「レイダースの皆さんの仕事を見るたび、命の危険のない部署に就いて本当、よかったなぁって思いますぅ」 「イタリア人はとりあえずパスタ食わせときゃいいって聞きましたぁ!」 「蒐集家さんのとこ行くのはやだーーー!!!」 |
■現実の設定
名前:ウミガメ、ウミちゃん、田舎上がりの生ける夢、フウちゃん
年齢:10~20歳?
身長:146㎝
性別:女性寄り
瞳の色:緑
髪の色:水色
容姿:牛角が生えたモックタートル(≒ハイネック)の少女
所属:デイドリーレイダース・キャラバン
キャラクター設定:レイダースの厨房部隊兼キャラバンの瓶詰の夢スープ専門バイト店員の生ける夢。夢界の戦場でもし、あなたが気の抜けるチャルメラの音ともに移動する屋台を見かけたなら。あなたが正気であればそこに居るのはまず間違いなく彼女だ。
臆病で平和主義、空気が読めず調子乗りでチンピラに絡まれがち、妙なところで要領がよく怒られを回避することだけがうまい。頭は決してよくもないが本人はそうではないが本気を出せばの話だ、と思っている手合い。ブラック職場を最初の一か月で『辞めます』と辞表なしでバックれるタイプ。よく泣くし吐く。色んな意味で。
儚く幸薄さは蚕、しぶとく生き汚い生命力はさながらゴキブリの如く。少女型の生ける夢だからギリギリ許されてるような節がある。
本人たっての希望で調理系の職場を掛け持ちしているが、後述するが料理に特別由来や行動原理を持つ生ける夢ではなく、あくまで趣味或いは特技。よって他の生ける夢と違ってたまに普通に飽きる。その割には手料理に一家言があるらしく、語らせると面倒臭い。
思うんだが、姿を変えて生産ライン特化フォルムになったほうが効率いいんじゃないか?-高橋幸与
ふふっ……手ずから作るから『手料理』なんですよぅ。大量生産は暖かみがないじゃないですかぁ。-ウミガメ
彼女の初代の宿主は■■■島の帰還者。死に物狂いで戻ってきたのにも関わらず望んだだけの評価を得られなかったことや、現地での体験のフラッシュバックなどに生涯悩まされ続けた。そのため発現した彼女の形質は「苦しみに誤魔化しを与えること」。彼が死ぬまでの間の10年超、最期を看取るまで離れず精神的な意味での延命治療を続けた。
詳細はある程度音声記録で触れるが、彼も決して人間ができているとは言えないような人柄であったので、彼女のなんともいえない人格は彼自身の自尊心が傷付けられないようにするために、無意識的に作り上げられたものなのかもしれない。
発言者 | 発話内容 |
---|---|
藍司(インタビュアー) |
[録音開始] さて、ではこれからインタビューの方始めるよ。 |
ウミガメ | はい、よろしくお願いしますぅ。 |
藍司 | 君の最初の宿主の話を聞きたい。概要は既にダイバー時代の資料があるから…… 具体的に君から見て彼がどんな人物だったか、だね。 |
ウミガメ | うーん、まあ、薄情ですけどあんまりいい人とは言えなかったと思いますよぅ。 適当な不満を探しては、それを口実に手が出る足も出る、って人でした。 |
ウミガメ |
この見た目も、小さい女の子のときは比較的殴られないから始めたくらいなんですよね。 ……まあ多少マシってだけで、無くなるわけじゃぁ、なかったんですけど。 |
藍司 |
そうか。……正直なところ驚いたというか、ちょっと信じられないくらいだ。 |
ウミガメ |
そんなに不思議なことでもないですよぅ。誰だって、怒りや不満はおぼえますから。 それを外にぶつけられるか、内でしかぶつけられないか、ってだけです。 |
藍司 | そういうものか。 |
ウミガメ |
そういうものですよぅ。……まあ言っちゃあアレですけど、どうしようもない人でした。 どうやったって自分から逃げず、反撃しない相手にしか強気になれないわけですから。 |
藍司 |
……まあ、そういうことなら君が手を掛けるのもわかるな。嫌いで仕方なかったろう。 先に誰かに助けを求めてくれれば、何か変わっただろう、とは思うが。 |
ウミガメ | あのぅ。 |
藍司 | どうかしたかい? |
ウミガメ |
