【RP】花は陽を浴びてこそ

ページ名:花は陽を浴びてこそ

◆登場キャラクター
リベ
イズナ
キマイラ
鈴蘭
ルー・ガルー




鈴蘭
[ カントーエリア郊外 樹海 13:50 ]
………今日は、そのひとたちにおはなしすればいいんですねぇ。
信徒1: その通り。今日はその全ての魂を解放するのです。
信徒1: この為に人員は揃えましたが、油断はなさらぬよう。
……わかりましたぁ。
[ 森の中で、そんなやりとりが葉の声に混じって響いてくる。まだ明るい内から、良からぬ者たちが何かをする気のようだ ]
………
[ 心が感じられないような会話を終えて信徒が森の中に消えた後、鈴蘭は一人気に向かい合って暗い顔を浮かべる ]
……どうしよう。
[ 今回の作戦は、自身がまず囮となって目的の人間に接触して気を引いているうちに周りの信徒が手を下すという手はずになっている ]
[ 近頃の教団に対して良い印象を持っていないもの、教団を探ろうとする可能性を秘めものを一気に"始末"するための行動だ ]
[ しかしかれらが夜でなく昼に腰を上げたのは、夜間の奇襲にも警備などの手間がかかるというデメリットに気づいた暗殺者たちが、鈴蘭の存在を使って襲撃の手筈を変えたことによる結果なのだ ]
…………
( ….…どうしよう……… )
[ 自身の身が作戦に使われる事を加味しても、鈴蘭はとても暗い顔をしていた ]
[ このまま、自分は帰れないままいいように使われてしまうのかと考えるたびに、家に帰りたいという気持ちが湧き出してしまっている ]
( ………でも、どうしたら…… )
[ ぷるぷると、肩と余らせた袖が震える ]
………?
[ 心細さを口に訴えようとした時だ ]
『なにかが来るぞ』
『様子を見ろ。まだ手は出すな』
[ なにかの到来によって周りの木々の間が、少しざわつき始める。四方からの柔らかな喧騒に煽られ、鈴蘭もその存在を感じ取っていた ]


キマイラ
ふぁぁ……
[ 信者たちが警戒するその存在は、なんとも呑気にあくびをしながら現れた ]
[ 木漏れ日に照らされる金髪と、その頭部についた黒い耳を揺らしながら、その少女はゆったりと歩いている ]
[ きっと誰もが彼女の事を二度見をするであろう ]
[ ー彼女が肩に担いでいる、身長以上もある大きな鎌を見るために ]


鈴蘭
『鎌?なんだ、あの武器は』
『まて、あの耳…アニマルガールだ』
『待機だ』
[ 信者たちが様子見を決め込む中、少女は鈴蘭の元へと近づいていた ]
……ふぇ
[ その大きな鎌を見て、小さな声が漏れる ]


キマイラ
……んぅ?
[ ふらふらと歩いていた彼女は目の前まで来てやっと鈴蘭の姿に気づいた ]
[ こんな樹海の中、しかも子供、さらには普通の子供らしからぬ服装の鈴蘭に、違和感を覚えたが、重要じゃないと判断したのか、ゆったりと話しかける ]
……きみ、どうしたの?迷子?


鈴蘭
ぅ…えっと…………
[ 最大のチャンスかもしれない。あれだけ大きな鎌を持っていたらこの状態も変えられるかもしれないと直感的に感じていた ]
[ だが、事情を明かそうにも口が動かない。まだ周りには信徒がいるからだ。…それも珍しく近くで ]
……うう
( …どうしよう……言った方がいいのかなあ… )
[ もじもじとキマイラの目の前でどもり始める ]


キマイラ
……?
[ 鈴蘭の態度に、流石に鈍感でも何かおかしいのは気づいた ]
[ 鈴蘭に近づき、小声で耳打ちをして ]
……何か嫌なことでもあった?もしよかったら助けるよ?


鈴蘭
…!
………
[ 今までの彼女なら差し伸べられた突っぱねて、せめてキマイラをこの場から逃がそうとしただろう ]
[ だが、ローブの怪人から散々に叱咤された彼女の脳裏にはずっと言われた言葉がこびり付いていたのだ ]
( げんじょうをかえるちからを望まなきゃダメ……だったらっ…… )
[ ぐっと決心し、目の前の無関係なアニマルガールを巻き込む決意をした ]
っ……たす…けて……っ
[ 同じように小声で、信徒たちに聞こえないように答える ]


キマイラ
……わかった
[ たった一言だけだったが、それでも彼女の心には充分届いた ]
[ 事情はわからないが、それでも目の前で誰にも言えずに助けを求めている状況だった少女を放っておけるわけがない ]
( ヘビ:助けるって言っちまったんだから、きちんと助けないとな )
( ヤギ:全く同意見です、こんな小さな女の子を追い詰める人は絶対に許せません )
[ それはキマイラの中にいる2人も同じであった ]
僕はキマイラ、キミは?


