登録日:2022/04/12 (火) 22:53:13
更新日:2024/06/18 Tue 13:33:27NEW!
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横綱が残ってりゃ 「大相撲」の敗けにはならんでしょ
零鵬とは、バキシリーズ第五部『バキ道』から登場するキャラクター。
●目次
概要
貴乃花金竜山の挑発による挑戦を受けた日本相撲協会が送り込んだ力士の一人。
力士勢の中では四股名ではない本名と年齢が唯一発覚しており、「田沼 浸」という日本人である。29歳。
『バキ道』では新キャラクター・第二代野見宿禰のライバルかませキャラとしても位置付けられている。
人物
195cm・161kgという体格。十分な巨漢なのだが、規格外の体格を誇る宿禰よりは小さい。
中学生の時点で179cm・97kgという大きな体格を成長させており、体重はこの時点で既に小結・炎と同じ。
嵐川理事長がチーム戦の敗北が決定して力士を責める中、地下闘技場での不慣れなルールでの健闘を称えて仲間を擁護するなどリーダーシップが高い。
古代相撲ルール寄りの地下闘技場ルールでもおあつらえとして堂々と宿禰に呼びかけるなど、自信家な一面もある。
宿禰のエア相撲についても理解を示し、エア相撲を根拠に自身の四股を酷評されても笑って言い返すなど、口喧嘩でも引かなかった。
ただし、リベンジマッチでは四股に関する発言を持ち出しているなど、根には持っていたようだ。
仲間達が戦った範馬刃牙を初めとする地下闘士メンバーのことも「恐るべき力士」と認識していた。
実力
大相撲で横綱の地位を持っている相撲界最強の人物で「日下開山 天下無双」「近代相撲の最高傑作」と評されている。
歴代最強と評する声も多いらしく、恐らくではあるが金竜山や龍金剛を上回る実力を持っている可能性が高い。
嵐川理事長は「誰一人あんたの負けを心配していない」と言い、金竜山も宿禰に対して試合直前に「3分間粘っての長期戦による動揺の誘い」を提案しており、相撲関係者も極めて高い評価を下していたことが読み取れる。
中学生の時点で「走り幅跳びで砂場を飛び越える」「100メートルを裸足10秒3」「ソフトボールの遠投は投げ飛ばしすぎて計測不能」などの優れた身体能力を見せていた。
渋川剛気の合気を打ち破った巨漢・巨鯨を投げ飛ばして勝てた力士は零鵬と獅子丸しか存在しないと明言されているなど、力も強い模様。
張り手による鼓膜の破壊や肘を用いたかち上げなど、相撲に関する様々な技を巧みに用いる技術もある。
実は横綱が肘を使ったかち上げを用いることは「品位」に欠けるとして否定的な意見もあるため、勝利の格好に拘らないスタイルなのかもしれない。
ただし、地下闘技場の試合に関しては大相撲の試合でもないため、普段の相撲では別に使っていない可能性も否定できないが。
総合格闘家のバックハンドブローが直撃しても全く通用しない硬さを誇り、攻撃を叩きこんだ混沌は刹那に巨岩のイメージを抱いたほど。
肋骨を破壊されても何とか立ち上がって閉会式に参加し、怪我して間もない状態で「怪我の内に入らない」としてリベンジマッチを挑むなど、ビスケット・オリバを上回る根性を見せた。
一方で、宿禰はエア相撲の仮想敵としての戦いの分析で「四股が足りていない」と指摘していた。
これは宿禰が色々と規格外すぎるだけな気もするし、宿禰自身も零鵬を評価するような言動はしている(まあ宿禰の性格的に素直に受け取って良いのかは怪しいが)。
作中の活躍
VS岩浪混沌
地下闘技場に挑む為に幕内力士全員が出場を希望する中で、相撲協会から選定された6人の力士の一人として登場。
徳川によって嵐川理事長や他の力士と共に地下闘技場に案内された際には、歯の混ざった闘技場の砂を確認して塩を扱う様に蒔いた。
そして、力士との対戦相手として徳川光成から送り込まれた総合格闘技で国内無敗の岩浪混沌(181cm・102kg)が対戦相手を指名しなかったため、零鵬が先陣を切ることに。
対戦開始直後に奇襲の左バックハンドブローを頭に容赦なく叩きこまれるが、全くのダメージを感じずにトランクスを掴んで動きを封じる。
あまりのパワーに混沌の思考が名前通りに混沌に陥る中、櫓投げで大きく闘技場の地に混沌の頭を突き刺して圧勝した。
ごっつあん
カエルの様な変な形で砂に突き刺さってしまった混沌の身体は全く動いておらず、その後の行方は不明。
VS第二代野見宿禰
地下戦士VS大日本相撲協会力士代表の試合では、6試合目及び大将戦として第二代野見宿禰との対戦が決定する。
