登録日:2023/01/02 Mon 17:27:00
更新日:2024/06/28 Fri 13:36:43NEW!
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アストロガンガー ナック アニメ ロボットアニメ 70年代テレビアニメ 日本テレビ 宣弘社 水木一郎 飯塚昭三 ヒーロー 人間とロボットの融合 金属生命体 1972年 ガンガー 星カンタロー ブラスター星人 走るガンガー 国際科学警察 生きている金属
ガンガー!!
「アストロガンガー」は、ナック(現:ICHI)、宣弘社による日本のテレビアニメ。1972年10月4日から1973年3月28日まで日本テレビ系列で放送された。
◆概要
主人公の少年・星カンタローと「生きている金属」から生まれた巨大ロボット・ガンガーが力を合わせ、地球侵略を企むブラスター星人と戦うロボットアニメである。
あの「マジンガーZ」(1972年12月3日放送開始)より約2ヶ月早く放送開始された。日本国内のロボットアニメとしては「鉄人28号」(1963年10月20日放送開始)に次ぐ2作目だが、「初めてカラー放送されたロボットアニメ」かつ「人が巨大ロボットの中に入り敵と戦うアニメ」としては初の作品であり、アニメ史を語る上で外せない存在である。
キャラクターデザインは、あの「チャージマン研!」でもデザインを手掛けた田中英二氏が担当。カンタローの顔が泉研に似ているのはそのため。
厳密に言うと本作に登場するガンガーは「マジンガーZ」を筆頭とするロボットアニメの定番である「操縦型のロボット」とは異なり、独自の心や感情を持ったロボットであり主人公と融合することで最大限の力が発揮されるという極めて特殊な性質を持っている。
このような巨大ロボットものの中では独特な位置づけの作品であることから、「巨大ロボットアニメの先駆者的存在」として語られる機会にあまり恵まれない。
◆人気
上記のような境遇や、ガンガーの戦闘能力がヒーローとしての魅力的にイマイチであった事から、作品の人気自体も程なくしてスタートしたマジンガーZに敵わず、全26話(半年)で放送終了となった。
巨大ロボットアニメの古株であり、当時にして他作品とは一線を画す斬新な設定が盛り込まれていた一方で、知名度の低い作品として多くの視聴者から長らく忘れ去られていた。
しかし、近年では「走るガンガー」をはじめとしたインターネット上で流行したネタをきっかけに徐々にカルト的人気を獲得していくことになる。
また、「チャージマン研!」を世に送り出したナックが製作したアニメということで、多くのチャーケニスト*1からも注目を集めており、ナック繋がりのMAD動画なども多く投稿されている。
「チャー研」で有名なナック製作アニメであるが、ガンガーに関しては予算に余裕があったためか「チャー研」のように明らかにアニメとして致命的な問題点は少なく、ネット上で「キチガイアニメ」「カオスアニメ」のように呼ばれることはない。もっとも、ヒーローの戦い方が派手さに欠けていたり、一部設定に粗が目立ったりなど全く問題点やツッコミどころが見られないわけではないが…。
※そもそもナック自体、「チャー研」のイメージが強過ぎるが故に「クオリティが低く問題点だらけのキチガイアニメを多数量産してきたヤバいアニメ会社」というような印象を持たれることがあるが、「星の王子さま プチ☆プランス」など良作として高く評価されている作品も多数存在するため、「ナックアニメ=低クオリティ」という認識は適切とは言えない。ナックが残してきた作品に関心のある人は、これら作品群についてチャー研とは切り離した上で触れることが望ましい。
韓国やシリアなどの海外では「ガンガー」は日本を遥かに上回る人気を博しているらしく、最終回はシリア中の国民を大号泣させたという。「チャンガの宇宙戦争」の題で放映した韓国では「マジンガーZ」と並ぶ人気アニメとして扱われている。
◆登場キャラクター
◇星家
○星 カンタロー
声 - 東美江
本作の主人公。見た目は普通の人間だが、カンタロス星出身のマヤの血を受け継いでいるため、実は地球人とカンタロス星人のハーフ。そのためか普通の地球人より高度な運動神経や回復力を持つ。
マヤの形見であるペンダントの力でヒーローの姿に変身することができ、ガンガーとの融合が可能になる。
○星 久造
声 - 吉沢久嘉
カンタローの父で、通称「星博士」。