鈴蘭
わたし……わたしは………
……っ "春菜"
[ 勇気を出して、自身の本当の名前を口に出した ]


キマイラ
春菜ちゃん、いい名前だね
[ にっこりと笑いかける ]
[ 自分の名前をもためらうほど、彼女が追い詰められているのを悟り、静かに"春菜"の手を握る ]
僕はキミの味方になるから……安心して、ね?


鈴蘭
……うんっ。
[ その様子を信徒たちは見ていたが、いかんせん小声で話の内容が掴めぬために行動を起こせずにいた ]
『どうする?…鈴蘭を止めるか?』
『…行動の可否を問う』
[ 皆が、幼女としては特別おかしな行動ではないのだろうと、心のどこかで考えていたのだ ]
[ それが悪手に回ってしまうとは考えもつかなかったのだ ]
『……予断は許されない。ここは私が止める』
[ 痺れを切らしたのか、信徒の一人が麻酔針をキマイラにめがけて飛ばそうとした ]


イズナ
...まったく、大きい的ですねぇ。
[ 何処からかの声と共に、一本のクナイが信徒の手元に向かっていく。 ]
ガキィィィンン!!
[ そのクナイは寸分の狂い無く、信徒の針筒を弾き飛ばした ]


鈴蘭
『な…!』
ふぇ…!?
[ どこからか聞こえた声、聞き覚えのある声に思わず春菜は反応する ]


キマイラ
うん?
[ 春菜の振り向く方向、を見る、そこにはちょうど慌てて隠れる信者の姿が見えた ]
へぇ?……
[ 大鎌を肩から下ろし、いつでも攻撃できるよう構える ]


鈴蘭
[ 忘れるはずもない。あの声だと春菜は感じる ]
[ 信徒から攻撃されそうになっていたことも忘れて、思わず名前を口にした ]
くだぎつねさん…!


イズナ
くふふ♪
[ 独特な笑い声は、樹の上からだった ]
ザッ...シュタッ
[ 飛び降りてきたのは、春菜とは違う白い教団の衣装を身に纏った、白い妖怪だった ]
こんにちは、春菜様。
貴女の"友達"が遊びに来ましたよ♪


鈴蘭
わぁ…!
ほんとに来てくれたんだっ…!
[ あの時の約束を守って現れた友達に、彼女は思わず抱きついた ]
[ 信徒に見られていようが構うものかと言わんばかりに、なによりも大きな希望にすがりつく ]


イズナ
本当に、とは。
...言ったはずですよ?必ず助けに来ると。このクダギツネ、約束は破りませんとも♪
[ 幼き女の子を抱き締め返す ]


鈴蘭
うぅぅ…!
クダギツネさん…クダギツネさん…!
[ すりすりとクダギツネの体に顔を擦り付けていく ]


イズナ
あら、また泣いてしまいましたねぇ。
[ 状況を考えて、このような平和なやり取りは適切ではない。しかし目の前の幼女一人を笑顔にできないで何が妖怪だ ]
ハンカチ。まだお持ちですか?
お出しなさい。拭いて差し上げますから。


鈴蘭
うんっ、うんっ
[ 懐から、とても大事にしていたハンカチを取り出した ]
[ 何回か春菜に使われた跡があるが、それでも綺麗に保たれていた ]


イズナ
よしよし。
[ ハンカチを手に取り、春菜の顔を伝う涙を拭き取る ]
大丈夫ですよ。私が...いえ、私たちが、貴女をお家に帰して差し上げます。
[ 一通り拭き終え、神話の獣へと視線を向ける ]
そうでしょう。守護けもの様?
[ ニヤリ ]


キマイラ
へ?なんで分かるの?
[ 突然話を向けられたので、素っ頓狂な声を上げる ]
( ヤギ:ご存知ない方ですけど…… )
( ヘビ:怪しいやつだけど、まぁ春菜ちゃんの味方って感じなのかな…… )


イズナ
くふふふ。
私、お友達は多い方ですので。
例えばそう、貴女のみうt...おっと。
[ 口を滑らせかけ、誤魔化すようにして不敵な笑みを浮かべる ]
それはともかく、状況はお分かりでしょうか?
[ ハンカチを春菜の懐にしまい込む ]


鈴蘭
…っ…
[ 未だにクダギツネにしがみついたままだが、空気が変わったことは春菜にも分かっていた ]


キマイラ
あぁ、うん、何となくね?、とりあえず、『春菜ちゃん』を守ればいいわけだね
[ 周りに聞こえるような声でクダギツネに答える、それは信徒たちに対する宣戦布告でもあった ]


