
最終決戦まで一向に帯同し、死体卿の死溜りを食いつくそうとしたが、死溜りがスカベンジャーの消化速度を上回る速度で捕食・同化してきたため、消化器官を逆に取り込まれて機能停止した。
ムスケル=ウンゲホイヤー(フィーア)
筋力機能特化型人造人間。35歳没
"筋肉の怪物"という名前の通り全身を屈強な筋肉で固めた大男の人造人間。
強敵との一対一の闘いを至上の喜びとし、そのために闘いの邪魔になる大量のドラゴン型の人造人間を殲滅し、図らずとも闘いに割って入ってしまった子供たちや弱者を躊躇なく殺そうとする典型的な戦闘狂。
生前はポーラールート最強の戦士であらゆる敵からポーラールートを守ってきたが、徐々に守ることから闘うことに目的が変わっていったため生前から戦闘狂であったようである。
無尽蔵に伸びる自慢の筋肉繊維を自在に操り体を如何なる形状にでも変化することが出来、初登場時には自らを巨大な拳と化して敵と対峙もした。
相手の能力を冷静に分析し、自分の能力との共通点や差異から必勝法を見つけ出そうとするなど、脳味噌まで筋力機能特化型というわけではない知的な面も見せる。
ジョン=ドゥと、ひいてはその中の真の存在と一騎打ちをするためにジョンの前に立ちはだかる。同じ機能特化型による性能の差異を考慮した闘いから徐々に優勢に立ちながらも闘いを愉しんでいたが、途中で弱者が闘いに水を差したことに怒り弱者を問答無用に殺害する。しかしそれがジョンの怒りに触れ、更に想定を遥かに上回るジョンの機能特化の力の前に完敗。
闘いに敗れ頭部と電極のみ残る状態となり、ジョンに自身の体の保全を提案し、修繕したいつの日かの再戦に想いを馳せたが、非道な振る舞いの報いとしてジョンによって踏み潰されて完全に破壊された。
タイガーリリィ=コフィン(フュンフ)
感覚機能特化型人造人間。18歳没
額の三つ目の瞳が特徴的な女性の人造人間。
普段から死体卿の補佐的役割を務めており、事実上ブリッツ=ブルーダーのNo.2の立場にいる。長らく死体卿に仕え自分が死体卿にとってのNo.1という自負を持つ。
感覚端末を遠隔操作して遠くの風景を映し出したり、相手を錯乱させる光彩点滅催眠など、直接戦闘より補助や絡め手で攻める方が得意。
並みの人造人間なら瞬殺出来るが他の特化型に比べれば戦闘能力が低く、誕生当初は特化型の能力を使った攻撃手段が皆無であった。
死体卿の改造により後付けで攻撃機能を与えられており、額の瞳から放つ光速視線が唯一の攻撃手段となる。瞳の中をガルバーニ電流で高圧状態にし、そこから一気にエネルギーを放って敵を撃ち抜くもので、威力はそれなりだが視線がそのまま照準となるため照準から射撃までのタイムラグが皆無。また光線であるため発射即着弾であり事実上回避は不可能といってよい。しかし瞳に過剰な負荷を掛けるため一発撃つごとに額の眼球を交換する必要があるほか、使用中は感覚端末が使えないという欠点を持つ。
生前はポーラールートの中でも代々人造人間になる素材を輩出してきた家柄の娘で、人造人間の素体として選ばれ命を落とした。生前は純朴そうな娘だったが、人造人間化して記憶を失ったことで性格が豹変し、現在のようなキツそうな性格になった。キツイ性格であるが(額の瞳を晒したまま)倫敦の街中でケーキを食べたり、成り行きでアバーのオッサンのパンツ一丁+ネクタイと言う姿を見たときには取り乱すなど没年齢である18歳相応の反応も。
倫敦での登場以降人間側の情勢とブリッツ=ブルーダー側の情勢の取次役としての立場が多い分他の究極体の中でも出番が多い。
ポーラルート編では上記の四体が破壊、篭絡されてから死体卿の砦として光速視線を以て一向に立ちはだかる。しかしアバーのオッサンの奮闘によりジョンの接近を許してしまう。
尚も感覚をフル活用して一行を迎えようとするものの、そこで自らの記憶と感情が全て偽りであるとDr.リヒターによって暴かれる。実際は目覚めてからまだ1年しか経過しておらず、目覚めた瞬間に光彩点滅催眠をかけられ死体卿に心を預けるように仕組まれたに過ぎない。
今まで自分が信じてきたものが全て嘘偽りと解ったとしても、その時に感じた夢心地は幸せだったと言い切り大泣きしながらジョンに光彩点滅催眠をかけて精神の崩壊を試みる。が、元々精神がぶっ壊れているジョンには一切効かなかった。
