ハル(深夜廻)

ページ名:ハル_深夜廻_

登録日:2022/05/06 Fri 14:10:03
更新日:2024/06/18 Tue 13:45:53NEW!
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ハル 夜廻 深夜廻 少女 幼女 主人公 隻腕 ハサミ 鬱展開 救いがない もういやだ



「ハル」とは、日本一ソフトウェア開発のホラーゲーム『深夜廻』の主人公の一人。



概要

ユイと並ぶシリーズ二代目の主人公である幼い少女。具体的な年齢は不明だが、チュートリアルでユイが「わたしはしょうがくせい」とひらがなではっきり明記しているため、やはり小学校低学年だと思われる。


青いリボンをつけたカーキ色の頭髪が特徴。性格は例によって年相応に純粋で優しいが、ユイに比べると気が弱い。
小説版によるともともと強い霊感の持ち主で、今回の一件に巻き込まれる以前から霊的な存在を見たり、その声を聞いたりしていたが、ユイが誤魔化していたため当人にはその自覚が最後まで無かった。


夏が終わると同時に、町から引っ越すことになっている。



活躍

夏の終わりを告げる花火大会を、山の見晴らしのいい場所で親友のユイと二人で観賞するが、その帰り道でユイが行方不明になってしまう。
こうして、ハルの夜回りが始まった。


ユイの愛犬チャコに導かれ、コトワリさまをはじめとする様々な怪異から逃げ惑いながらたどり着いた先で待っていたものは、ユイの「私はもう死んでいる」という残酷な真実を記した置き手紙であった。
そこからユイが山に向かったことを知り、後を追うハル。途中、コトワリさまの神社にたどり着き、境内にある人形の結界を修復することに成功した。
更に奥へと進むと、今度は悪霊化したユイと遭遇。なんとか説得を試みるが、ユイは別れの言葉と赤いリボンを残して消えてしまう。それでもめげずに先に進むが、とどめと言わんばかりにクロの墓とユイの遺書を発見。
遺書の内容には、家庭のこと、クロの死、そしてハルの引っ越しのことが書かれていた。


わたしのせいだ

*1


自暴自棄になったハルは、チュートリアルでユイがそうしたように、首吊り自殺をはかろうとする。しかし、そこへチャコの鳴き声が響いた。
はっと正気を取り戻すハル。足下を見ると、そこにはユイの手紙が落ちていた。先ほどの遺書とはうってかわって、ハルの引っ越しを受け入れ、前向きに生きようとしている文面に、ハルは「何かがおかしい」と違和感を覚え、山の探索を再開しようとする。
すると、頭の中に不気味な声が響き出した。耐えかねたハルが「もういやだ」と言うと、コトワリさまが現れすぐそばの地蔵を破壊。その残骸の向こうには洞窟があった。ハルがコトワリさまに礼を述べると、コトワリさまは赤い裁ち鋏を落として姿を消した。


赤い裁ち鋏を駆使して洞窟の先へと進むハル。道中、ユイと自分の幻影が現れ、自分たちが以前にここへ来ていたことを知る。
小説版によると、花火大会の前日、自分が引っ越すことをユイに告げたハルは、「もういやだ」と言ってしまったせいでコトワリさまに追いかけられることになった。学校で流行っていた小さな人形でなんとかコトワリさまをやりすごした後、憔悴しきっていたハルは山の神(深夜廻)の呼び声に応じてしまう。
姿を消したハルの捜索に乗り出したユイは、クロと共に山の神(深夜廻)からハルの救出に成功した、ということが起きていたらしい。


そして洞窟の最深部で、全ての元凶である山の神(深夜廻)と遭遇したハルは、赤い裁ち鋏を武器に赤い糸を全て裁ち切り、山の神(深夜廻)を深い縦穴に落とすことに成功した。
しかし、それでもまだ終わりにはならなかった。山の神(深夜廻)と入れ替わりで出現したユイが、再び悪霊化しハルに襲いかかる。ハルの左腕は瞬く間に無数の赤い糸でがんじがらめなり、身動きが取れない状態に。
糸は切っても切っても新しく絡み付いてくる。悪霊化したユイが自分に触れれば命は無い。
ハルとユイ、両者が助かる方法は、一つしかなかった。



ユイ…


ユイぃ……


もう…


もう、やめよう…


ずっといっしょにいられなくて…ごめんなさい…


ユイはわたしをたすけてくれたのに!


