教示者/Tutor(MtG)

ページ名:教示者_Tutor_MtG_

登録日:2021/02/26 Mon 20:03:33
更新日:2024/05/24 Fri 13:57:00NEW!
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賢き者は、常に力の囁きに耳を傾ける。



「教示者/Tutor」とは、TCG『Magic the Gathering』に登場するサーチカード群のことを指す。転じて、サーチカード全般の俗称としても使われる。
英語名からそのまま「チューター」「○○チュー」と呼ばれることも多い。


由来はマジック史上初のサーチカードである《悪魔の教示者/Demonic Tutor》からである。



解説

「教示者/Tutor」の元祖

Demonic Tutor / 悪魔の教示者 (1)(黒)
ソーサリー
あなたのライブラリーからカードを1枚探し、そのカードをあなたの手札に加え、その後あなたのライブラリーを切り直す。


マジック最初のカードセット「アルファ(LEA)」から収録されている元祖サーチカード、それがこの《悪魔の教示者/Demonic Tutor》である。
効果もシンプルで、特に縛りなく好きなカード1枚をライブラリーから持ってくることができる。たった2マナで
しかも「悪魔の」と書いてあるにもかかわらずプレイヤーが支払うのはマナのみで一切リスク無し。


ライブラリー中の任意のカードを持ってくる効果自体が盤面に応じて必要なカードを用意できるという意味で柔軟性の塊なのに、このカードは僅か2マナ。
いくらなんでも便利すぎる。
例えこのカード以外全部1枚積みのデッキがあったとしても、このカードを引くだけでデッキ内の好きなカードにいとも簡単に変えられてしまう。
極論ライブラリーの中にあるカードが《悪魔の教示者》以外全部5枚積みと言っているようなものである。


ということで、このカード自体が登場初期からかのパワー9と並んであっさり制限カードに。
現在ではヴィンテージでは引き続き制限カード、レガシーでは禁止、その他の一般フォーマットでは収録状況の都合使用自体ができない。
当然のことだが、後述の調整版ですら軽くて便利だと環境を容易にぶっ壊していくポテンシャルを秘めている。
こんなもんをフル解禁した環境がぶっ壊れることは想像に易いだろう。


マジック史上最初のサーチカードであり、なおかつカードパワーという意味でも存在感は大きい。
その後のマジックにはこの《悪魔の教示者》にならって「教示者/Tutor」という名前を付けたサーチカードが多数登場することになった。
それぞれ英語名を省略した「〇〇チュー」という略称で呼ばれることもある。《悪魔の教示者》であれば「デモチュー」となる。



各「教示者/Tutor」カード

Demonic Tutor / 悪魔の教示者 (1)(黒)
ソーサリー
あなたのライブラリーからカードを1枚探し、そのカードをあなたの手札に加え、その後あなたのライブラリーを切り直す。


上記参照。初代「教示者/Tutor」。
使用可能状況も上記の通りだが、実は地味に統率者戦では禁止推奨されておらず使用可能だったりする。そのため現在の主戦場は統率者戦。
色々持ってこれるので即死上等のガチデッキから好きな統率者でのんびり戦うカジュアル寄りデッキまで、黒絡みの統率者で幅広く利用されている。
黒い教示者カードに共通することだが、テキストに「公開する」と書かれていないのでサーチしてきたカードを相手に見せる必要はない。
「持ってくるカードに制限がない」ので、「確かに(この種類のカード)を持ってきましたよ」と証明する必要がないためである。


「アルティメットマスターズ(UMA)」での再録まで日本語名はなかった。


Diabolic Tutor / 魔性の教示者 (2)(黒)(黒)
ソーサリー
あなたのライブラリーからカード1枚を探し、それをあなたの手札に加える。その後あなたのライブラリーを切り直す。


《悪魔の教示者》のマナコストを2倍にしただけの分かりやすい調整版。
「オデッセイ(ODY)」で初登場して以降基本的なサーチカードとして幾度も収録されている常連カード。
流石に4マナでサーチするだけとなると重いのか、使用頻度はスタンダード環境でもそこまで高くない。
黒の絡んだ遅めのコントロールデッキなどでために見かけるくらいである。
最近のスタンダードではこのカードを基準に「3マナ以下のサーチはデメリット付き、4マナのサーチはこのカードの上位互換」なように調整されている。
そしてそういったカードも特殊なデッキでないと基本使われない。
後述の1マナ教示者組が暴れまわっていた環境を知る人にはこれでちょうどいいと思えるような調整がなされているのだ。