逆にジョンに額のセンターアイと片方のプラグボルトを破壊され、即死には至らないが修復不可能となる致命的なダメージを負い、泣きながら逃亡。
その後は生前の記憶が蘇って廃屋となった生家に辿り着き、生前の記憶を「他人の記憶を見ているみたいだ」と人造人間としての自分と人間の頃の自分のギャップに戸惑っていた。
ピーベリーが現れても最期まで「人造人間」タイガーリリィとして振る舞い続け、生前の純朴な顔こそ見せなかったが、「自分が悪い人造人間になったら先生の手で殺してほしい」と言う生前の約束を思い出してピーベリーに介錯を頼み、自らの意志で果てた。
ジョン=ドゥ(ゼクス)
血液機能特化型人造人間。
本作の主人公の一人。
胸部と掌に刻まれた傷跡と瞳がない右目が特徴の"化外の心臓"を持つ人造人間。自分の名前、過去、正体等全てを忘れており、ジョン=ドゥという名前も名無しの権兵衛を意味する。
だが本人自身は自らの過去はどうでもよくオマケの様な人生を愉しめれば良いらしく、現在は報酬のために人造人間専門の殺し屋ならぬ"壊し屋"を生業としている。最終回で報酬が"美しい女性の死体"であると明かされる。
志々雄真実のリボーンキャラであるため性格は傲岸不遜で唯我独尊。しかし懐は深く、泣いている子供達を慰めることもあれば、目の前で弱者が理不尽の殺されると静かながらも激しく怒るなど決して根っからの悪人というわけではない。
荊の十字と称されている予め体に設けた傷口から血液を噴出し相手を破壊、倫敦の下水道を満たす程の大量の血液を放出し下水道にいた数百もの人造人間を殲滅、赤血球を瞬間的に圧縮及び密集させ運動新機能を一時的に向上、血小板を超硬化させて盾を形成、更に血であれば如何なる血でも吸収し自分のものにできるため、斃した相手の血を吸収する事により半永久的に闘うことが出来たりと、血液をあらゆることに使えるため機能特化型の中でも最強と言われている。
機能特化として調整される前から人造人間であり、その時は馬鹿ではあるが気は優しくて力持ちで誰からも好かれる好漢だった。しかも人間の花嫁とやることやってるリア充。因みに立場は同作者の旧主人公と同じく専業主夫なのでヒモやNEETではない。その旧作の主人公は次回作で正式にNEET扱いされたが
Mit freundlichen GrüBen von Viktor Frankenstein"ヴィクター=フランケンシュタインより魂を込めて"
しかしその正体は百年前ヴィクター=フランケンシュタインよって造られた最初の人造人間ザ・ワンそのものである。
その力は機能特化型ですらも歯が立たないほどであり、ザ・ワンが暴走したことによりポーラルートは人造人間の理想郷から暗黒郷へと変容していく。ザ・ワンが再びジョンの中へと封印された後は百年経過しても鼓動する心臓を持っていたため再調整され血液機能特化型となった。しかしその際に機動暴走を起こし長らく行方を暗ます。
ポーラールート編以降では徐々に記憶が蘇る描写があり、その際には普段は無いはずの右目が現れる。
本編初登場時は冷血だった性格も、生前の記憶を取り戻すに連れて情の深さを見せるようになっていった。
最終決戦では死体卿の特化能力の前に圧倒されるが、ヒューリーによって本体の脳だけの状態になるまで焼き尽くされた死体卿がピーベリーを取り込もうとする所を、嘗ての自分の「花嫁」を守るかのように自身の最後の機能特化能力である"白血球機能特化"により死体卿の細胞を全て消滅させた。
最終決戦後は唯一完全な生存を果たし、ヒューリーの依頼を受けて「花嫁」であるピーベリーと2人で人造人間破壊の旅に出た。
本作品の雛形であり武装錬金10巻に収録された読み切り版の『DEAD BODY and BRIDE』から登場。基本的な性格や設定は既にこの頃から形成されているが、連載版に比べて文字通り冷血という印象が強い。
和服を着たボクっ娘がいたような気がしたが、きっと気のせいだから忘れよう。
あと、武装錬金のアニメに少しだけ登場した。
エルム=L=レネゲイド(ズィーベン)
皮膚機能特化型人造人間。13歳没
本作のヒロインの一人。
ゴスロリ衣装を着た幼女。性格は純真無垢で天真爛漫、というよりもアホな子。だが彼女の笑顔が暗く重苦しい作風の本作における一種の清涼剤となっている。
生前はDr.リヒターの息子であるアシュヒトの恋人。
