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『ウルトラマン80』(-エイティ)は1980年(昭和55年)4月2日から1981年(昭和56年)3月25日までTBS系で毎週水曜日の19:00 - 19:30(JST)に全50話が放送された、円谷プロダクション製作の特撮テレビ番組。「昭和ウルトラシリーズ」第9作目であり、最終作である。第3期ウルトラシリーズの2作目にあたる。
激しかった怪獣との戦いが過去のものとなり、地球には平和が続いていた。
そんなある日、桜ヶ岡中学校[1]に新人教師・矢的 猛(やまと たけし)が新しく赴任してきた。「一所懸命」をモットーとする彼はさっそく、1年E組を受け持つことになったが、5年ぶりとなる怪獣復活を確信して個人的に調査を続けていた。
矢的猛の正体こそ、M78星雲から秘密裏に地球へ派遣されていたウルトラマン80だった。人間の負の感情・マイナスエネルギーが怪獣を生み出すということに気付き、それを根本から断つために教師として働いていたのである。
やがて、5年ぶりに出現した怪獣クレッセントを倒したウルトラマン80=矢的猛は、地球防衛軍の極東エリア・UGMのオオヤマ一樹キャップにその熱意を認められ、UGM[2]へ入隊。UGM隊員と教師という2つの職業をかけもちしつつ、怪獣と戦っていくことになる。
1975年、『ウルトラマンレオ』放送終了をもってウルトラシリーズは一時中断していた。だが、1979年、シリーズ初のアニメーション作品となる『ザ☆ウルトラマン』で再開され、その成功を受けて本作が製作された。実写作品としては5年ぶりで、80という名は「1980年代の新たなウルトラマン」を由来とする。
「新しいウルトラマン」としての新機軸として、主人公が中学校の教師となり学校が日常の舞台とされた。企画書では、児童の殺人や自殺といった暗い世相に言及し、「“生命の尊さ”、“愛の美しさ”、“勇気の誇らしさ”を啓蒙し、“ウルトラ文化”と呼ばれる子供文化を作り上げていきたい」とし、その手段として「ウルトラマン=先生というドラマ設定とした」と記されている。こうして、当時の子供たちを取り巻く不穏な世相を象徴する形で、「地球人の憎しみ、悲しみなどの邪悪な心(マイナスエネルギー[3])が怪獣を生み出す」という設定を導入し、ウルトラマン80は怪獣と直接戦うだけではなく、「怪獣を生み出す人間の邪悪な心を正すため、教師として子供たちの教育に取り組む」というドラマ作りが行なわれた。
主人公が学校教師である点は、当時流行した同じTBSのテレビドラマ『3年B組金八先生』や日本テレビ系の『熱中時代』などと共通しているが、このコンセプトは『ウルトラマンレオ』終了時にすでに存在した[4]。湯浅監督は、賛否両論のあるこの「主人公を単に防衛チームの隊員ではなく、教師にした」という設定は、安易に当時の「先生物」のブームに便乗したわけではなく、先ほどの橋本洋二プロデューサーの「なぜいま、ウルトラマンを作らなければならないか」という問いかけに応じたものであり、「万能」のウルトラマンに「先生」という肩書を加え、「昼間、授業中に怪獣が出たらどうするのか」といった葛藤から生まれるドラマに主眼を置いたものだったとしている。
本作の企画は、円谷プロの赤坂の寮で週に一回会議が行われ、そして進められた。テーマは「いま、ウルトラマンを復活させる意義は何か」というもので、TBS編成局側からは「従来のスタイルにしてほしい」との要望が出された。これに対し、同じくTBSの橋本洋二プロデューサーは、「80年代のウルトラマンが以前のものと同じでいいはずがない」と主張し、「教師設定」が導入された。橋本プロデューサーによって、湯浅監督や平野靖司、土筆勉ら円谷プロ系でない外部の新しい監督、脚本家が集められ、「新しいウルトラマンをどうするか」との論議は放映開始後も熱く戦わされた。
本編監督には、大映で昭和期の「ガメラシリーズ」全作を担当し、大映倒産後は『刑事犬カール』(東京映画、1977年)などのTBS系のテレビドラマを多く手がけた湯浅憲明がメインに迎えられた。湯浅は本作に携わる前に、大場久美子主演版のテレビドラマ『第二期コメットさん』(制作した国際放映は円谷プロと提携関係にあった)で、ウルトラマンタロウやウルトラマンレオがゲスト出演するエピソードを局と組んで監督している(視聴率は30%を超えた)。 ほかには松竹出身の広瀬襄、大映テレビの作品を数多く手がけている合月勇が演出陣に加わっている。