別に今でも嫌いってわけじゃないんですよぅ。ただ可哀想だなってだけです。 10年20年も嫌いな人の相手してられませんよぅ。 |
藍司 | しかし、それにしたって受け入れられるような素行とは言えないんじゃあないか? |
ウミガメ |
それは……私だって彼の一部なんですから。他の誰にも愛されず、注目されなくとも。 最低限自分自身は自分のことを愛してあげないと、生きていけませんよぅ。 |
藍司 | ではあのときなぜ彼を? |
ウミガメ |
水銀を飲ませたのは……せめて彼の中でくらい、英雄のままで居て欲しかったからです。 犯罪者になって、最期まで惨めさに自己嫌悪しながら死んでいくのはあんまりでしょう。 |
藍司 | ……。 |
ウミガメ |
凄かったですよ。のた打ち回りながら『毒を盛ったんだろう』ってボッコボコでした。 実際毒を盛りましたから、何も言えなかったんですけど……。 あのときは、ああ、これで私諸共終われる、居なくなれるんだ、と安堵しましたね。 |
藍司 | そう言う割には、今の君は決して晴れやかな表情と思えないが。 |
ウミガメ |
それから目が覚めた時、私だけがまだ生きていることに気付いて後悔しました。 彼は自身が生き永らえるための全ての措置を放棄して、私に投じていたんです。 |
ウミガメ |
結局のところ私でさえ、彼の良心の存在を信じてあげられなかったんです。 ……私は彼を、一方的にわかったつもりのまま、この手に掛けてしまった。 |
藍司 |
……今日のところはここまでにしておこうか。いくら何でも疲れたろう。 [録音終了] |
■夢の姿の設定
名前:ウミガメフウ
武器:お玉、包丁、俎板、フライパンなどの調理器具、体組織
外見:現実体の人型を溶かしてグズグズにほぐしたような不定形
夢の姿の設定:容姿は初代宿主が島で見た……というより、ウミガメのスープを振舞ってくれた同僚だった「何か」の影響を強く受けており、この不定形の肉体から汲み取った一部を何本かの触手に握った調理器具や鍋で加工し、簡易の瓶詰の夢や複数種の薬品を調合することができる。(ただし毒としての使用の一切は本人が自粛している。)
また非好戦主義者にも関わらず、この瓶詰の夢の販売に積極的に危険な戦地に赴く傾向にある。本人はこれを「そっちの方が皆さん褒めてくれるじゃないですかぁ!」と説明するが、実際のところは宿主が戦地で抱いた絶望に由来するもので、例え上記のような期待ができない状況でも無意識に影響を受けている彼女はなんだかんだ(例えば売り上げがいいから、など)理由を付けて必ず向かおうとする。
アリスが「再現した不思議の国の空間」と「アリス・リデル」の実体をそれぞれ持って一つの個体であるように、彼女も人型とは別に「再現した島の空間」を持っていた。この空間側は五感上の見掛けだけは任意で書き換えることが可能で、空間内の要素であるもの、例えば水銀溜まりをスープに見せかけたり、荒廃した土地をロンドン市街なんかに偽装することができる。人型形態もこの能力の延長線上のもの。彼女的には自分自身の姿はグロテスクだと認識しているようだ。
ダイバーネーム、というか個体名の『ウミガメフウ』とはmock turtleの訳語の一つ。他に訳すなら「ニセウミガメ」とか「ウミガメモドキ」、「代用ウミガメ」というところだろうか。ウミガメの肉は高いので子牛の頭肉で代用したスープのことをモックタートルスープと言い、それをキャロルが擬獣化した架空の生物のことを指す。
人物相関
- -/プロイヴィド
現在の宿主かつ職場をくれた人であり、感謝してもしきれない……とは思っているが、極り切った守銭奴なところは人としてどうなんだろうなあとか思っている。薄々自分も人としてどうなんだろうなあと自覚しているので同族嫌悪。 - 高橋幸与/雪夜
非常に貴重な「高橋と接触してもナギサに何も言われない異性」の一人。というのも、2人に料理の指導を付けたり、こいつの性格じゃ絶対ないわと判断されているため。高橋・ウミガメ間ではクズ性にシンパシーを感じてるため案外仲は良好。自虐で傷を舐めあうのがうまい。
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