上記のジョンが機能特化として再調整中に起動暴走を起こした際、ジョンに殺されてしまったが、人造人間になったエルムを再び人間に戻すというアシュヒトの意思により人造人間となる。
皮膚を自在に調整することにより、衝撃の吸収や外傷部分の脱皮による自己修復が出来できる。衣服も皮膚細胞を織り込んで作られており、衣服の破損は皮膚の損傷と認識され自動修復される。皮膚の一部である爪や髪の毛は攻撃に転用することも可能。また真空圧着が地味に凶悪な性能であり、カタヴェリックの顔に手を張り付けてそのまま引っ張るだけでカタヴェリックの皮膚は強引に剥ぎ取られ、カタヴェリックは大ダメージを受けていた。
生前は御淑やかな性格であったが人造人間になった後は性格が全く異なるため、両親からは勘当され、アシュヒトにも人造人間のエルムは人間のエルムを蘇らせる手段としか思われていない。
入れ知恵された形だが、エルム=L=レネゲイドは"人間のエルム"と"人造人間のエルム"の二人が存在し、運命の悪戯でどちらかしか起きていられないと考えている。アシュヒトが会いたいのは人間のエルムということも知るが、そのためには自分が長い眠りにつかねばならないとも考えており、アシュヒトのためにも自分はどうすべきかと思い悩む。
と、いう話だったのだが・・・
実は彼女は人間のエルム=L=レネゲイドを人造人間にした存在ではない。
人間のエルム=L=レネゲイドの遺体は手の施しようがない状態であったためDr.リヒターが永遠の命の法を確立させるまで秘匿にされていた。
しかしそれではその前にアシュヒトがエルムを亡くした悲しみで崩壊してしまう。自身の理想の楽園には家族であるアシュヒトは必要不可欠。そこで、アシュヒトが生きるための楔としてエルム=L=レネゲイドと姿形が全く変わらない瓜二つの存在として創られたのが人造人間ズィーベンであった。数千個の人体部分を元に創られた人造人間であるため元の人間と呼べる存在がいない"虚無"の存在。故にアシュヒトはエルムを亡くして十年間虚無の人形と過ごしていたことになる
エルムの遺体と邂逅したアシュヒトとズィーベン。アシュヒトの中で様々な想いが巡る一方、ズィーベンはエルムの遺体と会えて大喜び。
呆気に取られるゲバルトとアシュヒトをよそに、ズィーベン曰く夢の中で人間のエルムとお話をしており、人間のエルムがアシュヒトと会いたいこと、アシュヒトも人間のエルムと会いたいことを理解していた。だから二人のために今度は人間のエルムの代わりに自分が長い眠りにつくことを泣きじゃくりながら笑顔で受け入れた。
そのズィーベンの姿を見たアシュヒトは、目の前にいる人造人間が虚無の人形ではなく、十年共に過ごしたことで育まれた記憶と魂をもつ「人造人間 エルム=L=レネゲイド」であると確信し、同時に人間のエルムとは既に同じ歳月を歩むことは出来ないことも理解する。
ゲバルトはズィーベンの言ってることがサッパリ理解出来ず、お役御免になったズィーベンを始末しようとしたが、アシュヒトは鋼鉄の腕を構える。ゲバルトはアシュヒトが自らの手でズィーベンを始末すると思い喜んだが・・・
エルムは私の人造人間です
鋼鉄の腕が撃ちぬいたのは母ダリアと人間のエルムを保管していた機械であった。アシュヒトが選んだのは、「人造人間のエルム」であり、
「過ちは過ちのままにすること」であること、そして「人間のエルムは死んでしまった過去の存在」と言う答えであった。
すなわち、永遠の命の法など存在するべきではないと言う考えであり、保管されたエルムと母の遺体を破壊し人造人間のエルムと共にこれからも生きていく道を選んだ。
また、最終話では非情な事実が判明する・・・
初登場時からよく疲れて眠る描写があり、最終決戦の頃には疲れて眠ってしまう回数が増えていた。
本人曰く、このときはいつも夢の中で人間のエルムとお話ししていたらしい。
最終話にてピーベリーが診断を行った結果、睡眠時間の増加はエルムの体にガタが来ているためだと判明した。
エルムには素体となる人間がいない寄せ集めの身体で構造が脆弱である上、
特化型は身体への負担が大きい精密精緻でハイパワーな機能であるため、
身体は徐々に傷みが蓄積するようになり、傷んだ身体には特化型の機能が徐々に負担を増やすこととなり、
それに伴い睡眠時間が日に日に増加していたのだと言う。
