特別急行列車

ページ名:特別急行列車

登録日:2011/10/19(水) 13:51:49
更新日:2023/08/17 Thu 15:38:51NEW!
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特別急行列車(特急列車)とは、普通・準急行・急行列車よりも上位の種別。名前の由来は「特別」な「急行」で、通称「特急」。
英語では、「Limited Express」「Special Express」「Super Express」など。



各鉄道事業者での扱い


●JR・国鉄
最上位の種別。乗車の際は、乗車券とは別に特急券が必要。特急券の料金は基本的にA特急料金とB特急料金の2種類で、一部の特急にはそれとは別個の特急料金が設定される。
基本的に特急専用の車両が使われ、それ以外の列車に比べて設備が良く、指定席やグリーン車が連結されている事も多い。
派生種別として、L特急・新特急(いずれも消滅)がある。
夜行列車としては、寝台特急がある。
また、新幹線などを「超特急」と言う事がある。


ほとんどの特急は専用の車両が用意されており、JRの花形、子どもの憧れ、男のロマンといえる存在なのだ。
2016年3月で国鉄・JR最後の急行列車・はまなすが廃止され、特別ではない急行列車が全廃される為、急行列車は料金制度に名を残すのみとなり*1、特別急行列車の一体何が『特別』なのかさっぱりわからない事態に。


JRの路線があるのに在来線に定期特急列車が全く走っていないのは奈良県広島県の2県。奈良の場合、近鉄特急がかなりの高頻度で運行されているのと京都や大阪が近く、快速電車で十分といったことが理由として考えられる。


●私鉄
別料金が掛かるかどうかは、会社によってまちまち。
無料列車には一般の通勤車両が使われる場合(京王、阪神など)がある。その場合は、他列車との違いが停車駅・所要時間のみとなる。
こういった無料列車でも専用の車両を用意している私鉄も特に関西に多く、それらの車両の設備は有料特急には劣るものの、一般の通勤車よりはグレードが高いものとなっている。
また、名鉄、南海、京阪のように特急車と通勤車をひとつの編成に連結させ、特急車を指定席車両のようにして運転している私鉄もある。
さらに名鉄は「ミュースカイ」、南海は「ラピート」という全車指定席の有料特急専用車も走らせている。
これに加え、名鉄では一部に特急専用車を普通や急行列車として使う運用もあり、非常にわかりづらい*2
京阪も特急用の2ドアクロスシート車である8000系に「プレミアムカー」を1両連結し、一部座席指定有料列車として運用されている。
この車両は「プレミアムカー」が平屋なのに対し、2階建て車両が普通車という意外な使い方をしている。


この他、通勤車両としても使用できる車両を「座席指定の有料列車」として特急とは別の専用種別で走らせている列車がある。
京浜急行の「ウィング号」は2ドアクロスシート車の2100形を使用しているが、通常の快特運用でも全く同じように使用している。
上記の京阪8000系も通常の快速特急・特急運用以外に全席指定の「ライナー」を専用種別で使用している。
東武の「TJライナー」、西武の「S-TRAIN」、京王の「京王ライナー」はロングシート・クロスシート切り替え機能を活かし、専用運用以外ではロングシートで他の通勤車両と同じように使用されている。


基本的に最上位の種別だが、一部事業者では、「快速特急」「快特」などのさらに上位の列車がある。
また、通過する下位種別が存在する特急停車駅もある(一部停車駅を含む。後述)。


