屋根裏より 1ページ

ページ名:Pipistrellus abramus-sturdeei Ep.1-3

屋根裏より。

私の名前は……まだ決めてないです。

というのも退院してから一週間。しょ事じょうが色々ございまして。

それはともかく!住む場所が移りました。

ここは「パークセントラル」の中だそうです。

「サクラガヨウ」だっけ?名前の覚えが悪いのです。

今回は久しぶりに屋根裏部屋を貸してくれました。少し……広いかな?

何か落ち着きません。

やっぱり昔の変なくせが出てしまうんですけれども、それでも何とか、面白くやっていきたいと思います。

日記がいい感じに面白くなったら図書館にかざってもらうんです。

まずはそれを目ひょうにやっていきます!!

さい初のしょうかいは私の部屋を貸してくれる人。

「シートンさん」です。青い箱をいつも持ち歩いているので青で書きます。

あの青い箱には、人や動物、私たちを助けるためのいくつかの「試けん薬」があるらしいです。

私を助けてくれた青い箱です。りっぱな薬師さんです。

 

それから……

「とーるさん」です。おべん強の先生だったり、りょ行の先生だったり、おりょうりの先生だったり……

 

 

「頭が痛いです、ちょっと力が入らない。」

「昔はもっと漢字も知ってたし、素敵な言葉も知ってたのに。」

「うーん……やっぱり補填から先、修復に時間がかかってる感じですかね……」

「断定が出来ないから何とも言えないけど…やはり数か月は劣悪な環境で物質交換が上手くいかなかったんだろう」

「考えたくないが、不十分な情報力量のサンドスターと交換されたことによって人間的な能力が伸び切らない時期があった上に」

「教育も当然おかしかった、と。」

「地の力は高い。動物の性質から言ったら物をひどく忘れてしまいそうですが。」

「先生!!」

「漢字を教えてください!」


報告雑書:003

平常のカリキュラムを開始。

個人的な予想としては、かつては何らかの好意的な人物の手引きで教育や礼儀作法など、とにかく「教養」とされるものに関しては一通りの完成をされていたものと考えている。

上手く誘導すればほんの数ヶ月で女学校進学を望まなくても、ある程度の軽作業を行えるものと思います。

基本的には活発ですが時間によってムラがあります。

基本的に能力形成は午後2時から日没1時間前をめどに行っています。

夕方の遊覧飛行の時間を確実に確保することでモチベーションの向上を図っています。

現在、書画能力は段階21(教育年数3年3ヶ月相当)に達しています。

ただいくつかの文字は使用頻度の問題からか、通常では目にしない言い回しなどを記憶していました。

「いのちのみほし」とひと悶着あったという話でしたが、証言によると曝露から一貫して要監視対象に身を置き続けていたことから、いずれかの段階で教養を養われた、また一通りの「文化的な最低限の生活」を送っていたようです。

病状は安定しましたが、後遺症と予想される現象として、情報力量の少ないサンドスターで構成されている部分が一部存在していることが分かりました。

カコ式原動物推定法では、ヒナコウモリ科が原動物であることが示唆されています。

これ以上の調査は、まず生活水準を徐々に引き上げ、少なくとも生活意識の強化を行って、動物の特徴をより顕著にからの方がよいと考えます。

現在の意識薄弱な様相が続いてしまうと、絶対的なサンドスターの保持する情報量が低下してしまうと考えられます。

 

「なあ、幕原。俺の予想だが。屋根裏部屋を気に入っているってことで、アブラコウモリで決め打ちでいいと思うんだ。

「………」

「はえーよ。」
「よーし、これだな。これは……結構難しい言葉知ってるんだな……」

なんだか。おふたりともたのしそうです!!

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もしかして……暗い出会いがあったことも知ってるのかな……?


Tale

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