最終話でピーベリーの下した診断は「調整を施しても大きな改善は見込めず、やがてエルムは夢の中で永遠の眠りにつく」即ち余命宣告であった。
しかしアシュヒトはエルムの夢の中には人間のエルムがいるため何も心配は要らないと、
晴れやかな顔で宣告を素直に受け入れ、エルムの最期を見届けるためずっと彼女の側にいることを決意するのであった。
読み切り2作目である『DEAD BODY and LOVER』*4からアシュヒトと共に登場。皮膚機能の能力が本編と若干異なる点はあるが、こちらもジョンと同じく基本的な性格や設定はこの頃から形成されている。
トート=シャッテン(アハト)
再生機能特化型人造人間
本作のラスボス
”死体卿”として数多の人造人間を従える「フランケンシュタインの怪物の魂と遺志を受け継ぐ夜会(ブリッツ=ブルーダー)」の統率。誰よりも何よりも死体を愛する世界一の死体愛好家。
全身をDr.リヒターが発見した人体を形成する全ての細胞の源となる万能細胞で形成されており、たとえ肉片の一欠片までバラバラにされても再生し、"死溜まり"と称す細胞が他の細胞を取り組むことにより自身をも複製、更には他の究極体の身体機能をコピーして使用も可能。その機能故に弱点でもある電極を頭に固定する必要もなく、倒すためには一瞬で全ての細胞を破壊しなくてはならないと弱点も皆無に等しいと、正に究極を凌ぐ究極態。
その他、ポーラールートに帰還後リヒターの手により新機能"人造細胞(バクテリアフランケン)"を追加され、ポーラールートで実験用として飼われていた大量の人間を皆殺しにし、その死体の細胞でおぞましい化物を創り出すなど、存在そのものが生きとし生ける者全てに対し"死の影(Tod Schatten)"を付きまとわせる存在である。
数多の人造人間を従わせる程の圧倒的なカリスマ性と凄味を醸し出すが、生前のその正体は自分に対し強いコンプレックスを抱いていた被害妄想の激しい卑屈な少年であった。
生前の頃から死体を異常なまでに溺愛し、人造人間の創造も天才の称される程に卓越しており、その手腕を買われDr.リヒターの助手を務めていた頃もあった。
その反面生きている人間や人の温もりが大嫌いで、自分に優しく接して家族として迎えてくれた一家を惨殺したこともある。
彼がこれ程人造人間を愛するようになったのは、自分が嫌いという自己嫌悪の感情が人間嫌いに肥大し、人間嫌いの感情がやがて死体である人造人間を愛する感情へと変化していったため。そしてそれらの負の感情から自身も人造人間になり、生きた人間のいない人造人間の”楽園(パラダイス)”を築くことを羨望するようになる。
生前の自分の顔と体が嫌いなため、人造人間であるが元の身体からは人造人間の理想に満ちた脳と、負の要素で濁ったかのような瞳しか使われおらずそれ以外は全てすげ替えた。そのため生前との姿が大きく異なる。
最終決戦では自身の再生機能、他の特化型の機能をコピーしジョンすらも圧倒。ジョンの能力を奪おうとするものの、異形を取り込んだヒューリーと死闘を繰り広げる。最終的にはヒューリーの膨大な電流によって全身のほとんどが焼き尽くされる。本体である脳と電極のみ辛うじて生き残りピーベリーを取り込もうとするものの、ジョンの最後の機能特化の能力によって消滅していく。徐々に消滅していく中、死への恐怖から醜い命乞いをしながら完全に消滅していった。誰よりも何よりも死体を愛していたが"死"そのものは愛していなかったのである。
ジョン=ドゥと同じく『DEAD BODY and BRIDE』に登場。この時は人造人間ではなく、死体愛好家のただの人間。本編のような圧倒的な力もカリスマ性もないへたれで、同じく読み切り版から登場するジョンやエルムと比べると、容姿と死体愛好家という設定は以外は完全に別キャラと考え差し支えがない。
ヒューリー=フラットライナー(ノイン)
本編ではしばし、究極の8体に次ぐ究極の9体目として扱われる。
厳密には究極の8体ではなく、同じ技術を用いて創られた腹違いの究極体である。
上記8体に匹敵する存在であるため、こちらに記載する。
運動神経特化型人造人間。18歳没
本作の主人公の一人。
過去に人造人間に家族を殺されて以来人造人間に対し激しい怒りと憎悪を抱くようになる。