鈴蘭
『…作戦が崩れる。ここは我らで邪魔ものを追い払え』
『非常に不敬ではあるが…我らの行いを邪魔されるわけにはいかない』
[ 現れた二人の"けもの"に対して、撃退する意思を信徒たちは露わにし始めた ]
[ あいては神の使い。手にかけず、あくまでも追い払うつもりで森に潜み始めた ]
……
[ 恐らく自分も対象に入っているのかと考えた春菜は、重くなった空気に耐えかねて二人の顔を見上げる ]


イズナ
...?
...。
[ 不安の目をされた。なるほど、恐怖はそう簡単に拭えるものではないか。何せ年幅も行かない子供なのだから ]
ご安心下さい、春菜様。
このクダギツネが、悪い人たちからお守り致しましょう。
[ 春菜の頭を撫でる ]
...... ( まだ遠い。まだ使うな... )
[ タイミングを慎重に見計らう ]


キマイラ
大丈夫、言ったよね?僕はキミの味方だから、絶対に『守護る』からさ
[ そう言って春菜に笑顔を向ける ]
[ この子のためなら、存分に力を使おう、そう思って鎌を持つ手に力を込めた ]


鈴蘭
…うんっ…!
[ 大丈夫、もう怖くない。絶対にお母さんやお父さん、友里ちゃんがいる場所に帰るんだと、心に勇気を振り絞った ]
[ 恐れることはない、昔とは違う、頼れる友達がこんなにもいるのだから ]
.
『距離を縮めろ、慎重に、慎重に行け』
『昼時だ、油断はするな』
『先手を取るぞ』
[ その間に、手に毒を塗ったナイフを持った信徒が7人潜みながら春菜たちに近づいていた ]
[ 距離をじわじわとつめ、襲いかかるタイミングを見計らう ]


イズナ
......ふふ♪
...。
[ 来る足音に耳をそばだてる ]
( まだです。まだ... )
ピンッ
[ 一定距離を計る為に仕掛けておいた糸の引っ掛かる音がした ]
キマイラ様、お走り下さい!
これより数メートル範囲を我が術で覆い、不可侵領域と致します故!


キマイラ
了解っ!しっかりね!
[ 全力で前へ走り出す、恐らくイズナの様子から、彼女の周りには大量の敵がいるであろう ]
[ なんとしても守りきる ]


鈴蘭
『な…!』
『散れ!』
[ だが、間に合わない。怪しき呪術師は、いま春菜の味方に回っている ]
[ その呪術師が7人の信徒を結界の中に捉えてしまうことなど造作もないのだ ]


イズナ
遅い!
[ 術の構えを取り、念じた ]
[ 長さ数メートルの妖しき壁が四方に貼られた。これがイズナの能力の一つであることは言うまでもない ]
[ キマイラは既に結界の外。大勢の信徒の下にいるだろう ]
[ 7人だけではあるが、信徒を中に入れてしまったのは、ある種の誤算だ ]
 


鈴蘭
『……』
『…仕方ない。数はこちらが上だ』
『あの呪術師には眠ってもらうしかない』
[ 周りから数人の声が聞こえてくる。冷たくて無機質な声が、春菜の不安を煽る ]
…っ…


キマイラ
さーて、入れなかった残念な方達は?
[ 重い音を立てて鎌を地面につく ]
もう帰った方が身のためだよ?
[ 信徒たちに笑顔を向ける、しかし目が笑っていない ]


イズナ
数はそちらが上でしょうね。
なので...!
ヒュンッ!
ヒュンッ!
[ 樹の後ろから、二匹の影が表れ、信徒二人の身体に死角から入り込む。憑依だ ]
ちょっと楽を致します、はい。


鈴蘭
『ぐ…!?』
『えびっ…』
[ "影"に憑依された二人が、膝から崩れたまま震え出し始める ]
ふぇ…?な、なにが…


イズナ
『...くふふふ。』
『お憑かれ様です♪』
[ 野郎二人の声が聞こえた。それはイズナと同じ口調ではあるが、何分野郎なので萌えない ]
...んー?
何やら様子がおかしいですねぇ。
どうされました?
[ ニヤニヤ ]


鈴蘭
ひいっ…
[ 側にいるクダギツネの真似をし始めたのか?野郎二人が突然変な声を上げた為に身体が跳ね上がるが、ニヤニヤと笑うクダギツネを見上げる ]
[ そこで、クダギツネが何かしたということが彼女にも理解がいった ]
こ、これ…クダギツネさんが…?


