登録日:2011/10/19 Wed 13:51:49
更新日:2026/10/23 Fri 18:01:03NEW!
所要時間:約 12 分で読めます
▽タグ一覧
特急 特別急行列車 鉄道 電車 ゆず 種別 jr 列車 大手私鉄 私鉄
特別急行列車とは、鉄道において、普通・準急行・急行列車よりも上位の種別である。
名前の由来は「特別」な「急行」で、一般的には「特急」と言ったほうが通りが良い。
目次
概要
日本で最初に設定されたのは1912年に新橋~下関間で運行を開始した「1列車・2列車」で、終点下関から関釜連絡船経由で中国大陸~ヨーロッパまでを結ぶ大陸連絡列車の役割を担う国際列車だった。
その後、この列車に「富士」の愛称が設定され、これも日本で最初の愛称つき列車となった。
派生種別として、L特急・新特急(どちらも消滅)があるほか、新幹線などを「超特急」と言う事がある。
英語では、「Limited Express」「Special Express」「Super Express」など表現される。
しかし、そもそも鉄道元祖のイギリスには優等列車の基本である「急行列車」自体がなく、通常「急行」と訳されるExpressの本来の意味は「途中駅を通過し、普通列車と同距離なら同料金の列車」なので、日本で言う「快速」にあたる。*1
よって、国によって意味するものがだいぶ違い、一例にオーストラリアでは基本的に「Limited Express」の方が「Express」より停車駅が多い。*2
その他、特急列車は速くて早い事から、物事を急いで行う事を「(超)特急」などと表現する場合がある。
また、あまりにも表定速度が遅いか、停車駅が多い列車は「特に急がない」と皮肉られる。
各鉄道事業者での扱い
国鉄・JR
最上位の種別で、座席指定制が原則。乗車するには、乗車券とは別に特急券が必要となる。
特急券の料金は、基本的に「A特急料金」「B特急料金」の2種類で、一部の特急にはそれとは別個の特急料金が設定される。
基本的に特急専用の車両が使われ、それ以外の列車に比べて設備が良く、指定席やグリーン車が連結されている事も多い。
ほとんどの特急は専用の車両が用意されており、JRの花形、子どもの憧れ、男のロマンといえる存在なのだ。
2016年3月で国鉄・JR最後の急行列車『はまなす』が廃止され、特別ではない急行列車が全滅したため、急行列車は料金制度に名を残すのみとなり*3、特別急行列車の一体何が『特別』なのかさっぱりわからない事態に。
2024年春以前の時点で、JRの路線があるのに在来線に定期特急列車が全く走っていない都道府県として、奈良県と広島県の2つがあった。*4
奈良県の場合、私鉄である近畿日本鉄道(近鉄)の特急が以前からかなりの高頻度で運行されており、「特急なし県」の印象はほぼない。また、JRにしても京都や大阪が近く、JR・利用客共々快速列車で十分と見なしていたという理由もあり、長らく特急は設定されていなかった。
しかし、昨今の着席需要に応えるため、実に57年ぶりとなる定期の特急列車『らくラクやまと』が2024年春から平日に運転を開始。さらに2025年春には従来から臨時列車として運行されていた『まほろば』が土休日の定期運行を開始。これにより、定期特急列車が走っていないのは広島県1つだけとなった。
同県に関しては、
- 自動車メーカーの
ロボットアニメの研究所くらいデカい本社機能が所在することもあって、いわゆる車社会の性格が強いこと - もともとJR西日本管轄エリアとしては比較的ローカル色が強いため、特急の需要が薄いこと
- 県東西の都市間連絡については、新幹線のうち各駅に停車する列車が担っていること*5
などが考えられるだろう。
私鉄
基本的に最上位の種別だが、一部事業者では、「快速特急」「快特」などのさらに上位の列車がある。また、通過する下位種別が存在する特急停車駅もある。
別料金が掛かるかどうかは、会社によってまちまち。
無料の場合は一般の通勤車両が使われる場合がある。その場合は他列車との違いが停車駅・所要時間のみとなる。
関西ではこういった無料列車でも専用の車両を用意している私鉄が多く、それらの車両の設備は有料特急には劣るものの、一般の通勤車よりはグレードが高いものとなっている。