実は初出は「オデッセイ(ODY)」(2001年10月)とあるように意外と遅め。
後述する「プレーンシフト(PLS)」(2001年2月)の《悪魔の意図》や「プロフェシー(PCY)」(2000年6月)の《リスティックの教示者》の方が先に出ている。


Grim Tutor / 不気味な教示者 (1)(黒)(黒)
ソーサリー
あなたのライブラリーからカードを1枚探し、それをあなたの手札に加える。その後あなたのライブラリーを切り直す。あなたは3点のライフを失う。


《悪魔の教示者》からマナ・コストを1増やして3点のライフロスを付けた調整版。初出は「スターター(S99)」という古い特殊セット。
《魔性の教示者》ほど重くはないので、「スターター(S99)」のカードも使えるエターナル環境では採用されていたことがある。
特にレガシーでは《悪魔の教示者》が出禁なので万能サーチとして非常に優秀。


初出から一切再録がなく大高騰していた*1が、「基本セット2021(M21)」で突然再録されて価格グラフに崖を作った。
まさかのスタンダード/パイオニア/モダン進出である。ついでに日本語名も貰った。
インフレもここまで来たかと恐れられたが、3点のライフロスが地味に痛く普通のデッキでは使いづらい。


Enlightened Tutor / 悟りの教示者 (白)
インスタント
あなたのライブラリーからアーティファクト・カード1枚かエンチャント・カード1枚を探し、そのカードを公開する。あなたのライブラリーを切り直す。その後そのカードをその一番上に置く。

Mystical Tutor / 神秘の教示者 (青)
インスタント
あなたのライブラリーからインスタント・カード1枚かソーサリー・カード1枚を探し、そのカードを公開する。あなたのライブラリーを切り直す。その後そのカードをその一番上に置く。

Vampiric Tutor / 吸血の教示者 (黒)
インスタント
あなたのライブラリーからカードを1枚探す。その後あなたのライブラリーを切り直し、そのカードをその一番上に置く。あなたは2点のライフを失う。

Worldly Tutor / 俗世の教示者 (緑)
インスタント
あなたのライブラリーからクリーチャー・カードを1枚探し、そのカードを公開する。あなたのライブラリーを切り直す。その後そのカードをその一番上に置く。


「ミラージュ(MIR)」と「ビジョンズ(VIS)」で登場した、赤以外にある教示者サイクル。揃って「第6版(6ED)」にも再録された。
特にこのサイクルの教示者は通称して「(色名)チュー」とよく呼ばれる。例えば白チューなら「悟りの教示者」を指す。
しかし黒だけは「黒チュー」ではなく英語名から「バンチュー」または「ヴァンチュー」と呼ばれる。
すべて1マナインスタントで、各色を象徴するカードをライブラリーから探しデッキトップに置くという効果を持つ。
黒の《吸血の教示者》は全カードが対象の代わりに2点のライフロスがある。
たった1マナという軽さの分、直接手札には加わらずデッキトップに置く形になっている。
しかしその後ドローで即引き込めば通常のサーチと同じように使える。
インスタントであることを利用し相手のエンド時に唱えて積み込めば通常ドローで引き込むことも可能。


サイクルのどれもがスタンダードからエターナルまで使われる強力なカードだが、概ね序列は吸血>神秘>>>悟り>>>>>>>俗世といった順番。
現在では《吸血の教示者》と《神秘の教示者》が《悪魔の教示者》と同じくヴィンテージ制限・レガシー禁止に指定されている。
特に《神秘の教示者》はコンボデッキ【ANT】で猛威を振るった結果「カジュアル対戦では教示者を自粛して戦う」というプレイヤーが増えたレベル。
実際にその点を指摘されて禁止になった。
《悟りの教示者》も禁止はされていないがレガシーにおいて大変猛威を振るっている。
いわゆる置物系をサーチできるのだが、MtGの置物は色によっては全く触れることができない上に特定のデッキを一気に詰ませるえげつないものも多い。
それを状況に応じてシルバーバレットできるのはやはり強力。あとミラージュ版の顔が鬱陶しい
《吸血の教示者》はMtGの黄金期とも呼べるマスクス期前後の環境のスタンダードにおいて最強のサーチとして君臨していた。
当時を遊んだことのあるプレイヤーにとっては万能サーチカードとして非常に思い出深いものになっているようだ。


