登録日:2012/09/08 Sat 02:47:57
更新日:2023/11/20 Mon 11:05:36NEW!
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ゲーム アプリ rpg ローグライク 泉八郎 クトゥルフ神話 夢魔シリーズ 衝撃のラスボス ホープムーン 夢魔の天蓋
我は万能の臓器
ふつふつと脈打ちて
永久の悪夢にまどろみ
星をもはらむ胎盤とならん
HOPEMOONが2005年に発売した携帯電話(ガラケー)用ゲームアプリ。
ファンから『夢魔シリーズ』と呼ばれる一連の作品群の第一作で、シナリオを担当した泉八郎の名を世に知らしめることとなった記念すべき作品。
キャラクターデザインは2012年現在カプ本でミニモンハンを連載している輝竜司。
絵自体は、ひと頃コンビニに置いてた幻想世界武器事典(笠倉出版)の表紙で見たことのある人も多いだろう。
本作でも世界観に合ったデザインで評価が高い。
当時の携帯アプリ市場では異端とも言えるほどの世界観を重視した作りに魅了され、泉八郎自身のファンとなったユーザーも多い。
第3.5世代機の出始めの頃の作品のため最新機種には対応していないが、今なお続編を望む声が多い作品である。
【ストーリー】
主人公ジン・レイカーは魔術師である。
彼は、自身の魔術の師であり、かつて妻と娘を異界の神の生贄に差し出すことで人の身を捨てて強大な力を得た父、ジャッジマン・レイカーを追っていた。
己の眼前で捻くれ、弾け、断末魔を残して消えた母と妹。
その姿と声を己の五感に刻み、同時に異形と化した左手を抱えて、彼は、今なお多次元宇宙と現世を繋ぐ『門』を創造し続ける父の凶行を止め、そして母と妹の復讐を果たすべく、独り暗い旅路を往いていた。
そんな彼に、父のかつての盟友であるノーマン教授を通じ『バチカン奇跡認定委員会』からの依頼が舞い込む。
アメリカ国内に突如出現したという『門』の情報の陰に父の存在を感じたジンは、単身『異界の門』へと身を投じるのだった。
【システム・設定】
全体的に同社の過去作『機神伝STRIKE-G-』を踏襲したターン制のダンジョンRPG。
『門』によって現界と繋がってしまった『異界』の調査と封鎖のため、縦5マスx横7マスのマップを1画面とし、碁盤目状に配置された最大25のマップを探索する。
門の中は何重もの階層に分かれており、浅いもので10階層、深いものでは35もの階層が存在する。
門はいつでも離脱可能かつ何度でも再潜入できるので、自身及び武器の強化を繰り返しながら、これを攻略していくことになる。
異界には『帰依者』と呼ばれる怪物が棲み着いており、ジンの行く手に立ち塞がる。
途中の階層には門の構成を支配する強力な帰依者(要するに中ボス)が存在していて、これを倒すことで門の一部を掌握し、再潜入時にそこから進めることができる。
そして最深層にいる門の中核たる帰依者(要するに大ボス)を倒すことで、門全体を自身の支配下におくことが出来るのである。
ジンは通常の近接武器と銃器のほか、それらに帰依者の体の一部を用いて魔術的な回路を組み込んだ『魔器』を用いて戦う。
全ての魔器は通常武器よりも強力だが、こちらは強い物ほど多くの精神力を消費するため、MPが切れると近・遠距離双方の武器が使用できなくなる。
ジン自体の能力は、敵を倒して得られる経験値でHP、MP、筋力、防御力、反射能力、格闘攻撃力、射撃攻撃力の各パラメータごとに最大Lv8まで強化できる。
どれから育てるかは好みだが、最終的に全て8まで上げないとやってられないのはご想像の通り。
なお、敵を倒してもお金は手に入らない(異次元なのに現金持ってたら怖いだろ?)が、時折宝石を落とすことがある。
宝石は敵以外にも異界内に点在する水晶(魔素の結晶)を破壊しても時々出てくるので、これを売却することで金銭を得ることが出来る。
というか、これが唯一稼ぐ方法である。
しかしすべてのアイテムは同時に1つずつしか持てないので、序盤のうちはひたすら水晶壊して脱出する作業。
