登録日:2012/07/05(木) 23:35:45
更新日:2023/08/18 Fri 10:34:28NEW!
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gunslinger_girl ガンスリ ロシア 赤髪 バレリーナ サイボーグ 義体 坂本真綾 ペトルーシュカ エリザヴェータ・バラノフスカヤ
「変じゃない?理由があるから好きになるんでしょ?それって本当に愛しているって事なの?」
ペトルーシュカとは漫画「GUNSLINGER GIRL」の登場人物の1人。
CV:坂本真綾(アニメ2期※リーザとしての登場)
社会福祉公社作戦二課の主要戦力である義体の1人。ヘンリエッタやリコ達とは違い後期に生み出された2期生の1人目である。担当官はアレッサンドロ。赤髪ロングの高身長の女性で見た目はそれなりに大人びて見える。
因みに義体となって目を覚ました直後、脚を持ち上げて観察していたアレッサンドロの顎を蹴りあげてしまった(起き抜けだったせいか大事には至らなかった)。
2期生である彼女は制作当初から今までの義体とは多数の変更点が加えられ、骨格は今までの全置換から補強に留められ、根幹となる条件付けも軽くてフレキシブルにされ、寿命の倍化とそれに伴う義体の民生化のためのデータ取りを目的としている。
担当官のアレッサンドロは元潜入工作員であり、掴み所の無い軽薄な性格で、義体の外見には特にこだわらず「赤髪にだけはするな」「身長160cm以上」と頼んでいたが結局赤髪の少女となる(この注文をつけた理由に関しては後述)。
元となる条件付けが1期生とは違ってマイルドな物となっている影響から人間的感情が非常に色濃く現れており、1期生のトリエラ以上に顕著である。
条件付けの影響から担当官のアレッサンドロに信頼を寄せているものの、1期生のような妄信とは違い純粋な信頼関係に近い。
自分が義体であることを悲観しておらず、慣れるとどんどん自由に動いていく自身の体に一種の感動すら覚えていたほど。実際、作中で話が進んでいく毎に彼女の能力が上昇しているのが見て取れる。
また身体能力だけでなく知識面でも様々な興味関心を見せ、7巻でのグエルフィ検事との出会いやクローチェ事件のことなどを通して担当官であるサンドロに反論したりする場面もある。
義体の定期検診の際も医師の質問に対し担当官のサンドロに対する感情を条件付けによる妄信ではなく、自分の感情から来る純粋な愛情であることをはっきりと自覚している様子が見られ、
理由も無く担当官に妄信的な信頼を向けているヘンリエッタやアンジェリカなどに疑問を投げかけるなど、とにかくあらゆる面で1期生とは一線を画す存在として描かれている。
同時にその様子は、嘗て担当官への愛情が暴走してしまい、「担当官との無理心中」という社会福祉公社に於いて前代未聞の事件を引き起こしたエルザ・デ・シーカを彷彿とさせ、研究員からそれを危惧する声も上がった。
サンドロとキスした後は明らかに惚気けてしまい、同じ二期生のフィオからは「どうせ惚気話だからその時のことは話さなくていい」、ガットネーロからは「リア充呪われろ」と言われた。
担当官のサンドロもペトラのことを単なる義体ではなく自身の弟子、パートナー的な存在として接しており自身の得意とする人間観察能力を始めとする様々な知識や技術をペトラに教えている。
ペトラの方も上述のように単なる人形ではなく純粋に大切な存在としてサンドロと共にいるためフラテッロとしての関係は極めて良好である。
当初はサンドロのことをサンドロ様と呼び、基本的に敬語で呼び慕っていたが、サンドロの師であるロッサーナと出会い彼女からサンドロの側にいてやってほしいと頼まれたことや、
変わり果てたロッサーナの姿を見て落ち込み裏切られるのを恐れて傍観者に徹している彼の本心を見抜き、自分の心の奥底にあるサンドロへの恋心を条件付けの洗脳を抑え込んでまで吐露する。
その真っ直ぐな姿勢にサンドロも心を動かされ、自分の弱さを認める。以降の9巻からペトラはサンドロと呼び捨てのタメ口で話すようになり名実共に本当のパートナーとなった。
とにもかくにもペトルーシュカは今までのGUNSLINGER GIRLの話の流れを大きく変える存在であり、彼女が主役となる6~8巻のエピソードは新たな話の転換点と評価される一方、今までの悲劇性が損なわれてしまったとの不満も挙がっており賛否両論である。
義体としては1期生より身体能力は劣るという設定ではあるが作中描写を見る限りではそうでもなく、寧ろ中盤以降は1期生の秀才であるトリエラにも匹敵するかの大立ち回りを見せている。
