今回の予想ファクターとしてラップタイムを最も重要であると考えていた。
まず、その前提を考える上で今回の桜花賞の走破タイム予測を【1.32.5】と仮定した。
過去実績として最も注視すべきレースとしてクイーンカップ、チューリップ賞とした。
メジャーエンブレムがクイーンカップで出した、東京マイル1.32.5。
対して、シンハライト、ジュエラーがチューリップ賞(阪神マイル)のタイムが1.32.8と同秒決着となる。
各レースの当日の馬場指数も(-10)と同程度。
東京マイル平均:1.34.4、対し阪神平均:1.34.6と阪神が0.2秒程度遅い。
これら要素を単純に考慮するとその差は0.1秒程度。
有力馬3頭をほぼ同等の能力と評価していた。
ペース予想として、メジャーエンブレム:前半より34.2秒〜34.4秒(1-1)で先行。
シンハライト、ジュエラー:34.5〜34.8秒台後半で追走する。
中盤2ハロンが23.5秒〜24.5秒に収束する事を予想。
各々の脚質を考えると【23秒台程度】のハイペースに持ち込む事が出来ればメジャーエンブレム確勝と考えていた。
このペースはクイーンカップで試行され改めてメジャーエンブレムの強さとして認知された。
このペース予想がメジャーエンブレムを指名する今回の理由の全てであり単勝1.5倍、圧倒的な一番人気の要因となった。
シンハライト、ジュエラー共に、脚をきちんと溜め、最後に爆発させる必要がある。
その脚を貯める為にはレース中盤で有る程度緩やかな流れが必要である為、スローペースではなく
息を入れる間も無いようなペースを作る事がメジャーエンブレムが取るべきわかりやすい戦略である。
先行する同馬の脚色に焦り、追走に脚を使えば結果キレる脚を奪うことが出来る。
焦らず最後迄しっかり我慢し勝負したとしても大外からの競馬となりライバル同士の牽制もある。
0.1秒差程度に集約された3頭の差はこれらロスにより大きな差となる。
先行策のみが王道の戦略だと理解していた。
これら戦略を盤石にする為の前哨戦であり見事に期待以上の結果を得た上で望む盤石な本番であると理解していた。
しかし、結果は【24.3秒】と予想より0.5秒以上遅いペースとなった。
速度バランス的にもスローと表現しても良い展開となり、勝ち馬のジュエラーのラスト3ハロンは【33.0】。
前目で競馬をし自在に構えたシンハライトは【33.7】だった。
予想通りメジャーエンブレムのラスト3ハロンは【34.2】程度。
結果として、【33.9】で上がったアットザシーサイドにも負けてしまった。
余談とはなるがアドマイヤリードが本レースで魅せたラスト3ハロンは【33.2】。
この鋭い差し脚は今後の活躍を期待させるものだった。
血統的にも、キングカメハメハ×アグネスタキオン。
今後、2000m前後のレースでの活躍を予感させた。
これら展開により全体走破時計は【1.33.4】と平凡な決着となった。
予想との差は1秒も開きこれでは勝負にならない。
騎手批判は正直したくも無い。
しかし、原因となったルメールの騎乗戦略については大きな疑問を感じる。
血統的にも先行しタフな競馬をしてはじめてその強さを発揮する馬であり、切れ味がない事は全ての人間が知っている事実である。
実績的にもラスト3ハロン34秒台前後程度の実績しか持たない馬が何故クラシック本番で上がり勝負を選択したのか。
唯一の敗戦もスローでの切れ味勝負で負けていたではないか。
そのメジャーエンブレムに唯一土をつけた相手も決して強くはなかった。
それ以上にキレのある安定的に33秒前半で好走するライバル達に何故この展開を選択し勝てると思ったのか?
唯一の敗戦後、その教訓を活かし先行し圧勝した。
負けたアルテミスステークスでは、前半:3ハロン:34.9、中盤:2ハロン:25.0。
敗戦の教訓を活かし、阪神ジュベナイルフィリーズでは前半3ハロン:34.8、中盤2ハロン:23.9と、自らがレースを作り勝利した。
更に圧倒的な強さを魅せつけたクイーンカップでは、前半3ハロン:34.4、中盤2ハロン:23.4と更にそのタイムを短縮。
他馬に追従を許さぬ競馬を牽引。5馬身差(0.8秒)を付け圧勝した。
このペースは、桜花賞前日に開催された、古馬牝馬限定戦重賞となる阪神牝馬ステークス【35.2/23.7】を上回っている。
このレースも、逃げ馬として頭角を表し勝利したスマートレイヤーがハイピッチで牽引するタフなレースだった。
又、NHKマイルのトライアルレースとなるNZT(3歳混合)【34.9/23.8】と比較しても遥かに早いタフな展開で勝ち切っている。
我々はその強さを評価し王者(女王)のレースを期待していた。
しかしクイーンカップのように強気な騎乗は見られず消極的に控えて中途半端な位置より中途半端に仕掛け惨敗した。
結果、馬群に阻まれ出ることもままならず、ようやく先頭に立つも、自分が最も力を発揮できるレースをした実力馬たちに先着された。
クイーンカップの圧勝、桜花賞に至る過程から何を学んだのか?