ちなみに赤にない理由は「混沌」の色であり計画性の象徴であるサーチは相応しくないとされたため*2。赤くなるとこうなる。

Goblin Tutor (赤)
インスタント
6面ダイスを1個振る。1が出た場合、Goblin Tutorは何の効果もない。そうでない場合、あなたのライブラリーから指定されたカードを1枚探す。そのカードを公開し、あなたの手札に加える。その後あなたのライブラリーを切り直す。
2 - いずれかのGoblin Tutor
3 - いずれかのエンチャント
4 - いずれかのアーティファクト
5 - いずれかのクリーチャー
6 - いずれかのソーサリーかインスタント


銀枠ジョークセット「アングルード(UGL)」に収録された赤い教示者。サイコロを振ってサーチ先を決定する。
1/6の確率でスカるのは中々辛い。とはいえスカりさえしなければサイクルの他のカードと異なり直接手札に加わるのは良い点だったりする。
ただ結局効果が不定すぎてかなり使いづらい。
エンチャント、アーティファクト、クリーチャー、ソーサリー、インスタントのすべてをデッキに入れなければスカが増えるのも地味に痛い。
この「スカがあるかもしれない」という部分はジョークセットながらMtGのプレイヤーにウケが悪かったらしい。
後のダイスロール系のカードの調整の基準にもなったカードである*3


Personal Tutor / 親身の教示者 (青)
ソーサリー
あなたのライブラリーからソーサリー・カードを1枚探し、そのカードを公開する。あなたのライブラリーを切り直し、そのカードをその一番上に置く。

Cruel Tutor / 残酷な教示者 (2)(黒)
ソーサリー
あなたのライブラリーからカードを1枚探す。その後あなたは自分のライブラリーを切り直し、そのカードをその一番上に置く。あなたは2点のライフを失う。

Sylvan Tutor / 森の教示者 (緑)
ソーサリー
あなたのライブラリーからクリーチャー・カードを1枚探し、そのカードを公開する。あなたのライブラリーを切り直す。その後そのカードをその一番上に置く。


上述の教示者サイクルが「ポータル(POR)」という特殊セットに移動するとこうなる。
「ポータル」系列のセットではインスタントは概念ごと存在しないので全てソーサリー。


《森の教示者》はシンプルに《俗世の教示者》がソーサリーになっただけ。主に統率者戦で2枚目の《俗世の教示者》として使われる。
1マナ増えて白含む多色化した代わりに直接手に入る《エラダムリーの呼び声/Eladamri's Call》と合わせればクリーチャーサーチを3枚体制にできる。
《親身の教示者》は《神秘の教示者》の対象からインスタントがなくなった。
ソーサリーしかサーチできず自身もソーサリーのためかエターナルで規制されておらず使用可能。
現在でも主に強力なソーサリーを活用するデッキでサーチとして使われる。
ただし自身がソーサリーでかつデッキトップに置くという性質がネックになっている側面も多々ある。
軽量ドローカードにスロットを割く形でリストから抜けるパターンも多い。
《残酷な教示者》はマナコスト3倍の《吸血の教示者》。
同じマナコストで《不気味な教示者》が存在するのでかなり不憫であり、よほどのことがないと使われない。


Idyllic Tutor / 牧歌的な教示者 (2)(白)
ソーサリー
あなたのライブラリーからエンチャント・カードを1枚探し、それを公開し、あなたの手札に加え、その後あなたのライブラリーを切り直す。


エンチャントをサーチする教示者。
《悟りの教示者》がマナコスト3倍になりアーティファクトを対象外にしたら直接手札に入るようになった派生系
《魔性の教示者》を1マナ軽くして白くしたらエンチャントしかサーチできなくなったともいえる。


初出時にちょうどエンチャントがプッシュされていたため、スタンダードでそこそこ使用された。
「テーロス還魂記(THB)」でも再録されたが、周囲のインフレの影響で3マナでも相対的に重く、またそこまでしてサーチしたいものも少なかった。
同期に《不気味な教示者》がいることもあってか初出時ほど使われなかった。


Rhystic Tutor / リスティックの教示者 (2)(黒)
ソーサリー
プレイヤー1人が(2)を支払わないかぎり、あなたのライブラリーからカードを1枚探し、それをあなたの手札に加える。その後あなたのライブラリーを切り直す。


