登録日:2023/04/26 Wed 04:26:26
更新日:2024/07/05 Fri 13:13:34NEW!
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また、来ちゃった。
世紀のSF超大作
♨概要
テルマエ・ロマエⅡとは、ヤマザキマリ先生原作の漫画テルマエ・ロマエの実写映画版第2弾。
「よい風呂の日」に因み2014年4月26日に公開された。
監督は前作より引き続き武内英樹が担当したが、脚本は『ドラマ版ウォーターボーイズ』『劇場版 金色のガッシュベル!! 101番目の魔物』『ONE PIECE ねじまき島の冒険』等の橋本裕志にバトンタッチした。
原作I巻を元としたエピソードが多かった前作に対し、本作は原作後半を原作とするエピソードが中心であり、
またグラディエーター関連などオリジナルエピソード色が強くなっている*1。
それに関連して相撲関連の人物が多数出演しているのも特徴と言える。
前作では現代日本サイドではルシウスの発言及びルシウスとの会話は全てラテン語に統一されていたが、
本作では当初こそラテン語での会話となっていたが、中盤以降の日本でのルシウスと真実の二人きりのシーンでは「字幕上映お疲れ様でした」「そろそろ日本語でお楽しみください」とのテロップと共に日本語の会話に切り替わる*2。
勿論これは演出上のもので、「吹き替え」と申す様に設定上はローマサイドの描写と同様にラテン語の会話を日本語に「翻訳」しているという形式になっている。
興行収入は約44億円と、前作よりは下がったとはいえ本作もまた十分ヒット作と言えよう。
♨あらすじ
前作からしばらく経った紀元136年のローマ帝国。
戦争が減り平和となったローマであったが、人々は闘技場コロッセオで開かれる剣闘士の戦いに熱狂していた。
しかし日を追うごとに過激化・残虐化して行く剣闘士の戦いとそれに夢中になる市民に、相変わらず浴場技師として働くルシウスは気味の悪さを覚える。
そんな中、ルシウスはパンノニアに出張中の筈のケイオニウスの姿をコロッセオで目撃する。
元老院は報告の為にローマに一時帰投したのだと言うが、ケイオニウスはルシウスの事をすっかり忘れているどころかルシウスの尻を揉んで行くなど、
ルシウスとは面識がある筈な上に大の女好きである彼にしては異様な姿を見せる。
元老院から剣闘士の為のテルマエ作りを依頼されたルシウスであったが、またしても偶然から平たい顔族の国――現代日本にやって来る。
平たい顔族のテルマエ巡りや真実との再会・交流、そしてハドリアヌスの命令を経て、ルシウスは理想の温泉郷「テルマエ・ユートピア」の建設を目指す。
だが一方、元老院は水面下である陰謀を進めていた……。
♨登場人物
ローマサイド
演:阿部寛
主人公にして浴場設計技師。
相変わらず生真面目なワーカホリック気味男。
平たい顔族の模倣に過ぎないのではという悩みは相変わらず引き摺っているが、前作と比べていくらか前向きになっている。
コロッセオが日に日に過激化している事には否定的。
本作ではコロッセオのグラディエーターの為の風呂作りを依頼された所、巡業中の力士たちが入っていた銭湯に出現、
これを「平たい顔族のグラディエーター」と見て「野蛮に見えて血が流れない『平和な剣闘大会』」を見出し、
グラディエーター用のテルマエを改良したついでに古代ローマに相撲まで流行らせてしまうという相変わらずっぷりを見せる。
真実との再会とその後の温泉施設巡りの中で聞いた「ユートピア」という言葉から、ハドリアヌスに建設を命じられたバイアエの温泉郷を「テルマエ・ユートピア」とする事を目指す。
- マルクス
演:勝矢
ルシウスの友人。
前作では映画オリジナル要素としてルシウスの妻を寝取るという最悪なロールを回されたが、本作ではよりを戻し友人関係に戻っている。
相変わらず石工としての仕事はしていないが、テルマエ・ユートピア建設には協力、部下を率いて現場監督的な作業を行っている。
原作ではモブが担当していた材木運搬中の不注意でルシウスを水落ちさせた人も彼の役割となっている。
- ハドリアヌス
演:市村正親
第14代ローマ皇帝。
平和路線は相変わらずで、ルシウスにバイアエに平和の為の温泉郷を建設する事を命じる。
バイアエはかつては湯が沸いていたが、今は掘れども掘れども湯は出ず、
しかも義理の息子であるケイオニウスまでが病に倒れた事で、ハドリアヌス自身も心労が祟って倒れてしまう。
ぶっちゃけてしまうと、元老院の陰謀によるルシウス暗殺未遂やケイオニウス?の騒動、過激化するコロッセオの戦いなど、
本作で発生したトラブルの大半はハドリアヌスと元老院の仲の悪さが原因。
- ケイオニウス
演:北村一輝
ハドリアヌスの養子にして女癖の悪い次期皇帝。前作の後、現在は北方の属州パンノニアの総督となっている。
前作で色々あったルシウスをすっかり忘れていたり、すれ違い様にルシウスのお尻を触ったり(ケイオニウスは女癖の悪さは有名であるが男色家ではない)、
そもそもパンノニアにいる筈がローマにいなど、色々おかしな様子が見受けられるが……?