自宅兼研究所でブラスターの脅威に備え研究を続けており、陰で息子・カンタローを支えている。早川家を除く周囲の人物からは自身の研究を理解してもらえず、当初はISPの部長からも変人呼ばわりされていたが、後にブラスターの襲来危機を知った彼とも和解している。
白髪と白髭を蓄えた外見で随分老齢に見えるが、カンタローが生まれてからマヤがまだ生きていた頃までは黒髪で若々しい容姿だった。
○ガンガー
声 - 飯塚昭三
「ガンガーは苦しめば苦しむ程強くなるのだ!」
マヤが地球に持ち込んだカンタロス星の「生きている金属」によって作られた巨大ロボット。カンタローと合体することで真の実力を発揮する。
「ロボット」と言っても生命や人格といったものを持っており、カンタローも操縦するのではなくあくまで融合能力によって力を合わせている。
性格は堅実でありつつカンタローに対しては兄のように接するなど強さと優しさを持ち合わせている。一方で敵には厳しく煽りスキルも高い。
身長は40mに対し体重はたったの2tとものすごく軽い。同じく身長40mのウルトラマンは体重3万5千トン。金属ロボである事を抜きにしてももはや風船である。
それでも金属製であることに変わりはないため酸化に弱く、錆びることもある。
飛行を除いて特殊な武器や能力を持っておらず、格闘術によって相手と戦う。
○マヤ
声 - 鈴木弘子
星博士の妻でカンタローの母。外見は人間に見えるがカンタロス星で生まれた宇宙人である。
かつてはカンタロス星の特殊金属工場研究室に勤める技師だったが、ある時ブラスター星人によって母星が滅亡へ追い込まれ、「生きている金属」と共に宇宙へ逃避行する。地球へ流れ着いた際に星博士と出会い結婚、一人息子のカンタローを授かる。
ブラスターによって地球も滅ぼされる未来を予見していたため、生きている金属を元にガンガーの開発に尽力する。しかし、カンタロス星脱出時にブラスターに浴びせられた「ブラスターX光線」による後遺症に体を蝕まれてもいた。
最期はカンタローにガンガーと融合するためのペンダントと地球の未来を託し息を引き取った。
◇早川家
○早川 健次
声 - 大宮悌二
国際科学警察第四支部捜査次長。通称「早川次長」。
星博士を先輩として深く尊敬している。当初は博士が唱えるブラスター襲来説について半信半疑だったが、やがて彼の主張を信じることになった。
強い正義感と責任感の持ち主で、上司や後輩ほか周囲からの信頼も厚く作中屈指の人格者として描かれている。家族想いで娘のりえの事も溺愛している。カンタローの面倒を見ることもあることから出番も多い。
(ISP関係者ということもあるが)ブラスター襲来に対し深く理解を示していることから、ブラスターの脅威に立ち向かう頼もしさも持ち合わせている。
○早川 りえ
声 - 小沢かおる
本作のヒロインである女の子。
カンタローの友達で、彼とはよく遊ぶ仲だがカンタローがガンガーと共に日夜戦っていることは本人が秘密にしているため知らずにいる。しかし、時折事件が起こる度にカンタローが行方をくらましてしまう事を怪しんでいる。
性格はお転婆だが優しい心の持ち主であり、彼女の良心をブラスターの悪事に利用されることもしばしばである。
※最終回に関するネタバレ↓
長らくカンタローの秘密を知らずにいたが、最終回直前で偶然カンタローがガンガーと融合する瞬間を目撃したため、彼の秘密を知ってしまう。初めは困惑したもののすぐに事実を受け入れ、この秘密を口外しない事を星博士と約束した。最終回では「カンタローの代わりにガンガーと合体したい」とまで懇願する(実際はカンタロー以外の人物がガンガーと融合することはできない)などカンタローと共に戦う意志の強さを見せていた。
その後、宇宙でブラスター星人やスペース・パンサーと死闘を繰り広げるガンガーとカンタローの下へ、宇宙船(ガンガーの胸にあるペンダントが変形したもの)に乗って迎えに現れた。この最終決戦にカンタローを伴うことはできないと判断したガンガーが彼を地球へ帰還させるために迎えに来させたのである。
最後は、スペース・パンサーを倒し、ブラスター星人を全滅させたガンガーの死にカンタローと共に涙しながら地球へと帰って行った。
○早川 春子
りえの母。
穏やかで優しい母親で、危険に巻き込まれがちな娘を心配している。
出番は少ないものの、マヤを亡くしたカンタローの母代わりのような存在として登場するなどカンタローにとって心の支えとなっている。事実、カンタロー本人も彼女にマヤの面影を重ねることがある。
