【メルビレイの長い午後】
※このSSの登場人物はオリフレが2人出るだけです。
※テキトーに書いたので文法とか無茶苦茶な駄作です。
※ラッセル×メルビレイな要素があるので、それでも苦手な方はブラウザバックしてください。
私はリヴァイアタン・メルビレイ。
最強のアニマルガールを名乗っている。
私は今、最大の天敵と戦っていた…
「寒い…死ぬ…」
トレーニングの一環として山の中の道をランニングしていたのだが、途中で雨に降られ、大木の陰で雨宿りをしていた。
雨が止むのを待っているのだが、雨が止む気配はなく太陽も既に沈みきっていた。
昼間の陽気とは裏腹に日没と共に気温は大きく下がきっていた。
「しっかし…一向に止む気配がないな…
こうなったら、濡れるの覚悟で走るか?
ん…誰か近づいてきてるな」
誰かが近づく気配を感じとるり、体に力を込め、寒さに対する震えを抑え込む。
(こんなところで寒さに負けてるシーンなんて、見られたくねぇんだよな…
道の端っこで雨に降られて寒さに震えてるなんて、捨て犬みたいで恥ずかしいからな…
っと、そろそろ目で見える距離になるな)
目を凝らし、気配がする方を見てみると、女の子が一人、道を歩いている。
全体的に茶色いカラーディングでフード付パーカーと背中から生えている尻尾が確認できる。どうやら蛇のアニマルガールのようだ。
「あら?こんなところで何をしているんですか?」
どうやら、彼女もこちらに気づいたようだ。
「あぁ、トレーニングで山に来てたんだが、見ての通り、雨に降られて雨宿りをしてるんだよ」
私の返答に彼女はそっと微笑んで口を開く
「それはお気の毒に…
もし、よろしければ少し登ったところにイラス爬虫類園という施設があるので、そこで雨宿りされてはどうでしょうか?」
「だが、この時間では爬虫類園は閉まってるんじゃ…」
「大丈夫ですよ。私、そこで働いてるので♪
雨が止むまで、ウチにいらしてください」
「そうなのか…なら、言葉に甘えて屋根を借りよう」
特に断る理由もないので、私は彼女の誘いに甘えることにした。
「見たところ傘がないようですし、一緒に私の傘に入ります?」
と、言って彼女は傘のスペースの半分を開ける。
「いや、そこまでしてもらう義理はない。爬虫類園ならすぐ近くだし、走れば問題ない」
「ダメですよ!道が泥濘んで足元悪いですし、体もすっかり冷えてるじゃないですか!」
そう言って彼女は私の服の端を掴んで、無理矢理傘の下に私を引き込んできた。
「だ、だから、流石に悪いって…」
「私だけ傘を差してて、貴女が濡れるのを見てるのは心苦しいのです。だから、私のためにも傘に入ってもらいますよ!」
「………。」
これ以上言っても彼女は引き下がることはないと思い、私は彼女との相合傘で爬虫類園に向かう事にした。
数分歩くと、木造の建物が見えてくる。ここが目的地であるイラス爬虫類園だ。
「ちょっと傘持っててもらっていいですか?鍵を開けるので」
私に傘を渡し、彼女はポケットに入れてあった鍵を取り出して爬虫類園の扉を解錠する。
「では、邪魔させてもらおう」
傘を畳んで、館内に入ると誰もいない売店が私たちを出迎える。
「では、私はタオル持ってくるのでそこのベンチに座っててください」
そう言って彼女はスタッフルームへと姿を消す。
「ふぅ…」
ベンチに腰掛けると、溜まっていた疲れが一気に私の脚に押し寄せてきた。普段なら、丁度いいぐらいの運動量なのだが、雨で体温が奪われた事もあり、疲労感はいつもの比ではなかった。
「お待たせしました〜」
しばらくベンチで休んでいると、彼女がタオルとマグカップを2つ持ってスタッフルームから出てきた。
「雨に降られて大変でしたよね?暖かいココアを入れたので良ければどうぞ♪それと、タオルです。濡れたままだと体にも悪いので拭きましょう」
マグカップをテーブルの上に置き、彼女は私の頭にタオルを被せてきた。
「い、いや、タオルは有り難いが、流石に自分で拭くから…」
「ダメですよ?貴女、放っておくと軽く拭いただけで終わりそうなんですもの」
「さすがにそこまで大雑把じゃねえ!って、や、やめ…そこはヒレだから!」
数分の格闘の果てに、すっかり丸め込まれてしまった。
「屈辱だ…まさか、この私がこんなにも押し通されるなんて…」
「す、すいません…私もやりすぎました…」
「いや…気にするな…そっちは好意でやってくれたわけだし…
とりあえず、さっき持ってきてくれたココア飲もう」
「はい…」
テーブルの上に置いてあったココアを2つ手にとって片方を彼女に渡す。
「「いただきます」」
ココアはまだ温もりが残っていて冷えた体には至高の一杯だった。
(しかし…気まずい…)
ココアを飲んで落ち着きを取り戻したはいいが、互いに話す話題も見つからず、ただ静寂だけが空間を支配している。
「そ、そういえば名前を聞いてなかったな…」
気まずさに堪えきれなくなった私は彼女に名前を聞いてみる。
「私ですか?私はラッセルクサリヘビといいます。ラッセルと呼んでくれたら嬉しいです♪」
「ラッセルか…よろしくな。ラッセルはここで働いてる言ってたな
何か理由でもあるのか?」
そう聞くとラッセルは少し俯きがちな姿勢になって口を開く。
「実はですね…私、アニマルガールになる前はインド4大毒ヘビなんて呼ばれてて…
多くの人や動物たちに恐れられていたんです…
だから、色んな人に私のことを知ってもらって、仲良くなれたらな…なんて思ってたらここの館長さんに誘われて、この爬虫類園でガイドの仕事をするようになったんですよ」
「そうなのか…色々大変だったんだな。ラッセルなら大丈夫じゃないか?」
「そうですかね?まだ、自信がなくて…」
「自信は持っていた方がいい。何事もまずは心構えからだ。失敗するなんて思いながら事を成そうとしても大抵は失敗する。常に成功だけを考えていればいいんだよ」
「ありがとうございます。何だか少しだけ、気が楽になりました♪優しいんですね」
ラッセルが顔を上げると、こちらに笑顔を向けてきた。私はそのラッセルの笑顔にドキッとしてしまった。それをラッセルに悟られないよう、会話を続ける。
「そんな事はない。私は私の持論を教えただけだ」
「そうだとしたも、気が楽になったのは確かです。ありがとうございます♪」
どうも調子が狂う。ラッセルと話していると私の何かが狂うような気がしてならない。
「あら?雨、止んできたみたいですね?」
ラッセルの言葉に反応して、窓を見ると、雨はすっかりと止んでいて、月明かりがフロアの中に差していた。
「そうだな…なら、私は帰るとしよう。雨宿りさせてくれてありがとな」
「いえいえ、お気になさらず♪
良ければまた来てください。今度は晴れている時に」
「あぁ、是非とも邪魔させてもらおう」
「あ…そういえば、貴女のお名前を聞いてませんでした。お名前、聞いてもいいですか?」
「メルビレイ。リヴァイアタン・メルビレイだ」
「リヴァイアタン・メルビレイ…
略してメルビィですね♪」
「メルビィか…気に入った!
今度から、そう呼んでもらうとしよう」
この時だけは『最強のアニマルガール』と名乗ることはできなかった。
fin.
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