ジャニーズ事務所

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ジャニーズ事務所


 

株式会社ジャニーズ事務所は、東京都港区赤坂に拠点を置く、男性アイドルのプロデュースを主な業務とする日本の芸能プロダクションである。しかし、2023年10月17日に株式会社SMILE-UP.へと名称を変更。この変更は「ジャニー喜多川の性的虐待疑惑」に関連する補償業務に特化するためで、マネジメント業務は新たな会社へと移管される予定である。補償が完了した後は、事業を終了する計画となっている。現在の代表取締役、藤島ジュリー景子は、被害者の支援活動に専念するため、この会社に留まる予定である。

 

歴史

ジャニーズ事務所 設立以前

アメリカのカリフォルニア州ロサンゼルス生まれの日系人、ジャニー喜多川は、若い頃に西海岸のエンターテインメント業界に触れる経験を持っていた。彼が日本に来た際、アメリカ大使館で通訳として働きながら、近所の少年たちと野球チームを結成した。このチームのメンバーであったあおい輝彦が「ジャニーさんが監督だから、チーム名をジャニーズにしよう」と提案し、そこから「ジャニーズ」という名前が生まれた。後に、チームは映画『ウェストサイドストーリー』に触発されてダンスの練習を開始。このグループの中から選ばれたメンバーが、事務所の最初のタレントグループ、ジャニーズとなった。喜多川のビジョンは、ただのタレントではなく、ミュージカル俳優のように歌やダンスが得意なタレントを育てることだった。

 

1960年代 - ジャニーズ事務所 草創期

 

ジャニーズ事務所は渡辺プロダクションの関連会社として設立された。その後、デビューしたフォーリーブスは、当時人気を博していたグループ・サウンズ(GS)のトレンドに乗り、「楽器を持たないGS」として知られるようになった。

 

1970年代 - アイドル開拓期

1970年代には、新しい音楽ジャンルとしてニュー・ロックやフォークソングが登場し、吉田拓郎や井上陽水、中島みゆきなどのアーティストが注目される中、ジャニーズは独自の路線を追求。ジャクソン5を参考にした明るいソウルミュージックを取り入れ、ポップな音楽スタイルへとシフトした。

郷ひろみのデビュー時、彼の中性的な魅力を前面に出し、アイドル的要素が強かったオックスとのコラボレーションや、プロデューサーとして筒美京平を起用するなどの戦略が取られた。さらに、ディスコブームの中、郷と筒美はディスコの要素を取り入れた楽曲を展開。その後も、川崎麻世や田原俊彦などがこの流れを引き継いだ。

また、1970年代中盤、テレビの普及とともに家庭でのエンターテインメントが増え、「スター誕生!」のような番組が青少年の間で人気を博した。この時期、ジャニーズからは近藤真彦が登場。彼のキャラクターは1950年代のオールディーズやストリートファッションの影響を受けており、ディスコだけでなくロックの要素も取り入れた楽曲を発表した。

そして、ジャニーズ事務所は法人としてのステップを踏み、株式会社として設立された。

 

1980年代 - アイドル大衆化と光GENJIの爆発的ヒット

1980年代は、アイドル業界の成長とともに多様なアイドルが登場した。シブがき隊は、技術的な制約を音楽の企画で補うアプローチをとり、日本の伝統や文化を取り入れた「スシ食いねェ!」のような楽曲で人気を博した。少年隊はデビュー前からアメリカでの活動を経験しており、その経験を活かして活動を展開した。

光GENJIは、ローラースケートを駆使したステージパフォーマンスで一世を風靡し、社会現象となった。この独特なパフォーマンスは、イギリスのミュージカル『スターライトエクスプレス』にインスパイアされたものだった。

また、男闘呼組は、従来のジャニーズのイメージを一新し、ロックバンドとしての側面を強く打ち出した。

 

1990年代 - アイドル路線からマルチ路線へのSMAPによる変革

1980年代後半のアイドルブームの後、1990年にデビューした忍者は、光GENJIと同じアイドルスタイルを採用したが、1990年代初めには男性アイドルの人気が下降し、光GENJIの人気も急速に減少した。

