グラディウス2(MSX)

ページ名:グラディウス2_MSX

登録日:2025/03/30 Sun 10:20:00
更新日:2025/03/31 Mon 11:22:44NEW!
所要時間:約 8 分で読めます



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わたしは、真実だけを のこさなければならない。


時として真実は、いかなるものよりも
つらく、悲しい。
しかしまた、真実こそが
あたらしい生命をつくりだせるのだ。


─── 惑星グラディウス史記 XIII 序文より



KONAMI  PRESENTS


 GRADIUS 
 2 


THE GRADIUS SAGA CONTINUES
WITH
THE ULTIMATE
COSMIC ADVENTURE




グラディウス2ツー』とは、コナミ社が開発・販売する横スクロールシューティングゲーム「グラディウス」シリーズ のMSX用ゲームソフトである。


アーケードで稼働した正統続編『グラディウスII GOFERの野望』とは全く異なる内容であり、混同を避けるためシリーズファンからは本作を「グラディウス・に」(略称:ぐらに)、として呼び、AC版『II』を「グラディウス・ツー」と呼ぶ人も多い。
以下、本項目ではAC版グラディウスIIの事は『II』と省略表記する。




▼概要

1987年8月22日に発売された当時における完全オリジナルの新作STGであり、時期としては『沙羅曼蛇』が発売して1年ちょっとが経った頃、すなわち『II』は影も形も見えていない状態である。
そんな中で制作・発売された本作は、家庭用機で腰を据えて遊ぶことを念頭に置いた作品として製作されたため、後の『II』はおろかどのシリーズ作品にも搭載されていない独自の仕様を備えた異色作となった。


また、アーケードで『II』が稼働し始めると、シリーズ正統系作品であるAC版シリーズに対してMSX版は明確に別系統の流れを汲むシリーズとして確立。本作の後にはMSX版『沙羅曼蛇』→ 『ゴーファーの野望エピソードII』と、元になった作品のモチーフを織り込みつつオリジナル要素の強いゲームが続くことになる。


もともとゲーム用途メインでないMSXで開発された為、地形スクロールや巨大戦艦の移動など大きなオブジェクトが8ドットずつカクカクとしか動かないなどの欠点はあるものの、MSXの仕様を限界まで突き詰めたことによる高品質なグラフィックや、拡張音源SCCを利用した一段高音質なサウンドといった点は間違いなく今作の魅力と言える。


▼ストーリー

惑星グラディウス』を母星とするグラディウス帝国と、全宇宙の侵略を目論む亜時空星団『バクテリアン』は幾度とない戦いを繰り広げてきた。
そんな最中、帝国の宇宙科学庁長官『ヴェノム博士』が政治的対立からクーデターを決行。これは帝国軍により鎮圧され、クーデターを決行したヴェノム一味は辺境の惑星サードへと追放される。


しかしクーデターにより政局は一層不安定になり皇帝は暗殺されてしまう。その上混乱に乗じて惑星サードからヴェノム一味は姿をくらましてしまい、行方不明となる。


それから1年のち、惑星グラディウスの植民惑星である7つのネオ・スペースプラントが何者かによって侵略・制圧される。その犯人はバクテリアンに寝返りグラディウスに牙を剥いたヴェノムであった。


ヴェノムの復讐を止めるにはネオ・スペースプラントを奪還し、逃亡先の惑星シンに潜む彼を討つ以外に手は無い。かつてバクテリアンの魔の手から惑星を救ったパイロット『ジェイムス=バートン』と、彼の駆る新型戦闘機『メタリオン』の新たなる戦いが始まる。


▽惑星グラディウス史記

~プロローグ~

太陽に対し水平な地軸を持ち、常昼の北半球と常夜の南半球を持つ『惑星グラディウス』。
ここを母星とする『グラディウス帝国』は、全宇宙の侵略を目論む亜時空星団『バクテリアン』との終わりの見えぬ戦いに巻き込まれていた。