世紀のエキスパンション「プロフェシー(PCY)」からやってきた最弱の教示者。
《魔性の教示者》より1マナ軽いは良いのだが、リスティック呪文なので相手がマナを払うだけで何もできなくなる
教示者どころかエキスパンション内でもただの紙としての評価が非常に高い、代表的なカスレアである。


Infernal Tutor / 冥府の教示者 (1)(黒)
ソーサリー
あなたの手札からカードを1枚公開する。あなたのライブラリーから、そのカードと同じ名前を持つカードを1枚探し、それを公開した上であなたの手札に加える。その後あなたのライブラリーを切り直す。
暴勇 ― あなたの手札にカードがない場合、代わりにあなたのライブラリーからカードを1枚探し、それをあなたの手札に加える。その後あなたのライブラリーを切り直す。


普通に使うと手札の同名カード1枚をサーチするだけだが、手札が0枚である場合は《悪魔の教示者》そのものに化ける教示者。
呪文の効果を解決するする時点で手札が空であれば良いので、インスタントタイミングで手札を0枚にできればその時点で《悪魔の教示者》になる。
というわけで、このカードを唱えてそこにスタックで《ライオンの瞳のダイアモンド/Lion's Eye Diamond》を起動するとあら不思議。
手札0枚にしつつ更に3マナ確保しながらライブラリーの任意のカードを持ってくる」というインチキ臭い動きが可能。
前述の【ANT】を含むレガシーのストームデッキではこの動きが定番になっている。説明されないと理解しにくいがかなり重要な動き。
ストームが大流行していた頃のレガシーではこの件でよくジャッジが呼ばれたり、この動きを理解せずに使ってボロ負けしたりというのも散見された。


一方で普通に使うとぶっちゃけ「手札がサーチ先1枚だけでどうやって戦えばいいんだ!」となるとんでもなく使いづらいカードでもある。
《ライオンの瞳のダイヤモンド》という女房役のいない環境ではまったく活躍できていない。まさにコンボ専用パーツである。


Profane Tutor / 不敬な教示者
ソーサリー
待機2 ― (1)(黒)(このカードをあなたの手札から唱えるのではなく、(1)(黒)を支払うとともにそれを時間(time)カウンターが2個置かれた状態で追放する。あなたのアップキープの開始時に、時間カウンターを1個取り除く。最後の1個を取り除いたとき、それをそのマナ・コストを支払うことなく唱える。)
あなたのライブラリーからカードを1枚探し、あなたの手札に加える。その後、ライブラリーを切り直す。


「モダンホライゾン2(MH2)」で登場した久しぶりの新規教示者は、恒例行事となった「過去のぶっ壊れカードの待機つきリメイク」。
状況に応じてカードを選べるので待機のラグによるデメリットは多少軽減されるが、やはり即効性が落ちるのはデメリット。
マナを払ったそのタイミングでは何もしないのでサーチする前にどちらかが死んでいる可能性もある。
どちらかと言うとコントロールデッキで保険程度に入れておく形になるか。
例によって続唱などで無理矢理唱えることも可能。《雷電支配》《予言により》などで唱えて待機つきリメイク組をサーチする動きは実に胡散臭い。


Booster Tutor (黒)
インスタント
封をされたままのマジックのブースターパックを1つ開け、それらのカードを公開し、その内の1枚をあなたの手札に加える。(次のゲームの前には、そのカードをデッキから取り除くこと。)


「アンヒンジド(UNH)」で登場した銀枠産教示者、まさかの第二弾。
ゲーム中に突然マジックのブースターを開けて好きなカードを拾ってくるという、冷静に考えておかしい効果を持つ。
とりあえず近年のパックには土地が1枚ほぼ確定しているので最低限基本土地くらいは手に入る。
ギャンブラー思考ならフレイバーテキストにあるように*4古いパックを開けてもよいが、そうなるとリアルマネーというコストが莫大にのしかかってくる。
ちなみに初期のデッキに入れてはいけないという決まりなので禁止カードを引き当てた場合も一応使ってもOK……なはず。
「未開封のマジックのブースターであればなんでも良いよね」という理論で(相手が許すなら)カードショップに売っているオリジナルパックを使っても良いかもしれない。
普段のパック以上に何が出てくるか全く予想できないカオスぶりになるだろう。
なお仮にこれをコピーして無限回唱えれば、理論上手元にあるパックを好きなだけ開けてデッキ改造できる。
そこまで来るともはや普通にリミテッドで体戦したほうが良いだろうが。