学園ドラマの設定を導入したことは、生徒が学園生活で出会う問題と怪獣の発生を絡めた佳作をいくつか生み出した。しかし、放映時間30分ではいじめや不登校、異性交遊などの当時の教育問題と怪獣を並立して描くことに限度があり、また、実在の学校施設を借りてのロケ撮影の日程(おもに日曜日に撮影された)を組むのが制作スケジュール上の制限となっていった。
こうした中で、「学園物」設定を主張した橋本プロデューサーが放映途中でラジオ部に異動。これを受け、TBS編成局は「やはり昔のスタイルでいこう」と円谷プロ側に伝えてきた。こうして、第13話以降は「学園物」の設定とともに、矢的猛の「学校教師」としての設定は切り捨てられ、UGMを舞台として隊員たちの活動を描く従来の「ウルトラマンシリーズ」のドラマに路線変更された(ただし、第11話でも学校が登場しないドラマになっている)。設定上、第13話以降も矢的猛は教師を続けていたのかどうかは劇中では語られておらず[5]、湯浅監督は本作を振り返り、「ウルトラマンの力に対する制限は、結局、円谷プロ側が許さなかった」、「中途半端になって、後悔の多い作品になった」と語っている。
設定変更後は、初期ウルトラシリーズを彷彿とさせるシリアスなSFドラマが志向されたが、第31話でふたたび路線変更され、「毎回子どものゲストが登場して怪獣と絡む」というコミカルでファンタジックな作劇に変わっている。同時に番組の構成が、番組タイトルからアバンタイトルを挟んでオープニングへと移る形式[6]に変化している。
また、第43話からウルトラシリーズ初の女性戦士[7]のユリアンが登場し、80とユリアンの2人を中心に据えた作劇がなされた。ただし、ユリアンの姿としては第49・50話のみ。
このようにストーリー全体が4つのパートに分けて考えられることから、第1話 - 第12話を「学園編」、第13話 - 第30話を「UGM編」、第31話 - 第42話を「少年ドラマ編」、第43話 - 第50話を「ユリアン編」などと呼称する文献もある。ただしこの呼称は公式のものではなく、例えば第43話以降でも少年ドラマ編に類似したストーリーの回が散見され、作劇イメージは一貫していない。
当初、80は「苦しい戦いと人間たちとのふれあいを経て、ウルトラ兄弟の仲間入りを果たす」と設定されており、番組宣伝ポスターにもゾフィーからレオまでのウルトラ兄弟が掲載されており[8]、過去の作品との繋がりが明示されたが、後半の妄想ウルトラセブンとウルトラの父[9]を除き、歴代ウルトラマンの客演はなかった。
本作の終了後、1996年に『ウルトラマンティガ』(毎日放送)が製作されるまで、国内TV番組としての「ウルトラシリーズ」は休止期間が16年に及んだ。
アメリカの特撮映画『スター・ウォーズ』や『未知との遭遇』は、世界的なSFブームを呼び、日本の特撮界にも大きな影響を与えた。円谷プロが翌年に製作した『スターウルフ』ではミニチュアの表面処理や演出に影響が見られた。続く本作も同様で、スペースマミーの飛行シーンは『スターウォーズ』に登場する宇宙戦艦「スターデストロイヤー」と類似している。第6話のUFO出現シーンも、特技監督の高野宏一によれば、わざと『未知との遭遇』そっくりに撮影しているという。高野はこういったカットについて、『スターウルフ』での特撮と併せて「アメリカほど金をかけなくともTVでこれくらいの画は撮れる」との円谷プロ特撮スタッフの「自信の現れで一種の挑戦」だと語っている。特撮班の撮影日数は週に4、5日というペースだった。高野監督は「もう2、3日あればもっと内容の濃い特撮を撮れた」とコメントしている。
本編監督として参加した湯浅は、特撮スタッフと衝突することが多かった。円谷プロは本来、特撮技術者の集団であり、本編フィルムと特撮フィルムの編集権をめぐって、激しいやり取りもあったという。湯浅はウルトラシリーズでの防衛チームの存在意義が薄い印象を持っていたため、「怪獣をUGMが倒したところでウルトラマンが現れる」というストーリー案を出したところ、円谷プロ側から「ウルトラマンを馬鹿にしてるのか」と神を冒涜したかのような怒りを受けたという[10]。
湯浅によると、一度撮影中に怪獣のぬいぐるみが火薬の引火で全焼してしまったことがあったという。あっという間のことで、スタッフともども何もできなかったそうで、見学中の小林千登勢にあれでいいのかと聞かれ、湯浅はあれでいいと必死でごまかしたという。