最初の惑星間抗争となったのは宇宙歴6644年*1の『北十字戦』であった。
惑星グラディウスへと突如侵攻してきたバクテリアンに対し防衛作戦を展開する帝国であったが、実に惑星の60%以上に及ぶ深刻な被害を受ける事となった。
このうち戦争初期から大半の攻撃が人口の多く繁栄していた北半球に向けられたもので、甚大な損害を被った帝国政府は復興に大きく手間取ることになる。


しかし、常夜の南半球にも侵攻の手の一部が及び、戦闘の流れ弾が爆発する事で発生した宇宙放射線によってそこに住む少数部族『リーク人』はほぼ絶滅状態に追い込まれる事となる。
少数部族であった彼らの助けを求める声に対し、北半球で手一杯であった帝国政府からは復興の手が差し伸べられる事は無く、もとより原始的な部族であると見下されてきた、リーク人たちの帝国政府への不信や憎悪は増すばかりであった。


そんな最中の宇宙歴6645年、帝国の宇宙科学庁*2により、リーク人が感知し操るサイキック・エネルギー『リークパワー』が発見される。
調査と分析によりこれが新たなエネルギーとして活用可能である事が分かると、帝国は手の平を返したかのようにリーク人保護政策を開始する。しかし今までの仕打ちに反感を抱いたリーク人たちは帝国政府の元を去り、残ったのは北十字戦で孤児となった3歳の男児『ジェイムス=バートン』ただ1人であった。


宇宙歴6647年、第16代皇帝が死去し、ラーズ17世が第17代目の皇帝として即位する。
この頃から惑星グラディウスの北半球を照らし続けてきた太陽の温度が異常上昇する現象が発生。環境変化への対処は問題なく行われたものの、惑星の多くで利用されていたエネルギーであるリカベラー粒子が太陽から抽出不可能となってしまった。


ここに来て帝国政府はリークパワーを代替可能な新エネルギーとして定め、技術研究と共にそのカギを握るリーク人の探索、保護活動をさらに活発化させていく。未だ不信の拭えぬ一部リーク人の反発があったものの、これは概ね順調に進行していったのだった。



~闇の女神戦~(グラディウス

宇宙歴6653年、科学庁がリークパワー解析の成果としてリークエネルギー生成システムの開発に成功。そしてこのシステムを組み込んだリークパワーエンジンを搭載した超時空戦闘機『ビックバイパー』が完成する。
しかしこれに前後して科学庁内部ではリーク人技術者とグラディウス人との間における対立が再燃。かねてより科学庁でリークパワー研究に協力してきたジェイムスはこれを厭い、宇宙科学庁から帝国国防庁へと移籍した。


宇宙歴6658年、惑星グラディウスをバクテリアンが再襲撃。第二次惑星間抗争『闇の女神戦』が勃発。
この戦いでジェイムスはビックバイパーのパイロットとして戦いに挑み、死闘の末バクテリアン軍の撃退に成功する。



~反乱の予兆~(グラディウス リバース)

闇の女神戦での成果により、リークパワーは民間の研究機関にも大いに注目され、開発競争は激化の一途を辿った。


その中でついに、宇宙科学庁の中でも初となるリーク人の長官として『ヴェノム博士』が就任した。
彼の下でエネルギー効率を飛躍的に改善するハイパードライブシステムIIが開発され、さらにリークパワーエンジンへと技術応用したサイキック・リークパワー推進装置が実用化に至る。
これを受けて国防庁はビックバイパーの次となる次世代戦闘機への技術採用を決定、科学庁は最新鋭超時空戦闘機『メタリオン』の開発に着手する。


しかし、バクテリアンの魔の手は静かに迫っていた。


宇宙歴6664年、グラディウスと同盟を結ぶ惑星アンティクトンからの交信が突如途絶えるという事件が発生。
ヴェノム博士の下で事件の調査を行った科学庁は、惑星のマザー・ブレインがバクテリアンによって浸食・掌握され、惑星が制圧されてしまった事を突き止める。


事態を重く見た帝国政府はアンティクトンへ国防庁より軍を派遣する事を決定。
ジェイムスは先の闇の女神戦に引き続きビックバイパーを駆り、惑星アンティクトンそのものを犠牲とすることを引き換えに再びバクテリアン軍を撃退する事に成功する。


しかし……



~サイレント・ナイトメア事件~(グラディウス2)