イズナ
......まぁ、そんなところですよ。
[ 隠しても意味はないと悟った ]
なぁに、少しだけ意地悪するだけです。ちょっとだけお借りするだけ、終われば返しますよ勿論。
『くふふふ...あはははは!』
[ 信徒の一人が、別の信徒に殴り掛かる ]
『フォックスパーンチ!』
[ 信徒の一人が、別の信徒に蹴り掛かる ]
[ さて、外はどうなっているか ]


鈴蘭
[ その頃外は、大勢の信徒がキマイラ単体を抑える為に死力を尽くしていた ]
『ぬうっ!』
『ぐぁ…!』
[ 数では確かに上回っているが、相手が悪い。悪すぎた ]
[ 想定以上の実力を、対峙している鎌の少女は有していたのだ ]


キマイラ
数だけで押し切れるなんて甘い考えよしなよっ!
せいやっ!
[ 一人、また一人と倒されていく、もちろん全員峰打ちで、血は一滴も出ていない ]
( ヘビ:戦ってみればただの毒つけた短刀やらを振り回してるだけ、素人だなぁ…… )
( ヤギ:あ、そっちからきますよ )
[ 一人ではなく、『3人』で闘う判断力、戦闘力は、並大抵のものではない ]


鈴蘭
『行け!そちらで注意を引け!』
『こちらは遠方からやる!』
[ 大声で指示を送る者が暗殺者たちを動かし、たった一人の「3人」を封じ込めようとしている。声色からも、かれらが逼迫していることがよくわかるものだった ]
[ 命を受けた6人が躍り出、キマイラに突撃していく ]


キマイラ
( どうする? )
( ヘビ:わざと近くのを受けると見せかけて一気に遠くの潰すか )
( それがいいね )
[ 鎌を持ち直して防御の構えを取る、こうしてキマイラは戦術を決めているのだ ]
ふぅ……来な!


鈴蘭
[ 6人が一斉にキマイラに向かって突撃していく ]
[ わざわざナイフ一本で神話のけものに挑むなど、無理のある話だろうが、それでも彼らは逃げはしなかった ]


キマイラ
ふんっ!!
[ 一番近くにいた信徒のナイフを鎌でいとも簡単に弾き上げ、そのまま掴んでもう一人の方向にぶん投げる ]


鈴蘭
[ もう一人がナイフを避けると、同じように切りかかっていく ]
[ ナイフを失った信徒はそのまま後退していく ]


キマイラ
あっはは!キミには用はないよ!そこ失礼!
[ その信徒を踏み台にし、高くジャンプして5人の居る場所からはなれる ]
[ 後退する信徒を素早く抜かし、『援護に回り、近距離の対処ができない信徒』を標的に定めた ]


鈴蘭
[ 信徒は驚き、早急に対応しようと懐に手を伸ばす ]
[ だが人間の速度ではまず間に合わないだろう ]


キマイラ
遅い!せいやっ!
[ 鎌の刃がない部分を正確に相手にぶつけていく ]
[ もはや作戦なんて関係ない、完全に彼女の無双であった ]
( ヤギ:とはいえ、不可侵領域?の近くに敵を置いたままはまずいですね、ある程度かたしたらそっちもやっちゃいましょう )
( はーい )


鈴蘭
[ 後方支援担当が一気に崩され、戦場の優位はキマイラに傾いていた ]
[ 慌てふためく5人は、せめて彼女を封じようと再び突撃してくる ]
[ 彼女を通り過ぎる寸前でナイフを振り、毒に犯せようとと彼らは考えていた ]


キマイラ
ふむ……あと5人……
[ そこでキマイラは信徒が全く予想しなかった行動に出た ]
そーれっ!
[ 自分が持っていた鎌を信徒に向けてぶん投げたのだ ]
大鎌だぜ、ほれほれ、そのナイフで防御しないと、真っ二つになっちゃうよ?


鈴蘭
[ 信徒たちは大慌てでナイフを構え、鎌の刃を受け止めようとした ]
[ しかし良い音を響かせてナイフは弾きあげられ、信徒たちは無造作に倒れていく ]
[ どさどさっ…! ]
[ 彼女が攻めるなら今だろう ]


キマイラ
おー、良かったねー切れなくて、じゃあ
[ いつのまにか信徒との目の前に立っていたキマイラは ]
おやすみ?
[ 一人ずつ丁寧に拳を叩き込んで、5人の意識をもぎ取った ]


鈴蘭
[ あっけなく5人も殲滅され、周りの信徒たちも騒がしさを抑えきれずにいた ]
[ それもそのはずだ、かれらは暗殺者紛いの信者であって、暗殺者そのものではないからだ ]


キマイラ
よーし、来ないなら来るまで待つよ?僕は守る側だもん、攻める側じゃないもんね?
[ そう言ってキマイラは鎌を手に取り胡座をかいた ]
[ 外の決着はほぼ完全についただろう、その頃、中ではー ]