また、名古屋鉄道(名鉄)・南海電気鉄道のように特急車と通勤車をひとつの編成に連結させ、特急車を指定席車両のようにして運転している私鉄もある。
さらに名鉄は「ミュースカイ」、南海は「ラピート」と全車指定席の有料特急も走らせている。
これに加え、名鉄では一部に特急専用車を普通や急行列車として使う運用もある。
京阪電車では特急用のクロスシート車である8000系・3000系(2代目)に「プレミアムカー」を連結し、一部座席指定有料列車として運用されている。
この他、通勤車両としても使用できる車両を「座席指定の有料列車」として、特急とは別の専用種別で走らせている列車がある。
京浜急行電鉄(京急)の「ウィング号」は2ドアクロスシート車の2100形を使用しているが、通常の快特運用でも全く同じように使用している。
上記の京阪8000系も、通常の特急運用以外に全席指定の「ライナー」を専用種別で使用している。
東武鉄道の「TJライナー」、西武鉄道の「S-TRAIN」、京王電鉄の「京王ライナー」はロングシート・クロスシート切り替え機能を装備しており、専用列車以外ではロングシートで他の通勤車両と同じように使用されている。また、京急の「ウィング号」には同様の装備を持った1000形の1890番台が使用される。
いろいろな特急
- 快速特急/快特
特急の上位種で、京浜急行電鉄、京成電鉄、名古屋鉄道、阪急電鉄、京阪電気鉄道に存在。
特急という種別へ更に速さを表す冠詞「快速」を付けたもので、「快速特別急行」といえる。速さのインフレ。
通常なら特急が最上位で、下に急行や準急が続くため、特急より上は比較的珍しい。
京急は略称である「快特」が正式名称。京成も直通先の京急に合わせて「快特」を使っていたが、2010年7月17日以降は「快速特急」を正式名称として使用している。*6
阪急は土休日のみ運転の「京とれいん 洛雅」が「快速特急」として扱われており、2022年まで運行されていたは「京とれいん」は「快速特急A」扱いだった。
京阪電車は快速特急「洛楽」が運行されており、全列車が有料座席車両プレミアムカー連結となっている。
他にも京急には「通勤快特」なる種別もあった。
- 準特急
阪急電鉄に存在する種別。神戸本線と京都本線に設定されている。
神戸本線は特急停車駅に塚口と六甲が、京都本線は同停車駅に西院と大宮が加わる。
かつては京王電鉄や小田急電鉄にも設定されていた。
- 通勤特急
東急電鉄や阪急電鉄など一部の私鉄で、平日朝夕ラッシュ時のみに通常より1~3駅停車駅が多いか少ない「通勤特急」が運転されている。
「通勤」なので平日ダイヤ限定……かと思いきや、京成本線の成田空港から出る京成上野行き終電として休日ダイヤに設定されていたこともあった。
なお、阪急の通勤特急は関西の事業者では唯一「通勤」を使用する種別となっている。
JR西日本では、「らくラクはりま」・「らくラクびわこ」・「らくラクはりま」のいわゆる「らくラクシリーズ」に「通勤特急」という呼称を用いているが、これは単なるブランド名に近い。強制的に指定席、しかもA特急料金のため通常価格だけ見ると他所の有料特急と比べてバカ高いのは内緒
- 直通特急
山陽電気鉄道と阪神電気鉄道、Osaka Metroと阪急電鉄で運転されている種別。略称は「直特」。
定期列車で設定されているのは山陽~阪神のみ。
山陽・阪神の列車は赤地に白で表示される「赤直特」と、黄色地に青文字で表示される「黄色直特」があり、赤直特は神戸高速線内の西元町・大開・西代の3駅を通過する(黄色直特は神戸高速線内で各駅停車)。
また、赤直特は山陽電鉄線の起点駅である西代駅を通過し、自社運転列車が自社線の起点駅を通過する珍しい列車でもある。
さらに、阪神・山陽電車内の停車駅(甲子園・白浜の宮・荒井・滝の茶屋)も時間帯・上り下りで差異がある。
Osaka Metro・阪急は春と秋の行楽期の土日祝日に運転されており、堺筋線天下茶屋駅・神戸高速線高速神戸・宝塚線宝塚の3駅を始発として阪急嵐山駅まで運転されている。
また、関西圏の地下鉄線で通過運転をする唯一の列車でもある。
なお、鉄道以外では東京BRTで、夏と冬の大規模イベント開催時に新橋~国際展示場駅間で運行されるノンストップ便がこの種別を名乗る。
- 区間特急
一部区間で各駅に停まる種別。