チーム戦において敗北が決定的となった相撲チームだが、零鵬の「横綱が負けなければ大相撲の負けにならない」という理論による意地があった。
試合前に観客に向けて四股のパフォーマンスを披露するが、宿禰はそれを鼻で笑うかのような様子で足を180度以上に開いた四股のパフォーマンスを返す。
両者立ち会った後の会話ではエア相撲を理由に四股の不足を指摘されるが、「エアの四股」をやると煽り返しての試合開始となった。
両者立ち合いの構えで相撲勝負になるが、最初の激突で零鵬は不意を突くかのように宿禰の頬に張り手をぶちかます。
張り手の威力で一瞬宿禰が動揺した隙に肘でカチ上げ、まわしを取ったことで一気に優勢な形となった。
ところが、張り手で鼓膜を破壊された宿禰は鼻を摘まんで耳からの出血を零鵬の目元付近に浴びせ、報復を宣告。
宿禰はオリバを破壊した肋骨掴みによる「アバラ投げ」で返し、零鵬は骨の破壊を感じると同時に地面に叩き付けられてしまう。
それでも大ダメージを感じながらも意地で何とか立ち上がった零鵬は観客を沸かせ、宿禰も試合前の決意に反して1分で終わらなかったことを理由に煽り半分な雰囲気で褒める。
しかし、立ち上がった直後に肩甲骨の下に手を入れて掴まれてしまい、再度頭を地面に叩き付けられたことで今度こそ沈黙、敗北が確定した。
とんでもない重傷を負ったはずなのだが、試合後の閉会式のセレモニーでは普通に立っていた。まあ刃牙世界ではよくあること。
VS第二代野見宿禰(2回目)
勇次郎に完敗し、大雨の中でショックを受けながら帰路に付いている宿禰の元に変装しながら出現。
零鵬の意図を読み取った宿禰と、雨の当たらない橋の下でリベンジマッチを行うことになる。
肋骨に大ダメージを受けている様子を宿禰に指摘されるも、怪我の内に入らないと強気を見せる。
止めた方が良いと言わんばかりにフォローしてくる宿禰に、四股に関する煽りをネタにした自虐入りの発言を投げかけるが、対する宿禰は根に持っていると解釈して煽った表情を見せた。
煽られた瞬間、宿禰の顔面にパンチを連続で浴びせ、ダメージを受けた宿禰の足に蹴り技を浴びせる。
そして、しゃがむ格好になった宿禰に追撃の左横蹴りを仕掛けるも、転がって回避されてしまう。
宿禰は零鵬が怪我をしながらもまだ動けることを評価しながらも、突進してくる零鵬の負傷した胸に強烈なキックをぶち込む。
負傷していた肋骨の更なる破壊と胸骨の粉砕を受けた零鵬は、衝撃を感じる中で酷く吐血しながら倒れてまたもや敗北するのだった。
不遇
作中で日本相撲協会によって送り込まれた力士勢の中では、説明されている実力に反して扱いはトップレベルに不遇である。
全く活躍できなかったという点では鯱鉾も同じだが、あちらと違って戦いを経て地下闘士と爽やかな決着という形にもならなかった。
力士勢では大関の巨鯨は渋川の合気を突破するという化け物と呼ぶべき実力を見せているため、あちらの方が強そうだという意見も出ている。
そもそも宿禰が登場した当初にエア相撲の仮想敵に選ばれて完敗していたことを考えると、敗北は必然だったという意味でも哀れさが目立つ。
ただし、バキシリーズではこの手の扱いを受けたキャラクターは別に珍しい存在でもない。
アレクサンダー・ガーレン、劉海王、郭春成などが存在し、零鵬はその系譜だったとも言える。
むしろ岩浪混沌を相手に勝利した描写があるだけ、上述のかませ軍団の中では恵まれた部類と言える。混沌が明らかにかませのかませなキャラということは置いといて。
巨鯨を相手に勝っている設定や肋骨を破壊されても立ち上がろうとする根性など、かませではあるが強者であること自体は事実なのではある。
モデル
元ネタになった人物は名前や容姿、作中での評価から疑うまでもなく元大相撲力士で第69代横綱・白鵬だろう。
零鵬が作中で見せた肘を使ったかち上げなどの相撲スタイルは、白鵬が見せた技術からのネタだと見られる。
ただし、零鵬は経歴的に日本出身であるため、モンゴル出身である白鵬とは違いが生じている。
中学生時代の零鵬の様子は『餓狼伝』の板垣版に登場するオリジナルキャラクターの鞍馬彦一を参考にしたのではないかという説もある。
ちなみに、作者の板垣恵介は白鵬に着流しをプレゼントしているなど、交流した経験がある。
板垣はバキ道連載中に行われたインタビューでも白鵬に言及していて「史上最強の力士かもしれない」とまで評価していた。
しかし、板垣が評価しているはずの白鵬が元ネタの零鵬は作中では見るも無残な扱いだった。
作中での一部の描写などからも板垣の感情を邪推する読者もおり、「作者は白鵬に悪意があるのではないか」などの批判も出ている。