ダンジョンは全部で3箇所しかなく、一つのダンジョンを攻略するのにも割と時間を食う。
かつ同じアイテムを何度も買ったりと作業感が強めなので、ゲーム自体より合間の会話を楽しめるかどうかが重要である。
【登場人物】
今度こそ、この悪夢を、終わらせてやる。
■ジン・レイカー
本作の主人公。32歳。
母と妹、そして自身の左手を犠牲に『太祖』と化した父を追う魔術師。
他人を信じず徒党を組むことを嫌うため、身内以外の名前はすぐに忘れる。
彼の左手は普段は術で封印されているが、実態は異世界と繋がった『宝鍵』と呼ばれる魔術の発動媒体となっていて、
複雑で強力な術式を他の魔術師には不可能な速度で発動することが出来る。
書の普遍性が魔力を産む。NETではこうは行くまい。
■ノーマン教授
本名ノーマン・アトキンス。63歳。
ジンの父の友人であり、かつてはミスカトニック大学で教鞭を執っていた知的で御洒落な老紳士。
長年異界からの侵略への対抗手段を模索してきた。
現在は膨大な書籍と無数の著作を所蔵した私設図書館を管理しており、第一線からは退いている。
第三作夢幻舞葬モンストラバルツの主人公でもある。
素人の私にも解ります。ここは‥危険すぎます。
■ウェンディ・クイン
ジンのもとに派遣されたバチカン奇跡認定委員会のエージェント。26歳。
事務処理能力が非常に高く、異界調査にあたって必要となる武器等の調達場所や医療施設の手配、周辺警察への根回し、マスコミ対策などを一手に引き受ける。
あまり感情を表に出さない冷静な人物だが、エージェントにもかかわらず霊能や魔術の素養を持っていない、本作の登場人物で唯一の一般人でもある。
ふうん‥おじさまは私を自分の物にしたいの?
■森の少女・エイダ
ミシシッピー州の山林に現れた門の内部で出会う少女。10歳前後。
金木犀のような濃密な花の香りを纏い、度々ジンの前に現れる。
‥パーティだ‥そうだ、そうですよダンナ。
■遺跡の男・アーデン
ケンタッキー州の謎の遺跡に現れる20代後半の黒人男性。
ジンの素性や遺跡の秘密を知っており、狂気を孕んだ軽薄な言動で彼を惑わす。
■ジャッジマン・レイカー
ジンの父、だったもの。
元は大柄で優しげな50代後半の白人男性だったが、魔術に魅せられ、ある時思いついたように人であることをやめた。
既に知性は無く、夜闇をわたりながら各地に異界を招く門を開き続けている。
【用語】
■凪の星
見えざる星幽の流星。
霊能を持つ者にのみ見え、その上に降り注ぐ。
凪の星は、地球周期で約100年毎に数個がこの星に至る。
■星渡の太祖
凪の星をその身に受けた存在の通称。
異形の身体と数々の超常の力を持つ。
多くの太祖は、同胞をこの星に大量に招く『異界の門』を製作する為の生物となる。
■異界の門
太祖より作り出される異次元。
通常の手段では出入りが出来ない。
ここに取り込まれた生物の多くは、帰依者と呼ばれる異形の生物となる。
■魔素
生物の精神に過敏に反応する元素。
太祖の体組織に多量に含まれている。
■帰依者
異界の門の魔素に心身を侵され、超常の力を持つ異形と化した存在。
■魔術
人としての意思を失わなかった古代の太祖により編み出されたという技術。
主に魔素の人工的な生成と、それを利用した超常的な現象の再現などが可能。
【余談】
世界観は全体的に暗くシリアスなものの、当初は対応機種のスペックも低く、特に戦闘シーンでグラフィックの粗さからくるギャップが目立っていた。
docomo版のみ2007年に刷新され、より雰囲気に合ったものに変更となった。
プロモーション動画と実際のゲーム画面(導入部のみ)を紹介した動画が公式でyoutubeにアップロードされている。
ここまでで興味が湧いたら見てみるのもいいかもしれない。
(画面はテコ入れ前のものなので正直ショボいため、できればテキストに着目してほしい)
追記・修正お願いします。
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