  • 料金のかかる特急を走らせている私鉄

東武鉄道
小田急電鉄
東京メトロ*3
西武鉄道
富士急行
長野電鉄
富山地方鉄道
近畿日本鉄道


  • 料金のかからない特急を走らせている私鉄

京王電鉄
北総鉄道
東京急行電鉄
京浜急行電鉄
相模鉄道
京阪電気鉄道*4
阪急電鉄
阪神電鉄
山陽電気鉄道
西日本鉄道


・上記の両方を走らせている私鉄
京成電鉄
名古屋鉄道
南海電気鉄道


  • 特急とは別に座席指定の有料列車を走らせている私鉄

東急電鉄*5
東京メトロ*6
京王電鉄
東武鉄道
西武鉄道
京浜急行電鉄
京阪電気鉄道


●いろいろな特急

  • 快速特急、快特

特急の上位種。
特急という種別へ更に速さを表す冠詞「快速」を付けたもので、「快速特別急行」といえる。速さのインフレ。
普通は特急が最上位で、下に急行や準急が続くため、特急より上は比較的珍しい*7
京浜急行電鉄、京成電鉄、名古屋鉄道、阪急電鉄、京阪電気鉄道に存在。
京浜急行は略称である「快特」が正式名称。京成も直通先の京浜急行に合わせて「快特」が使用されていたが、2010年7月17日以降は「快速特急」を正式名称として使用している*8
阪急電鉄は土休日のみ運転の「京とれいん」が「快速特急A」、「京とれいん 洛雅」が「快速特急」として扱われている。
京阪電気鉄道は快速特急「洛楽」が運行されており、全列車が有料座席車両プレミアムカー連結となっている。
昔、京浜急行には「通勤快特」なる種別もあった。


  • 準特急

京王電鉄に存在する種別。
当常時は特急より停車駅が2駅多いだけだったが、2013年2月のダイヤ改定により京王線内では特急と同じ停車駅になった。
その後、2015年9月のダイヤ改正にて笹塚と千歳烏山が停車駅に加わり、再び特急より停車駅が多くなった。
一応、特急の下位で急行の上位という位置付けなのだが、高尾線内では準特急が各駅に止まるのに下位の急行には通過駅があるため、何とも微妙な位置付けになってしまっている。


  • 通勤特急

東急や阪急など一部の私鉄で平日朝夕ラッシュ時のみに通常より1~3駅停車駅が多いか少ない「通勤特急」が運転されている。
「通勤」なので平日ダイヤ限定…かと思いきや、京成本線の成田空港から出る京成上野行き終電は休日ダイヤでも運行される


  • 直通特急

山陽電鉄と阪神電鉄、大阪市営地下鉄と阪急電鉄で運転されている種別。略称は「直特」。
他社線に直通する特急列車は他の鉄道会社でも運転されているが直通特急という種別名で運転しているのはこの二組だけである。


山陽電鉄と阪神電鉄の方は定期列車で、大阪市営地下鉄と阪急電鉄の方では臨時列車として運転されている。


山陽電鉄と阪神電鉄の方では赤地に白で直通特急と書かれている通称「赤直特」と黄色地に青文字の「黄色直特」がある。
赤直特は神戸高速線内に通過駅があり、黄色直特は神戸高速線内各駅停車である。
(差は西元町駅・大開駅・西代駅の三駅。)
また、赤直特は山陽電鉄線の起点駅である西代駅を通過し、自社運転列車が自社線の起点駅を通過する珍しい列車でもある。
運転される時間により同じ種別でも停車駅にいくつかの差異がある。
(阪神線内では甲子園駅に停車するか否か、山陽電鉄線内では白浜の宮駅・荒井駅・滝の茶屋駅に停車するか否か。)
黄色直特の方はあまりにも停車駅が多いため「特に急がない」と皮肉られる事がある。


阪急電鉄とOsaka Metroで運転されているものは春と秋の行楽期の土日祝日に運転されている。
Osaka Metro堺筋線天下茶屋駅・神戸高速鉄道東西線高速神戸駅・阪急宝塚線宝塚駅~阪急嵐山駅間で運転されている。
また、関西圏の地下鉄線で通過運転をする唯一の列車でもある。
(なお、昔は神戸市営地下鉄西神・山手線でも通過運転をする快速が存在していた。)


  • 区間特急

一部区間で各駅に停まる種別。
阪神本線の平日朝ラッシュ時に阪神御影~阪神梅田間で梅田行きのみ運転している。
上位種別である特急及び直通特急(以下特急に統一)の停車しない駅に停車する所謂「千鳥停車」をしているため特急の停車する西宮駅に停車しない。
(ちなみに現ダイヤにおいて阪神線内で特急が停車し下位種別が停車しない駅は近鉄の車体長の問題で快速急行が停車出来ない御影駅を除くと西宮駅のみである。)
2016年3月19日のダイヤ改正までは阪神なんば線との乗り換え駅である尼崎駅も通過していた。
昔は各停区間以外では区間「特急」という名に恥じぬ飛ばしっぷりをしていたが、今や
御 影~魚 崎 特急・急行
魚 崎~今 津 各停(西宮は通過)
今 津~甲子園 急行
甲子園~尼 崎 特急
尼 崎~梅 田 急行
と特急の停車駅である区間よりも急行の停車駅である区間の方が長くどちらかと言うと区間急行のような停車駅である。
(なお阪神本線には区間急行が走っており、こちらは梅田~甲子園間の運転である。)