UGM基地は野外滑走路が設けられていて、スカイハイヤーやシルバーガルなどの離陸シーンでは、実在の戦闘機を改造した主力戦闘機が多数周囲に駐機していたり、現実にある管制塔での作業シーンが合成されていたり、未来感よりは現実感重視のミニチュアワークが見られ、『ウルトラセブン』に登場する地球防衛軍基地とはまた違ったリアルさが追求された。後述のように、基地自体が厚木付近に所在している設定であり、米海軍厚木基地がモデルと見受けられるリアルな描写となっている。高野は放映当時、「『ウルトラマン』の怪獣の魅力みたいなものと『ウルトラセブン』のメカニックな面白さをうまく組み合わせてみたい」と意気込みを語っている。
合成場面における新技術として、従来のリアプロジェクションよりも画質が鮮明なフロントプロジェクションを多用しており、コストを低減させながらも人物と特撮情景の融和に効果をあげている。
ウルトラシリーズ最大の見せ場である都市破壊も、極めて精巧なミニチュアが制作され、特にナイトシーンなどでは優れたライティングで迫真の効果を挙げた。円谷プロとしては「ウルトラシリーズ」自体は数年のブランクがあるものの、『恐竜3部作シリーズ』、『メガロマン』など他社作品を含め、現場制作を絶やさなかったスタッフ陣の実績がこれを支えた。
作品全体のデザインは、円谷作品ほかで池谷仙克の美術助手を務めた山口修。山口は本編・特撮両方の美術を担当し、80や宇宙人・怪獣、UGMのヘルメット、隊員服、基地セットなどを手掛けている。
ウルトラの星の王女で、80の幼馴染。ガルタン大王に追われて地球にやってきた。敵が近付くと額のビームランプが点滅して危険を知らせる。地球では星涼子という女性に変身しており、ブライトブレスレットで変身する。涼子のイヤリングにはブライトブレスレットと共鳴する力がある。デザインモチーフは弥勒菩薩とされている。
80から「自分が戦いに負けた時は代わりに地球を守れ」と言われており、80のピンチに何度も変身しようとしたが制止された。第49話では、プラズマ・マイナズマに苦戦する80を助けるために変身して闘ったが、本来は戦士ではない。
この他に格闘戦でもチョップ、キック、投げ技などを披露している。
矢的猛が赴任した東京近郊にある中学校。第13話から生徒も教師も劇中に登場していないが、『ウルトラマンメビウス』第41話で生徒たちのその後が描かれた(『メビウス』での生徒役の俳優は本作の俳優とは異なる)が、統廃合で廃校となることが明かされている。
職員[]林憲之介(はやし けんのすけ)桜ヶ岡中学校の校長。外見はいつもひょうきんな姿をみせているためか、教頭に注意されることが多いが、教師や生徒たちにはしっかり目を配っており、猛の行動にも理解を示している。校内で猛のUGM勤務を承知している唯一の人物で、オオヤマと面識がある。野崎クミ(のざき くみ)桜ヶ岡中学校の教頭。真面目で少々口うるさく、ヒステリックである。猛に対し、さまざまな場で厳しく当たっている。内心では猛に共感しているとの設定もあったが、具体的に描かれないまま終わっている。相原京子(あいはら きょうこ)猛とともに桜ヶ岡中学校に赴任した23歳の女性教師。担当は体育。入学式で見事な体操の腕前を披露し、ピアノ演奏もこなす才女だが、料理は苦手。猛に想いを寄せられて微妙な関係にあったが、「学園編」終了とともに消化不良で終わってしまう。ノンちゃん姓は山口。明るく生徒からも人気のある桜ヶ岡中の若い女性事務員。のちに彼女と瓜二つのUNDA気象班・小坂ユリ子が登場(演じたのは同じ白坂紀子)。1年E組の生徒たち[]博士本名・上野博士(ひろしと読む)。血液型はO型。物事をなんでも理論的に考えるインテリではあるが、クラスの人気者。第12話では転入生の青山ミリー(ビブロス星人)と心の交流を持った。のちに大学の研究員となる。落語本名・鍛代順一(演じた役者の名前そのままである)。血液型はO型。その名の通り、落語調で話す。猛の担当教科である理科が苦手。のちに信用金庫に就職する。スーパー名は「すすむ」。家がスーパーマーケットであるため、そのままあだ名になっている。母親の死後、父親と姉・広子の三人暮らしだったが、姉が安心して結婚できるようにと再婚話を受けたふりをした父を誤解したこともあり、そのことで学校をサボったこともあった。虫歯が多いらしい。のちに家業のスーパーを継ぐ。