汽笛の聞こえる古書店(名探偵コナン)

ページ名:汽笛の聞こえる古書店_名探偵コナン_

登録日:2019/04/21(日) 21:28:00
更新日:2024/02/27 Mon 01:02:07NEW!
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このSLは動くんです!


『汽笛の聞こえる古書店』とは、『名探偵コナン』において、江戸川コナンが解決した事件のうちの1件。
2017年7月29日に第868話として放映された、原作漫画にはないアニメオリジナルエピソードである。
脚本は能塚裕喜氏と『コナン』のストーリーエディターである飯岡順一氏の両名が担当。


以下、ネタバレにご注意ください。



【あらすじ】

米花町古本市で顔馴染みの玉木古書店の店長である玉木裕次郎と出会ったコナンたち少年探偵団。
裕次郎は大量の古本を購入して運ぶのに苦労していたため、コナンたちは裕次郎の手伝いをすることになる。
店まで運んだコナンたちは裕次郎からお礼として古書店にある古本を一つ貰えることになったが、息子である一朗が帰って来て裕次郎と口論になってしまう。
一朗が本棚を蹴飛ばした拍子に老朽化した本棚が崩れ壊れてしまい、本を貰えるという約束も有耶無耶になり、その日は帰ることになった。


翌日、古書店が定休日の日に光彦が古書店の隣の公園に本物のSLが飾られている事をみんなに話した。
さらに、そのSLは時間になると車輪が動くため、みんなで記念撮影するために時間まで公園内で遊ぶことになる。
途中、仕事が夕方のシフトで散歩しながら暇つぶしをしていた一朗も加わり、SLと記念撮影をする一行。


だか、記念撮影後に古書店に寄ると、古書店内の本棚が全部倒れており、中には裕次郎が本棚の下敷きになって倒れているところを発見する。
幸い、裕次郎は軽い脳震盪で済んだため命に別状はなかったが、古書店の老朽化も激しく再開することも難しかったため、裕次郎は少し悔しそうにしながらも古書店を畳むことを決意する。
裕次郎を元気づけるために光彦が撮った写真を裕次郎に見せる中、コナンは写真からあることに気づき――。



【事件関係者】

  • 玉木裕次郎(たまき ゆうじろう)

CV:牛山茂
玉木古書店の店長。65歳。
コナンたちとも顔馴染みであり心優しい初老の男性。
古書との出会いは一期一会であり、いつかこの本を求めている人に渡ると考えている。
だが、古本市などで古書を大量に購入するため、古書店は古本で埋め尽くされており、経営状況もよくない。
そのため、息子の一朗から店を畳むように言われているが、はっきり答えを出せないでいる。


事故当日、出張で買取に出かけていたが、途中で財布を忘れてしまい店に戻った時に事故に巻き込まれ本棚の下敷きになってしまう。
軽い脳震盪で大した怪我を負わなかったが、今回の事故で踏ん切りがつき店を畳む決意をしている。
また、灰原の見立てで店を再開するとしても老朽化が激しく、基礎からリフォームするのにも数百万円掛かるという言葉を、灰原の言葉に驚きながらも素直に受け止めていた。
残った本は全て競りに出そうとしており、店を畳む決意はしても内心では少し悔しそうにしていた。
ちなみに彼を担当する牛山氏は、過去に2回ほど今回のように鉄道にまつわるエピソードに出演している。


  • 玉木一朗(たまき いちろう)

CV:志村貴博
裕次郎の息子。35歳。
カフェでバイトをしておりコナンたちとも顔馴染み。
経営が悪い中、本を大量に購入する裕次郎が悩みの種になっており、裕次郎に厳しい言葉を浴びせている。
だが、誰よりも裕次郎を心配しており、古書店は老いた体では厳しく、ボロボロの古書店で裕次郎を一人で働かせる事を心配している。そのため、自分の言葉で裕次郎が落ち込む顔を見た時に顔を曇らせる場面もあった。
将来、恋人の美知子とカフェを開こうと考えており、カフェで働いてるのも資金作りと修行のためだと話している。


事故当時、仕事が夕方のシフトのため散歩しながら時間を潰していたが、コナンたちがSLの前で記念撮影をしていたため一緒に写真に写る事になる。
事故に裕次郎が巻き込まれた時に心配そうにしているが、「どうして、こんなことに…」と呟いている。
なお、公園に来た時に肩に葉っぱが付いているようだが…


  • 吉川美知子(よしかわ みちこ)