イズナ
『いたいけな幼女を拐うなどと、随分と過ぎた行いを働いたものですねぇ』
[ 信徒一人と拳を交じり合わせている ]
『世間はそれを許さない。いえ、赦しはしません』
[ 信徒一人を蹴り上げる ]
懺悔なさい。今なら救いはあるでしょう。それとも...
[ 両手にクナイを持つ。春菜をその背中に隠す ]
私が今ここで"修正"して差し上げても宜しいですよぉ♪
[ 悪魔のように目を開き、口避け女の如く笑う ]


鈴蘭
『……ふん。幼い子供を使ったらどうなるか興味はあったが…とんだ失敗だったな』
[ 操られた信徒二人が二人の信徒と交戦している中、まだ無事でいる一人の信徒が口を開く ]
…っ
[ もはや、装束を着た一般人となっていた春菜は、クダギツネの背中に抱きついて、信徒の声から耳を背けるように目をつむっていた ]


鈴蘭
『任務にて役に立つどころか、厄介者まで連れてくるとは。やはり義務教育を受けてるようなのはダメだな』


イズナ
.........。
義務教育期間とは、いつか社会という弱肉強食を生き抜く為に必要な時間です。
[ 笑っていても、声は落ち着いてた ]
『世の中を生きる為!』
[ 拳が信徒の顔にクリーンヒット ]
『悪から身を守るため!』
[ 蹴りが信徒の股間にクリーンヒット ]
結果的に自己防衛に行き着く。無責任なものです、誰しも。だから良識のある大人は、未来に託す子供を育てるのです。
[ この言葉は信徒にだけではない。春菜にも向けられている ]
子供だからこそ、丁重に扱わねばならない。春菜様は未来ある逸材で、有るべき場所で学ぶべきなのです。決してこの島ではない。
[ 春菜の方に顔を少し向ける ]
信じさせて下さい、私を。
[ 先ほどの怖い顔ではない、優しい顔で春菜を見た ]


鈴蘭
……クダギツネさん……
[ その顔に母を思い出しながら、彼女の目を見た ]
『"パルチェ"がやってきた時はいい囮になってくれたと思ったのだがな』
…ぇ…?
[ 囮。その言葉が春菜には信じられなかった ]
[ 曲がりなりにも自分は、人手を埋めるためにこんなところにまで連れてこられたのではないのか? ]
[ 今まで知らなかった信徒の気持ちを、自身がそれほどまでに重要視されていなかったという事実を突きつけられ、思考が揺らぎ始めていた ]
( それじゃあ…わたしは、何のためにこんな……? )


イズナ
『やはりそうですか!』
[ 拳を交互に突きだし、信徒の顔面をフルボッコ ]
『悪い大人なんて、こうです!』
[ 蹴りを数発、信徒の股間にダイレクトアタック ]
聞きましたか?春菜様。最初から貴女の身など案じては居なかったのですよ、誰も。悪い噂のある教団の一味ですから、こんなのばかりです。
[ 春菜に発した言葉は、少しばかり冷たく感じる。戒めのためだろう ]


鈴蘭
………わたし……
……こんなのって………
[ そして、今まで自身に降りかかっていた理不尽の全てを身に味わい、静かに膝をつく ]
『…子供をさらっても何の得にもならないという事は改めてわかった。こればかりは貴重な経験材料として………』
…っ!
こんなのってないよッ…!!
[ とうとう耐えきれなくなったのか、彼女の口から始めて大声が飛び出る ]
かえしてよ…だったらかえしてよぉ…!!
おかあさん"…おがあさん"っ…と…みんなの所にっ…がえしでよお……!!
[ 涙が、彼女の目から再び溢れる。ただの悲観だけの涙ではなく、必死の訴えもこもった涙 ]
[ 声にも混じり、自身をこんな状況に追いやった、「教団」に対して、彼女は声を上げた ]
[ しかし、それに対する信徒からの返事は、ない ]


イズナ
......よくも。
[ 小さく呟く ]
よくも、泣かせましたね?
[ 信徒に憑依していた二匹が身体から出てくる。憑かれていた二人はその場に倒れる。残る信徒は、ボッコして戦闘不能になった二人を除き、三名 ]
"善い"勉強になりましたねぇ、お互いに。ではお代を頂くとしますか。払うのは勿論、大人の貴方達です♪
[ イズナの身体がゆらゆらと歪み始める ]
野生解放、疑似演出。
加減は無しです。絶望に沈みなさい。
"一切頂戴・外道地獄"!!
[ 大量の霊体に分裂し、信徒の身体をすり抜けるようにして精神を貪る ]


