◆アニマルガール基本情報
ラブラドール・レトリーバー(イエイヌ)のアニマルガール『フラネル』は、ジャパリパークに来園した盲導犬から誕生した個体です。『フラネル』という名前は、盲導犬育成施設で与えられていたもので、アニマルガールになってからも、彼女はこの名を名乗っています。
ジャパリパークでは、障碍者が来園する場合、盲導犬・介助犬など介助動物の同伴は、それらがアニマルガール化する可能性があることから、禁止されていました。しかし、「パートナーと来園できるようにしてほしい」という障碍者団体からの声を受け、20██年6月、デモンストレーションとして、ジャパリパーク初の全盲の来園者とその家族、そしてパートナーであるフラネルが特別招待されました。
現在彼女は、「ヒトのそばで働き、多くのヒトやフレンズを助ける仕事がしたい」という目標を持ち、試験解放区への永住権を夢見て、ジャパリ中央女学院で学んでいます。
◆外見・身体的特徴
1)頭・顔・動物の部位
垂れ目で優しそうな顔立ちをしており、瞳は茶色です。
頭部には元動物を模した垂れ耳を持ち、また、尻尾はカワウソのように毛が短く、太さが一定で、先が細くなっているのが特徴です。これらの毛色は髪色と同じです。
2)衣服
下半身は、クリーム色の地に裾がキツネ色のハーフパンツを履き、足回りはキツネ色のソックスに白いスニーカーです。
イエイヌ種のアニマルガール特有のハーネスは、フラネルの場合は常時身に着けているわけではありません。
3)身体能力
運動能力は人間の平均よりやや高めですが、他の陸上猛獣由来のアニマルガールに比べると劣ります。
◆性格・行動
二人称:あなた
元動物の持つ社交的で穏やかな性格が反映されており、明るく素直で、人当たりの良い、誰とでも仲良く出来るタイプの人物です。一方で、人を疑うことが殆ど無く、騙されやすいという一面もあるようです。
ただし、集中している時(ハンドルのついたハーネスが具現化している時)は、部外者に話し掛けられたり、接触されたりすることを激しく嫌います。
ジャパリ中央女学院の生徒としては、学級委員などのあまり目立つようなことは避ける傾向にありますが、元動物の、家庭犬・使役犬としての学習能力の高さを反映してか、学業成績はクラスで常に上位をキープしています。(勿論、夢を目指す彼女の努力による成果でもあります)
体育の成績に関しては先述の通り、他の陸上動物のアニマルガールと比較すれば並ですが、運動は好きであり、水泳部に所属しています。
学生である現在は、部活で身体を積極的に動かしているので太ることはないようですが、「卒業したら絶対太る」と周囲には囁かれています。
◆野生解放・“技”
また、フラネル自身も判断力や思考力が向上し、そばにいる人物の怪我や病気、周囲の状況などに対して適切な行動がとれるようになります。
専門家は、「盲導犬や介助犬、探知犬などとして使役されてきたラブラドール・レトリーバーにとって、人間の危機を救い貢献することが、家畜・使役犬としての“生きていく力”であり、それが能力として発現したのではないか」と考察しています。
あくまで「大切な人を危機から救う」ときに発現する能力であり、フラネル自身の身の危険に対しては発現しないようです。
◆関連人物(随時追加)
◆元動物基本情報
保全状況評価 Domesticated/愛玩動物
カナダ原産の使役犬(狩猟犬)「セント・ジョーンズ・レトリーバー」をベースに、19世紀にイングランドの貴族達によって改良を重ねられ、犬種として確立されました。名前の「ラブラドール」はカナダの半島の名前ですが、実はルーツはそこではなく、16世紀に入植者によってベース犬が開発されたニューファンドランド島であるとされています。
始めはベース犬の色である黒色のみがラブラドールとして認められていましたが、改良の過程でイエローやチョコレートの毛色も出るようになり、これらの個体も1900年代中頃にラブラドールとして公認されました。また、品評会向けに体格のがっしりした大人しい性格の血統(イングリッシュ)、使役犬向けにスリムで活動的な性格を持った血統(アメリカン)があり、家庭犬から探知犬・警察犬、猟犬、介助犬まで、人間と幅広く関わる犬種として大人気を博し、改良が重ねられてきました。今や、世界トップクラスのメジャー犬種となっています。
かつて、組織的な盲導犬の利用が始まった100年前のドイツでは、シェパード等が使われていました。日本でも、失明した軍人のために1939年にドイツから盲導犬訓練を受けた4頭のシェパードを輸入し、彼らは日本初の盲導犬として活躍しました。戦後の混乱で盲導犬事業が一時途絶え、研究が再開された際にも、シェパードが使われました。ところがイギリスで初めてラブラドールが盲導犬として使われたのを皮切りに、ラブラドールのシェアが広がっていき、日本でも、精悍すぎる外観のシェパードから、優しい外観のラブラドールへの切り替えが進んでいったのです。
【警告】閲覧条件:管理権限3以上
クリックすると認証を行います……-【認証完了】展開中……[File:管理記録_ラブラドール・レトリーバー]
本報告内容は、アニマルガール「ラブラドール・レトリーバー」のプライバシーに関わる内容を含みます。