成長した後に仇である人造人間を刺し違える形で斃したものの自身も死亡してしまう。しかしその人造人間に対する怒りと憎悪を見出され、嘗てDr.リヒターの助手であったDr.ピーベリーによってリヒター家に伝わる技術を用いて対人造人間用の人造人間として蘇る。
創造主が異なるため、電極の形と位置が異なり喉に心電図の様な電極を有する。
元が気前の良い田舎兄ちゃんで生前の記憶と性格が殆ど保たれているため、怒ってないときはかなりマトモ。
しかしひとたび人造人間への怒りの感情に支配されれば文字通り"怒り狂って"暴走気味になる。
アバーのおっさんが体を張って必死になだめたときは、「人としての情はないのか(大意)」との言葉が深く刺さり、アバーのおっさんへ大ダメージを与えるのと引き換えに一度だけ暴走状態から落ち着きを取り戻したが、本人もどうにかこうにか冷静さを取り戻していたという状況であった。
性格が比較的マトモとはいえやはり狂っており、アバーのおっさんが制止できたほうがむしろ奇跡と言って良いレベルである。
自分を含む全ての人造人間を否定しているため、死体卿からすらも最も狂った人造人間として排除の対象とされている。
なお、人造人間に対して怒るのは人造人間が人を殺すなどの凶行に走るためであり、人造人間を見ただけで怒り出すわけではない。
アバーのおっさんになだめられた後は人造人間メアリに怒りの情を差し向けることはなく、後から正体に気づいたエルムに対しても手を出すことはなかった。
見た目は普通の人造人間だが、生体電流で運動能力を超強化しており、人間離れした運動性能を持っている。雷と見紛う程の膨大かつ強力な生体電流の放電で電気のマフラーを首の周りに形成し、マフラーがなびく範囲であれば目にも留まらぬ速さで移動し攻撃する。更に膨大な電流をガルバーニ電流に変換し、体を切り落とされても電流で体を繋ぎ止め、その体力が続く限り戦闘を継続することが出来る。
リッパー=ホッパー、エグゾスケルトンとの連戦の後に身体が大破してしまうが、その身体に他の8体に倣って身体に異形を取り込むべく、ピーベリーの手で強化改造が行われた。
僅かに残るは魂一つ!! 使い果たしてこそ!!!
物語もクライマックスも目前で、死体卿がジョンにトドメを刺し能力を奪おうとするその刹那に"運動神経機能特特化型・改"として再び現れる。肉体が歪な形になったわけではなく、一見するとどこに異形が取り込まれたのか不明であったが、衣装の下はというと頭以外は全て超々高圧電流で形成された雷そのものという、「見た目」ではなく「中身」が異形と化した状態であった。
その膨大な電流で死体卿の万能細胞を全て焼き尽くし勝利を収めるものの、自身も限界を迎える。体が電流である上、電力がなければ人造人間の体は動かせないため、電力が尽きたときには体が失われ機能停止に陥るのであった。機能停止の直前にジョンに「全ての人造人間の破壊」を依頼し、アシュヒトとアバーのおっさんにそれぞれ遺言を託し、直後に完全に機能が停止し安らかな死を迎える。その死に際の表情は穏やかな笑顔を浮かべていた。
余談としてジャンプSQ.創刊時の表紙を飾ったのは彼である。
全ての闘いを終えた後に究極の8体の遺体の一部、ヒューリーの遺品は、ジュビロ伯爵が管理する犯罪に関する物品を収蔵している「黒博物館」に管理されていることが最終回で明かされる。これは作者の盟友である藤田和日郎の作品「黒博物館スプリンガルド」とのコラボである。
アニヲタWikiが如何なコトになろうと 私の追記・修正は何一つ変わりはしない
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▷ コメント欄
- リトル・ロゼってやっぱ死んでるんだろうか -- 名無しさん (2014-07-26 18:01:47)
- 死体卿は確か再生特化 -- 名無しさん (2014-11-18 19:48:49)
- ↑×2 存在してないんじゃないか?世界観も違うみたいだし。 -- 名無しさん (2014-11-18 23:02:21)
- トートってどうやって破壊すればいいんだよ? あの機能からしてお約束の燃料切れとかは無さそうだし・・・ -- 名無しさん (2014-11-23 21:54:28)
- ↑細かくしてヒューリーの電撃で細胞死滅させるか橋の下の池に落とせばなんとかなりそう -- 名無しさん (2014-11-24 02:26:47)