アントニヌスは直接会っていない事とそもそもケイオニウスが無断で戻る筈が無いとの事で、ルシウスの見間違いと考えている。
また一方、元々病弱であった上にパンノニアの環境が身体に合わず体調が悪化してしまった。
後にその原因は結核に罹患していたためだった事が判明する。
前作ではひたすら女癖が悪い男としか描写されていなかったが、本作ではそれ以外の面も描かれており、
「(女癖こそ悪かったが)兵士一人一人を自ら労う」「(女癖こそ悪かったが)たった一人で話し合いに向かう」など、
「ローマ一女癖の悪い男だがローマ一身体を張っていた男」とされ、「軟派で軟弱な男」と見て彼を嫌っていたルシウスはその認識を改めて行く。
それはそれとして女癖の悪さ自体は相変わらずで、病床に就きながらも山ほどの口説いた女性それぞれの為にこれまた山ほどの手紙をルシウスに預けるなどしている。
だが中盤、真実が題名がラテン語で書かれた「ローマ帝国の繁栄と滅亡」という本を持っていた事に難癖を付け、ローマを滅亡に導く魔女に仕立て上げ処刑しようとするという暴挙に出るが……。
後半のネタバレ
実はローマに居たルシウスを忘れていた方のケイオニウスは元老院が用意した偽物。
本名をジェイオニウスというケイオニウスの双子の兄。
女好きなケイオニウスとは逆にこちらはゲイであり、女性を愛さない故に家を継ぐ事ができず、出奔せざるを得なくなってしまった身であった。
ケイオニウスからその旨と「ジェイオニウスをコロッセオで見た」との話を聞いたルシウスは、件の「妙なケイオニウス」がそれであると確信、
真実・アントニヌスと共にコロッセオに赴くが、それが仇となる形で真実が捕まってしまう事となる。
ルシウスと共に脱獄した真実を兵や元老院を率いて追い詰めるが、そこに本物のケイオニウスが病を押して駆け付け、
そして女癖の悪さに定評がある男にも関わらずその場にいた女性が誰一人口説かれていない事から偽物である事を暴かれ、
本物のケイオニウスが率いた兵士らに連行されて行った。
なお、ケイオニウス・ジェイオニウスは共に北村一輝の一人二役である。
- アントニヌス
演:宍戸開
ハドリアヌスの側近的存在。
本作でも相変わらずそこまで大きな活躍は無いが、ルシウスの相談役・ルシウスに仕事を持ち込んでくる仲介的存在。
ケイオニウスが女癖が悪いだけではない事をルシウスに伝えるなど、まま重要な役回りもある。
- アケボニウス
演:曙太郎(声:立木文彦)
最強の剣闘士。武器は巨大な斧。
その圧倒的強さから高い人気を誇る。その戦いぶりは野獣そのもの。
後半のネタバレ
実は戦いの日々に嫌気がさしており、彼もまた残虐性を増して行くコロッセオの戦いに思う所があった模様。
ルシウスによる真実の脱走に協力し、兵士達の足止めを行った後は温泉掘削に協力、見事に掘り当てる事に成功する。
- コトオウシュヌス
演:琴欧洲勝紀
新人剣闘士。
こちらは出番はワンシーンのみのゲストキャラ的存在。
プロデューサー曰く、起用の理由は『「琴欧州」だけに(要約)』との事。
- 元老院
大柄な者、禿頭で小柄な者など数名の男達。
それぞれ名前もある(大柄な者は原作にも登場したセルギアヌス、禿頭の方はアッティリアヌス)が、
ほぼ「元老院たち」と数名1セットの扱いとなっている。
世界征服を目指しており、領土拡張路線を廃したハドリアヌスを嫌っている。
そのため「かつての強いローマ」を取り戻す為にコロッセオの戦いを過激化させたり、
テルマエをローマ市民を堕落させると見てそれを作り出すルシウスの抹殺を企てるなど、全体的に悪役の感が強い。
原作では陰謀を企てても温泉の湯にすぐに毒気を抜かれるなど憎めない存在だったが、本作では強大な敵となっている。
平たい顔族&現代サイド
- 山越真実
演:上戸彩
漫画家を目指す女性。
前作ラストにて、自身の経験を元に漫画「テルマエ・ロマエ」を編集部に持ち込むが、
「肝心の風呂が描けていない」という理由でボツを食らい、温泉宿で仲居の仕事をしつつ風呂の取材の為に記者をしている。
後に偶然ルシウスと再会し、彼が「テルマエ・ユートピア」を志す切っ掛けを齎す。
ルシウスのタイムスリップに巻き込まれる形でローマにも再訪するが、「ローマ帝国の繁栄と滅亡」という歴史書を持ったままローマに行ってしまった事で、
ローマを滅ぼす魔女と言いがかりを付けられ拘束・処刑される事になってしまう。
後半のネタバレ
実の所、何らかの方法で涙を流せば脱出できるので助けは要らなかったのだが、ルシウスとアケボニウスの手引きで脱走、
