一度も話しかけずに交叉路に入った後
おお、戻ってきたのかね。おまえさんはあいさつもせずにわしを素通りし、遺跡に入ってしまったからな。てっきり亡霊でも見たのかと思ったよ。
こういうところに長くいると、ときどき幻を見たりもするからな。
ほかのムシたちはみんな消えてしまった。あの井戸の底の洞穴に一匹、また一匹と入っていってな。
かつてこの町の下にはすばらしい王国があったのだ。すでに廃墟となって久しいが、それでもあの深みにはムシたちを引きつけるなにかがあるらしい。
富、栄光、悟り… あの暗闇にはそうしたすべてが含まれているように思える。おまえさんもあそこに夢を求めてきたのだろう?
気をつけるがいい。あそこは不快な空気で満ちている。生き物は正気を失い、放浪者はその記憶を盗まれる。夢なんて本当は見ないほうがよいのかもしれん…
序盤会話2
王国がその望みを満たしてくれると期待して、多くの者がこの場所にやって来た。
かつてこの王国は”ハロウネスト”と呼ばれていたのだ。宝や秘密にあふれ、史上もっとも偉大な王国だともいわれていた。
今では毒気を帯び、怪物と狂気で満ちた墓場と化してしまったがな。
まあ、永遠なるものなど存在しないということなのだろう。
スタグの駅が開いた後
まさかスタグの駅が開くのをこの目で見ることになるとは! あの建物はわしが生まれたときからずっと閉じられたままだったのだ。
スタグの道が栄えしころの話は聞いたことがある。王国の中を、網の目のようにトンネルがかけめぐっていたと。もっとも、わし自身はあれを使って旅をしようとは思わないが。
わしはこの場所にいることに満足しているからな。
イゼルダの店が開いた後
最近若い夫婦が駅のとなりの家に住みついた。地図の店を開いたようだから、おまえさんのような冒険を好む者にとっては嬉しいことかもしれんな。
奥さんのほうは背が高いものだから、もっと大きな家をすすめたのだよ。空き家はいっぱいあることだしな。だが彼らはあの家が気に入ったというのだ。
奥さんは懸命に腰をかがめて入口をくぐっていたが…わしだったら我慢できんだろうな。
スライの店が開いた後
いやはや、店の主がふらりと町に帰ってきたよ。下でどんな冒険をしてきたのか聞きたかったのだが、ろくに覚えていないようだ。よっぽどひどい目にあったのか…
彼の品物に興味があるなら気をつけることだ。あれはなかなか、がめつい商売をするからな。
競争相手がいないというのが問題だ。なにせ市場の原理が働かない。彼にとっては好都合だろうがな。
黒卵の神殿を訪れた後
あの神殿を訪れたのか? わしは行ったことはないが、奇妙な建物だと聞いた。
われわれの中でも特に勇敢だった者たちが、かつてあの場所で祈りをささげていた。あの壁の中にいると安らぎを感じるといってな。だがしばらくするとやめてしまった。いったいなにが起きたのだろうか?
緑の道に行った後
わしはハロウネストについてそれほど多くを知っているわけじゃないが、あの緑が生い茂った洞穴の下には菌類の森が広がっているはずだ。かつてはムシでも植物でもない、おだやかな生き物が暮らす場所でな。
訪れてみたくなったかね? だとすれば強烈な臭いを覚悟するがいい。あそこはとにかくひどい悪臭で満ちているからな。
ブレッタが戻った後
町の娘がもどってきたよ!
正直生きている可能性が低いと思っていたのだが。
救ったのはさっそうとした、どこかの戦士だったそうだ。彼女はすっかり心をうばわれてしまったようで、帰ってきて以来ずっとそのことについて話している。
その戦士はきっと、わしが眠っている間にここを通りすぎていったにちがいない。残念なことだ。そのようにすばらしいムシなら、ぜひとも会ってみたかった。
涙の都について
おまえんさんのように勇敢な者たちの多くは、ハロウネストの偉大なる都を目指してやってくる。おそらく宝が目当てなのだろう。あの場所はそういったものであふれているだろうからな。
都は王国の中央に位置しているが、その門は封印されたという話だ。入るのは簡単ではないかもしれんな。
中にあるものを少しでも持ち出せれば、その者は金持ちになれるだろう。だがわしはこの年になるまで、それに成功した者を数えるほどしか見ていない。きっとあそこは危険な場所なのだろう。
風鳴りの崖について
放浪者の多くは、向こうの崖をわざわざ越えてダートマウスにやってくる。なかなか骨の折れる道のりだよ。王国が栄えていたころは、もっと簡単だったのだが。
あの崖には古い道があり、そいつを使えばもっと簡単に移動できたのだ。だがそこにいたる橋は崩れてしまった上、入口が巨大な扉でふさがれてしまった。
べつに不満をいっているわけではないのだよ。おかげでわしらは大勢の放浪者を相手にせずに済んでいるのだからな。
ムシたちの大群がこの町に押し寄せるなんてのは勘弁ねがいたい。わしは静かなほうが好きだからな。
水晶山について
町の墓地の向こうに崖があるのを知っているかね? あれはとても大きな岩山のふもとにあたるのだ。
山の中には採掘場や、機械や、様々な貴重な鉱石なんかがあってな。多くの放浪者がダートマウスを抜けて、あの中に入っていったものだよ。
中盤会話1
おまえんさんがこの小さな町にあまり失望していないといいんだがね。今はこんな有様だが、かつてはもっと魅力ある場所だったのだよ。
ずいぶん昔にひどい惨劇が起こり、王国への立ち入りが禁止された。そして多くの門が閉ざされたのだが、この町の古い井戸はいまだに王国への入口として機能しているのだ。
何年にもわたり、あらゆる類の者たちがあの井戸を使って遺跡に入っていった。探検家や、盗賊や、冒険者などが。
だが外に戻ってきたのは、ほんのひとにぎりだ。あるいは戻らなかった者は王国で望むものを見つけたか…
いやいや、そんなはずはない。どうせみんな食われてしまったのだろう。あの穴の中は危険で満ちているからな。
ジジの店が開いた後
下での探索はうまくいっているかな? おまえんさんがいない間、わしもちょっとした冒険をしてきたよ。
ふだんはあまり行かないのだが、町はずれの墓地に行ったのだ。古い友だちの墓を訪れるためにな。
そして墓石の間を歩いていたら、近くから奇妙な詠唱のようなものが聞こえてきた。それはそれは不気味な詠唱だった!