何故、先行策を辞め、勝機の見えない中段からの消極的なレース展開を選択したのか?
当日、ハイペースで先行し勝ちきる事がメジャーエンブレムにとって難しいと判断したのか?
正直わからないことが多い。
しかし、ハイペースで勝ちきる事が難しいと判断したとしても、34秒前後の上がりしか使えない馬として、切れ味の鋭いシンハライト、ジュエラーに対峙する際、1秒程度は確実に先行し最後の直線を迎える必要があった。
自分自身でペースを作れる位置にいなければ前が壁になり思うようにレースが出来ないリスクも多分にある。
多少無理してでも自在に動ける番手にこだわる必要があったのではないのか?
何故あのリスクのある位置を受け入れて競馬をしたのか。
スタートは確かによくなかった。しかし競りかける馬もおらず前は空いており行こうと思えば前にゆくことも出来た。
前にいたのは、ソルヴェイグ(17着)、アッラサルーテ(18着)であり、そのあと同じように二の足を使って行く気をみせたのはジープルメリア(15着)、カトルラポール(14着)、さらにはメイショウバーズ(16着)だった。
これら先行を選択した多くの馬たちは少ない可能性を追求してて戦略として番手を目指した。
しかしルメールはこれら馬たちに進路を譲り一段さらに下げるという選択をもした。
理由がわからない。
馬の力や自分自身の力を過信したとの考察を見たが、確かにそう考えたほうが合理的かもしれない。
外からやって来るであろうジュエラーやシンハライトにマークされないように内に潜む。
4コーナー早めより進出し勝利を確実なものにしたかった。
しかしこの選択により、多くの馬たちにもまれて勝負所で進出することも叶わず、最後力を振り絞り戸崎の馬を交わして先頭に立った際にはもう絶望的な状況だった。
これらリスクのほうが遥かに現実的に予見可能な問題の多い戦略ではないのか?
積極的に後方待機を選択したという合理性が感じられない。
やはり理由がわからない。
単純にプレッシャーに押しつぶされ、戸惑い、思考停止してしまったと考えたほうがやはり合理的であるように感じる。
我々の期待はスタート後の位置取りを確認した時に確実に打ち砕かれた。
提示された結末は我々のイメージとは大きくかけ離れており、メジャーエンブレムを軸としてこのレースを見た際、小心者が右往左往するだけのスケールの小さなレースに映った。
クラシックは奇跡だと思う。
馬主、調教師を筆頭とした多くの関係者の夢である。
同年に生まれた競走馬の全てがこのレースを目指し敗れてゆく。
それら戦いに勝利し敗者を礎に選抜された18頭でありこの戦いに参加できるだけでも非常に名誉なことである。
その名誉有るレースで、単勝倍率1.5倍、圧倒的な一番人気として期待された有力馬がメジャーエンブレムである。
多くの関係者とファンの期待を背負い、クラシックに騎乗するのであれば全ての結果を受け入れる事を覚悟し、馬の力を誰よりも信じて結果に対する責任を全て背負い正々堂々と勝負をするべきではないのか?
騎手はその覚悟を持つことで騎乗する事が許されるのではないのか?
その上で結果を出す事で騎手であり続ける事が許されるのではないのか?