鈴蘭
『むぐお……!』
…っ…クダギツネさ…!?
[ クダギツネが一体何をしているのか、幼い身体には分からない。彼らがいま苦しみ始めるようなことをしているくらいしか、彼女には思い計ることができないでいた ]
『ッッッ…!』
 


イズナ
くふふはははは!!
[ 何度も何度も身体をすり抜けるようにして、信徒の中の"輝き"を食い荒らす ]
真なる"外道"はこの私です!貴方がたは詰めが甘すぎる!二流?三流?いえいえ、規定するのもおこがましいほどに!
[ 信徒達は、次第に無気力となっていく。"輝き"を食べられているからだろう。まるでセルリアンに襲われているような感覚だ ]


鈴蘭
『これ……は……っ』
『ぁ…ぷ…ぷりん……』
[ 彼らの中にも残っていた"外道"という輝きを食い荒らされて、信徒たちは次第に思考を単純化させていきはじめる ]
……クダギツネさん……?
ねえ……
[ 優しく、自分に慈悲をかけてくれた存在たるクダギツネ。…彼女までもが人が変わったかのように目の前の信徒に食らいついている ]
[ 春菜は今、再び"孤独"が襲いかかろうとしていた ]


イズナ
...!
[ 春菜の声を聞き逃すほど狂ってはいない ]
[ ずっと春菜に側にいた個体は、元の姿に戻る ]
ご心配なさらず、死にはしませんから。
[ 二人の信徒は、二匹が今も食い荒らしている。残る信徒一人を背に、隙が出来た ]


鈴蘭
ううっ…!
[ 思わずクダギツネに抱きつこうとした。その時に春菜は、その目で捉えた ]
[ 残る信徒がナイフを片手に走り出していたのを ]
( !! )
[ すぐに直感した。狙いはきっとクダギツネなんだと ]
[ どかっ! ]
[ 気づいた時にはクダギツネを突き飛ばして、走ってきた信徒の前に飛び出していた ]
(だめ……!
ぜったいだめっ!!
[ 勇気を出して、どこからか取り出した毒針を握って信徒と対峙する ]
[ 与えられた唯一の"ちから"で、ただただ、クダギツネという友達を守るために ]


イズナ
なッ...!
[ 春菜の行動の意味を察知出来ず、そのまま突き飛ばされてしまった ]
何をしているのです、春菜様!
貴女ではその男は...!!
[体勢を崩したまま叫んだ。
"不可能"だ。それは勇気ある行動であっても、無謀に等しい行いだ]


鈴蘭
やぁぁぁぁ!!
『ち…来い!』
[ 男が、止むを得ずナイフを振るう ]
[ 同時に春菜も、針を投げようと腕を振るうが…おそらくは間に合わないだろう ]
[ この状況は、"無謀"では覆せないのだ ]
[ この状況をひっくり返す、"ヒーロー"が必要だ ]
[ 春菜の勇気に応える"ヒーロー"が ]


リベ
[ そして、その"ヒーロー"はすぐ近くにいた ]
はぁぁぁぁッ!
[ ガシャァァァァァァン!!! ]
[ 先ほどから何度か攻撃を阻む音を響かせていた結界の一部が、突如として破られた ]
[ そして、飛び散った結界の破片ごと、現れた"ヒーロー"がナイフを持った男を結界の反対側まで豪快に殴り飛ばす ]


鈴蘭
『ごぶあっ…!』
ふぁぇっ…!?
[ 乱入してきた、見覚えのある救世主を見て春菜は咄嗟に腕を止めた ]
[ 唐突にやってきた"救い"を思わず見つめて、打開を図っていた思考が終ぞ救世主に注意が向きはじめる ]


ルー・ガルー
[ その救世主の後ろからまた別の"ヒーロー"が歩いてくる ]
相変わらず豪快なやり方だなリベは…
…よっ、無事か?
[ 殴られた衝撃で地面に落ちていたナイフを拾い上げ、あの頃のようにニッと春菜に笑みを向ける ]


鈴蘭
…!
[ あの時は声が出せなかったが、もはや完全にみほしと袂を分かち、反抗することを選んだ春菜なら、その笑みに応えることができた ]
は……はい!
[ 硬い表情。だが、あの頃よりはずっと希望に満ちた顔を向ける ]


リベ
[ 軽く微笑む ]
それで、襲ってきている人間はともかくこの妙な壁は......あ。
[ ここでイズナと目が合った ]


イズナ
......。
[ 目の前に二人の獣が突如として現れ、状況が好転した。感謝すべきことではあるが... ]
これはこれは、蠍座の元教祖様では御座いませんか。何です?縁を切った割には随分とお早いご帰還ですねぇ♪
[ 結界は破られたお陰で、外の大勢の信徒とを隔てる半透明の壁がみるみると消えていく。消えた ]
こちらは平気です。外側の掃除をお願いしますね?解放者様♪
[ 皮肉を混じらせ、ヒーローにお願いを請うた ]


