登録日:2018/12/06 (木曜日) 10:27:00
更新日:2024/03/28 Thu 12:34:47NEW!
所要時間:約 10 分で読めます
▽タグ一覧
ボードゲーム パンデミック レガシーシステム ポストアポカリプス 協力型ゲーム マット・リーコック ロブ・ダヴィオー パンデミック:レガシー
71年前、世界は滅亡した。
我々は失敗しつつあるのだ。
何が待ち受けているのか、我々には分からない。
概要
『パンデミック:レガシー シーズン2』は2017年に発売された協力型ゲーム。日本語訳はホビージャパンから発売されている。「黒箱」「黄箱」と呼ばれる二種類のデザインのパッケージがあるが、内容物は同じ。ちなみにシーズン1と合わせて4つ揃えると、時計の図柄がでてくる。
デザイナーはマット・リーコックとロブ・ダヴィオー。
「レガシー型」のブームを巻き起こした「パンデミック:レガシー シーズン1」の続編が満を持しての登場である。
なお、続編と書いたが別にシーズン1をやっていなくても楽しめる。*1
どんなゲームか
レガシー型、あるいはレガシーシステムの概要はパンデミック:レガシー シーズン1を見ていただくとして、以下はシーズン2の要素に絞って話を進める。
冒頭にあるように、71年前に疫病が蔓延し、人類は敗北。文明が衰退した世界が舞台となる。
それでも生き残った人間は海上に「ヘイブン」と呼ばれる拠点を築き、まだ陸上に残っている人たちにはそこから様々な物資を供給しながら破滅の時を引き延ばしてきた。
だが、ヘイブンから離れた都市とは連絡がつかなくなってきている。そう、「我々は失敗しつつある」のだ。
プレイヤーたちはヘイブンの精鋭グループとして、この状況に抗っていくことになる。都合12~24回のプレイを通じ、この滅びゆく世界を救う手立てを探していくのだ。
1~7の数字もしくはsmallなどで指定してください。
ここから先は「パンデミック:レガシー シーズン2」に関する、プロローグまでで分かる範囲でのネタバレが含まれている。
ネタバレに同意した上で、レガシーカードをめくって裏面を読み上げること。
レガシーカードをめくる
出発点は「パンデミック」そのものであったシーズン1と違い、シーズン2は根本的にルールに手が入れられている。(とは言え根っこはもちろん「パンデミック」そのままなのだが)
そのため、今回は通常のレガシーシステムに則ったゲームを始める前の練習として、「プロローグ」が用意されている。これは今回のシーズン2のルールで遊ぶゲームだが、レガシーシステムの肝である恒久的変化は一切起こらないようになっている。まずはこれでゲームシステムに慣れて、その上で世界を救う旅にでるとしよう。
コンポーネント
- ゲームボード
パッと見て、描写されている範囲が随分狭いことに気づく。大西洋と大西洋沿岸部しか描かれていないのだ。
これは冒頭にあるように、既に大西洋上にあるヘイヴンから遠く離れた所と連絡がつかないため。描かれている範囲はゲーム開始時点でプレイヤーが「分かっている」範囲である。
また、いくつかの都市には「偵察」にかかわるメッセージが記載されている。
- 補給品コマ(36個)
- 疫病コマ(8個)
- 感染率マーカー
- 疫病マーカー
- 供給施設コマ(9個)
もうここからして「いつもの」とは言えなくなっている。
具体的にどういうものかは後程。
- 感染カード(27枚)
- プレイヤーカード(53枚)
- 都市カード(36枚)
- 補給品の生産カード(8枚)
- 要補給イベントカード(4枚)
- エピデミックカード(5枚)
ヘイヴンが3か所、都市が9か所しかゲーム開始時点のボード上には存在しない。
なので、感染カードには同じ都市が3枚ずつ、プレイヤーカードには同じ都市が4枚ずつ存在している。
要補給イベントカードは前作でいうところの要資金イベントカード、つまりは通常のパンデミックでいうところのスペシャルイベントカードである。
謎のカードも存在するがその意義はやはり後程。
- プレイヤーコマ(4個)
- アクションシート(2枚組4セット)
シーズン1と同じくプレイヤー分のポーンが用意され、手持ちのアクションシートの色でどのプレイヤーの駒かは判別するようになっている。
アクションシートは2枚ワンセットで、プレイヤーのとれる行動のサマリーが書かれているよくあるもの。
- キャラクターシート(10枚)
- ヘイヴンの労働者カード(4枚)
キャラクターシートはブランクのものが用意されている。TRPGとかのキャラクターシートと同質のものと思ってもらって間違いない。
初回ゲームの前にこのうちの5枚を使ってキャラクターを作成することになる。
ヘイヴンの労働者カードはシーズン1の民間人カードと同じく、ゲーム中にプレイヤーキャラが死亡し、補充要員もいない場合に代わりに使用する。
- マニュアル
前作同様歯抜けのマニュアル。どころか、「後々置き換わる」と予告されているルールすらあったりする。
- シールシート(2枚)
各種変化を記録するためのシール群。ある意味レガシーにとって重要なもの。
- レガシーデッキ
当然今回も登場のシナリオブック。今回は「STOP」のほかに「PAUSE」と裏に書かれたカードもあり、それぞれどのタイミングでめくるか異なることを明示している。
- 機密ファイル(6枚)
基本レガシーデッキの指示によって開けられる。
- シークレットボックス(8個)