  • S特急

山陽電鉄で下りは深夜に阪神神戸三宮発(土休日の1本は高速神戸発)山陽姫路行きが、上りは朝に高砂発阪神神戸三宮行き(土休日は東二見発阪急神戸三宮行きも)が運転されている種別。略称は「S特」
S特急の「S」は「Service」「Smart」「Speedy」「Short」等の英単語の頭文字から採られたもので、一般公募により付けられた物である。
山陽電鉄線内で運転されている他の特急に比べ停車駅数の格差が大きく、他社における急行のような立ち位置の種別であるが、前身が通勤特急であり、この列車とは別の性格を持つ急行が山陽電鉄に休止中として存在しているため特急という種別を名乗っているものと思われる。
西元町駅と舞子公園駅は上位種別である直通特急(西元町駅は一部列車のみ)と特急が停車しているがこの列車は通過する所謂「千鳥停車」をしている。
なお、山陽電鉄本線内において阪神線から直通してくる須磨浦公園駅・東須磨駅止まりの特急(通称:阪神特急)を除くと現ダイヤでは唯一1本も山陽姫路駅発の列車がない種別である。
(2016年3月19日のダイヤ改正までは山陽姫路駅発のS特急も設定されていた。)


  • 甲特急、乙特急

近鉄における特急種別。
甲の方が上位で、大阪(難波or上本町)・京都・名古屋と名古屋・賢島間のみで走っている。
南大阪線系統と奈良線(布施~奈良間)を走る特急は一種別しかないため、全て乙特急扱いされる。



●通過する下位種別が存在する特急停車駅の例

  • JR東日本中央線吉祥寺駅・三鷹駅

成田エクスプレスが停車するが、通勤特快は通過する(吉祥寺駅は中央特快・青梅特快も通過する)。


  • JR東日本東海道線辻堂駅・二宮駅

一部の湘南が停車するが、快速アクティーと湘南新宿ライン特別快速は通過する。


  • JR東日本高崎線北本駅

あかぎ・スワローあかぎが停車するが、快速アーバンは通過する。


  • 小田急電鉄小田原線成城学園前駅

東京メトロ千代田線と直通する一部の特急ロマンスカーが停車するが、快速急行は通過する。


  • 相模鉄道本線・相鉄新横浜線西谷駅

急行は通過する。


  • 阪急電鉄神戸本線・今津線西宮北口駅

準急は通過する。


  • 阪神電鉄本線西宮駅

前述の通り区間特急は通過する。



その他、特急列車は速くて早い事から、物事を急いで行う事を「(超)特急」などと表現する場合がある。




またあまりにも表定速度が遅かったり、停車駅が多い列車は「特に急がない」と皮肉られる。



追記・修正は超特急でお願いします


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  • 記述のほとんどが私鉄に偏ってる -- 名無しさん (2019-11-03 10:21:02)

#comment

*1 不定期に設定される臨時急行の時に使われる
*2 その場合、座席指定車は締切扱い
*3 ただし、小田急電鉄の車両(ロマンスカー)を使っている。
*4 プレミアムカーに乗車の際は座席指定券が必要。
*5 西武鉄道の車両を全席指定列車(S-TRAIN)、自社の車両を一部座席指定車両(Q SEAT)で使用している。
*6 西武鉄道の車両(S-TRAIN)を使用している。
*7 これよりもさらに上位の種別が存在する会社もあり、京成電鉄の「スカイライナー」や名古屋鉄道の「ミュースカイ」が該当する。
*8 快特(かい「と」く)」だと発音の関係で快速(かい「そ」く)との区別が付きづらくなるため、2007年8月16日以降は駅構内や車内では「快速特急」とアナウンスしていた。

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