キマイラ
あ、消えた、ってあれ?そこの二人はさっきからいたっけ?
[ 振り返って二人を見る ]


リベ
今来たところです。
というかどちらも意外と余裕ありそうですが......手を貸しましょうか!
[ キマイラの周囲の男たちに目をつけ、襲いかかっていく ]


ルー・ガルー
了解だ。
…そいつのことは頼んだぞ、呪術師。
[ リベに続いて男たちに襲い掛かっていく…前に春菜を一瞥し、結界を張っていた主にニヤリと笑う ]


キマイラ
おー頼むよ?私はある程度潰したからさ、ここにこないように守っておくよ?
[ そう言って立ち上がり、鎌を持ち直す ]


イズナ
言われずとも。春菜様との約束ですから。
[ 二人に軽い会釈を行い見送る ]
......春菜様、お怪我は御座いませんか?
[ 別のイズナ二人が霊体状態を解く。食い荒らされた信徒は、泡を吹いて倒れた ]
まだ油断はできません。私から離れないように。いいですね?


鈴蘭
…うんっ。
[ 少し申し訳なさそうな顔を向けたあと、クダギツネにくっつく ]


イズナ
よしよし。
[ 頭を撫でる。春菜を3人のイズナが囲う ]
後はお任せしますよ。お三方。
[ 奇跡は起きた。願ってもない奇跡ではあったが ]


リベ
...甘い!
[ 殴りかかってきた信徒の腕を掴み、振り回して他の信徒に投げ飛ばす ]
なんとまぁ、経験不足も甚だしい連中です。これなら蠍座の戦闘員の方がよっぽどマシでしょう。
当然、もういませんがね。


ルー・ガルー
よ…っと!
[ 切りかかってきた信者をナイフで防ぎ、そのまま他の信者の方向に蹴り飛ばす ]
確かにあの時よりはずっとマシだな。


リベ
[ 残存信徒の7割をものの数分で殲滅する二人 ]
...まだやるのですか?
[ 残った信徒にそう言って睨みをきかせる ]


ルー・ガルー
ここで引いた方が身のためだぜ。
何せ踏んできた場数で言えばお前らより数倍も上だからな。


鈴蘭
『………』
[ 生き残った信徒たちが互いに目配せをすると、一人が2人に向き直る ]
[ そして一言だけリベたちに告げた ]
『あの子供はくれてやる』
[ ただそれだけを吐き捨てるように告げると、信徒たちは森の中へ消え、逃げ去っていった ]


リベ
......挑んでくるかとも思いましたが、さすがに逃げましたか。


ルー・ガルー
…ま、そこまで馬鹿ではなかったみたいだな。
さて…こっちは終わったぞ。
[ 信者たちが逃げ去ったことを確認して、イズナ達の方に歩み寄っていく ]


鈴蘭
………!
[ 彼女たちが戻ってきたのを見ると、思わず手を振った ]


イズナ
くふふふ...。
お疲れ様です。貴女達が駆け付けて下さらなかったら、今ごろ...。
とにかく、ありがとうございますね。
[ 頭を下げる ]


リベ
礼には及びません。
私たちが来るまでここを保っていたのはあなた方なのですから。
[ イズナとキマイラに微笑みかける ]


鈴蘭
……あ、あの…ね…。
……
[ まだ、どこか不安そうに周りをキョロキョロと見回している ]
…えっと…
もう……だいじょうぶ…?


ルー・ガルー
ああ、もう大丈夫だ。
アイツらは全員逃げて行ったからな。
[ 辺りを見渡し、安全であることを伝える ]


鈴蘭
…ほんと…に?
ほんとに…?
[ 自分の着ている服と、ルーを交互に目を通しながら尋ねる ]


ルー・ガルー
ああ、本当だ。
…そして、これでお前は晴れて自由の身ってわけだ。
[ 屈んで春菜と目線を合わし、ニッと笑う ]


鈴蘭
ふぇ…
[ まだ、まだどこか実感が湧かないのか、とことこと数歩歩いて空を見上げた ]
…もう、おうちに帰ってもだいじょうぶなのかな……
もう、お着替えとかしてもだいじょうぶかなあ…っ…?
[ 周りに対して、だんだんと"自由"について抱いた不安を吐露していく ]


リベ
大丈夫ですよ...。
[ しゃがんで優しく頭を撫でる ]


鈴蘭
………
……おかあさんにも、おとうさんにも。
…友里ちゃんにも、あえる?
[ 声に涙が戻りはじめる ]