CV:宮川美保
一朗の彼女。27歳。
コナン達が一朗が働いている喫茶店に来た時に知り合う。
一朗と付き合って5年目であり、一朗の優しく父親思いであることが好きだと話している。
元太に一朗が裕次郎と口論になってそうは見えなかったと話しているが、一朗は父親の前では不器用だからだと話している。


【レギュラー陣】

ご存知主人公。
今回の事故は、偶然ではなく故意に起こされた事だと気づき、光彦が撮った写真からトリックに気付いている。
裕次郎から古本を一冊貰えることになったときは遠慮しようとしたが、裕次郎の厚意から一冊貰う事になる。
探している最中にシャーロック・ホームズの初版本を見つけるが、値段から流石に諦めている。


ご存知哀ちゃん。
今回は、みんなと一歩離れた接し方をしており、公園でサッカーしている時も一人読書をしながら機関車が動く時間を気にしていた。
裕次郎や一朗に厳しい言葉を浴びせる一方で、裕次郎から一冊貰えると言われた時はしっかりと一冊選んでいる。
選んだ本のタイトルは『SCIENCE』。


ご存知純粋小学生。
手伝いの最中に荷物を持とうとしてふらついてしまうが、コナンに助けられて顔を赤らめている。
選んだ本のタイトルは『恋占い』。


ご存知少年探偵団団長
力仕事を頑張っていたが、裕次郎と一朗が口論している中で本を一冊貰える事を一朗に教えてしまう。
選んだ本のタイトルは『おいしい鰻料理』。


ご存知天才小学生。
玉木古書店の隣の公園にSLがある事を知り目を輝かせている。
SLが動く時にカメラで記念撮影をしていたが、その写真をきっかけにコナンはトリックに気づいている。
選んだ本のタイトルは『宇宙のはじめ』。



【用語】

  • 玉木古書店

玉木裕次郎が経営している古書店。
大量の古本が並んでいるが、本が売れず店も老朽化が進んでいる。
店の隣の公園には本物のSLが飾られており、11時と15時の2回に汽笛と車輪が動くようになっている。


  • 事故現場

前日に一朗が本棚を蹴り飛ばした拍子に本棚が一つ壊れて崩れてしまいブロックで補強されていた。
だが、その本棚から倒れ、全部の本棚が将棋倒しの様に倒れてしまい、本棚の間にいた裕次郎が怪我をしてしまう。
倒れた時間は本棚に掛かっていた時計が3時に壊れており、コナン達も事前に中の様子を確認していたため、ちょうど記念撮影していた時間に倒れたと推測している。
また、本棚が倒れた時にSLの蒸気音でかき消されていたため、コナン達も気づかなかった。
なお、倒れた全ての本棚の上には一本の線で引かれた跡が残っている。


  • 1/2の頂点

ミステリー作家失踪事件』に登場した推理小説。
倒れた本棚の側で、他の本と一緒に落ちていた。



【以下、さらなるネタバレに注意】


















本当に馬鹿なことをしてしまった…!


玉木一朗
今回の事故を起こした犯人。
事故が起こった時間にコナン達と一緒にいたが、トリックを使ってアリバイを作って本棚を倒していた。


トリックは透明な糸でSLの車輪と本棚に結びつけて、時間になるとSLの車輪が回り始め糸を巻き取るというもの。
SLの力で糸は巻き取られ、自分が公園にいても自動的に本棚が倒れると言う仕組みであり、ある程度糸が巻き取られると糸が千切れ、糸が回収されるようになっていた。
本棚の上に残っていた一本の線で引かれた跡も糸を巻き取られた時にできたものだった。
一朗の肩に付いていた葉っぱも、糸を通すために茂みに入ったからである。


コナンがこのトリックを気づくきっかけになったのは光彦が撮った集合写真。
事故が起こった時間の集合写真は連写モードで撮影されていたが、写真に写っていた蝶が妙な動きをしていた。
蝶は空中で何故か羽ばたいておらず、写真を進めると突然跳ね上げられていたのである。
これは、蝶がトリックで使用していた糸の上に止まっていたからであり、突然跳ね上げられたのも糸が千切れた衝撃で跳ね上げられたからだった。
また、コナンが今回の事故を作為的に起こしたと気付いたのは、最初に倒れた壊れた本棚には本が入っていないため一番軽く、倒れたとしても本が入った隣の本棚を倒すだけの重さがなかったからである。


仕事が終わった一朗が、トリックで使用した糸をSLから回収していた時に、待ち伏せしていたコナン達に見つかってしまう。
そして、コナンに上記の推理を話しされた上で、決定的証拠である糸*1を持っていたことを指摘され、犯行を認めている。