それよりも何よりも、これをどうにかして相手に唱えさせる方が面白かったりする。
《等時の王笏》か《一望の鏡》に《Booster Tutor》を刻印して《寄付》、後は《精神隷属器》を使いまわせば成立。
そうすると相手は延々と「ブースターパックを開けて手札に加える」をし続ける必要がある。
しかもそのパックは相手が用意する必要があるので、相手は延々とブースターパックを買う必要が出てくる。
普通は《Ashnod's Coupon》でやる【マネデスコンボ】の続編である。
こっちなら使い回すのが《精神隷属器》だけで済む上、ジュースよりもハイペース*5で財布を破壊可能。
気づいたらさっさと投了すればお財布は守れます。



「教示者/Tutor」の派生カード

究極を言えば全てのサーチカードが教示者の派生カードと言えるのだが、それだと記述が膨大になりすぎてしまう。
この項目では特に関係の深い派生カードを紹介する。


Demonic Consultation (黒)
インスタント
カード名を1つ指定する。あなたのライブラリーのカードを上から6枚追放する。
その後あなたが指定したカードが公開されるまで、あなたのライブラリーの一番上のカードを公開し続ける。
そのカードをあなたの手札に加え、これにより公開された他のすべてのカードを追放する。


メリット面だけ上げれば本家よりマナが1マナ減り、インスタントにまでなった上位互換。
ただし「悪魔との取引」というより「チートとの取引」みたいな感覚だった本家と異なり、こちらは悪魔らしい壮絶な対価を求める。
結果、多くのプレインズウォーカーが契約したことを後悔することに。
詳しくは《Demonic Consultation》専用項目で。


Gamble / ギャンブル (赤)
ソーサリー
あなたのライブラリーからカードを1枚探し、そのカードをあなたの手札に加え、カードを1枚無作為に選んで捨てる。その後、あなたのライブラリーを切り直す。


赤では《Goblin Tutor》を除くと初のサーチカード。本来ミラージュの教示者サイクルの赤に対応するカードはこちら……のはずである。
教示者サイクルよろしく1マナで任意のカードをサーチでき、しかも手札に入る。
だが混沌の赤ということでサーチ後に手札を1枚ランダムで捨てる必要がある。
何が墓地に落ちても問題ないようサーチすればデメリットを消せるので、赤絡みの墓地利用デッキでサーチ手段として投入されている。
変わったところでは【土地単】にも入っていたりする。


最近ではカードプールが非常に広くなったことや使用環境の関係上、すっかり「最強の教示者」となってしまっている。
使い方に工夫は必要だが、うまく使えば《吸血の教示者》以上に強力な動きができるからだ。
ちなみに同期の教示者サイクルと異なり、直接手札に入る都合上かこれのみソーサリーになっている。


Imperial Seal / 伝国の玉璽 (黒)
ソーサリー
あなたのライブラリーからカードを1枚探す。その後あなたのライブラリーを切り直し、そのカードをその一番上に置く。あなたは2点のライフを失う。


「ポータル三国志(PTK)」で登場した、ソーサリー版《吸血の教示者》。
これが使えるフォーマットでは実質的に《吸血の教示者》2枚が積める計算になる。
「ポータル」系列のエターナル解禁と同時に当然ながら《吸血の教示者》と同じようにヴィンテージ制限・レガシー禁止に指定された。


「ポータル三国志(PTK)」自体がプレミア化しているので相当なお値段だったカードの一枚。
後に「ダブルマスターズ2022(2X2)」に再録されたことである程度価格は落ち着いた。それでも高めのカードである《吸血の教示者》の4~5倍するが
ちなみに「ポータル三国志での最強の武将は《的盧馬》」というジョークがあったのだが、それへの反論として大体このカードが持ち出されてたりした。
武将じゃないやん


Lay of the Land / 地勢 (緑)
ソーサリー
あなたのライブラリーから、基本土地カードを1枚探す。それを公開し、あなたの手札に加える。その後、あなたのライブラリーを切り直す。


どういう訳か教示者サイクルでスルーされた、土地に対応するサーチカード。緑1マナで基本土地を手札に加えられる。
現代の土地サーチの定番であるフェッチランドは直接インスタントタイミングで場に出せるため、共存するフォーマットではそちらのほうが強い。
このカードの採用はスタンダード環境で時たま見られる程度。リミテッドだと事故防止に役立つ。
これでも他のサーチカードと比べると圧倒的なコストパフォーマンスを誇るのだが、MtGは土地ゲーということもあってかこれの上位互換が何枚もある