ファッション1年E組の中心4人組の紅一点で、ミスE組である。男勝りな性格。血液型はO型。のちに結婚して3児の母親となる。塚本幸夫(つかもと ゆきお)第2話に登場。親友がいないことから不登校となったが、猛の説得で登校を再開。ウルトラマン80に猛の姿を重ね合わせた。猛を80だと信じ続け、猛に憧れてのちに教師となり、その際に自分と同じ不登校となった生徒を説得させた。中野真一(なかの しんいち)第3話で登場。恋人のみどりをライバルにとられてしまった憎しみからマイナスエネルギーを発生させ、ホーを誕生させてしまう。しかし猛の説得で目覚め、危機に陥ったみどりを体を張って守った。のちに年の離れた女性と結婚。大島明男(おおしま あきお)第6話に登場。自分は違う星で生まれた宇宙人だと思い込み、この地球には居場所はないと思っていた。しかしアブドラールス出現時に負傷した際、クラスメートたちの輸血によって助かったことで自分が地球人だと納得した。血液型はO型。のちに天文学者となり、オオシマ彗星を発見。岡島アキラ(おかじま あきら)第7話に登場。仲間とともにロックバンドに熱中していた。マリ第1・12話に登場した生徒で、第12話では、ファッション達と共に博士とミリーに嫌がらせをするが、後に和解する。UGMとは「Utility Goverment Members」の略称で、世界各国の軍隊を総括する国際連合直轄の総合軍事組織「地球防衛軍UNDA (United Nations Defence Army)」に所属する怪獣・怪奇現象専門のチームである。UGMを含むUNDAの基地はカナダ、アメリカ、北ヨーロッパ、中央ヨーロッパ、アジア、極東(日本)、オーストラリア、アフリカに点在する。
神奈川県にある広大な基地。敷地内には、最先端科学の粋が結集した電子機器が設置されたUGM隊員の司令室・通称「パドック」を始め、全宇宙の情報を持つ宇宙観測センターや分析室、UGM・防衛軍両隊員の為のトレーニングセンターや野外射撃場など、充実した人員用の設備は勿論、地上と地下にある各メカの格納庫や戦闘機用の滑走路、管制塔、スペースマミーの発進ゲートまで備える。第14話で、ザルドンに一部破壊された。物語後半からは、UGMの文字を形取った建物へと移設された。
特殊合成繊維で作られており、外気温が摂氏1500度から零下100度までなら、服の内側を常時26度に保つことができる[11]。放射能や有害光線を防ぐこともでき、動きやすい。オレンジ色を基調に、襟や肩、ブーツなどにシルバーが配色されている。右胸には「UGM」の文字と四角形の階級証が付けられている。階級証は、斜線が一本入った小さな正方形の両側に長方形が1個ずつ配置されたもの(オオヤマ、イトウ)、長方形の中央が一本の縦線で仕切られているもの(ハラダ、フジモリ。イトウも登場時からしばらくの間はこれをつけていた)、長方形(前出4名以外)の3種類が劇中確認できる。なお、白の半袖カッターシャツに隊員服と同様の図柄が付いたものに、濃紺のネクタイとズボンという組み合わせの服が存在する(第14・17・18話でイトウが外出する際に着用した)。その他、最終回で二人がオーストラリアゾーンから駆けつけるシーンで着用しているだけなので詳細は不明だが、ハラダ、タジマが黄色の隊員服(?)を着用している。
銃器類・特殊装備[]UGMヘルメット特殊金属とプラスチックで作られたヘルメットで、軽量で怪獣の攻撃を受けても壊れないほど丈夫にできている。超高性能トランシーバーも内蔵している。ライザーガンUGM隊員が携帯する小型銃で、カートリッジの交換でレーザー銃や火炎銃、麻酔銃になる。ダイナミック・ショット分解、組み立てが可能な中型光線速射銃で、強力光熱弾を連射する。80の変身アイテムブライトスティックを取り付けることでベータ線を照射できる。モンス・センサー宇宙人の居場所や地底に潜む怪獣の動きを探る探知機。航空機[]スカイハイヤー全長:19m 全幅:約17.7m 全高:約6m 最高速度:マッハ5.5 乗員:1名単座式主力多目的VTOL戦闘攻撃機。原子力ジェットエンジン3基を搭載。機体を戦車形体に変形させて地上戦を行う機能もあるが、劇中未使用。主武装は主翼内のレーザー砲、カナード翼下のレーザーショック砲、レーザーショック砲との換装による空対地ミサイル。その他に爆弾倉内に各種兵装、機首にはレーダーの他に怪獣の能力を分析するボディリサーチ・レイなど様々な装備が搭載される。