阪神本線の平日朝ラッシュ時に、阪神御影~阪神梅田間で梅田行きのみ運転している。
上位種別である特急及び直通特急(以下、特急に統一)の停車しない駅に停車する、所謂「千鳥停車」をしているため、特急の停車する西宮に停車しない。
ちなみに、現ダイヤにおいて阪神線内で特急が停車し下位種別が停車しない駅は、近鉄の車体長の問題で快速急行が停車出来ない御影を除くと、西宮のみである。
2016年3月19日のダイヤ改正までは、阪神なんば線との乗り換え駅である尼崎も通過していた。
昔は各停区間以外では区間「特急」という名に恥じぬ飛ばしっぷりをしていたが、今や
▷御 影~魚 崎:特急・急行
▷魚 崎~今 津:各停(西宮は通過)
▷今 津~甲子園:急行
▷甲子園~尼 崎:特急
▷尼 崎~梅 田:急行
と特急の停車駅である区間よりも急行の停車駅である区間の方が長く、どちらかと言うと区間急行のような停車駅である。
- S特急
山陽電鉄で、下りは深夜に阪神神戸三宮発(土休日の1本は高速神戸発)山陽姫路行きが、上りは朝に高砂発阪神神戸三宮行き(土休日は東二見発阪急神戸三宮行きも)が運転されている種別。略称は「S特」。
S特急の「S」とは、「Service」「Smart」「Speedy」「Short」等の英単語の頭文字から採られたもので、一般公募により付けられた。
山陽電鉄線内で運転されている他の特急に比べ停車駅数の格差が大きく、他社における急行のような立ち位置の種別であるが、前身が通勤特急であり、この列車とは別の性格を持つ急行が山陽電鉄に“休止中”扱いで存在しているため、特急という種別を名乗っているものと思われる。準急ではダメなのか
西元町駅と舞子公園駅には、上位種別である直通特急(西元町駅は一部列車のみ)と特急が停車しているが、この列車は通過する所謂「千鳥停車」をしている。
なお、山陽電鉄本線内において、阪神線から直通してくる須磨浦公園駅・東須磨駅止まりの特急(通称:阪神特急)を除くと、現ダイヤでは唯一1本も山陽姫路駅発の列車がない種別である(2016年3月19日のダイヤ改正までは山陽姫路駅発のS特急も設定されていた)。
- 甲特急、乙特急
近鉄における特急種別だが、旅客案内には原則使用されない。
甲の方が上位で、大阪(大阪難波or大阪上本町)・京都・名古屋と名古屋・賢島間のみで走っている。
南大阪線系統と奈良線(布施~近鉄奈良間)を走る特急は一種別しかないため、全て乙特急扱いされる。
- エル特急(L特急)
国鉄が1972年から一部の特急列車に対して使用していた呼称。この認定がされた列車は、時刻表やヘッドマークに「L」を図案化した記号がつけられていた。
制定当時、増収策として急行の特急格上げによる大増発が図られており、特急列車の大衆化を図るため「数自慢・かっきり発車・自由席」をコンセプトにしたイメージ戦略の一環として「L」を冠された。
今では特急列車も庶民の足のひとつになっているが、昔々の特急列車は、政財界の要人や社長さん、重役たちの出張専用列車と言っても過言ではないほどにお高くとまった存在だった。それを転換しようとしたわけである。
なお「L」の由来はLimited Express(特急)やLiner(直行便)、あるいはLucky, Lovely, Lightの頭文字や人々に可愛がってもらえる「Little」の意味を合わせたものとされた。
しかし、特に定義があるわけではないので次第に乱発されるようになり*7、JR化後はそれぞれの会社方針でエル特急の扱いについて差が生じるようになった。
JRになった時点で既に特急列車が特別でなくなっていたこともあって各社ともエル特急の看板を外すようになり、2018年3月ダイヤ改正で最後まで使用されていた「ひだ」「しなの」「しらさぎ」から名称が外され、長い歴史に幕を閉じた。
- 新特急
国鉄が1985年3月改正から東北本線・高崎線を走る特急に使用していた呼称。特急のさらなる利用拡大を図るため、定期乗車券+自由席特急券での利用が可能であり、全車が普通車自由席という当時としては画期的な方策がとられた。
……と言えば聞こえはいいのだが、この列車群、「通な方々」からは白眼視の対象だった。何故ならこのニックネームの背後には、使用車両を含めた国鉄末期の大人の事情を満載したある意味後ろ向きな営業方針があったからである。