バクテリアン軍を撃退し繁栄を維持してきたグラディウス帝国であったが、グラディウス人とリーク人の対立は静かに、しかし確実に深まっていたのである。


アンティクトンの事件の裏でヴェノム博士を始めとする10名が帝国政府へとクーデターを決行
しかしヴェノム博士の素性、そして科学庁長官就任の経緯に疑惑を抱いていた政府側は密かに身辺調査を実施しており、それによりクーデターへの対抗措置も速やかに実行された。
皇帝ラーズ17世によるグラディウス軍の緊急発動によりクーデターは鎮圧。ヴェノム博士らは逮捕され、軍事裁判の後に辺境の惑星サードへと追放されたのだった。


クーデターは失敗に終わったものの、政局の混乱は一層深まるばかりであった。
宇宙歴6665年、不穏分子の凶弾により皇帝が暗殺され、さらに後継者争いが勃発。帝国は完全に政治的混乱に陥り、それに乗じて惑星サードへ捕らえられていたヴェノムら10名が、何者かの手によって脱出逃亡し行方不明となる。


その最中、開発が続いていた超時空戦闘機メタリオンが遂に完成。テストフライトでも優秀な成績を収めたものの、ハイパードライブシステムIIの効果が不安定であることが発覚。
メタリオンが100%の性能を発揮する為には、ヴェノム博士らがクーデターの際に持ち出し、所在不明となったバイオコンピュータシステムとの連携が不可欠である事が判明する。


そして宇宙歴6666年、惑星グラディウスの植民惑星である7つのネオ・スペースプラントからの交信が一斉に途絶える『サイレント・ナイトメア事件』が発生。政府の調査により何者かによる侵略である事が判明すると一気に事態は緊張を迎える。


侵略者の正体はバクテリアンに寝返ったヴェノムであった。
惑星サードからバクテリアンの手によって惑星シンへと逃亡したヴェノムはそこに拠点を築き、スペースプラントを次々に侵略。そしてその魔の手はグラディウス本星に迫ろうとしていたのである。


帝国政府は最新鋭の戦闘機であるメタリオンを出動させ、ヴェノム艦隊およびバクテリアン軍の掃討を決定。
しかしメタリオンは未だ本来の性能を発揮できない状態のままであり、ヴェノムが確保するバイオコンピュータシステムを奪取、リンクすることで強化を試みながらの戦いとなる。


この困難な戦いに任命されたのは、闇の女神戦、そしてアンティクトン事変を戦い抜いた経験があり、ヴェノムと同じリーク人であるジェイムスであった。
惑星グラディウスの命運を懸けた戦いが、奇しくも同じリーク人同士の2人の手によって、今始まろうとしている……


▽登場人物

  • ジェイムス=バートン

宇宙歴6644年生まれ、男性、惑星グラディウスの南半球出身で、超能力と親和性のある少数民族『リーク人』。


3歳の頃にバクテリアン軍の第一次侵略『北十字戦』に巻き込まれて孤児となり、グラディウス帝国の宇宙科学庁の下に保護される。
その後は科学庁に協力しリークパワー解明へと献身的に協力するが、徐々に増していくリーク人とグラディウス人との政治的対立に嫌気がさし、国防庁へと転属した。


国防庁では超時空戦闘機『ビックバイパー』のパイロットとして多くのミッションを経験。彼の持つ潜在的なリークパワーによる機体性能の底上げと、パイロットとしてのセンスによって難局を乗り越えてきた。


今回は最新鋭超時空戦闘機『メタリオン』に搭乗し、復讐鬼と化したかつての同胞を討つために出撃する。


  • ヴェノム博士

惑星グラディウスの南半球を出身とする『リーク人』の技術者。
全身緑色の肌をした丸坊主の男性だが、リーク人がみなこのような容貌なのかは不明*3


『北十字戦』に巻き込まれたリーク人の中で生き残った、たった12人のうちの1人。
しかし自らを見捨てた帝国政府に不信感と激しい憎悪を抱き、仲間ら4人と共に北半球へと向かって消息を絶つ。