1991年にデビューしたSMAPは、初めは光GENJIのような派手なスタイルで始まったが、セールスは低迷した。しかし、マネージャーの飯島三智やリーダーの中居正広の方針転換により、アイドルの枠を超えてバラエティやお笑いに進出。これにより、SMAPは「身近な存在」としての位置づけを確立し、国民的なグループとしての地位を築いた。

1990年代には、TOKIO、V6、KinKi Kids、嵐などがデビューし、SMAPの多才な活動を受け継ぎ、多方面での活動が特徴となった。2000年代には、滝沢秀明を中心とするジャニーズJr.が注目され、彼らも多くのファンを魅了した。

 

2000・2010年代 - 第2次アイドル大衆化

2000年に『ザ少年倶楽部』の放送が開始され、2000年代は「イケメンアイドル」スタイルのジャニーズグループが増加し、80年代のアイドルブームを再現する形となった。この時期、ジャニーズJr.の中心人物であった滝沢秀明を含む多くの新しいグループがデビュー。タッキー&翼、NEWS、関ジャニ∞、KAT-TUN、Hey! Say! JUMPなど、それぞれが独自のキャラクターを持つグループが登場した。ジャニーズJr.からはYa-Ya-yahがデビューし、冠番組『Ya-Ya-yah』も放送され、ジャニーズJr.の中でも特に注目される存在となった。さらに、ジャニーズJr.内でFour Tops、K.K.Kity、J.J.Expressなどの新しいグループが結成された。

2010年代に入ると、2000年代のトレンドを引き継ぎ、Kis-My-Ft2やA.B.C-Zなど、デビューまでの期間が長かったグループが相次いでデビュー。さらに、NYC、Sexy Zone、ジャニーズWEST、King & Princeなど、従来の「イケメン」や「キラキラ」スタイルのジャニーズアイドルグループが続々とデビューした。

2000年代と2010年代はジャニーズ事務所にとって多くの問題が発生した時期であった。1999年、『週刊文春』はジャニー喜多川氏が未成年男子に対して性的虐待を行っていたと報じた。これに対して、ジャニーズ事務所は名誉毀損で訴訟を起こしたが、裁判は文春側の勝訴で終わった。しかしこの問題は日本の主要メディアにはほとんど取り上げられず、多くの人々は真実を知らないままでいた。2019年にはBBCがこの問題を特集し、問題が続いていたことを明らかにした。

また、2010年代にはSMAPの解散騒動やメンバーの法的問題、メンバーの脱退などが相次いだ。特にNEWSやKAT-TUNはデビュー時のメンバー数と比べて大幅に減少した。

2019年には、滝沢秀明が新たに設立されたジャニーズアイランドの社長に就任。同年、ジャニーズ事務所の創業者であるジャニー喜多川が亡くなり、藤島ジュリー景子が新たに社長に、滝沢が副社長に就任することが発表された。

 

2020年代 - 体質・路線の変革と海外進出

風紀の乱れが蔓延していることを報道されていたジャニーズ事務所は変革に着手し、「クリーンなジャニーズ事務所」を目指し、経営陣の中でも滝沢秀明はジャニーズ事務所の体質をクリーンなものにしようと改革を断行していると報道された。滝沢の就任後に長期間所属していたタレントの退所やグループ解散・活動休止が相次ぎ、所属タレントの不祥事に関しては全て報道を無視せず対応し、問題を起こしたタレントを即処分するなど迅速果敢に改革を断行していった。滝沢の副社長就任前のジャニーズ事務所ではデビュー前のJr.が不祥事を行った場合に重い処分を下すことはなかったとされているが、滝沢の副社長就任後はデビューしたタレントであれJr.であれ、誰であれ処分を下している。また定年制も提唱している。

プロデュース面においては「かっこいいイケメン」や「美形・キラキラ」といった従来のジャニーズアイドル像のグループではなく、アイドル像を捨ててバラエティやお笑いへ進出したSMAPを始めとした年代デビューグループのような「ジャニーズらしくないグループ」が積極的にプロデュースされ始めるようになったと報道された。その年には滝沢が手掛けてきたSnow Manがデビューした。Snow Manは第三次K-POPブーム的なスタイリッシュさを持ち、アクロバットが得意である。Snow Manはジャニー喜多川とはあまり関係がなかったとされており、「タキニ」(滝沢のお気に入り)であるとされている。また同年にはワイルド路線のSixTONESもデビューし、翌年には庶民路線的なグループであるなにわ男子がデビューし、さらに翌年には世界路線のTravis Japanがデビューした。