原発戦では歩兵戦車を相手取って生身で囮となって生還するなど、最終的な身体能力はトリエラ並かそれ以上とも取れる。
メインアームにはサブマシンガンのスペクトラM4を使用。サブアームには自動拳銃のタウルス PT92を使用している。
基本的に1期生とは別の場所でサンドロと共に潜入等の諜報任務に当たることが多く、ハイティーンの外見である事を有効活用している。
そんな明るい彼女も義体化以前はかなりヘビーな過去を背負っている。
素体となった少女はエリザヴェータ・バラノフスカヤという名前のロシア生まれの少女。ロシアでも有数のボリショイバレエ学校に通う優秀なバレリーナでバレエのことが大好きな真面目な努力家であった。
自分の低身長に悩みを抱えるも、同じレベルの技術力を持ち尚且つ体型に恵まれたナターシャというライバルや、自分のことを良く見てくれるバレリーノのアレクセイなど友人関係にも恵まれていた。
(因みにナターシャの方も、感情的な踊りを見せるリーザのことを高く評価している一面があり、ライバルでありながら関係は良好だった)
また身体的なハンデを覆して白鳥の湖にて黒鳥役への抜擢もほぼ決定しており、同じく現役時代に低身長で悩まされた学園長から目にかけられていた。
一方で父親との仲は良好とは言えず、病に伏しているであろう母親の治療費に加えてリーザの学費が家計を逼迫させている事、リーザが決してバレリーナに向いていない事を指摘されたが、「どうしてそんな事を言うの……」と複雑な感情を覗かせた。
だがあるときから疲労骨折の治りが遅い等の異常が脚に見つかり、違和感を感じた学校の担当医の勧めもあって精密検査を受けた結果脚に悪性腫瘍が見つかり、両親がベラルーシ南部出身でチェルノブイリ原発事故に居合わせていた影響(劇中描写から察するに恐らく胎内被爆)から悪性腫瘍が骨肉種である事が判明する。
発見が大幅に遅れてしまったことでどれほど細胞に転移してしまっているのかすら分からず、容体の悪化から回復の見込みは絶望的で、
「リーザの生命を優先するなら脚を切断するしかない」と判断されバレエが人生の全てであったリーザは絶望の淵へと追いやられてしまう。
それでもあきらめず、学校長の支援もあって医療技術の発達したイタリアでの切断以外での最先端治療を探す為にイタリアへと渡る決心をする。
その際に友人のアレクセイから自分への恋心を打ち明けられ、ずっと待っているからと伝えられる。
そして治療先のイタリアの病院の屋上で偶然サンドロと出会う。ほんの数分話しただけでありサンドロもこのことは覚えていない。
結局、イタリアでもこれといった治療法が見つからずに脚の切断という選択肢しか残されておらずそのことに絶望したリーザは投身自殺を図る。
しかし自殺は失敗し意識不明の重体(半ば植物状態)となり、実家がリーザの医療費と延命費を賄えるほど裕福ではなく、
更に元バレリーナという事で身体能力面で優れていたので社会福祉公社に素体として見込まれ、ペトルーシュカという義体に生まれ変わるのである
(このため、治療先の病院が社会福祉公社の息がかかった病院だった可能性がある)。
毎日のストレッチを欠かせず、初めて化粧をした際サンドロから「ダンサーじゃねえんだから」と揶揄されるほどの濃い化粧をしてしまったり、ロッサーナに指摘されるまで無意識にバレリーナの立ち方をしていたのは義体化以前の習慣の残滓とも取れる。
また、将来有望なバレリーナとして鍛えていた事が、低コストを意識した2期生のコンセプトにも合致していた事が義体化への決定打となったという説もある。
改造の過程でかつて地方TV局のドキュメンタリー番組で取り上げられたことがあり世間に顔がある程度知られている事が発覚。
その関係で身体的特徴を大幅に変える必要性があったため、サンドロに対して義体の外見に関するアンケートを取ることになった(結果的に「赤髪禁止」は無視されたが)。
その際にリーザの義体としての名前を決めなければならず、サンドロはロシアの作曲家・ストラヴィンスキーの三大バレエ音楽の一つから引用して「ペトルーシュカ」と名付けた。
バレエ音楽としての「ペトルーシュカ」は3体の人形による悲恋劇であり、元部外者の彼から見た義体への皮肉とも取れる。
技術部のベルゴンツィいわく、「綺麗な身体をしていた」。
2期生のコンセプトの関係上、条件付けの副作用に苦しむような場面は明確には存在しないが、13巻では骨肉種や原発といった素体の記憶に関する物がある任務先で体調不良になったりする場面があった。