たすけてあげられなくてごめんなさい…!


ちゃんとさよならがいえなくてごめんなさい!!


ユイ…!


…!


おねがい!


もうやめて!


1~7の数字もしくはsmallなどで指定してください。


次の瞬間、その願いを叶えるべく、コトワリさまがハルの左腕ごと二人の絆を裁ち切った。


失血が原因か、ついに倒れたハル。山の神(深夜廻)から解き放たれたユイが、山の出口まで彼女を運び、それが二人の最後の繋がりとなった。
全てが終わった後、ハルはチャコと共にユイが首を吊った場所まで行き、一輪の赤い花を備える。
溢れてきた涙を拭うと、チャコと共に下山したのであった。



他者&人外との関係

『深夜廻』のもう一人の主人公にして、ハルの唯一無二の親友。「ユイと別れるのが嫌だから」という理由だけで「ひっこすのをやめるよ」と言い出し、ストーリークリア後でも地図を完成させると微笑む二人の落書きがセットで描かれるあたり、絆はとても強い。
結局悲しい別れを迎えてしまったが、ユイが山の神(深夜廻)の玩具としてハルを殺害するという最悪の事態が防げただけよしとするべき……なのだろう。
小説版ではハルが霊感を持っていることに気づいており、彼女がそのことを覚らないよういろいろ頑張っていたことが判明する。


  • チャコ

ユイのペットその1。子犬のポメラニアン。ユイとハルを再会させようとがんばる健気なわんこ。
幽霊であるユイが視認できていたあたり霊感は強いようだが、前作のポロには大きく劣り*2選択を間違えるとコトワリさまにバッサリやられてゲームオーバーになる。
しかしながらその聡明さと尽力は犬ながら……とかいう枕詞がいらないほどの活躍ぶりであり、ハルを導き護るスーパーわんこ。
彼? 彼女? がいないければまず間違いなく二人の再会も何もなかったであろう、と断言できる。
ストーリークリア後はハルが引き取ったようで、連れ歩くことが可能。効果は「よまわりさんにさらわれなくなる」。
ちなみに、ハルはチャコの名前を山で悪霊化したユイの口から聞くまで知らなかったのか、ゲームでも小説版でも一貫して「わんちゃん」呼びである。


  • クロ

ユイのペットその2。その名の通り黒い子犬。
ユイがハルを山の神(深夜廻)から救出する際、山の神(深夜廻)に立ち向かうも返り討ちにあい死亡した。
亡骸はチュートリアルでユイによって埋葬されるが、その死はユイに山の神(深夜廻)に付け入る隙を作る一因となってしまう。


  • ハルの家族

小説版にのみ登場。両親と祖母がおり、祖父は数年前に死亡した。
現在ハルが住んでいる家は亡くなった祖父が若い頃に建てたもので、経年劣化によりあちこちガタがきていた。そこで両親が「ここでハルが生活するのは危険」と判断したため引っ越すことになったという。当初は反対していた祖母も、それで渋々納得したらしい。
ハルは両親に対して「引っ越しの理由に自分を使ってほしくなかった」と不満を抱いていた。


  • ユイの父

こちらも小説版にのみ登場。職業は民俗学者で、町のことを調べるうちに山の神(深夜廻)の餌食になってしまった。
本編の時間軸では既に故人であり、ハルが見たのは彼のおばけだった。しかもハルはユイの両親に会ったことがなかったため、最後まで彼がユイの父だと知らなかった。
何とかして愛する家族を守ろうとあれこれ手を打っていたが、うまくいかず娘ユイまで山の神(深夜廻)の餌食に……とことん報われない男である。


  • コトワリさま

ハルの住む町の外れにある、ダムによって水没した村の付近にある神社に奉られている神様。主なご利益は縁切り。小説版では更に「悪縁を切って良縁を結ぶ」とされた。
「もういやだ」と口にするとどこからともなく現れ人形の何かを代償に縁を切っていくのだが、上記の通りその力でユイとハルを山の神(深夜廻)の魔の手から救ってみせた。
その後は生き残ったハルを見守ることにしたのか、彼女に渡したハサミを持ち続けるようにさせている。
小説版にて、ハルの左腕を切断したのは、絡み付いた赤い糸云々以前に「大切な人との絆をコトワリさまに切ってもらうことはそもそも禁じ手であり、そういうルールだった」ということが判明した。