シルバーガル全長:12m 全幅:約16m 全高:5.7m 最高速度:マッハ6.3 乗員:2名複座式他用途VTOL戦闘攻撃機。ティルトローター全翼機のβ号に高速機のα号を重ねた機体形状。合体時の操縦席はα号のコクピットにタンデム配置だが、分離時にセカンドシートが後方へ移動しβ号に移乗する。武装はβ号機体上部の空対地ミサイル発射機を除く各機の全武装。分離形態では、先行するα号で怪獣に上を向かせ、その隙にβ号がジャックナイフ・フライトで下から攻撃する「フォーメーション・ヤマト」を行える。α号全長:約12.6m 全幅:約16m 全高:約3m 乗員:1名武装は主翼内のレーザー砲(ファイヤーストリーム)、主翼付け根のレーザーショック砲、スカイハイヤーと同じく換装装備の空対地ミサイル。β号全長:約9m 全幅:約11.5m 全高:3m 乗員:1名主武装は機体下部(第5話から上部に変更)のミサイル発射機、主翼内のレーザー砲。胴体内の爆弾倉に各種作戦装備、ミサイルなどが装備可能。両機とも原子力ジェットエンジンを2基ずつ搭載。スペースマミー全長:150m 艦体幅:約60m 主翼幅:約120m(主翼展開時) 全高:約50m 最大航行速度:マッハ5(大気圏内)・光速の数%(宇宙空間) 乗員:6名本来は外宇宙惑星探査船として建艦された大型宇宙母艦兼移動前線指令基地。大気圏内では補助用の原子力ジェットエンジンで飛行、宇宙空間では主翼を折りたたんで三基の光子ロケットで航行し、数時間で地球 - 火星間を往復する能力があり、最長60日間の連続長期航行が可能。艦橋兼司令塔は、通常位置から前傾姿勢の航空機発艦管制モード、倒立位置の全周警戒モードへの可動が可能。武装は光子レーザー砲、大型ミサイル発射機各1門、第28話でプラズマミサイル発射機2門、第37話で艦首にミサイル発射機2門が追加される。また艦首に小型宇宙船を装備している(劇中未使用)。なお大気圏内ではスカイハイヤー、シルバーガルの母艦としても運用される。地球防衛軍戦闘機UNDAが多数保有する単座双発戦闘攻撃機で、3機で1個小隊を組む。レガシーホーネットが機体ペースであり、単垂直尾翼への変更、機首へのカナード翼の追加、水平尾翼の廃止等の改造が施されている[12]。最大速度マッハ5.5。主武装は主翼下の空対地ミサイル。エースフライヤー全長:15m 最高速度:マッハ5.5 乗員:1名第15話から登場。F/A-18ホーネットをベースにVTOL機能などを追加した指揮官用戦闘機。極東エリア基地ではイトウチーフの専用機として用いられることが多い。武装は、レーザーショック砲だが劇中ではミサイル発射機を主に使っていた。防衛軍F16(正式名称不明)第13話に登場。シルバーガルやスカイハイヤーと編隊を組んで飛行した。赤い戦闘機(正式名称不明)最終話に登場。オーストラリアゾーンから救援に駆け付けた、ハラダ、タジマ、隊員が搭乗した。燃料が切れる寸前のスカイハイヤーに給油し、マーゴドンを冷凍弾で凍らせる活躍を見せた。スペース7号太陽系外の惑星探査に用いられるUGMの宇宙探査船で、第23話で宇宙アメーバに襲われた。UGMの車両はその他に、ホンダ・クイントの5ドアHBが登場している。
ドルフィンATM(設定のみ、本編未登場)2人乗りの小型原子力潜航艇。全長12.5m、最高速度89kt/h、水上145kt/h。これら以外に、イトウチーフがヨーロッパからの着任時に搭乗したF-16 ファイティングファルコン、最終回でハラダとタジマがオーストラリアから駆けつける時に使ったA-4 スカイホーク、第22話でゴモラIIを攻撃したF-4ファントム戦闘機、第24話でロボフォーを相手に対空戦闘を行った戦車レオパルト1、などの西側陣営現用の実在兵器も多数登場している。
※各怪獣の詳細はウルトラマン80の登場怪獣を参照
放送日 | 話数 | サブタイトル | 登場怪獣・宇宙人、ゲストウルトラマン | スタッフ |
---|---|---|---|---|
1980年4月2日 | 1 | ウルトラマン先生 | 月の輪怪獣クレッセント | 監督-湯浅憲明 特技監督-高野宏一 脚本-阿井文瓶 |
1980年4月9日 | 2 | 先生の秘密 | 羽根怪獣ギコギラー | |
1980年4月16日 | 3 | 泣くな 初恋怪獣[13] | 硫酸怪獣ホー | 監督-深沢清澄 特技監督-高野宏一 脚本-阿井文瓶 |