ただし担当官であるサンドロを否定したり罵倒するような言葉は条件付けのせいで言おうとしただけで拒絶反応を起こしたことがあった。
これに関しては全義体共通の拒絶反応ともとれるが、彼女の場合下手にサンドロを罵倒しようとすると強烈な嘔吐感に襲われる。
後にサンドロの師であり伝説的な女スパイであるロッサーナと邂逅し、彼女を亡命させる任務を請け負う事になる。
最初こそ「サンドロが一番なのに」とある種の嫉妬心を持っていたが、母として穏やかに過ごしている彼女を見て意識を変える。
サンドロがペトラの外見的特徴に「赤髪にするな」というただ一つの注文をつけたのは彼女の存在があったからである。
以下、最新刊でのネタバレ含む。
14巻での原発での戦いでは自分の先が長くないことや自分の過去の記憶をぼんやりとではあるが思い出しているかのような描写がある。
サンドロも実は素体のリーザと会ったことを覚えていたことが判明し、リーザが原発の後遺症による骨肉種によって絶望したことも熟知していた。
そしてそのような思いからもう核の被害は出したくないと互いに心に決めており、ジャコモの右腕であるアシクが切り札である核弾頭で自爆を行おうとしていたところをサンドロが話術で動揺させ、その隙にペトラがダクトを通って不意打ちを仕掛けたことにより自爆を防ぐことに成功。互いの無事を確認しサンドロに抱き着き涙を流した。
15巻において今までの体調不良が白血病によるものだと発覚。素体のリーザが患っていた骨肉腫によるものと診断され治療は難しいとされる(アンジェリカが死亡した頃から体調不良に陥る事があった)。
しかしペトラはこのことを悲観せず最後まで前向きに生きるとし、それに加えて自身の過去を知りたいと懇願。
五共和国派との争いも終わり実験の意味も兼ねてペトラはリーザとしての記憶を取り戻すも、サンドロへの恋心は変わらずに健在であった。
そして「リーザ」であった頃に憧れを抱いていた「積極的な性格」「高い身長」を得られたことに感謝している事を吐露した。
そして嘗ての親友であるアレクセイに自分はまだ踊り続けていることを証明するビデオレターをサンドロ経由で送り届ける。
(流石に義体となったことは伏せられ「踊っている女性はリーザからドナー提供を受けた」といった趣旨の言葉をサンドロは送っている)
最期は白血病によってサンドロに看取られながら安らかな笑みを浮かべて亡くなった。
- 作中での主なセリフ
「ここは社会福祉公社で、私はペトルーシュカ、2日前までの事は何も思い出せないけど、不思議と不安はない」
「この体慣れるとどんどん動くんです、楽しいですよ」
「サンドロ様は大人で賢いのに…すぐ割り切っちゃうから嫌いです!」
「サンドロ様って本当にこの仕事が好きなんですね。影でこんな努力をして」
「サンドロ様はわかってほしいのでしょう?本当は寂しいのに…裏切られるのが怖いから他人と距離をおいて、安全な傍観者に甘んじてるんだ!」
「くそったれのアレッサンドロ!!このわからず屋!!どうして信じてくれないの!?こんなに…愛してるのに…!!」
「今日のサンドロ何か変。悩み事?」
「聞かない。だって…聞かないで欲しそうだから…」
「おかしいなぁー誰かさんは私の裸を見飽きたんでしょ?」
「サンドロ…無理言ってごめん…人道とかそういうのじゃないの!何か使命感みたいなのを強く感じてっ。きっと昔の自分と…」
「なんとなく判る。私の命は長くない。ここで核を止められたら…それが"2番目の"人生の使命と思おう」
「今の自分は昔の『私』の理想、長い手足に積極的な性格…私は義体になってよかったよ?」
なお、放送時期の関係でアニメには未登場だが、第2期にゲスト的な扱いで素体のリーザがチラッとだけ登場していたりする。
この項目慣れるとどんどん追記・修正出来るんです、楽しいですよ。
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- 身体能力の高さは素体であるエリザヴェータの能力が元々高かったからだろうな -- 名無しさん (2016-05-25 06:58:49)
- とあるマンガでは「好きなことに理由があるならそれはただの打算だ」とか言われていたけどどっちが正解なんだろう? -- 名無しさん (2019-09-27 06:41:20)
- ↑ この作品に当てはめるには状況や対象が全く違うのでは?ペトラがああ言ったのは1期生の異常な妄信に疑問を持ってついつい口にしてしまっただけだ -- 名無しさん (2019-10-24 11:29:13)
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