◆登場キャラクター
藍司 優
[オオマ・コウヒ森林公園]16時
ふう……いやあ、中間管理職はときたまヤになるよねえ
[ 開発局の研究所から程近い所にあるこの公園は、彼がサボリで逃げ出すにはもってこいだった。花畑の近く、ベンチに腰かけてしばし佇む。 ]
[ と、そこで水遣りしている少女が目に付く。 ]
やあ、殊勝というか健気な心掛けだね。ここの花には癒されているから、僕にも少し手伝えないかな?
モリフクロウ
[ 声を掛けられた少女は小さく肩を震わせて振り返った ]
ひっ……あっ、ありがとう、ございます……。
[ 振り返ったはいいものの、顔は俯き気味で怯えているようにみえる ]
藍司 優
( あっこういうタイプか……まずったかな )
おっと……あいや、ごめんね、急に声をかけたらそりゃあびっくりするよね。
[ わたわた手を振り弁明するようにうろたえる ]
モリフクロウ
い、いえ……大丈夫、です……。
[ まだ少し怖がっているようだが、声はさっきよりも少し明るくなったように感じる ]
藍司 優
[ とはいえやはり居た堪れない空気に耐え切れず、藍司は誰か助けてくれ、と目配せを飛ばす ]
[ その先に居るのはオグロシギだ ]
オグロシギ
( 何か視線を感じる… )
[ 程近くでしゃがみ込んで花を見ていた彼女はそのまま首だけを視線を感じた方向へと向けた ]
「何ですかあんた…」
藍司 優
( おっこれは両方キツイパターンだな? )
ああ……いやね、森林公園の名誉AGの子だからちょっと話しかけようかな、と思ったんだけどさ、僕どうも口下手でね?
でー……えーっ……鳥の子達と仲いいとも聞くし、なんかうまいこと助けてもらえないかなー……なーんて……
[ 声をかけたことに対しての全体的な後悔を始める ]
オグロシギ
へぇ…ここ「しんりんこうえん」って言うんだね。
いいよ、あたしも特にやる事無かったし
モリフクロウ
す、すみません……。わたし、その……ヒトと話すのが苦手で…………。
藍司 優
ああいや!気にしないで。
[ 後ずさってリフのパーソナルスペースを確保するように努める ]
で、その様子だと知り合い……ってわけでもないんだね。余計に巻き込んでごめんね、でも一人だとこの子も僕も心細いから助かるよ
オグロシギ
あなたも鳥の子? [ リフの顔を遠慮無さげにずいと覗き込む ]
モリフクロウ
ひっ!
[ いきなり目が合ったため少し驚く ]
は、はい……。モリフクロウのリフといいます。
藍司 優
ああ、愛称はリフちゃ……
[ 遠くから怒声がする ]
っと、まずいな今日はもう帰らないと……かき乱すだけかき乱してごめんね、また何かの縁があれば!
[ 何かに追い立てられるように急に逃亡する ]
オグロシギ
うぇっ、おじさん帰っちゃうのかよ!
せめて名前くらい………行っちゃった…
モリフクロウ
行っちゃいましたね……。
[ 小さく呟く。そして思い出したように ]
あっ、あの! ……あなたのお名前、聞いていいですか……?
オグロシギ
あたしはオグロシギ!渡り鳥のアニマルガールだよ! [ 胸を張りつつ言う ]
リフちゃんは何やってたの?
さっきあのおじさん、リフちゃんの事をめいよえーじーだかなんだか言ってたけどさぁ
モリフクロウ
オグロシギさん、ですね……。
[ 少し緊張が解けたのか、はっきりとした声で喋り始める ]
えっと、今はこのお花さん達に水をあげてたんです。
この近くのお花は殆どわたしとリコで育ててるんですよ。
オグロシギ
へぇ~、水やりかぁ
[ 多くの花壇が立ち並ぶ周囲をぐるりと見渡す ]
暇で飛んでいたらちょうど花が沢山咲いているここを見つけたから、ちょっと花の勉強でもしようと思って見てたんだよね。
[ 言いながら緑の測量野帳をひらひらと振る ]
モリフクロウ
お花の勉強ですか……
わたしお花が大好きなので、気になることがあれば答えられる範囲でお答えしますよ?
オグロシギ
ほんと~? [ 目を輝かせる ]
[ そこで目の端の遠くの方に藍司と女性を捉えた ]
…あのおじさん、なんか怒られてるみたいだけど
モリフクロウ
[ その方向を見る ]
本当だ……
[ 確かに、先程のおじさんが女性に怒られているのが見えた ]
根桐 夏栖
[ そしてその視線に勘付いたのだろうか、ふと目が合う。藍司を散らせると、女性は一気に走り寄ってくる ]
ほーーーーっんまごめんな!いきなり変なおっちゃんに絡まれて怖かったやろ、何もされてへんやんな?