また、本報告内容は、アニマルガールのメンタルケアを行う特殊施設・認可番号4h-5413k「ノアズ・アーク」の情報を含みます。当該施設は、管理権限2以下のアニマルガールや職員、来園者には”カクテルバー”として認識させており、パーク研究開発局との関係は隠蔽されています。
以上の事から、本情報の取り扱いは厳重に願います。
関連tale:酒と泪と、けものと、こころ_#5「盲目」
日 付 | 内 容 |
---|---|
205█/04/██ | かねてよりあった、複数の障碍者支援団体からの「介助動物を同伴したジャパリパークの周遊を認めるべきだ」という訴えが、民放キー局███の全国ニュース番組で大々的に取り上げられた。 パーク運営局は、要監視団体によるマスコミを利用した世論操作を危惧。サンドスター火山噴火予告の精度を高めるとともに、火山活動が沈静化した時期を狙っての介助動物を同伴したジャパリパーク短期周遊の可能性を早急に検討するよう、各部局に指示した。 |
205█/05/2█ | ジャパリグループは、盲導犬を同伴した全盲者のパーク周遊プラン計画を発表。同時に、関係者のみの内容公開ながらもデモンストレーションが(205█/06/█2~205█/06/█5)の期間で行われることが併せて発表された。 参加者として、全盲の男性「機野優瑠(ハタノ ウル)」氏と、健常者の妹「未亜(ミア)」氏、そして盲導犬「フラネル」が公募による抽選で選ばれた。 |
205█/06/█3 | デモンストレーション2日目、職員とともに一行がキョウシュウエリアのサバンナ区画見学ルートを移動中、突如としてサンドスター火山の活動が活発化。避難は間に合わず、盲導犬「フラネル」はサンドスターを浴び、アニマルガールとなった。 変異直後のフラネルは、記憶の混濁などは見られず極めて安定した精神状態であり、優瑠氏に不安を与えないように許可を取ってから抱きつくなど、優瑠氏を自身の介助対象であり、愛するパートナーであると完全に認識していた。 デモンストレーションは中止となり、優瑠氏・未亜氏・フラネルを中央管理センターへ移送。フラネルの簡易身体検査を行いながら、3名の処遇について運営局の決定を待つこととなった。 |
205█/06/█4 | 運営局は、優瑠氏・未亜氏に対して、フラネルをジャパリパーク管理下に置くことを求め、二名はこれを了承した。 フラネルは素行こそ良好であったものの、「ウルの傍に居たい」としきりに訴えていた。しかし、アニマルガール間交流倫理規定に基づき却下された。 |
205█/06/█5 | 優瑠氏・未亜氏は専用機で本土に送迎されることとなったが、フラネルとの別れの挨拶の後、出立しようとした二人をフラネルが突如追いかけ、未亜氏の腕に噛みつくという事案が発生した。 フラネルは直ちに職員によって拘束され、パーク動物研究所に収容された。未亜氏は病院に搬送されたが、軽傷で済んだ。 |
205█/06/█7 | 優瑠氏・未亜氏は予定より二日遅れで本土に送迎された。フラネルは、一時的に動物研究所第█研究室・織田カガリ氏の担当となった。 |
205█/06/█8 | フラネルの事情聴取が行われたが、「自分でもなぜヒトを傷つけてしまったのか分からない」と言い、具体的な動機についての供述は得られなかった。しかし、反省の色が見られるとして、処置は厳重注意のみに留まった。 動物研究所での各種身体測定と、最低限の教育を行った後、ジャパリパーク内へ解放されることが決まった。 |
205█/06/█9 | フラネルは「これからどうやって生きていけばいいのか分からない」と、解放に際しての不安をカガリ氏に訴えた。研究員に対して恐れを抱いている傾向が見られることから、研究員としての立場からの助言は効果が薄いと判断し、特殊施設4h-5413kに協力を依頼。 |
205█/06/█0 | 特殊施設4h-5413kより、「このパークで、再びヒトのために働く道を与えてやってほしい」とのアドバイスを受け、カガリ氏の推薦により、フラネルのジャパリ中央女学院への入学に向けた手続きが開始された。 |
以降、フラネルはジャパリ中央女学院で学業に励んでいる模様。成績優秀・品行方正で学内での評判は良好である。将来の進路は「ヒトとフレンズ共用の病院で働くこと」であるという。 | |
(備考) | フラネルのアニマルガール化に際して、障碍者支援団体からはマスコミを通じて「アニマルガール化防止の対策が不十分だったのではないか」「未亜氏が怪我を負った責任を取るべきだ」という内容のジャパリグループへの批難声明が出された。 ジャパリグループとしては、優瑠氏・未亜氏、およびフラネルを貸与した社会福祉法人"パートナーオブアイ・ジャパン(PoEJ)"に対してはあらかじめ「アニマルガール化のリスク」について文書で同意を得ていること、また未亜氏やPoEJへの損害賠償に対して既に示談が成立したこと、そして優瑠氏自身が、フラネルのアニマルガールとしての新しい人生を生きることを望んでいることを主張し、声明の取り下げを求めたが、相手側は応じず、現在も係争が続いている。 |
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