更にジャニーズ事務所は、それまでの制限を緩和し、積極的にIT分野を開拓していった。CD販売が低迷していた年代に日本企業や大手芸能事務所はデジタル・ストリーミングへの適切な転換を行わず、CD販売やアナログ的な手法に固執していたが、年代よりストリーミングに乗り出すことになり、ジャニーズ事務所は従来のジャニーズアイドル路線ではなく世界進出路線に意欲的になっていったと評されている。その後、滝沢がプロデュースしたTravis Japanがアメリカでの武者修行を発表し、滝沢はTravis Japanを世界デビューさせ、同時に事務所初のストリーミングデビューとなった。Travis Japanは結成以来、長い間デビューすることができず、ジャニーズ事務所のグループでジャニーズJr.期間最長を記録。滝沢はTravis Japanについて「今までのグループとは違う」といった趣旨を語っている。

YouTuberにも注目し、その年に二宮和也を中心とした、中丸雄一、山田涼介、菊池風磨の四名により「ジャにのちゃんねる」が開設され、本格的にYouTuberとして活動を開始した。それに続きHey! Say! JUMPの山田涼介が主にゲーム実況を行う「LEOの遊び場」、所属タレント内からゲーム好きを集めた「Johnny's Gaming Room」などが開設された。

改革を断行し続けて成功し、順風満帆に見えたジャニーズ事務所であったが、その年の終わりに功績を残してきた滝沢の退社・ジャニーズアイランド社長退任が発表された。ジャニーズアイランド社長後任には井ノ原快彦が就任し、ジャニーズ事務所副社長の後任は不在となった。また後日にはKing & Princeのメンバー数名の脱退・退所が発表された。その後、ジャニーズ事務所は週刊文春の報道(滝沢・King & Princeとの関係関連事項など)に対する法的措置の検討を発表した。

 

2023年 - ジャニー喜多川の性的虐待疑惑の社会問題化、「SMILE-UP.」へ社名変更、新会社設立へ

イギリスのBBCが、元ジャニーズのメンバーや関係者の証言を基に、ジャニー喜多川がジャニーズ事務所のタレントに対して行っていたとされる性的虐待についての特集番組『J-POPの捕食者 秘められたスキャンダル(ドイツ語版)』を放送した。この問題について、日本の主要メディアは触れていなかったが、週刊文春は以前の記事を再公開し、新たな取材を行い、新しい記事を発表した。さらに、元ジャニーズJr.のカウアン・オカモトが、日本外国特派員協会での記者会見で自身の被害体験を公にした。この告発の後、多くの被害者が匿名や実名で性的虐待の経験を明らかにしてきた。

イギリスの公共放送BBCが放送した特集番組『J-POPの捕食者 秘められたスキャンダル(ドイツ語版)』では、元ジャニーズメンバーや関係者からの証言を基に、ジャニー喜多川によるジャニーズ事務所所属タレントへの性的虐待問題が取り上げられた。日本の主要メディアはこの問題を取り上げていなかったが、週刊文春は過去の記事を再公開し、新たな取材を行い、新しい記事を掲載した。ジャニーズ事務所の社長、藤島ジュリー景子は公式ホームページでの動画配信を通じて謝罪し、被害者への対応として相談窓口の設置を発表したが、第三者委員会の設置や自身の引責辞任は否定した。

しかし、数ヶ月後に発表された再発防止特別チームの調査報告書では、藤島の辞任が提言された。これを受けて、藤島は社長を引責辞任し、所属タレントの東山紀之が後任として社長に就任することが発表された。東山は年内での芸能活動の引退も発表し、引退後は会社経営に専念するとのこと。取締役副社長の白波瀬傑も辞任した。藤島は代表取締役として留まることとなり、持ち株の問題については今後の経営体制との協議を予告した。また、東山は社名についての変更については現時点では否定している。