モリフクロウ
い、いえ、少し……怖かった、ですけど、大丈夫です……。
[ 先程と変わって急に緊張し始める ]
オグロシギ
あたしは特に何もされなかったけどね。
何か助けを求める目は向けられたけど…
根桐 夏栖
そーか……あいつ、どうせよく喋れもせんのになんでああいう事するかなあ……。
あ、うちもちゃんと身元を証明せな同じ穴の狢やな。
……えーっとな、ほらこれ名刺。
[ 名刺には「けもの放送局・根桐」と記載がある ]
オグロシギ
[ 貰った名刺を凝視する ]
ね…きり…さん?
けもの放送局っていうのはあたしも耳にした事あるよ!
モリフクロウ
わ、わたしも、ここの職員さんたちが、話してるの、聞いたこと有ります……。
根桐 夏栖
おっ、放送局を知っとってくれるのは嬉しいなあ!
うちはな、そこで「らじお」ってのを撮ってるんや。
何時やったかな?だーいぶ前に、ここの公園でキミがインタビューされてたのを放送したんもここ、放送局なんやで。
[ 名前の呼び違いは特に指摘せず、ニコニコしながら放送局について話す ]
オグロシギ
へぇ、リフちゃん有名人なんだねぇ
モリフクロウ
( そういえばそんなこともあった……気がする )
もしかして、ヒトが沢山来てたあの時……、かな?
すみません……、あんまり覚えてなくて……。
根桐 夏栖
あっはっは、ええねんええねん。そないなことくらい。
あ、ほんで今、二人は何しとんの?
オグロシギ
あたしは暇だったから、花の観察でもしようと思ってたんだよね。
モリフクロウ
わたしは、ここのお花さん達に水をあげてました……。
根桐 夏栖
なるほどなあ、あーじゃあじゃあ、自分花とか詳しいんちゃう?
うちもやることないし、一緒に花眺めようか思うから、なーんか豆知識とか教えてもらえると嬉しいなって
オグロシギ
あたしも聞きたい聞きたい!
[ 手帳を開いて期待を込めた眼差しをリフに向ける ]
モリフクロウ
ま、豆知識……ですか?
えーっと……、
モリフクロウ
[ 目を泳がせていると、丁度チューリップが咲いているのが見えた ]
あっ、チューリップっていろんなところで見ますけど、実は球根を食べれる種類もあるんですよ。
残念ながらここに咲いているのは食べられませんが、オランダの方ではお菓子などにも使われてるみたいです。
[ 言ってみたものの豆知識になっているか不安である ]
根桐 夏栖
へえ、お菓子!お菓子は凄いなあ……!
一時飯に困ったときはその辺の道草食っとたんやけどさ、またそうなったときは食えるチューリップ探してみるわ!
オグロシギ
「チューリップは球根が食える」…と [ 手帳に不器用ながらペンを動かしながら書き込む ]
モリフクロウ
きっ、気をつけてくださいね……!? ほとんどのチューリップって毒がありますから……!
根桐 夏栖
死なんかったら安い安いって
オグロシギ
そうそう
食えるだけましだよ
根桐 夏栖
あ、そんで他には他には?
モリフクロウ
有名な花だと、パンジーやマリーゴールド、ローズマリーなども食べられるみたいですよ。
でも……! 道に生えてる草や花は、殺虫剤や農薬が沢山ついているかもしれませんから、絶対に食べないでください……!
根桐 夏栖
自分めっちゃ念押してくるな……
わかった、食べへん食べへん。そもそもまあ基本愛でるものやしな
オグロシギ
成る程ね~ [ 手帳を閉じる ]
なんかお腹空いてきちゃったな…
モリフクロウ
あっ、じゃあイチブ植物園でご飯にしませんか?
たしか、食用花を使ったサラダも置いてあるはずですし、すぐそこですよ。
根桐 夏栖
おーそういうことならちょっと気になるな、うちもついてってええかな?
オグロシギ
おー
じゃあ皆んなで行こうか!
モリフクロウ
行きましょー!
根桐 夏栖
おー!
モリフクロウ
[ こうして一人と二羽はイチブ植物園に向かい、食用花のサラダに舌鼓を打ったのだった ]
( ……! お花って意外と美味しい……! )
[ 新たな発見をしたリフは、解散したあと、そのことをリコに話すのだが、「そのくらいしってるの!」と返されてしまうのだった ]
( そういえばあの"ねぎり"さんとはちゃんと話せたな…… )
[ この日少しだけ成長したモリフクロウでした ]
『夕方の花畑で』
[ Fin. ]
キャスト
藍司 優,根桐 夏栖:hag fish
モリフクロウ:isume
オグロシギ:Cumulus0409
アイコン画像保存先: Google Drive / tags: ロールプレイ カントー
コメント
最新を表示する
NG表示方式
NGID一覧