これまでの経験を元に馬の力を信じ最もこの馬が力を出せるレースをして名誉を手に入れたデムーロのように。
それがクラシックへ望む騎手の矜持であるように思う。
牝馬の春シーズン。一日で体調が変化することも珍しくない。
ましてや若い3歳牝馬。体調が万全ではなかった。
当日のパドックで返し馬で硬さが目立った。
クイーンカップの激走から立て直せずに本番を迎えた。
体調的な問題に原因を求める考察も散見された。
馬に罪は無いという前提において、言葉を話せない馬の体調に原因を求める事で救われることも多いのであろう。
しかし、そこに原因を求める以前に先ずは騎手として馬を信じ責任を果たすべきである。
同馬の生涯たった一度の晴れの舞台を汚した罪は重く、クラシックという大舞台で露呈したルメールという騎手の心の弱さに強い憤りと軽蔑を感じてしまった。
今回のレースで感じた後味の悪さは、ルメールに感じたこれら悪しき感情が昇華しきれずにシコリとなり今も心のなかに滞在しているように感じる。
レース後、その原因を求めて様々な記事を探した。
ローテーションの問題、関東馬である事、厩舎の実績、単純に力負けである等、様々な原因が考察されているが、この馬がこれまでに魅せてきた強さを毀損する要因であるようには感じられなかった。
やはり、今回の桜花賞では本当の実力が見えず格付けが終了したと考えることは早計だと感じている。
今後条件の異なるクラシック路線でメジャーエンブレムの強さが改めて立証される事を期待している。
馬券的には本線メジャーエンブレム必勝を軸に馬券を組み立てていたが、そこは3歳牝馬のレースである。
これまでの敗戦により得られた多くの教訓より、今回も多様な馬券戦略を検討し購入した。
軸3頭を中心にアットザシーサイド、ラヴェンダーバレイ、レッドアヴァンセ、デンコウアンジュを紐にして三連単をきちんと抑えていた為、大幅にプラスとなった。
有力馬が明確であった故にオッズに相対し金額にメリハリを付け広めに抑える等、馬券戦略も立てやすく妙味はあった。
しかし、このルメールの騎乗に対し看過出来ない大きな違和感を感じ何とも割り切れない気持ちになった桜花賞となった。
来週は皐月賞である。
メジャーエンブレムの位置にサトノダイヤモンドがおり、ジュエラーはリオンディーズ。
シンハライトがマカヒキと印象が被る。
鞍上もそれぞれ、サトノダイヤモンドがルメール、リオンディーズがデムーロ、マカヒキが川田になる。
メジャーエンブレムと異なり、サトノダイヤモンドは多少自在に動けるがそのキレ味に限界はあるように思う。
天候により馬場がどうなるか不明ではあるが先週と比較するのであれば33秒後半〜34秒前後で決着すると思う。
その際、キレ味で負ける可能性のあるサトノダイヤモンドがどういうレースをするのか、今週を踏まえて又、悩ましく感じる。
マカヒキは最後方から自分自身の最大の強みであるキレ味を信じて騎乗するのであろう。
川田は後方からの競馬が得意な印象も無いが今週のデムーロのように馬の力を信じて乗るべきであるように思う。
デムーロは今週とは異なり、池添の騎乗したシンハライトのようなレースを強いられるように思う。
前にいる有力馬やペースに意識を持ちつつ後ろからの追走を気にしなければならない微妙な位置。
しかし、単純化は才能であり能力でもある。
デムーロの能力とは物事をシンプルにして実行可能な戦略として行動出来るように思う。
おそらく今回はスマートオーディンの少し後ろにつけて武豊の追い出しを目安い決め打ちでレースをすると思う。
おそらく武豊がこのレースのキーパーソンになるように思う。
すっかり格付けがすんだと思われているがスマートオーディン自体は前目での競馬を得意としている。
今回はしっかり逃げてこのレースを支配するように思う。
おそらく上がりは34.0〜34.2秒程度。この上がりが使えることが可能な程度にスローで逃げる必要がある。
昨年、レッツゴードンキで岩田が魅せたスローペースを演出する必要がある。
前に1頭馬がいてほしい。おそらくリスペクトアースが最適。
前目にもう1頭。ドレッドノータスと同じような位置で一段後ろで競馬をしたい。
縦長な隊列、自分が自身が隊列を分断しスローを演出する。
リオンディーズやサトノダイヤモンドとの差は0.6秒程度。
スローを演出出来れば仕掛けは直線に入る次点で5馬身程度の差を確保する為の戦略に集約される。
逃げ切る事は非常に難しいがこれしか勝てる方法は無い。
しかし、今回スマートオーディンが勝てる可能性はほぼ無いように思うが、このペース演出によりマカヒキが敗退する可能性はあるように思う。
先行勢に有力馬が固まるレース故に展開を選べないマカヒキがどのようなレースをするのか。
各馬の距離特性的にはサトノダイヤモンドが難しい可能性がある。
それ以前に有力馬を相手にしサトノダイヤモンドは本当に力があるのか?
勝負付けはすんでおらずタイム的にも対戦相手の強さ等も比較出来ていない。
上記、2つのテーマが今回の予想の全てである。
いずれにせよリオンディーズが着を逃すことは無いと思う。
リオンディーズ、マカヒキ2頭軸マルチでサトノ、スマートオーディンを本線とする。
リオンディーズ、サトノ2頭軸マルチで、マカヒキスマートオーディンを抑える。
その他伏兵をピックアップをして広めに抑える。
この辺を馬券戦略として考えてゆきたい。
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