同年9月7日、ジャニー喜多川の性加害問題を受けて、損害保険会社の東京海上日動火災保険は、ジャニーズ事務所との契約を更新しないことを決定した。その理由として「人権尊重の観点から、ハラスメントを認めない」との声明を出した。続いて、日本航空もジャニーズ事務所所属タレントの広告起用を見送ることを発表。さらに、アサヒグループホールディングスやキリンホールディングスも同様の方針を示した。日本生命や日産自動車もジャニーズ事務所のタレントの新規起用を見送る方針を発表した。

9月19日には、ジャニーズ事務所が今後の会社運営に関する声明を発表。藤島が保有する株式の取り扱いや被害補償の方策、社名変更、所属タレントや社員の将来など、多岐にわたる議論を行うとし、その進捗を10月2日に報告するとした。

9月27日には、NHKの会長とメディア総局長が、ジャニーズ事務所所属タレントの新規出演を停止し、紅白歌合戦への出場も見送る方針を明らかにした。

10月2日、ジャニーズ事務所は記者会見を開き、社名を「SMILE-UP.」に変更すること、被害者への補償に専念すること、そして補償が終わった後の廃業の方針を発表。マネージメント業務に関しては新会社を設立し、そちらに移行するとのことを伝えた。

 

会見後の各テレビ局のタレント起用について

テレビ東京とNHKは、新たなタレントの起用を行わないとの方針を明らかにした。一方、フジテレビは被害者への対応が進行中であることを確認しつつ、適切な判断を下すとのコメントを出した。TBSはタレントの起用に関して特に言及していない。テレビ朝日は、企画の内容を考慮し、総合的な判断を下すと述べた。日本テレビは、新たに発表された対策が適切に実施されるかを見極めるとし、その上で適切な判断を行うとコメントした。

 

会見後の各テレビ局の反応

NHKは、今回の記者会見を含め、事務所の取り組みを継続的に確認し、被害者への補償や再発防止策が実施されているかを注視すると述べた。テレビ東京の石川一郎社長は、発表内容に不明確な点が多いとし、事務所からの詳細な情報を待って方針を決めるとした。フジテレビは、詳細がまだ明らかでない部分もあるため、事務所の対応を引き続き注視するとコメント。TBSは、被害者への救済や人権侵害の防止策が始動したと評価した。テレビ朝日は、新会社に対して、特に若手タレントのケアや人権侵害の再発防止に努力するよう要望。日本テレビは、事務所の名称変更や補償制度の実施など、事務所に対して要望していた点について、一定の進展が見られると評価した。

 

SMILE-UP.

株式会社SMILE-UP.(スマイルアップ)は、2023年10月17日にジャニーズ事務所から名称を変更予定の新社名である。ジャニー喜多川の性加害問題を受けて、被害者へのケア・補償を主な業務とすることが決定された。この会社は、今後設立される芸能関連のエージェント会社とは異なる存在となる。2023年10月2日の会見で、ジャニーズ事務所の名称を変更し、タレントへの補償業務を行った後に廃業する方針が発表された。新会社の代表取締役社長には東山紀之が就任することとなった。新しい会社名は、2018年に始まった社会貢献・支援活動「Johnny's Smile Up! Project」にちなんで名付けられた。

 

特色

タレント育成方針

1960年代、日本の芸能界の先頭に立っていたのは渡辺晋が率いる渡辺プロダクション(ナベプロ)でした。元ジャズ奏者の渡辺は、芸能人の安定した生活基盤を築くための市場整備を活動の中心とし、タレントの権利擁護と市場の提供を重視していました。対照的に、ジャニーズ事務所は舞台芸術への情熱からスタートし、入所する青少年たちに対して緻密な教育を施していました。事務所の運営は姉のメリー喜多川が担当し、タレントの育成は弟のジャニー喜多川が手掛けていました。ジャニーズ事務所のタレントは全員が男性ですが、マネージャーやその他のスタッフには女性も含まれています。例として、SMAPのマネージャーだった飯島三智は、事務所に入る時点で新卒の女性でした。