◇ブラスター星人
本作の悪役。緑や酸素を大量に消費する宇宙人で、資源が枯渇している母星を救うべく、巨大な円盤に乗って他の惑星から酸素や緑などを奪いつつ各地で侵略活動を行う。
高度な科学力、軍事力、統率力をもってこれまでに多くの惑星を壊滅に追い込んできた。マヤの母星・カンタロス星もそのひとつである。
合言葉や返事は「ブラスター!」。
「ブラスターマシーン」という特殊装置で得た変身能力で、人間の他、あらゆる巨大ロボットや巨大怪獣に変身して戦うが、中にはブラスター星人ではない別の宇宙怪獣を捕獲し、刺客として送り込むこともある他、自ら巨大ロボットを開発することもある。
ブラスター星人は皆同じ紫色を基調とした人形の外見をしているが、額と胸に大きくナンバリングが振られている。番号が若いほど地位が高いらしく、番号の近い者同士でペアを組む様子が多く見られる。ナンバリングの読みは一桁ならそのまま英語読みだが、たとえば「16」は「ワンシックス」、「33」なら「ダブルスリー」など場合によって独特な読み方になる。
※最終回に関するネタバレ↓
色々と悪事を重ねるが自分たちが手懐けたスペース・パンサーが暴走してあっけなく全滅してしまう。
○ブラスター1
声 - 寺島幹夫
ブラスター星人を束ねるリーダー。時々「チーフ」とも呼ばれている。
毎回、地球を侵略するための様々な作戦を立案し、部下に指示を与えている。
○ブラスター2
声 - 鈴木泰明
文字通りブラスターのNo.2でブラスター1の参謀的存在。
科学に関する知識に富み、侵略計画を練るブラスター1を技術面でサポートするのが彼の役回りである。
○ブラスター3
声 - 清川元夢
ブラスターの幹部。ブラスター1、ブラスター2と比べて特別な権限があるわけではないらしく、命令を部下に出したり上司に出されたりしている。
◇国際科学警察
ニューヨークに本部を構えた、地球防衛や有事対策を目的とした国際組織。通称「ISP」。作中では日本の第四支部が登場し、早川もここに勤めている。
武器は戦闘機から核ミサイルまで豊富だが、これら武装をもってしてもブラスター星人の科学力には及ばなかった。いわゆるガンガーのかませ的な立ち位置だが、ストーリーが進むにつれ対ブラスター新兵器を開発したりガンガーと見事な連携プレーを披露するなど決して無能な組織ではないことが窺える。
○部長
声 - 緑川稔
「星博士と言う人は、あれは一種の変人だよ」
国際科学警察の部長。本名は不明。
当初は部下の早川と異なりブラスター襲来を信じておらず、星博士のことも上記のように評していた。早川とも真偽を巡って口論にまでなっていたが、自身がブラスターの脅威に晒された時にガンガーによって救われたことで考えを改める。以降は星博士を信用するようになり、早川との蟠りも解けた模様。
小太り体型で特徴的な口髭を生やしており、緑色のスーツを着用している。
◆主題歌
オープニングテーマ「アストロガンガー」は水木一郎(コーラス:コロムビアゆりかご会)、エンディングテーマ「進め! アストロガンガー」はコロムビアゆりかご会によって歌われた。
いずれも作中BGMとして使われることもあった。
◆エピソード
話数 | タイトル | 主な敵キャラクター | 備考・余談 |
---|---|---|---|
1 | 行くぞガンガー | ビッグアイバー プラボット | |
2 | 生きているロボット | ホースタンカー リトルラフター | ガンガーの過去及び星博士とマヤの出会いが明かされる |
3 | 燃える島の陰謀 | ロボット犬(サイボーグ犬) グリーンバー | |
4 | 恐怖の虹 | セブンエイスター | 部長初登場 |
5 | ガンガーの秘密を探れ | バネッタキラス ブラスター104 | |
6 | 錆びついたガンガー | OXガスター | |
7 | 宇宙爆撃隊 | マグネッダー | |
8 | 宇宙の猟犬–ハウンド– | ハウンド ファイヤーストーンロボット | |
9 | 怪しいおばあちゃん ヘッドエレッカー | ヘッドエレッカー | DVDでは「怪しいおばあちゃん」になっている |
10 | 強いぞ!ガンガー | 偽ガンガー ワイルドボア | マー坊登場 |
11 | 地球はぼくらのものだ! | アスファルター | |
12 | 流れ星の降る谷 | アイアンコメッツ | |