ただし、バキシリーズでは元ネタがいる人物が愚弄されているような扱いを受けることは珍しくもなく、強いとされる存在が徹底的にかませとして描かれること自体は珍しくもない。
零鵬に関しては相撲題材のシリーズだっただけに、そのような作風が悪目立ちしすぎてしまったとも言えるか。
余談
- 宿禰は零鵬に圧倒的勝利を収めるが、その後に衝撃的な設定が開示された範馬勇次郎との出会いから作品内での扱いが落ちていくことになる。
ある意味これはかませとして終わった零鵬の呪いなのかもしれない…。 - 零鵬のリベンジ展開は結局予想通りの瞬殺で終わったことや後の展開にこれといった影響も見られないことから、露骨な引き伸ばしや悪趣味などという批判も多い。
一方で、このリベンジマッチの直前に宿禰は勇次郎への敗北で呆然としていた様子だったことから、「未知の格上に敗北して心が揺れている」宿禰と「未知の格上に敗北しても心が折れずに挑む」零鵬の対比回だったのではないかという説もある。
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- ラストバトルは「相撲六連戦作者飽きてるよね?」で、リベンジマッチは「……蛇足でしかないよね?」という有様なのは、百歩譲って置いといても。あの回想の身体能力を見せるのは何のためにあったのかと、バキ世界じゃ1軍級の奴なら出来て当然だと思うのだが(つまり何のキャラ上げにもならん)…… -- 名無しさん (2022-04-12 23:07:16)
- だいぶ前の花山の体力測定で似たようなことをやってるけど、アレは高校生だから中学生の零鵬の方がすごいとかいう持ち上げ方なのかもしれん -- 名無しさん (2022-04-13 01:44:39)
- しかし地下闘技場のことを知らん一般の相撲ファンからすれば横綱を含めた幕内6人が突然謎の大怪我で休場ってことになるのか -- 名無しさん (2022-04-13 03:04:20)
- これを倒したスクネ二世も扱いきれずにフェードアウトしそうな感じプンプンするし、本当になんだったんだろうかあの戦いは -- 名無しさん (2022-04-14 03:53:36)
- 話の軸にいるはずの宿禰もジャックに小指喰われた上に完敗した以上、上がり目が無さそうである意味で零鵬より不遇に思える。 -- 名無しさん (2022-04-15 13:48:27)
- そもそもで言えばスクネはあの相撲六戦において、1戦目開始から出番が『リアル時間で約1年』も無いっていう(観客席にすらいない。途中の花山戦前に数コマの顔見せはあったが、一言もセリフがない)。鳴り物入りで登場したキャラなのに扱いきれてなさすぎだ -- 名無しさん (2022-04-16 08:21:19)
- 扱いはともかく作中では割と上位に来そうな実力者ではあるよね。パワーでは零鵬>巨鯨>オリバだし肋骨破壊されても立ち上がりすぐリベンジしに来てる辺りオリバよりはだいぶ格上だろう。オリバ自身は今だとあんまり強い方じゃないけど -- 名無しさん (2023-03-19 14:14:20)
- 結局、相撲編で一番描きたかったのって白鵬イジメ・・・? -- 名無しさん (2023-08-23 23:59:27)
- いや、相撲編で挑戦していたのは「勝った方が強くて負けた方が弱い」という目線だろう。まあどうしたって結果で判断するのが一般的だし「負けた方だってちゃんと強いんです」って描き方ができてたのは3戦目で限界というか、元々の作者の作風と合ってなかった感はあるけど -- 名無しさん (2023-08-24 01:52:21)
- ↑挑戦はともかく、武蔵編終了時期や貴乃…金龍山の目的からして、バキを通じて角界に鉄槌を下す!が執筆動機だったとは思うんですよね。ただ、VS横綱が終わってみればその辺が有耶無耶になったのに、わざわざリベンジマッチやらされて死体蹴りにされた印象がどうにも強すぎて・・・ -- 名無しさん (2023-08-25 01:56:09)
- (続き)でもひょっとしたら、シコルに惨敗した猪狩のような、歪んだ愛の可能性も微レ存・・・? -- 名無しさん (2023-08-25 02:05:43)
- 知り合いの格闘家をモデルにしたキャラを作中でフルボッコにして愚弄し尽くすなんて格闘漫画あるあるヤンケ、何をムキになっとんねん(猿並感) -- 名無しさん (2023-10-15 19:30:37)
- 初登場時でさえ混沌に話題を持ってかれたのも痛かった。 -- 名無しさん (2023-10-15 20:08:32)
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