1980年4月23日 | 4 | 大空より愛をこめて | だだっ子怪獣ザンドリアス 親怪獣マザーザンドリアス | |
1980年4月30日 | 5 | まぼろしの街[14] | 四次元ロボ獣メカギラス 四次元宇宙人バム星人 | 監督-湯浅憲明 特技監督-高野宏一 脚本-山浦弘靖 |
1980年5月7日 | 6 | 星から来た少年 | UFO怪獣アブドラールス | 監督-湯浅憲明 特技監督-高野宏一 脚本-広瀬襄 |
1980年5月14日 | 7 | 東京サイレント作戦 | 騒音怪獣ノイズラー | 監督-深沢清澄 特技監督-高野宏一 脚本-田口成光 |
1980年5月21日 | 8 | よみがえった伝説 | 復活怪獣タブラ 光の巨人 | 監督-湯浅憲明 特技監督-高野宏一 脚本-平野靖司 |
1980年5月28日 | 9 | エアポート危機一髪! | オイル怪獣ガビシェール | 監督-湯浅憲明 特技監督-川北紘一 脚本-阿井文瓶 |
1980年6月4日 | 10 | 宇宙からの訪問者 | 惑星調査員アルマ 宇宙生物ジャッキー 変形怪獣ズルズラー | 監督-湯浅憲明 特技監督-川北紘一 脚本-土筆勉 |
1980年6月11日 | 11 | 恐怖のガスパニック | 毒ガス怪獣メダン | 監督-深沢清澄 特技監督-高野宏一 脚本-平野靖司 |
1980年6月18日 | 12 | 美しい転校生 | マグマ怪獣ゴラ ビブロス星人ミリー | 監督-深沢清澄 特技監督-高野宏一 脚本-広瀬襄 |
1980年6月25日 | 13 | 必殺! フォーメーション・ヤマト | 再生怪獣サラマンドラ ドクロ怪人ゴルゴン星人 | 監督-湯浅憲明 特技監督-川北紘一 脚本-阿井文瓶 |
1980年7月2日 | 14 | テレポーテーション! パリから来た男 | テレポート怪獣ザルドン | |
1980年7月9日 | 15 | 悪魔博士の実験室 | 実験怪獣ミュー | 監督-広瀬襄 特技監督-高野宏一 脚本-阿井文瓶 |
1980年7月16日 | 16 | 謎の宇宙物体スノーアート | テレパシー怪獣デビロン 友好宇宙人ルリヤ星人 | 監督-広瀬襄 特技監督-高野宏一 脚本-平野靖司 |
1980年7月23日 | 17 | 魔の怪獣島へ飛べ!!(前編) | 人間怪獣ラブラス タコ怪獣ダロン 星沢子 | 監督-湯浅憲明 特技監督-佐川和夫 脚本-阿井文瓶 |
1980年7月30日 | 18 | 魔の怪獣島へ飛べ!!(後編) | 人間怪獣ラブラス タコ怪獣ダロン 吸血怪獣ギマイラ 星沢子 | |
1980年8月6日 | 19 | はぐれ星爆破命令[15] | 惑星怪獣ガウス | 監督-野長瀬三摩地 特技監督-高野宏一 脚本-若槻文三 |
1980年8月13日 | 20 | 襲来!! 吸血ボール軍団 | コブ怪獣オコリンボール | 監督-野長瀬三摩地 特技監督-高野宏一 脚本-土筆勉 |
1980年8月20日 | 21 | 永遠(とわ)に輝け!! 宇宙Gメン85 | 残酷怪獣ガモス L85星人ザッカル ザッカル妻子 | 監督-湯浅憲明 特技監督-佐川和夫 脚本-山浦弘靖 |
1980年8月27日 | 22 | 惑星が並ぶ日 なにかが起こる | 古代怪獣ゴモラII 女王イーナス 地底人 | 監督-湯浅憲明 特技監督-佐川和夫 脚本-阿井文瓶 |
1980年9月3日 | 23 | SOS!! 宇宙アメーバの大侵略 | アメーバ怪獣アメーザ | 監督-外山徹 特技監督-高野宏一 脚本-山浦弘靖 |
1980年9月10日 | 24 | 裏切ったアンドロイドの星 | 友好宇宙人ファンタス星人 戦闘円盤ロボフォー | 監督-外山徹 特技監督-高野宏一 脚本-平野靖司 |
1980年9月17日 | 25 | 美しきチャレンジャー | 変身怪獣アルゴン | 監督-湯浅憲明 特技監督-佐川和夫 脚本-阿井文瓶 |
1980年9月24日 | 26 | タイムトンネルの影武者たち | 異次元人アクゾーン 巨大化怪獣ゲラ | 監督-湯浅憲明 特技監督-佐川和夫 脚本-平野靖司 |
1980年10月1日 | 27 | 白い悪魔の恐怖 | 泡星人アルゴ星人 | 監督-外山徹 特技監督-高野宏一 脚本-南川竜 |
1980年10月8日 | 28 | 渡り鳥怪獣の子守歌 | 渡り鳥怪獣バル スペースジョーズ ザキラ | 監督-外山徹 特技監督-高野宏一 脚本-阿井文瓶 |