13 | 白い眩谷の決闘‼︎ | ブラスター9 | |
14 | 白夜の対決 | バッドスノー | 助っ人回 新年最初の放送なので次回予告の最後に新年の挨拶 |
15 | オーロラの秘密 | ブラックフェアリー ブラスターモンスーン | 助っ人回 煽るガンガーの回 |
16 | ブラスター宣戦布告 | コルヒドラ | 助っ人回 |
17 | 戦慄のスパイモンスター | モンスター 大山次郎 | 鬱回 チャー研の35話と比較されることも |
18 | チェイン・メイルの渦 | ブラスター33 ブラスター34 | |
19 | 時限爆弾ロボット・デスター | デスター | |
20 | レンズマー分身作戦 | レンズマー | |
21 | ロボット部隊がやって来た! | ロボスター | |
22 | 宇宙の幽霊船 | ブラックワルダー | |
23 | カンタロスの決斗 ブラスター・ソニック | ソニックブラスター | DVDでは「カンタロスの決斗」になっている 実写パートあり |
24 | あの胸のペンダントを狙え! | ミリオンスター | |
25 | ブラスター・デビル–悪魔の眼– | ブラスター・デビル | 走るガンガー及び走るブラスターデビルの回 |
26 | スペース・パンサー | スペース・パンサー | 最終回 |
◆余談
ICHIのYouTube公式チャンネル「公式ナックアニメ@ICHI」では、全話がHDリマスターで配信されている。上記の人気で取り上げられているガンガーのネタを公式がネタにしている。
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- 「ロボット様の生命体と人間の主人公が融合する」と捉えれば、超神マスターフォースやエヴァンゲリオンの先駆けとも言えるだろう。 -- 名無しさん (2023-01-02 17:58:35)
- あるいはゾイド。「融合」という点を思うとオーガノイドを介した第二期ゾイドに通じる。 -- 名無しさん (2023-01-02 18:30:05)
- チャー研とかアストロガンガンとかのネタ経由で見るとそのクオリティに良い意味で驚かされる。海外で評価高いのもわかる -- 名無しさん (2023-01-02 18:34:11)
- 悪役、脇役が多い飯塚昭三さんが主人公の一人を演じているという点でも貴重な作品。 -- 名無しさん (2023-01-02 18:56:37)
- 確かガタイのいいオルガが猛ダッシュするBBの大本だっけ… -- 名無しさん (2023-01-02 19:44:53)
- 公式も公式で25話のサムネを例のアレにするノリノリっぷり -- 名無しさん (2023-01-02 20:28:07)
- マジンガーZEROのネタ話題になるときには鉄人と並んで先輩枠として紹介されることもある御仁。同期の方が近いのかもしれないけど -- 名無しさん (2023-01-02 21:10:41)
- 声優の殆どが身元不明の人物じゃないあたりに予算の余裕を感じる -- 名無しさん (2023-01-02 21:55:34)
- ↑4 正解。まさかオルガになって流行るとは想像もしなかったよ。 -- 名無しさん (2023-01-02 23:13:13)
- 万一スパロボに出るとするなら十中八九ブラスターデビル出てきそう -- 名無しさん (2023-01-02 23:44:08)
- ブラスターデビルって名前にブラスターとある割には正規のブラスター星人とは似ても似つかないし、あいつ何者なんですかね。 -- 名無しさん (2023-01-02 23:46:15)
- 今までなかったんだこの記事 -- 名無しさん (2023-01-03 00:31:26)
- ↑2ジュラルの魔王様だってジュラル星人と全然似てないし まぁそういうことだろう -- 名無しさん (2023-01-03 01:34:54)
- 打ち切りの影響か、ラスボスが人間サイズの宇宙生物と言う締まらなさ…とはいえ最期の場面は結構良いシーンだが -- 名無しさん (2023-01-03 11:12:35)
- スパロボに参戦して欲しい -- 名無しさん (2023-01-03 19:58:01)
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