そして十数年のち宇宙歴6658年、宇宙科学庁において初のリーク人長官に就任。リークパワーを活用した様々なシステムの開発・実用化に携わる。
しかし実は帝国政府への憎しみは未だに消えておらず、ついにクーデターを決行するもその身辺を怪しまれた政府の事前調査のかいあってクーデターは事前鎮圧される。
クーデター前夜の模様が『グラディウス リバース』において一部描かれるが、惑星アンティクトンのマザーコンピュータを破壊するようジェイムスに圧力をかけるなど、何かしら暗躍していたらしき様子が伺える。


クーデター失敗後は惑星サードに幽閉されるもバクテリアンの手引きにより脱走。
そしてリークパワーを最大限に引き出す為のサイボーグ手術を施され、額に縦並びの三つ目が開く異形の姿へと変わった。
共にクーデターを起こした同胞にバイオコンピュータを搭載した戦艦を任せヴェノム艦隊を立ち上げ、バクテリアンと共に惑星グラディウスへと牙を剥く。



▼自機『メタリオン』

初代グラディウスと同様に装備タイプは1種類のみ。
ただしゲームを進める事でパワーアップゲージ自体がどんどん成長していくという独自システムが採用されている。


各ステージのボス戦艦は他シリーズとは異なり倒してもすぐに爆発しない。
そこから爆発するまでの間にコアに接触する事で戦艦の中に入る事ができ、戦艦の最深部にあるバイオコンピュータと交信する事でパワーアップ項目が追加されていくのである。


追加パワーアップにより得られる兵装は強力なものが多いため、どんどんボスからゲージを強化していく事が基本的には望ましい。
ただしメリットだけではない。例えばゲージが増える事でオプション取得までに必要なパワーアップカプセル数が多くなり、復活からの立て直しが困難になるなどのデメリットも存在する。


なお、一応ゲージ自体が無強化であっても1周クリアはできる難易度ではある。



▽パワーアップ


初期状態のパワーアップゲージ
#table_style(head=#00f:#ff0:120%)

SPEED UPMISSILEDOUBLELASEROPTION?
Lv1SPEED UPMISSILE #1DOUBLELASER #1OPTION #1FORCE FIELD
Lv2MISSILE #2LASER #2OPTION #2
Lv3~7

SPEED UP

初期状態である0速から7速までパワーアップ可能。
だいたい2速か3速あたりまで積んでおくと問題なく操作可能だろう。


MISSILE

斜め下に投下され地面を滑走する、いつものスタイルのミサイル。
2段階強化可能で、Lv2を取るとミサイルの移動速度が上昇する。


DOUBLE

ノーマルショットと一緒に斜め上前方にショットが出る、こちらもお馴染みのスタイル。
ただし前・上両方が画面から消えるまで次が撃てず連射性が落ちるため、やや扱い辛い。


LASER

自機目前から一直線に進むレーザー。
もちろん撃ちながらワインダーも可能だが、自機から途切れるとワインダーが効かなくなってしまう仕様。
Lv1だとレーザーが短く威力もそこそこだが、Lv2強化でいつも同じくらいの長さと威力になる。
ただし後半面ではレーザーをそのまま反射して打ち返してくる敵も出てくるため油断は禁物。


なお、ダブルとレーザーは同時装備不可。
それぞれパワーアップを取った段階で同時装備できないパワーアップは自動で解除される仕様になっている。


OPTION

自機の動きをトレースしながら攻撃する分身。
MSXメタリオンの性能上、追加できるのは2個まで


FORCE FIELD

自機前方に攻撃を防ぐバリアを展開。フォースフィールドと言いつつ実質シールド。
耐久力は10発分だが、レーザー系兵器やプラズマ・電撃攻撃を受けると1発で剥がされてしまほか、ハッチや地形などには反応してくれない。
なお耐久力が残り1発になるバリアが赤くなる。



  • UP LASER

DOUBLEとLASERの間にゲージ追加。
自機上方に向けて垂直に横方向のレーザーを撃ち出す。2段階強化可能で、Lv1だと自機より一回り大きいくらいのレーザー、Lv2だとどんどん幅が伸びていくレーザーとなる。