- リッパーの声が檜山で再生されるのは私だけではないハズ。 -- 名無しさん (2014-12-06 13:32:42)
- 一応電極を破壊すれば、というのは他と同じなのだが、トートの場合別に頭に電極を配置する必要はないのでどこを破壊すればいいのかわからない。「そうだ全部いっぺんにw」 -- 名無しさん (2014-12-06 17:11:38)
- ↑ 精神を破壊すれば良い。タイガーリリィをNo.2にしたのも自分の天敵となり得るからじゃね? 実際、フラグは成立してるよね……。 -- 名無しさん (2014-12-09 20:25:18)
- 今月号で、所詮は有機物なので全部焼けば再生不可能と明かされた。なんというか身も蓋もない・・・ -- 名無しさん (2015-02-08 20:26:18)
- 頭部以外全部高圧電流とか意味分からんのだがw -- 名無しさん (2015-02-08 20:35:07)
- ↑↑問題はあの巨体を焼き尽くせるだけの火力をどうやって用意するかなんだよな…… -- 名無しさん (2015-02-08 21:56:43)
- ↑3 烈火の炎でもなかなかトドメさせないのがいて焼き尽くせばいいって結論づけてたな -- 名無しさん (2015-02-11 08:51:48)
- まあ不死身の化物を倒すには溶鉱炉に叩き込むしかないと相場が決まってるからね、アメリカ的に -- 名無しさん (2015-02-11 09:13:13)
- でも不死身の存在を倒すのは焼き尽くせば良いという考えは、武装錬金の対激戦に比べれば見劣りするよなぁ… -- 名無しさん (2015-02-12 12:37:37)
- ↑激戦は持ってる限り自己修復できるからなぁ… -- 名無しさん (2015-02-12 16:16:44)
- ↑おまけに武装錬金ごと使い手粉々にしても復活するというチートっぷりwww なぜ巨大ヴィクター戦でメインにしなかったのか!! -- 名無しさん (2015-03-29 20:51:30)
- ↑エネルギードレインとは相性が悪いからなぁ。あいつダイレクトにエネルギーを吸収してきて傷つけずに倒せるからな -- 名無しさん (2015-03-31 13:11:39)
- 改造された後のヒューリーの活躍がもう少しあればなぁ… -- 名無しさん (2015-04-05 00:07:49)
- あの性質上一度くらいしか戦えなかったとはいえ活躍はもうちょい作ってほしかった -- 名無しさん (2015-04-11 03:28:38)
- そういえば最終巻の10巻にジョンと死体卿、あと今まで書いてなかったスカベンジャーのキャラクタープロフィール無いんだよな。地味にショック。 -- 名無しさん (2015-05-06 21:47:10)
- リトル・ロゼno -- 名無しさん (2015-06-12 07:23:52)
- ↑失敗。リトル・ロゼの正体はフランケンシュタインになったピーベリーとか -- 名無しさん (2015-06-12 07:23:42)
- 創造主の項目でお互いに泡吹き出して死亡してて笑った -- 名無しさん (2015-06-19 14:19:33)
- 死体卿「STAP細胞はありまぁす」 -- 名無しさん (2015-11-07 13:07:51)
- トート=シャッテンもトートー死んだか。 -- 名無しさん (2016-01-19 02:12:27)
- 単行本で和月先生は「自分はトートほどじゃないけど自分嫌いでした」というコメントがあったが、間違いなく先生はトート以上に自分嫌いの勘定が激しかったと思う。 -- 名無しさん (2016-03-08 21:01:43)
- 「罵ってください」 -- 名無しさん (2016-11-01 23:17:33)
#comment
*2 もっとも人造人間同士は立場や地位の概念は薄く、恥さらし扱いしたのもリリー個人的な感情が強い。
*3 作者がスカベンジャーについてのキャラクタープロフィールを単行本で掲載することがなかった。
*4 現状単行本未収録作品。
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