どこから聞こえてくるのかとあたりを見回すと、暗い洞穴の中にふたつの大きな眼が光っているのが見えたのだ。まったく恐ろしい目つきだった!
わしはなにも聞こえず、なにも見なかったふりをして、急いで町の中に戻ってきた。友だちには悪いが、彼女の墓を訪れるのはまたの機会にするよ…
水晶山の昇降機を動かした後
あの騒々しい昇降機は、あの岩山の中の古い採掘場につながっているのかね?
おまえさんはあそこに登ったということか? いたるところに水晶が生えているというのは本当か?
以前にこの町の住民が水晶をもち帰ったことがある。あんな物のなにがよいのか、わしにはわからなかったな。
食べることはできないし、枕として使うこともできない。苦労して手に入れる価値があるとは思えん。
古代の穴に行った後
洞穴は都よりもさらに深いところまで続いていると知っていたかね? そこまで深くおりた者は少ないから、情報もかぎられているのだが。
数少ない生還者たちは、きわめて古い建造物や道について語っている。そしてそれらはまるで、岩自身の意思のもとに作られたかのようであったと。
黒卵の神殿が開いた後
井戸の中から耳をつんざくような叫び声がきこえた。心に響き、呆然とするような叫びだった。
悪しき怪物が死んだのかとも思ったが、あの叫び声はどこか…神聖さも感じさせた。下でなにかが起きたのかね?
いや、いわなくていい。よからぬことが起きているのなら、わしは知らないほうがよいだろう。
繊細な花を持った状態
ん? なんだねそれは? おお、なんと美しい花だ!
おまえさんが花を愛でる感性の持ち主だとは知らなんだ。それにしても、なぜそのようにすばらしい花を持ち歩いているのかね?
待て…まさか…おお!
この花は…わしへの贈り物ということか? こんなに貴重なものをわしにくれるというのか?
花を渡さない
そうか、わしの勘違いだったか。まったくはずかしい。おまえさんがわしのような老いぼれのために、わざわざそのようなことをするはずがないものな。
他者に感謝し、気持ちを表現する…そうした資質を誰もがもっていると期待してはいかんということだな。
グリム巡業団がダートマウスに来た後
あれを見たまえ! なにやら奇妙で不気味なものが、突如として出現したのだ!
まったく身体に寒気が走る。わしはかかわらないことにするよ。
通常会話
疲れてないかね? このベンチは鉄でできているが、なかなか座り心地がよいのだよ。下におりる前に考えを整理したければ、これ以上の場所はない。
それに話し相手がいればわしも嬉しい。おまえさんはあまり口数が多いほうではなさそうだがね。
夢見の釘
なぜ…あの遺跡に下りるのだ? ここにいたほうが、あらゆることが簡単だというのに…
コメント
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ブレッタさんがダートマウスを去った後
「あの若い娘がろくに別れの言葉もないままに、崖を越えて旅立っていってしまったよ!
まさかあんな危険な道のりを選ぶとはな。あの娘のどこにそのような勇気が隠されていたのやら。
てっきりわしと同じように気の弱い娘なのだろうと思っていたが… まったくそんなことはなかったようだ。冒険への呼び声に無反応なのは、わしだけかもしれんな。」
花を渡した後の会話
「暗い考えが心に忍び寄るとき、わしはおまえさんがくれたこの花を見つめ、おまえさんのことを思い出すのだ。
少しそこのベンチで休んでいったらどうだね? 出かける前に一緒に花をながめようじゃないか。」
花を持った老いたムシさんに夢見の釘
「この花びら…なんという白さ。おまえにもこれが見えるか…おまえはわしをどこかから見ているのか?
あるいは夢も、それほど悪いものでもないのかもしれないな…」
花を渡す
「おお! 本当にもらってよいのかね? いやはや…いったいなんといったら…とにかくありがとう!
わしはここでなんの見返りも得ることなく、通りすぎる者たちに助言を与え続けてきた。しかしまさかこのような若者がわしの言葉と親切に感謝し、その気持ちを表してくれるとは思わなんだ。
しかもこのような美しい花をもってして! ああ、なにやらこの暗い世界に、再び小さな灯りがともったようだ。
ありがとう。この花はおまえさんが出かけている間も大切に世話をしておこう。そうすれば、おまえさんが戻ったときに一緒に眺めることができるからな。」
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