今回の事故を起こしたのは、裕次郎にこれ以上無茶して欲しくなかったから。
一朗は裕次郎の体には古書店の仕事が厳しいと考えており、今後の事を考えて仕事をやめるように説得をしていた。
だが、裕次郎ははっきりしない回答ばかりで自分の話を聞いてくれず、店が無くなれば諦めるのではないかと思い今回の事故を計画してしまったのである。
予定では、裕次郎が外出しているタイミングで老朽化した本棚だけを壊そうとしていたが、たまたま裕次郎が財布を忘れて戻って来てしまい、運悪く裕次郎が事故に巻き込まれてしまったのである。
事故を起こした理由をコナン達に涙ながらで話し、その後、一朗は警察に自首をした。



【その後】

事故から三ヶ月後、玉木古書店がなくなり、玉木古書店があった場所にはBOOK cafeがオープンしていた。
事故後、自首した一朗は一度警察に拘留されたが、一朗の思いを知った裕次郎は被害届を出さず、一朗は不起訴処分となった。
そして、裕次郎と一朗と美知子の3人で話し合った結果、玉木古書店をリニューアルして、一朗の念願だったカフェをオープンした。
本も少し残っており、一朗と美知子と裕次郎の3人で店を切り盛りしていたのである。


そして、裕次郎は三ヶ月前に渡しそびれた手伝ったお礼の本をコナン達に渡した。
その中には、なんとコナンが諦めていたシャーロック・ホームズの初版本が含まれていたのである。
大喜びをするコナンだったが、コナンの喜び方から羨ましく思った元太と光彦に本を奪われそうになり、必死に本を死守するコナンであった。



【余談】

本作の続編として、『汽笛の聞こえる古書店2』と『汽笛の聞こえる古書店3』が放送されており、本作を含めてコナン達と今回登場した裕次郎達3人はどの作品にも登場している。


2019年8月17日に放送された『汽笛の聞こえる古書店2』では、被害者だった裕次郎が一転して殺人事件の容疑者にされる事となり、このエピソードには今回のメンバーに加えて阿笠博士も登場しており、目暮十三・高木渉・千葉和伸の警視庁組も登場した。
その2年後の2021年10月16日にはさらなる続編として放送された『汽笛の聞こえる古書店3』では、冒頭で『名探偵ミツヒコ』というパロディがあった他、エピローグでは美知子が作家デビューし、『恋に恋したい』という小説を自費出版している事も明かされている。
また、美知子の肩書が恋人から婚約者になっている。


なお、本作の脚本は能塚氏と飯岡氏の共同作だったが、2以降の脚本は能塚氏が単独で担当している。



加筆・修正はSLの写真を撮ってからお願いします。


  • ページ作成乙。ホームズの初版本を貰ったコナン、運がいいな。 -- 名無しさん (2019-04-22 07:13:43)
  • 最低でも数百万は得してるからな 親父に買ってもらうという手もあった気もするが -- 名無しさん (2019-04-22 09:06:01)
  • 初版本ぐらいあの家にあると思うんだがな -- 名無しさん (2019-04-22 09:30:36)
  • ↑2親にそんなレベルの高いおねだりするコナン嫌だろw -- 名無しさん (2019-04-22 23:07:37)
  • コナンのホームズの本を元太、光彦が奪ったとしても、最後までちゃんと読めるか心配… -- 名無しさん (2019-04-23 09:19:29)
  • ↑2 ホームズの初版本なら優作も欲しがりそうな気がするけどね 利害の一致ってやつ? -- 名無しさん (2019-04-23 09:32:35)
  • 珍しくすがすがしい話だったような・・・。 -- 名無しさん (2019-04-23 10:03:40)
  • 続編決定 -- 名無しさん (2019-08-10 19:30:16)
  • 2の項目もお願いします -- 名無しさん (2019-08-17 21:59:15)
  • あったのか、続編 -- 名無しさん (2020-05-25 15:59:44)
  • 速報 来月第3弾放送 -- 名無しさん (2021-09-26 16:12:12)
  • この話も2年に1度のシリーズ化で死ぬほど美味いラーメンを超える第3シリーズか -- 名無しさん (2021-10-23 18:04:49)
  • 原作に逆輸入あるかな?是非してほしいけど -- 名無しさん (2023-05-04 11:31:24)

#comment

*1 糸には傷や焦げた跡があり、本棚に付いた跡と一致するため

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