なんと通常レーザーと同時装備可能。普通の局面であればもうダブルは要らないのではと思うくらいに強力なパワーアップである。
ただし、ノーマルショットで取るとダブル同様にショットの発射数が1発に減ってしまうほか、斜め上が死角になる点も要注意。


なおダブルとは同時装備不可。


  • DOWN LASER

UP LASERとLASERの間にゲージ追加。
一言で言うとアップレーザーの下方向版。2段階強化可能で、強化内容もアップレーザーと同じ。


こちらも通常レーザーと同時装備可能なのだが、ダブルのほかミサイルやアップレーザーと同時装備不可
使いどころはかなり少ないが、一部の下方向に地形を掘り進めないといけない局面では頼りになる。


  • NAPALM MISSILE

MISSILEのLv3としてメーター追加。
着弾すると爆風が広がってとどまり、敵を巻き込んで倒す事ができる。要は『II』のスプレッドボム。
ただしスプレッドボムと異なり通常ミサイルの同様の滑走能力も持っている。このため敵や壁にぶつかるまで滑ってくれるのでかなり強力な分、ちょっと癖が異なるため扱いに慣れが要るかも。


  • REFLEX RING

DOUBLEのLv2としてメーター追加。
中距離射程のリングを前方に放つ。リングは射程の限界に達するとそのまま戻ってくるバネやヨーヨーのような軌道を描き、ワインダーも可能。
同時発射数は1発で貫通性能は無し。ノーマルショットやダブル同様着弾したら再発射できるので、一応ある程度連射はできる。


同時装備不可能なのはレーザーのみ。このため一度リフレックスリングを取ってからだとアップレーザー等と併用できるが、逆にアップレーザーを取ってからダブル→リフレックスリングと取ろうとすると、ダブルを取った時点でアップレーザーが消える。


  • EXTEND LASER

LASERのLv3としてメーター追加。
2基同時発射となり、威力も攻撃範囲も上昇した最強の極太レーザー。
その他の特性はレーザーLv2と同様。そのため特定の敵に反射されてしまうのも同じ。


  • BACK BEAM

MISSILEとDOUBLEの間にゲージ追加。
前方と後方同時にノーマルショットを発射する。つまり『II』のテイルガン。
その他の特性はダブルと同様で、発射した弾が両方消えないと次が撃てない仕様も同様。


ただしダブルよりも装備の制限が緩く、同時装備不可なのはレーザーのみ。ミサイル・アップレーザー・ダウンレーザーは併用可能。このため上述のレーザーを反射する敵に対してはこちらの方を選んだ方が再パワーアップの負担が少ない。


  • FIRE BLUSTER

DOUBLEのLv3としてメーター追加。
短射程の炎を自機前方に放つ。レーザー類とは異なりショットボタン押しっぱの間、まったく途切れないで放ち続ける。
最後に追加される装備でクセは強いがその分使いこなせれば最強……


と思うじゃん? 攻撃力ゼロなので役に立たない。 一応、地形を掘ることはできる。
ちなみにプログラムを解析したユーザーによると通常の攻撃処理から分岐する特殊な処理が行われているとの事で、実装し忘れかはたまた意図的な無力化なのか、謎の多いパワーアップである。



最終形態のパワーアップゲージ
#table_style(head=#00f:#ff0:80%:CENTER)

SPEED UPMISSILEBACK BEAMDOUBLEUP LASERDOWN LASERLASEROPTION?
Lv1SPEED UPMISSILE #1BACK BEAMDOUBLEUP LASER #1DOWN LASER #1LASER #1OPTION #1FORCE FIELD
Lv2MISSILE #2REFLEX RINGUP LASER #2DOWN LASER #2LASER #2OPTION #2
Lv3NAPALM MISSILEFIRE BLUSTEREXTEND LASER
Lv4~7

▽特殊パワーアップ

通常のパワーアップカプセルによるパワーアップのほかに、それぞれ対応するアイテムを取得する事で特殊なパワーアップが可能。
これらのパワーアップには制限時間があり、15秒経過すると効果が消えて元通りになる。


E.SLOW (ENEMY SLOW)

敵と敵弾の移動速度が低下する。なお地形スクロール速度や、動く地形の速度に関してはそのまま。
速度が低下しているからといって、当たってしまうとしっかり被弾するのでちゃんと避けるように。