ジャニーズ事務所に所属するデビュー前のタレントは「ジャニーズJr.」として知られています。彼らは先輩アーティストのコンサートでバックダンサーとしての経験を積むことが多いですが、短期間の下積みでデビューするタレントもいます。ジャニーズ事務所のこのシステムは、未婚女性だけで構成される宝塚歌劇団や宝塚音楽学校との共通点が指摘されており、事務所の創設者である喜多川は「男版宝塚を目指す」との意向を示しています。多くの芸能事務所では、学生タレントが仕事と学業のスケジュールが重複する場合、仕事を優先することが一般的ですが、ジャニーズ事務所では学業を優先する方針が取られています。

また、ジャニーズJr.の中にはCDデビューせず、俳優としてのキャリアを中心に活動するタレントもいます。生田斗真や佐野瑞樹、風間俊介など、俳優業だけでジャニーズJr.を卒業した例も多数存在します。

ジャニーズJr.は、2023年3月31日から年齢制限を設けた新制度を導入することが明らかにされました。この制度により、22歳の誕生日を迎えた際にマネジメント契約の継続意向を確認。合意すればJr.としての活動が継続されますが、合意しない場合は契約が終了となります。

所属タレントは副業が禁止されていることが知られており、例外的に事務所の許可を得て活動するケースもあります。例として、元シブがき隊の布川敏和は、事務所に所属している間に自らのファッションブランド「Jemmy's」を立ち上げました。

ジャニーズ事務所のCDデビューグループは、メンバーの入れ替わりが少ないのが特徴です。しかし、ジャニーズJr.では突如としてグループの解散やメンバー変更が行われることがあります。また、一部のタレントは複数のグループで活動することもあります。例として、錦戸亮や内博貴は、NEWSとしてデビューした後、関ジャニ∞としても活動しています。

ジャニーズ事務所では、CDデビュー以外にもDVDデビューや音楽配信デビューなど、様々な形でのデビューが存在します。しかし、公式サイト「ジャニーズネット」に単独ページが作成されない限り、正式なデビューとは認められません。

2003年から2007年にかけて、ジャニーズネットはリニューアル前の状態で、CDデビューを果たしてもファンクラブが存在しないグループはジャニーズJr.として表記されていました。しかし、リニューアル後は、CDデビューやデビュー発表後に単独ページが作成されるようになりました。

 

肌を見せる伝統

ジャニーズのタレントは、アイドル雑誌での上半身裸の写真が多く、そのため上半身裸のイメージが強くなっています。また、舞台で「桶ダンス」という伝統的なパフォーマンスがあり、タレントが下半身を桶で隠しながらダンスを披露することが特徴です。

ジャニーズには非常に若いタレントも所属しており、上半身裸や桶ダンスのような露出の多い演出に対して、ファンからの賞賛の声もあれば、時代遅れとの批判も存在します。テレビ番組『まいど!ジャーニィ〜』では、2023年のオープニングリニューアル時に上半身裸の演出に対する批判が多く寄せられ、翌週にはその部分がイラストに変更されました。

 

ハードワーク

ジャニーズ事務所のタレントたちは、非常に厳しいスケジュールで活動していると言われています。特にジャニーズJr.は、夏休みなどでも1日に8時間近くのダンスレッスンが設定されることが多く、そのレッスンは無料であるものの、短時間で多くのことを覚える必要があります。例えば、1曲の振り付けをわずか4分程度でマスターすることが求められることもあれば、3時間で13曲を覚えることも。ロングラン公演は特に体力的、精神的に厳しく、過去には1日6回の公演を8ヶ月間続けることもあったとされています。また、ジャニーズJr.は舞台裏の仕事も担当し、舞台のセットチェンジや早着替えのサポートなどを行います。

オーディションに合格してジャニーズJr.として活動を開始しても、実際にメジャーデビューを果たすのは一握りのタレントだけです。事務所に入所すると、多くのタレントが一斉にダンスレッスンを受ける中、特に優れたタレントは前の方でレッスンを受けることができるという。

また、1999年に『週刊文春』で取り上げられた記事によれば、ジャニーズ事務所は学校に通うことが難しいスケジュールをタレントに課しているとのこと。この記事は、元タレントのインタビューを元に書かれ、後に裁判でその真実性が認定されています。

 

肖像権管理

ジャニーズ事務所は、2010年代前半まで所属タレントの肖像権に関して非常に厳格な管理を行っていました。インターネットの普及後も、公式ウェブサイト以外でのタレントの写真や動画の使用は制限されていました。例として、雑誌の表紙やCDジャケットが他のウェブサイトで白抜きやシルエットで表示されるなどの措置が取られていました。