イズナ
会えますとも。ええ。
[ 幼女の肩に手を置く ]
長い長い、"常夜"は終わったのです。
海の向こうで、実のある"花"を咲かせて下さいまし。
[ 春菜の懐をまさぐり、慣れた手付きでハンカチを取り出す ]
貴女に鋭き針は似合わない。ほら、その手で、自分でお拭き下さい?
[ 握らせるは"力"たる象徴の針ではなく、涙を拭う為の布だ。いつまでも甘やかすのは良くない。自分の手で、その雫を取り払わねばならない時だ ]


鈴蘭
……ううう…っ
[ 何回も握った、何回も自身を救ってくれた布を握りしめて、自分の涙を拭き取っていく ]
[ きっとこの島で流す涙は、これが最後だろうと信じて ]
んゆう…っ
[ 一通り拭いて、クダギツネたちを見上げる ]
[ それでも泣きたくなる気持ちを抑え、目に潤いを保たせたまま、じっと目を向けた ]

[ 一先ずは、自分を救い出してくれたものたちに礼を言わねばなるまい ]
…ありがと、う…ございます……っ!
[ ゆっくりとお辞儀をしたまま、感謝の意を伝えた ]


イズナ
はい。どう致しまして♪
[ 頭を撫でる ]


ルー・ガルー
どういたしまして…だな。


鈴蘭
うんっ…うんうっ…!
[ まだまだ零れ落ちそうになる涙たちを、余らせた袖で拭っていく ]


リベ
...ここで泣くのは、きっとこれが最後ですよ。
[ 背中をさする ]


イズナ
そうですよ。だから今は正直でいて下さい。我慢しても良い。強い証拠として誉めて差し上げます。
...大泣きしたっていい。私の腕の中で目一杯甘えて下さい...♪
[ 春菜のしたいようにすればいい。ここにいる誰も、それを咎めるわけがないのだから ]


鈴蘭
ううううっ……
[ したいことはいっぱいあった。今すぐにでも街に繰り出して、帰る手段を見つけ出したかった ]
[ だがその前に、たくさん、たくさん思いを伝えようと…約束を守って来てくれたクダギツネに、春菜は思い切り抱きついた ]
うぁぁぁぁ………!
[ 思いが声にならない。それでも、身体を擦り付けて全身全霊で伝えようとしていた ]
[ 「あなたのことが、一番大好き」。と ]
クダギツネさん…くだぎつね"さあ"ん…!


イズナ
はい、春菜様。貴女のクダギツネはここにいますよ。くふふふ...♪
[ 抱きつく彼女を優しく抱擁する。包み込むように、受け入れるように ]
辛かったですよね。怖かったですよね。寂しかったですよね。
ごめんなさい。貴女の苦しみに今まで気付いて差し上げられなくて。
[ 数年いながら、このか弱い存在を認知出来なかった自分の不手際に腹が立つ ]
[ 一種の慈愛に似た眼差しは、幼き女の子をしっかりと見つめていた ]
[ 頭を撫で、彼女の心を解かしていく ]


鈴蘭
んうぅああああっ…あああああああ……!
[ もう恥など、知ったことかと、彼女はたくさん、たくさん泣き喚いた ]
[ それは散々固められ、死にかけていた春菜の心がクダギツネを求めていた ]


ルー・ガルー
( …完全に首輪は取れたみたいだな… )
[ 抱き合う二人を見て、自然と笑みをこぼす ]


鈴蘭
うぁぁぁぁ…ぁぁぁぁぁぁぁぁ……!!
[ むぎゅぅぅっ ]


イズナ
......くふふ...♪
[ 撫でる。安心をさせるため、春菜の中の"今一番欲すること"をさせるため ]
よしよし...。


鈴蘭
んぇぇぇっ……!
[ 只管に、イズナから甘く、心地よい"母性"を感じ取り、きつく抱きしめたままだった ]
[ それでも…終わりの時は、受け入れなければならないだろう ]
[ いつまでも泣いてばかりではいられない。ようやく春菜は、苦しみから解放されたのだから ]

 

 

 

事件内容: 20██年██月██日昼ごろ、カントーエリアのADLB職員がアニマルガール2名に連れられた身元不明の小学校低学年の少女を発見。
少女を迷子として身柄を保護する直前に居合わせた1人の低学年の来園者の発言により、20██年04月04日に誘拐された後行方が分からなくなっていた家城 春菜ちゃん(8)である事が分かりました。
この際に身柄を保護された春菜ちゃんは、現在保護者の元へ帰されています。

 

 


鬼灯: …やってくれたんだね、イズナちゃん。


鬼灯: ( いや、ほんとほっとけないからってお願いしたのをおkしてもらえるなんて思わなかったよ )
鬼灯: …まあ、これで良かったはずよね。…1人だけとはいえ、無垢な子供を助けたんだから。


おしまい。


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