『深夜廻』のラスボス。前作の山の神(夜廻)と違って今回は全部こいつのせい。
ただただ「自分が愉悦に浸りたいから」という理由で人々と縁を結び、山に呼んでは死に追いやるという行為を遊びとして繰り返していたシリーズ最大級の邪悪。他の神様たちは同情の余地や見直せる点が多少はあるのに、こいつにはそれが一切無い*3
小説版ではユイの父が「禁忌」と呼んでおり、伝承の類いはある模様。更に本編の数日前からハルを狙っていたことが判明する。
さすがのハルも、こいつには怒りや呆れといった悪感情しか抱かなかった。


前作『夜廻』から再登場した面々。
よまわりさんによって隣町まで誘拐され、町に戻る途中で群霊に追われているところをムカデに保護された。小説版ではこともがハルをムカデの神社まで導いている。
ゲームではストーリークリア後にこともと友達になったが、ハルの引っ越しは確定事項のままだったため、交流できた期間はわずかだったと思われる。



余談

  • 大切な人のみならず、思い出の地とも離れ離れ
  • 隻腕という、日常生活に大きく支障をきたすハンデを背負う
  • 味方であるコトワリさまも、その性質上安易に呼ぶわけにはいかない

と、救いの無さ、報われなさでは夜廻シリーズどころか同社の他のゲームの主人公たちと比べてもぶっちぎりでトップと言っていいだろう。同社の代表作が明るくコメディ寄りな内容のディスガイアシリーズなので格差がエグい…。




追記・修正はコトワリさまのご利益を正しく理解できる方にお願いします。



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  • 山の神をなんとかできる神殺しはいませんか -- 名無しさん (2022-05-06 15:58:17)
  • 小説版の作者は理不尽な運命や理解不能な驚異に対して、とにかく鼻を明かして勝利したい・上に立ちたいんだろうなと感じたな。ゲーム本編だとコトワリ様がハルにハサミ貸すのは「武器は貸してやるけど後はお前次第だよ」位のやや中立的な感覚に見えたけど、小説だと自分でハサミに化けてハルに帯同するという“明確なハルの味方”として扱ってたのが何か少年漫画っぽいというか。 -- 名無しさん (2022-05-06 19:10:32)
  • ラスボス戦のハルの描写も、ゲーム本編では恐怖と混乱に苛まれながらも必死でユイを救おうと奮闘する感じだけど小説では明確に山神への怒りとか闘う意思持ってたり最後は完全に精神的に山神よりも優位に立ってたりして「このゲームのコンセプトとずれてね?」と思う描写が多々あるし、多分小説版の作者は理不尽な運命やムカつくラスボスなんて主人公に打ち破られて然るべきみたいな少年漫画的な構文が好きなんだろうな -- 名無しさん (2022-05-06 19:11:17)
  • ED後にハサミまた渡されたのはまだ悪縁が完全に断ち切れてない事の証左なのかね -- 名無しさん (2022-05-06 20:26:03)
  • ↑↑ゲームコンセプトとはずれるが…まあ、そういう展開を望む気持ちはわかるよ、 -- 名無しさん (2022-05-06 20:29:23)
  • 獏さんそれってわかりにくすぎ -- 名無しさん (2022-05-07 13:21:14)
  • ↑3 ゲームだとプレイヤー自身がキャラを動かせるからあまりそうは思わないけど、小説という媒体でゲームどうりの展開・描写にすると主人公が受動的になりすぎちゃうからね -- 名無しさん (2022-05-09 16:50:28)

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*1 日記の塗り潰されている部分をよく見ると、「いやだあああああ」という叫びを書きなぐっている。
*2 正確にはポロがハイスペック過ぎるのだが。
*3 ムカデは言うに及ばず、『夜廻』の山の神とコトワリさまは人間に粗末に扱われたある意味被害者。『夜廻三』の神様はやってることが『もののけ姫』終盤で頭部を取り返そうとしたシシ神さまみたいなものだし、ヒトデは「外来の神」とかヤバそうなこと書かれつつも助けてもらったお礼を授ける程度には良識がある。

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