Sylvan Scrying / 森の占術 (1)(緑)
ソーサリー
あなたのライブラリーから土地カードを1枚探し、それを公開してあなたの手札に加える。その後、あなたのライブラリーを切り直す。


《悪魔の教示者》を緑にしたら、サーチ対象が土地だけになった。
基本土地タイプを持つ土地サーチならフェッチランドで十分なので、こちらは基本でない土地を持ってこれることを活かしたい。
ランプ系デッキで《雲上の座/Cloudpost》や各種ウルザランドを揃えるために結構重要な働きをする。
《死者の原野/Field of the Dead》《暗黒の深部/Dark Depths》といったフィニッシャーを持ってくるのにも使える。
1マナ軽く直接場に出せる《輪作/Crop Rotation》は土地を1枚失うので、土地を減らさないのが利点。
スタンダードで再録されるとこれを入れた重量コントロールが登場したりする。


Diabolic Intent / 悪魔の意図 (1)(黒)
ソーサリー
この呪文を唱えるための追加コストとして、クリーチャーを1体生け贄に捧げる。
あなたのライブラリーからカードを1枚探し、それをあなたの手札に加え、その後ライブラリーを切り直す。


マナコスト据え置きの代わりにクリーチャーの生け贄を要求するようになった《悪魔の教示者》。
クリーチャーが必要なので序盤に唱えることは難しいが、クリーチャーが並びだした中盤以降は優秀な軽量サーチカードになる。


これ自体にも派生カードが結構存在する。
例えばサーチ対象を生け贄に捧げたクリーチャーのマナ総量+1のクリーチャーに制限する代わりに直接戦場に出す緑のアーティファクトになると……
そう、あの《出産の殻/Birthing Pod》になる。


Dark Petition / 闇の誓願 (3)(黒)(黒)
ソーサリー
あなたのライブラリーからカードを1枚探し、そのカードをあなたの手札に加える。その後あなたのライブラリーを切り直す。
魔巧 ― あなたの墓地にインスタント・カードやソーサリー・カードが合わせて2枚以上あるなら、(黒)(黒)(黒)を加える。


通常時は1マナ重い《魔性の教示者》だが、魔巧達成時には《暗黒の儀式/Dark Ritual》よろしく黒3マナ戻ってきて《実質悪魔の教示者》になる。
素では5マナなので打ち消しが怖いが、魔巧の条件を達成して無事に効果が解決するのであれば非常に強力。
スタンダード期では魔巧を考えずに打つ場合も多かったが、エターナル環境では魔巧前提での採用が基本。
ヴィンテージ環境だと《精神の願望/Mind's Desire》で素のマナ・コストを踏み倒せる場合もある。
その場合は《悪魔の教示者》と《暗黒の儀式》を1枚でこなすとんでもないパワーカードに化ける。


Mastermind's Acquisition / 首謀者の収得 (2)(黒)(黒)
ソーサリー
以下から1つを選ぶ。

  • あなたのライブラリーからカード1枚を探し、それをあなたの手札に加え、その後あなたのライブラリーを切り直す。
  • ゲームの外部からあなたがオーナーであるカード1枚をあなたの手札に加える。

《悪魔の教示者》を除くとありそうで今までなかった《魔性の教示者》の完全上位互換カード。
《魔性の教示者》からマナ・コスト据え置きでライブラリーだけでなくゲームの外部(≒サイドボード)からも任意のカードを持ってこれるようになった。
サイドボードのカードも何でも引っ張ってこれることから、黒絡みのコントロールデッキのみならずコンボデッキに採用されることもある。
特に登場時期に成立したコンボデッキ【レインボーリッチ】ではその点を大いに活用された。
デッキの軸とはいえ事故要素になりがちな《リッチの熟達》をサイドボードから引っ張ることもできる万能サーチカードとして大活躍した。


Rune-Scarred Demon / ルーン傷の悪魔 (5)(黒)(黒)
クリーチャー — デーモン(Demon)
飛行
ルーン傷の悪魔が戦場に出たとき、あなたのライブラリーからカードを1枚探し、それをあなたの手札に加え、その後ライブラリーを切り直す。
6/6