まず、エル特急は特急列車の大衆化という一種のブランド向上戦略だったのに対し、新特急……というか使用車両の185系電車が言うなれば「急行形のサービスレベルの車両で特急料金分捕っちゃおうぜ作戦」のせいで「増収ありきのあからさまな値上げ」と見られてしまったことがある。
なお、当時の鉄道雑誌などでは「近郊型の座席で特急料金を…」という見解も見られたが、当時の(新が付かない)特急列車では回転しないクロスシートを装備した車両も普通に使用され、リクライニングシートは少数派だった。
このため、決してサービスレベルでは劣るものではなかったと当時の国鉄担当者が語ったことがある。実際に、国鉄末期には「ひだ」「南紀」用のキハ80系が185系と同じ座席に換装されている。
さらにJRになってから快速「ラビット」や「アーバン」が運転開始され、これらの快速列車は往年の急行列車とも遜色ないスピードに設定。こうして新特急の存在意義が揺らぎ始める。「なら長距離輸送は」と言おうにも、宇都宮線にも高崎線にも新幹線が並行しているので……
分割民営化後は185系の内装をリニューアルしたものの微妙な立ち位置は相変わらずであり、2002年にJR東日本がL特急の名称を廃止した際に諸共「新特急」のニックネームも消滅。さらに列車そのものも削減傾向にある。
2025年現在、新特急の系譜にある列車は「あかぎ」と「草津・四万」があるが、前者は通勤、後者は観光輸送に特化した列車となり「新特急」の面影はない。
通過する下位種別が存在する特急停車駅の例
一部の湘南が停車するが、湘南新宿ライン特別快速は通過する。
- JR東日本 高崎線 北本駅
あかぎが停車するが、快速アーバンは通過する。
すずらんが停車するが、特別快速エアポートは通過する。
- 小田急電鉄 小田原線 成城学園前駅
東京メトロ千代田線と直通する一部の特急ロマンスカーが停車するが、快速急行は通過する。
- 京王電鉄 高尾線 京王片倉駅・山田駅・狭間駅
急行は通過する。
東海道新幹線の各駅停車に相当するこだまが停車するが、在来線は全ての快速系統種別が通過し、普通列車のみの停車である。
新幹線は特急列車の扱いであり、特に東海道新幹線は東海道線の線増として建設され、また新幹線・在来線共に同じ鉄道会社が保有しているというやや特殊な例である。
- 阪急電鉄 神戸本線・今津線 西宮北口駅
準急は通過する。
- 阪神電気鉄道 本線 西宮駅
前述の通り区間特急は通過する。
- 近畿日本鉄道 大阪線 布施駅
大阪上本町⇔鳥羽発着の一部特急が停車するが、快速急行は通過する。
なお、奈良線系統は特急・快速急行どちらも通過する。
追記・修正は超特急でお願いします。
&link_up(△)&aname(メニュー,option=nolink){メニュー}
項目変更&link_copy(text=項目コピー )&link_diff(text=項目変更点 )&link_backup()&link_upload(text= アップロードページ)
この項目が面白かったなら……\ポチッと/
#vote3(time=600,2)
[#include(name=テンプレ3)]
▷ コメント欄
*1 ただし、イギリスの法律ではExpressに三等車を入れる義務がない(普通列車は三等車必須)ので、「同じ距離を行くと(二等車以上に乗るので)最低料金が普通列車より高く、嫌でもサービスが良くなるExpress」は存在する。*2 「Limited(=限定的な) Express」すなわち「一部の区間だけExpressであとは各駅停車に戻ります」という意味。
*3 ただし、不定期に設定される臨時列車の中には急行列車として扱われるものがあり、その時に使われる。
*4 栃木県もJR直通特急は運転されているが、県内では東武線内を走る。
*5 類似事情で、東西方向の都市間連絡特急がいない都道府県として静岡県が挙げられる。
*6 快特(かい「と」く)だと、発音が快速(かい「そ」く)と紛らわしいため、2007年8月16日以降は駅構内や車内で「快速特急」とアナウンスしていた。
*7 たとえば末期は1日1往復しかなかった特急「白山」にもこのマークがついていた。
コメント
最新を表示する
NG表示方式
NGID一覧