O.VARRIOR (OPTION VARRIOR)

オプションが自機の周りを右回りに旋回する。
つまりFC版『II』やSFC版『III』に登場するローリングオプションや、『V』のローテートオプションと同様。


V.LASER (VECTOR LASER)

発射すると縦方向に広がっていくレーザーを発射する。
挙動としては『II』以降のリップルレーザーと同様だが、ベクトルレーザーはそれに加えて貫通性能を持つ
ただし地形に引っかかって消えやすいのはリップルレーザー同様弱点で、ほかにも撃った弾が消えないと再発射できず連射性が低いのも惜しいところ。
なお、プログラム解析により当初は通常パワーアップとして実装しようとしたと思われる痕跡が見つかっている。


R.DRILL (ROTARY DRILL)

自機がきりもみ回転し、制限時間中は破壊可能な地形を体当たりで掘れるようになる。



▼ステージ

惑星グラディウスの植民惑星である7つのスペースプラントが舞台。
それぞれ1つの惑星につき1つのステージとなっている。


  • 巨像惑星

険しい顔の描かれたトーテムポールのような石像が立ち並ぶ遺跡の惑星。
例によって過去作のモアイのようにこの石像も弾を吐き出してくる。顔に攻撃し続ければ破壊も可能。


  • 植物惑星

一面が植物に覆われた鬱蒼としたジャングルの惑星。
大量の花粉を敵弾として吐き出してくる植物やら、壊せる壁やら、いきなり盛り上がってくる草木の壁やら、2面にして厄介な地形ギミックが盛りだくさん。


  • 古代惑星

ギリシャ時代の神殿を思わせる白い遺跡の惑星。
ところどころ道を塞いでいる柱を壊して進んでいくが、柱を壊すと支えていた天井が一気に落ちてくるので要注意。


  • 浮遊大陸

氷山の島が宇宙空間に浮いている浮遊大陸の群の中を進む。
前方から氷塊が飛んで来たり、山からザコが噴き出してきたりと敵の攻撃が一層激しくなってくる。


  • 炎の惑星

灼熱の炎に覆われた燃え盛る惑星。
『沙羅曼蛇』のようないきなり出てくるプロミネンスは無いが、所々で炎の柱が行く手を遮っているため、攻撃を当てて穴を開ける事で通り抜けなければならない。


  • 生命惑星

シリーズお馴染みの細胞面。元々は実験プラントだったという。
至る所から細胞が襲い掛かってくるほか、壊せる細胞壁が行く手を塞ぎよく考えて進まないと行き止まりになってしまうなどの難所が襲い掛かる。


  • スペーストリッキー・エリア

古代惑星と生命惑星に入り口が隠されているエクストラステージ。
このステージでのみ黄色や緑色のボーナスカプセル*4が出現する。
地形のグラフィックや登場する仕掛けは古代惑星と同じだが、こちらは壊せる粒子地形が天井を支えていることがあるので、崩し過ぎに要注意。


  • 要塞惑星

ヴェノムによって要塞に改造された惑星。
シリーズお馴染みの要塞面で動く壁や床、狭い通路といった難ギミックの目白押し。さらには全面がプラズマ鋼(破壊可能な壁)に隠された区画もある。


「おかしい! レーダー反応がない!」
「ヴェノムはどこに行ってしまったんだ!」


EMERGENCY!
EMERGENCY!


「こちら空軍コントロールセンター メタリオン応答せよ!」
「こちらメタリオン!」
「ヴェノムが惑星グラディウスに急速接近中! メタリオンは、直ちに惑星グラディウスに戻れ!」
「メタリオンは、直ちに惑星グラディウスに戻れ!」


そう、メタリオンの進行を察知したヴェノムは自らマザーシップに乗り込み、惑星グラディウスに向かっていたのである。
このままではグラディウスに侵攻されるのは時間の問題。ジェイムスは直ちにヴェノムを追い、これまでのルートをさかのぼる形で追走を始めるのだった。


