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[笹原の泊まる部屋]
あー、眠い。
昨日は遅くまで撮ってたからなあ、
とても眠い。
なんで俺はこんな時間に起きたんだ……
朝しか撮れない風景がある……んだっけ?
[洗面台に立つ]
ふわぁ……ワックスかけないとな……
[荷物整理などを適当に済ませ朝食をとりに一階へ向かう]
今日はどこに行くんだったか……
そもそも目的地決まってなかったような。
…………
またふらふら歩くか……
[エレベーターを待つ]
「オキ、朝ごはん食べに行くぞ」
あ、レイだ。
レイもここに泊まってたのか。
「大丈夫か?」
「うーん……まだ眠いのー……」
二人ともいた。
ちょっと隠れて様子を見てみよう。
[近くの植木に身を潜める]
「バイキングの時間終わっちまうから、早く行かないと」
「うぇぇ……遅くまでトランプなんかしてなきゃよかったの……」
「やろうって言い出したのはオキだからな?」
「わっ、わかってるの……次からは気をつけるの……ふわぁ」
トランプかー、楽しそうだな。
それにしても、オキちゃんが遅くまで起きてるって珍しいな、
そんなにテンション上がってたのか?
「でもトランプは楽しかったな」
「楽しかったけど……頭がくらくらして......これじゃ美味しくご飯が食べられないの……」
「……本当に大丈夫か?おぶってってやるぞ?」
「大丈夫なの……!これくらいで頼ってられないの!」
「強くなったな、オキ」
「えっへん!なの!」
「でも倒れたら危ないからお姉ちゃんに掴まろうな」
「へへ、ありがとうなの……」
……俺も誰かと一緒にパークを回れたらいいんだろうか?
なんだか寂しくなってきたな。
「ほら、その白い髪もぼさぼさになってるぞ」
「えっ、ほんとなの!?後で鏡で見てみるの……」
[二人の前でエレベーターが開く]
「ほら、そこの羽も……」
「羽もなの?」
「ああ、昨日ジャングルで見たあの植物よりぼさぼさだ」
「へえっ!?そんなにぼさぼさなの!?」
「そんなにだ」
「……」
「いつものワックスとは違うぼさぼさだな」
「うぇぇ……」
[二人は話しながらエレベーターに乗り込み、その扉はごうんと音を立て閉まる]
さて、俺も下に行くか……
[エレベーターを再び待ち、乗り込む]
それにしても、オキちゃんはそんなに頭ぼさぼさになってなかったよな……
レイがそういうのに敏感なだけか。
[エレベーターの背面に鏡がついており、それを見ると先ほど洗面台で確認した自分のぼさぼさ頭が写っている]
……あっ。もしかして。
[エレベーターが一階に着く]
いや、俺は気づかれてなかったっぽいし、まさか、そんなはずは無いな。
気づいてたら挨拶するだろうし。
朝食を食べよう。
[二人が朝食をとるためラウンジに入る]
「お姉ちゃん、まだがらがらなの」
「ほんとだな。早すぎた」
「早すぎたの……」
「でも開いてるっぽいぞ?入るか?」
「うん!お腹空いたし、入るのー!」
[二人の少し後に続いて笹原もラウンジへ入る]
えーと、ここか。
へぇ、バイキングになってるのか。
あの二人以外誰も来てないっぽいし、ゆっくりできそうだな
とりあえず、眠気覚ましにコーヒーでも淹れ……
[一番上のトレーにぼさぼさの植物の写真が置いてある]
fin.
登場人物
筆者: idola
お読みいただきありがとうございます。
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