しかし、2018年以降、ネット上での肖像写真の使用制限が緩和されてきました。2017年8月頃からは、以前制限されていた内容が解禁され、2018年4月からは雑誌や書籍の表紙の掲載も認められるようになりました。さらに、所属タレントが出演するテレビ番組の予告やCMがYouTubeなどで公開されるようになり、2019年11月からはバラエティ番組も配信されるようになりました。

2010年代には、画像の保存を制限する技術が導入されるなど、緩和の動きが見られました。また、映画やテレビドラマの動画配信も増加していますが、ゲスト出演のみのバラエティ番組は配信されないことが多いです。2017年には、滝沢秀明が「日UAE親善大使」に任命され、外務省のウェブページに写真が公開されました。同年、香取慎吾がジャニーズ事務所を退社した際、退社後の写真の掲載が許可されることが明示されました。この動きは、ジャニーズ事務所の方針が変わりつつあることを示しています。

2018年1月、ジャニーズ事務所は公式サイト「Johnny’s net」に所属芸能人の顔写真を掲載を開始しました。同月末、所属タレントの公開取材時の写真がウェブ媒体での掲載が許可されるようになりました。制限はあるものの、インターネット上での写真公開が容認される方向にシフトしました。さらに、同年3月にはジャニーズJr.の公式YouTubeチャンネルが開設され、無料の映像コンテンツが配信されるようになりました。

2019年末、嵐が複数のSNSアカウントを開設したことを皮切りに、多くのジャニーズグループやタレントがSNSの使用を解禁しました。これに伴い、ジャニーズタレントの楽曲もサブスクリプションサービスでの配信が増えてきました。

この変化は、ジャニーズ事務所がデジタル時代のトレンドに合わせて、インターネットとSNSを活用する方向にシフトしていることを示しています。

ジャニーズ事務所の所属タレントに関する写真や映像の掲載や放送には、特定の制約が存在しています。例として、朝日新聞の「Dear Girl」に掲載された井ノ原快彦のインタビューでは写真が掲載されず、スポーツニッポンでは文字見出しのみ、日刊スポーツでは事務所ビルの外観写真が使用されることがある。

民間放送の有料チャンネルでも、所属タレントに関連する映像の使用に制約があり、音声には無音化措置が施されることがある。地上波向けの過去番組を有料チャンネルで放送する際、所属タレントが出演する部分はカットされることが多いが、オンデマンド配信向けにはカットされたバージョンが放送されることもある。

しかし、例外も存在しています。1997年にTBSラジオで香取慎吾がラジオパーソナリティを務めていた際、彼の顔写真がウェブサイトに掲載されていた。また、近藤真彦が経営するエムケイカンパニーの公式サイトや、首相官邸ホームページにも所属タレントの写真が掲載されていることがある。さらに、滝沢秀明がプロデュースした「滝CHANnel」という有料動画サイトも存在していました。

 

声の出演・音源の扱い

ジャニーズ事務所の所属タレントに関する音声の露出には、特定の制約が存在しています。

ラジオ番組のストリーミング配信では、LISMO WAVEやドコデモFMのような有料サービスでは、番組が差し替えられることが多い。しかし、2018年4月からはradikoでの規制が撤廃され、タレントの出演する番組の聴取が可能となった。NHKラジオの「らじる★らじる」では、所属タレントが出演する放送は全国ネットであり、ライブ配信が可能。聞き逃し配信も、ある時期から解禁されている。

楽曲の配信面では、ドワンゴの「ドワンゴジェイピー」や「レコチョク」が「着うた」を中心に楽曲の配信を行っている。一方で、iTunes StoreやApple Music、Spotifyなどの主要な配信サービスには、長らく参加していなかった。しかし、2019年には嵐の楽曲が一部配信されるようになり、2020年にはその範囲が拡大された。それにもかかわらず、2023年現在でも、多くの楽曲はCDを購入しないと聴けない状態が続いている。

 

賞レースへの不参加方針

 