……ということで、生命惑星~巨像惑星まで今までの6ステージを逆順にやり直す復路ルートの開始である。
あくまで順番が逆なだけでステージの構造までは反転しておらず往路と同じ。ただし配置されているザコ敵の数、敵弾を放ってくる頻度が増加している上、パワーアップの項でも何度か触れたレーザーを反射して打ち返してくる敵が出現し始める
言うなれば従来シリーズにおける高次周を変形させてストーリーに組み込んだ形となるが、これを越えねば惑星グラディウスの平穏、すなわちグッドエンドを見ることは敵わない。


激しい道のりを越え、巨像惑星を突破したその時、ついに真の最終関門が姿を現す。


  • ヴェノム艦

ヴェノム自らが乗り込むマザーシップ。
スクロールに応じて閉じるシャッターが大量に設置されており、なおかつ入り組んだ狭い通路も多い。
この船の最深部に存在するコアを破壊した時、ついに長い戦いに終止符が打たれる。



▼余談


  • 制作スタッフにメタル好きの人間が居たらしく、本作の登場人物ならびに用語はメタルバンドの人物名などから取られているものが多かったりする。

  • 本作の続編であるMSX版『沙羅曼蛇』の制作があまりにも行き詰まり過ぎたため、本作を改造してストーリーやグラフィックなどの内容をメチャクチャにしたものを開発スタッフが作っていたとの事。
    • しかし、それを見た偉い人が「これ面白いから売ろう!」と言い出してしまったため、それを手直しして世に出たのがパロディウスシリーズの第1作『パロディウス ~タコは地球を救う~』だったりする。

  • 本作のプランナーを勤めた松井直樹氏は、本作の開発後まだまだ駆け出しだった小島秀夫氏と共に「戦場をテーマにした誰も見た事が無いゲーム」である『METAL GEAR』をMSXで制作、発表することとなった。




「……もしも間違っていたら、修正してくれるかい」
「そうだな……ロックでもやりながら追記してみるよ」



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  • X68000版があるが、そちらはあまり評判が良くない。あっちはBGMのクオリティがちょっと酷かった記憶が… -- 名無しさん (2025-03-30 10:39:30)
  • そういえば、ヴェノムの細胞が、PS2版5の時代に、あちら側のグラディウスに飛んできて、それで脳髄型バイオ・コンピュータ化したってことは、ヴェノムはゴーファーEP2の後の時代についに倒されたってことなんだよな……。その最後の戦いが描かれることはあるのだろうか? 非公式ではGR3があるけども…… -- 名無しさん (2025-03-30 11:15:25)
  • 誤用改めである! パロディウスとの関係のとこ、”煮詰まる“は順調に完成に近づいてる状況のことで、恐らく言いたいのは”行き詰まる”だと思うんだ。あまりにも順調で時間が余ったのでパロディウス作ったって話ならごめん -- 名無しさん (2025-03-30 18:45:26)
  • ↑2 GR3懐かしいな。あれクオリティの高さに反して無料でプレイ出来るってのが凄かった -- 名無しさん (2025-03-30 19:35:52)
  • このゲームに限らないけど昔はバイオコンピュータって用語がやたら流行ったな。何で最近聞かなくなったんだろう… -- 名無しさん (2025-03-30 20:22:16)
  • ↑人工頭脳(AI)の方が優勢というか現実的になったからじゃないかな? -- 名無しさん (2025-03-30 20:59:16)
  • 当時、MSX持ちの知り合いの家でやらせてもらって曲が良かったので思わずサントラ買ってしまったのを覚えている。8cmシングルCDとお手軽だったのもあって。 -- 名無しさん (2025-03-30 21:14:34)

#comment()

*1 文書によっては『グラディウス帝国歴』ともされるが、ここではゲーム内の表記に従い『宇宙歴』に統一とする。
*2 こちらも宇宙科学庁、宇宙技術庁、技術庁など表記ゆれがあるが、本項目では『宇宙科学庁』ないし『科学庁』に統一する。
*3 続編であるMSX版沙羅曼蛇で登場したジェイムスはどちらかと言えば赤ら顔の男性姿だった。
*4 黄色のボーナスカプセルは取得でスコアが増加、緑色のボーナスカプセルは取得で1UPする。

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