その後は建設中のテルマエ・ユートピアにて、その完成を見届けた。
再び日本に戻った後は漫画「テルマエ・ロマエ」を完成させ、サイン会が開かれる程の人気作家として成功する。
更には実写映画化まで果たすが、撮影現場の見学で出会った主演の俳優はルシウスとは全く似ていなかった*3。
がっかりする真実であったが、そこにルシウスが水音と真実がローマに置き忘れていた「ローマ帝国の繁栄と滅亡」を伴って現れ、「そいつは偽物だ!」と叫んだ所で物語は終幕となる。
エンドロールではルシウスと一緒に風呂に入っていた。
尚、サイン会のロケ地は今は亡きお台場の大江戸温泉物語である。
- 山越修造/由美
演:笹野高史/キムラ緑子
真実の両親。
前作の温泉宿は経営難により畳む事となってしまい、新天地にて再出発を目指している。
相変わらず色々と身も蓋も無い物言いが目立つ。
修造は本作にて指圧や鍼灸ができる事が判明している。
また、常連客共々、真実がルシウスを追いかけて行った事に下世話な想像を働かせるなどしている。
- 常連たち
演:竹内力/外波山文明/岩手太郎/木下貴夫
所が変わっても真実らの友人として付いて来た常連客達。
彼らもまたしても半ば巻き添えにローマへタイムスリップする。
- 浪越徳三郎
演:ピカデリー梅田菅登未男
指圧師の男性。
モデルは「指圧」という概念を発明した浪越徳治郎。
見た目といい両手の親指を立てたポーズといい、「ウワッハッハッハッハ!」という笑い方といい、浪越そのまんまである。
ルシウスに誘拐同然に連れて行かれる形で古代ローマを訪れるが全く動じないという脅威の大らかさを見せる。
- 松島トモ子
演:松島トモ子
温泉の利用客。
混浴にてクマと戯れ、その最中クマに甘噛みされるというブラックジョークを演じた。
- オペラ歌手
演:不明
相変わらずタイムスリップが発生する度に何故か荒地でオペラを歌う謎の男性。
本作にて妻子持ちである事が判明……したが中盤、ケンカの末に出て行かれてしまった。
後半のネタバレ
失意の中に居た彼であったが、エンディングにて妻と子供が帰って来たため、彼もハッピーエンドを迎える事ができた。
♨余談
- ポスターについて
二種類あるが、SF映画つながりだからか明らかにスターウォーズ及びターミネーターのパロディである。(こちらはSF=すごい風呂だが)。
スターウォーズの方は一般認知度の差で気付かれにくいが、映画『十戒』のポスターとの複合パロディでもある。
- 指圧関連
指圧師・浪越徳治郎のパロディキャラクターが登場している本作であるが、浪越の孫、浪越雄二が「指圧指導」として制作に参加している。
- 相撲関連
本作にはグラディエーターもしくは「平たい顔族のグラディエーター」として多数の力士が登場しているが、実際に日本相撲協会が本作に協力している。
- ラストシーンについて
ラストには「激しい地鳴り」と「大量の湯が鉄砲水の如く流れて来る」場面がある。
その為か、大きな災害があった直後のテレビ放送では当該シーンはカットされる事が多い。
追記修正は平たい顔族の方にお願いします。
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▷ コメント欄
- 映画館で見てたけど「そろそろ日本語でお楽しみください」で観客大笑いだったの今でも覚えてる -- 名無しさん (2023-04-26 13:06:57)
- エルオニウスって弟もいそう -- 名無しさん (2023-04-26 14:03:24)
- ケイオニウスは女癖は悪いけど、目をかけた女性に対しては「釣った魚に餌を与えず」みたいな感じではなく一人一人を割と大切に扱ってるのが見て取れて、そういうところは「ナンパ野郎かくあるべし」と好感が持てた。 -- 名無しさん (2023-05-11 20:45:45)
- 主人公とルシウスって原作でルシウスとくっついた女性と違ってフラグだけはあるけど微妙なんだよな。お互い大事な存在ではあるけど。 -- 名無しさん (2023-05-21 13:22:19)
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*2 ローマ人のモブの様に「ラテン語の口パクに本人の日本語で吹き替えている」のではなく本当に日本語での会話になっている
*3 どちらかといえば原作のルシウスに近い
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