ジャニーズ事務所は「所属タレント間での優劣をつけさせない」という方針から、「複数の候補者の中から大賞やグランプリ獲得者を選ぶ」スタイルの賞レースへの参加を基本的に辞退しています。ただし、タレントに直接賞を贈呈するもの、例えば「ベストジーニスト」のような賞や、日本国外での表彰は受け取ることが許容されています。

 

日本レコード大賞

1987年、近藤は『日本レコード大賞』のノミネート中に、亡き母の遺骨が盗まれ、「大賞を辞退するよう」脅迫される事件が発生しました。また、1990年には、忍者が『日本レコード大賞』のロック・ポップス部門にノミネートされることに不満を持ったことが問題となりました。2003年には、SMAPのヒット曲「世界に一つだけの花」がノミネートされましたが、「オンリーワン」を大切にするという曲のメッセージを尊重するため、大賞の受賞を辞退しました。

2010年には、近藤が「最優秀歌唱賞」を受賞し、「レコード大賞に育てられた歌手」としてこの栄誉を受け入れました。そして、2020年には、嵐が新たに設けられた「特別栄誉賞」を受賞しました。

 

日本アカデミー賞

2006年の『日本アカデミー賞』で、『武士の一分』の主演を務めた木村拓哉は「事務所の方針で、最優秀賞を他の人と競わせたくない」という理由で「主演男優賞」を辞退したと発表されました。同年の『ブルーリボン賞』では、木村と岡田が「主演男優賞」の選考に名を連ねましたが、同じ事務所のタレント同士での競争を避けるために辞退しました。

2015年の『日本アカデミー賞』では、岡田が『永遠の0』で「主演男優賞」と『蜩ノ記』で「助演男優賞」にノミネートされ、両方の賞を受賞しました。ジャニーズ事務所は、岡田が多くの映画に出演してきたことを強調し、彼を映画界での成果を称えるコメントを発表しました。

2016年には、二宮和也が『母と暮せば』での演技で『日本アカデミー賞』の「最優秀主演男優賞」を受賞し、事務所として2年連続の受賞となりました。さらに、2016年に山田涼介、2021年に永瀬廉が「新人賞」を受賞し、ジャニーズ事務所のタレントが日本アカデミー賞での受賞が続いています。

 

NHK紅白歌合戦への出場

ジャニーズ事務所のタレントがNHK紅白歌合戦に初めて出場したのは、ジャニーズ(初代)によるものでした。その後、事務所は連続して出場枠を確保し続け、43年間で少なくとも1組のアーティストを出場させています。また、多くのタレントがデビュー前にバックダンサーとしてもステージに立っています。特に、SMAP、TOKIO、V6、嵐、関ジャニ∞、Sexy Zone、近藤真彦など、多くのアーティストが出場しており、最も多くのアーティストが出場した回では、合計7組がステージに立ちました。

司会の役割においても、ジャニーズ事務所のタレントが中心的な役割を果たしてきました。中居正広が最初に白組司会を務めた後、14年間連続で事務所のタレントが司会を務めています。

また、過去の出場アーティストの中で、中居を除いてすべてが白組として出場しています。

以下は、ジャニーズ事務所のタレントが出場した回数の記録です。連続出場を更新中の歌手やグループには「※」印を付けています。

 

コンサート

ジャニーズ事務所には「ヤング・コミュニケーション」という部門が存在し、所属タレントのコンサートや舞台などのイベントの主催、企画、チケットの販売などを担当しています。この活動に関連して「ジャニーズチケット販売約款」という規約が定められている。

チケットの販売

チケットの転売には厳格な対策が取られています。オンラインオークションなどでの転売が確認された場合、該当者にはコンサートや舞台の優先販売の通知が停止され、チケットの予約ができなくなる。これは、チケットが定価以下で販売されていた場合も同じです。また、ファンクラブ会員以外へのチケット販売に関しては、インターネット販売は控えめに行われており、主に電話での予約が中心となっています。

 

その他

ファンクラブ

「ジャニーズファミリークラブ」を中心に、各タレントごとのファンクラブが存在しています。ファンクラブが設立されていないタレントの情報は、「情報局(ジャニーズJr.)」や「ジャニーズアーティストクラブ(解散したグループのメンバー向け)」を通じて提供されています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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