1980年10月15日 | 29 | 怪獣帝王の怒り | 渓谷怪獣キャッシー | 監督-湯浅憲明 特技監督-佐川和夫 脚本-若槻文三 |
1980年10月23日 | 30 | 砂漠に消えた友人 | 侵略怪獣ザタンシルバー 変身宇宙人ザタン星人 | |
1980年10月30日 | 31 | 怪獣の種飛んだ | 植物もどき怪獣ゾラ | 監督-外山徹 特技監督-高野宏一 脚本-阿井文瓶 |
1980年11月5日 | 32 | 暗黒の海のモンスターシップ | スクラップ幽霊船バラックシップ | 監督-外山徹 特技監督-高野宏一 脚本-平野靖司 |
1980年11月12日 | 33 | 少年が作ってしまった怪獣 | 工作怪獣ガゼラ | 監督-湯浅憲明 特技監督-佐川和夫 脚本-阿井文瓶 |
1980年11月19日 | 34 | ヘンテコリンな魚を釣ったぞ! | 巨大怪魚アンゴーラス(親子) | 監督-湯浅憲明 特技監督-佐川和夫 脚本-石堂淑朗 |
1980年12月3日 | 35 | 99年目の竜神祭 | 三つ首怪獣ファイヤードラコ | 監督-合月勇 特技監督-高野宏一 脚本-若槻文三 |
1980年12月10日 | 36 | がんばれ! クワガタ越冬隊 | 昆虫怪獣グワガンダ | 監督-合月勇 特技監督-高野宏一 脚本-石堂淑朗 |
1980年12月17日 | 37 | 怖れていたバルタン星人の動物園作戦 | 宇宙忍者バルタン星人(五代目) | 監督-外山徹 特技監督-佐川和夫 脚本-石堂淑朗 |
1980年12月24日 | 38 | 大空にひびけ ウルトラの父の声 | 心霊怪獣ゴースドン ウルトラの父 | 監督-外山徹 特技監督-佐川和夫 脚本-若槻文三 |
1981年1月7日 | 39 | ボクは怪獣だーい | 怪獣少年テツオン 宇宙植物 | 監督-湯浅憲明 特技監督-高野宏一 脚本-平野靖司 |
1981年1月14日 | 40 | 山からすもう小僧がやって来た | すもう怪獣ジヒビキラン すもう小僧 | 監督-湯浅憲明 特技監督-高野宏一 脚本-水沢又三郎 |
1981年1月21日 | 41 | 君はゼロ戦怪鳥を見たくないかい? | ゼロ戦怪鳥バレバドン | 監督-東條昭平 特技監督-佐川和夫 脚本-石堂淑朗 |
1981年1月28日 | 42 | さすが! 観音さまは強かった! | ムチ腕怪獣ズラスイマー | |
1981年2月4日 | 43 | ウルトラの星から飛んで来た女戦士 | 侵略星人ガルタン大王 遊牧星人ガラガラ星人 | 監督-湯浅憲明 特技監督-神澤信一 脚本-水沢又三郎 |
1981年2月11日 | 44 | 激ファイト! 80VSウルトラセブン | 妄想ウルトラセブン | 監督-湯浅憲明 特技監督-神澤信一 脚本-吉田耕助 |
1981年2月18日 | 45 | バルタン星人の限りなきチャレンジ魂 | 宇宙忍者バルタン星人(六代目) | 監督-野長瀬三摩地 特技監督-高野宏一 脚本-石堂淑朗 |
1981年2月25日 | 46 | 恐れていたレッドキングの復活宣言 | どくろ怪獣レッドキング(三代目) 壺の精マアジン | 監督-東條昭平 特技監督-高野宏一 脚本-平野靖司 |
1981年3月4日 | 47 | 魔のグローブ 落し物にご用心!! | 紫外線怪獣グロブスク | 監督-東條昭平 特技監督-神澤信一 脚本-石堂淑朗 |
1981年3月11日 | 48 | 死神山のスピードランナー | マラソン怪獣イダテンラン マラソン小僧(死神走太) | 監督-宮坂清彦 特技監督-高野宏一 脚本-水沢又三郎 |
1981年3月18日 | 49 | 80最大のピンチ! 変身! 女ウルトラマン | 合体怪獣プラズマ 合体怪獣マイナズマ ユリアン | 監督-宮坂清彦 特技監督-高野宏一 脚本-山浦弘靖 |
1981年3月25日 | 50 | あっ! キリンも象も氷になった!! | 冷凍怪獣マーゴドン ユリアン | 監督-満田かずほ 特技監督-佐川和夫 脚本-石堂淑朗 |
()内は脚本家
4曲ある主題歌を担当したTALIZMANは当時、新進気鋭のロックバンドとしてタケカワユキヒデ(ゴダイゴのヴォーカル)のバックバンドを務めていた。ヴォーカルは、TALIZMANのメンバーで、HARRY・ハーリー木村の名前でのソロ活動も多かった木村昇。