《悪魔の教示者》内蔵クリーチャー。
7マナと普通に唱えるには重いが、コントロール系ならばフィニッシャー枠と考えればギリギリ手が届くライン。
耐性こそないが6/6飛行と十分なサイズもある。サーチしてきたカードで追撃すればまず勝てるだろう。
アタッカーとしては不安が残るがコスト踏み倒し先としてもそこそこ。
この場合はサーチで次の踏み倒し先……もとい真のフィニッシャーに繋ぐ役割が主となるだろう。




余談

  • これらの教示者カードは全て再録禁止カードに引っかかっていない。
    《悪魔の教示者》は元々アンコモンであり、《吸血の教示者》はレアだが基本セット系列再録で再録禁止を回避している。
    教示者サイクルの他のカードもアンコモンなので対象外で、《不気味な教示者》や《伝国の玉璽》は特殊セット産でそもそも再録禁止カードの対象外。
    このため古いカードであっても急に最新セットや特殊セットに登場して話題になることも多い。
    事実《不気味な教示者》こと《Grim Tutor》の基本セット再録が決まった際は相当な話題になった。
    • またどれもこれもエターナル環境では禁止や制限のためか需要はそこまで高くない上に、統率者環境の需要のためかそこそこ再録もされている。
      そのため《悪魔の教示者》や《吸血の教示者》なども、イラストや状態などを選ばなければその凶悪さの割に簡単に買える。
      流石に投げ売り状態のイカリングよりは高いが
    • 一方で「買うなら当然いいものを買いたい」ということで欲を出すと途端に高くなってくる。
      特に枚数の少ない登場初期のバージョンや人気のあるイラストのものはやはり値段が高くなりやすい。

  • サーチは非常に便利だが、現代では《エイヴンの思考検閲者》や《敵対工作員》などの強烈すぎるメタカードも存在する。
    相手がマナを使える状況では警戒が必要。

  • MtGの開発陣はテーブルトップにおける問題点の多さから「シャッフルの撲滅」を謳っており、教示者系のメカニズムの代替案も試行錯誤されていた。
    一時期は「デッキの上から数枚を見て手札に加える」「ゲームの外部から手札に加える」などが代わりとして多数登場することも多かった。
    最近ではMtGAによるデジタル化を前提にできるようになったため、再び教示者系も増えてきている。
    MtGA専用カードの中には「条件を満たすカードのうちランダムにサーチ」というキーワード処理「抽出」が実装されていたりもする。

  • サーチに関係するカードが必ずしも「教示者」の名前を冠するわけでは無い。
    キーワード能力「変成」や《魔性の天啓》《ルーン傷の悪魔》をはじめ、教示者と全く関係のない名前を持つことの方が多いほど。
    中にはここに書いてある教示者組よりも使用率が高いカードも多い。
    サーチ全般を書くわけにはいかないが、「どうもよく使われているあのカードがないな?」ともなりやすい。
    ってなわけで、ぜひ追記・修正をお願いします。



アニヲタWikiからWiki籠りを1人探し、追記・修正させる。


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  • なんでも好きなカードを山札から〜は流石に禁止だが、土地やクリーチャーのみ指定とかは相変わらず環境に影響与えてるなあ。それだけTCGでは強い訳だが -- 名無しさん (2021-02-28 09:45:53)
  • ¥500投げ売り束を二つ買ったら、ミラージュ版の「悟り」×2と「神秘」(+「不毛の大地」×2)が出てきてビビったことが。 -- 名無しさん (2021-02-28 15:45:35)

#comment

*1 「金があれば買える」のならまだよかったのだが、このカードの場合は収録セットの都合上総数が少なく品薄まで重なっていた。
*2 当時の赤は「できないこと」が非常に明確に定められており、ドローもサーチもできないので右手に頼るほかないという色だった。2マナで2点火力・占術2と現在ではそこまで強くはない《マグマの噴流》が長らくレガシー環境ですらバーンに4枚積まれていたことからもお察しいただきたい。
*3 たとえば「フォーゴトン・レルム探訪(AFR)」などのD&D系のコラボセットのカードは20面ダイスを振るが、元々のゲームではファンブルが存在するにも関わらずファンブル判定のあるカードはほとんどない。
*4 『Real men use Arabian Night boosters.』「アラビアンナイト(ARN)」はマジック史上最初のエキスパンションである。
*5 2022年4月以降に発売されている通常エキスパンションのドラフト・ブースター(要は普通のパック)のお値段は日本円で税込み440円である。

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