音楽は、本作でも流用される『ザ☆ウルトラマン』の追加録音分と挿入歌の作曲を担当した冬木透が続投。木村昇による主題歌アレンジも含め、お馴染みの管弦楽編成で楽曲を提供している。また、一部の曲では当時の特撮作品の音楽としては珍しく、シンセサイザーも取り入れられているが、まだ楽器としての完成度が低かった時代のため(YMOが注目を集め始めた当時である)、効果音的な用い方にとどまっている。逆に怪獣が倒れる音などの効果音の作成にもシンセサイザーが用いられていた。なお、第18話や第49話ほかでの使用が印象的な女声スキャット曲は『宇宙戦艦ヤマト』などで知られる川島和子の歌唱によるもの。作曲者は別だが、ブリッジ音楽は『バトルホーク』の曲が流用されている。
また、UGMの出動テーマ曲ではワンダバコーラスが復活。放映当時に発売された本作のサントラ盤『ウルトラマン80 テーマ音楽集』に「ワンダバUGM」という曲名で収録され、それまで通称だった「ワンダバ」がここで初めて正式な曲名に昇格した。この曲は劇中のほか、第31話以降の次回予告にも使用された[16]。
挿入歌「心を燃やすあいつ -矢的猛の歌-」も冬木透の作曲で、歌はぬまたこうじ。80とユリアンがM78星雲へ飛び立つシーンをバックにした最終話のローリングタイトルで歌入りで使われたほか、インストゥルメンタル版をドラマの締めくくりに使用した回も見られた。
なお、オープニング映像については、前半は80のアクションポーズのシルエット映像をコマ落ちやスローモーションで配したアクロバティックな演出で、ウルトラシリーズの基本的様式を踏襲した印象が強かったが、第33話から矢的猛の活躍場面と特撮のスペクタクルシーンを織り交ぜたものに変更されている。またエンディング映像は前述の最終回を除き、スカイハイヤーおよびシルバーガルのスペースマミー内カタパルトからの発艦シーン、各機の雲海上の飛行シーンおよびスカウターS7の走行シーンだった。
本作を放映していた時期は保護者層による、子供番組の内容についての問題提起運動がさかんになっていた。その一環として当時の円谷プロに、本作の内容を問題視する冊子が届けられた。その内容は、第7話における暴力的な表現の回数や内容が、細かい統計データとして集計されており、更には「主人公が軍人であり共感できない」「サイレント作戦は戦時中の灯火管制を想起させ悪印象である」といった細部の演出への批判が記されていた。この冊子については、1993年に商業誌[17]でその存在が紹介されファンの知るところとなった。ただし、本冊子は同時期に放送された他の子供向け人気番組についても作成され、特に本作を狙って批判する運動があったわけではない。この冊子のような指摘が実際の番組制作に影響を与えたという公式発表や証言は特に公表されていない。
放映当時の小学館の学習雑誌や、漫画『ウルトラ兄弟物語』では80の過去が描かれている。新人時代は素行が悪く、ゾフィーの言うことも聞かなかった。しかし、怪獣に両親を殺され、失意に沈んでいたところをウルトラマン・レッドに出会って励まされ、サクシウム光線を習得する。両親の仇を討ったあと、ゾフィーの命令によって地球へ赴任することとなった。
ウルトラマン・レッド[]映像作品には登場していないが、放映当時の漫画『ウルトラ兄弟物語』、『テレビマガジン』や『てれびくん』などの雑誌に登場している。元宇宙警備隊の副隊長で、80の師に当たるキャラクター。ウルトラの父のような角とマントを備えつつ、ウルトラマンタロウとウルトラセブンを合わせたようなデザインで、両親を失った80を心身両面から指導したとされている。80と出会った際には、まだ光線技が弱かった80に対して「自分の若いころと似ている」と評し、光線技が強くなるヒントを与えた。しかし、80に対して直接の指導はせず、実戦の中で自主的にマスターさせる姿勢を通した。雑誌展開上の二次創作キャラクターであり、映像作品と直接の関係はない。
ビデオ(VHS、セル・レンタル共通)とLDともに全13巻(各巻4話収録、最終巻は2話収録)がハミングバードから1989年にリリースされている。1999年にはバンダイビジュアルから新規に全話収録のビデオ全12巻(各巻4話収録、1巻と2巻は5話収録)が発売されたが、映像特典などはハミングバード版の方が充実している。誕生30周年を迎えた2010年6月25日と9月24日にバンダイビジュアルからDVD-BOXが発売された。
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