ゲームボードをどけた下にある、①~⑧までの番号が振られた小箱。
これまたゲームの進行に応じて指示された時に開けることになる。
セットアップからゲーム開始まで
パンデミック:レガシーは12回から24回のプレイで完結する。
最初のプレイは「1月上旬」「補給レベル:4」で始めることになる。
その回のゲームで勝利できた場合、次の月に移る。敗北した場合は下旬に移り、下旬の場合は勝敗に関わらず次の月に移ることになる。
まず、月ごとに指定された数の補給品コマ(プロローグだと36個)を取り、貯蔵庫に置く。
この時取らなかった分はリザーブに置いておき、基本的にゲーム中は使わない。
その後、レガシーデッキの指示に従ってカードをひき、そこに書かれた指示に従う。
また、既に出ている/新たに出ていた目的カードをボードに並べる。
ちなみにプロローグの段階ではプロローグ専用の目的として「供給施設を3つ建設する」となっている。
次に、貯蔵庫にある補給品コマを各グリッド(都市とヘイヴンを合わせた用語)に好きなように割り振る。
そして、よくシャッフルした感染カードの山から9枚をひいて、出たカードごとにその都市から補給品コマを1個取り除き、貯蔵庫に置く。
(パンデミック本家と違い、全部について1個ずつである)
この時補給品コマが取り除けなければ、代わりにその都市に疫病コマを1個置く。
都市カードと補給品の生産カードを全て合わせ、補給レベルと等しい枚数の任意の要補給イベントカードと一緒にシャッフルし、プレイヤーごとに決められた初期枚数を配る。そして、キャラクターを選び、キャラクターの出身地のヘイヴンに自分のポーンを置く。
残ったプレイヤーカードを5つの山に分け、各山にエピデミックカードを1枚混ぜてシャッフルし、積み重ねてプレイヤーカードの山札とする。
ランダムにスタートプレイヤーを決めたら、ゲーム開始である。
プレイヤーの手順
- 暴露の確認
プレイヤーが手番を開始する時に同じグリッドに疫病コマがある場合、キャラクターシートの「暴露」欄を数字が小さい方から1つ削る(スクラッチになっている)。
何もでなければいいのだが、傷跡マークが出れば一つ傷跡(ペナルティ能力)を得なければならない。また、死亡マークが出た場合はそこでそのキャラは死亡することになる。まだ未使用のキャラがいればそのキャラでプレイを続行できるが、もうキャラがいない場合は「ヘイヴンの労働者」としてプレイを続けることになる。(なお、プロローグでは「暴露の確認」は行わない。)
- アクションの実行
4アクションを実行できることはパンデミックの伝統。ただし、アクション内容が大分違う。
- 自動車または船舶による移動
従来通り。線でつないだマスを1つ移動できる。
- 長距離航海による移動
自分がいる港と目的地の港同士が青線のみでつながっている場合、目的地の港の都市カードを捨て札にすることで1アクションで移動できる。要するに直行便の制約版。
- チャーター便による移動
自分がいる港の都市カードを捨て札にすることで、青線のみでつながっている港へ1アクションで移動できる。本家のチャーター便の制約版。
- 知識の共有
プレイヤー同士が同じ都市にいる場合、その都市のカードを受け渡しできる。
今回は同じ都市の都市カードが複数あるため、手番を複数回使って連続で受け渡しすることも可能。
- 供給施設の建設
都市でその都市と同じ色の都市カードを5枚捨て札にすることによって供給施設を建設できる。先述の通りプロローグではこの供給施設を3つ建てることが目標。
- 偵察
マップ上に示された数と種類の都市カードを、特定の都市で捨て札にすることによりそこで「偵察」ができる。ただしプロローグ段階では不可能。
- 補給品の作成
ヘイヴン、もしくは供給施設のある都市で実行可能。
貯蔵庫から補給品コマを1つ取り、自分のキャラクターシートの上に置く。
- 補給品の生産
アクションカードには書かれていない(カードを使用するアクションであるため)が、ヘイヴン、もしくは供給施設のある都市で実行可能。
手札の「補給品の生産」カードを捨てることで、貯蔵庫から補給品コマをその都市/ヘイヴンに、その都市/ヘイヴンの人口の個数になるまで置く。
また、自分がいる都市だけでなくすべてのヘイヴン/供給施設のある都市で生産することも可能。ただしその場合、カードの下にあるチェックボックスにチェックを入れ、全てのチェックボックスが埋まった場合そのカードは捨てるのではなく廃棄する。(二度とゲームで使えない)
なお、全体での生産はプロローグでは使用できない。
- 補給品の配送
自分のキャラクターシートの上にある補給品コマを自分がいる都市に好きなだけ置く。
以上の8つのアクションに加え、2つのフリーアクションが存在する。
フリーアクションは自分のアクションの実行フェイズ中ならいつでも(つまり通常の4アクションを終えた後でも)可能。
- 補給品の獲得
自分がいる都市から補給品コマを好きなだけ取り、自分のキャラクターシートの上に置く。
「補給品の生産」をする前にそこにある補給品コマをこれで全て回収するのはたしなみ。
- 補給品の受け渡し
同じポイントに他のプレイヤーがいる場合、好きなように補給品コマを受け渡しできる。
- プレイヤーカードの獲得
4回のアクションを行い、フリーアクションもそれ以上行わないとなったらプレイヤーカードの山札から2枚ひく。この時手札の上限枚数(通常は7枚)を越えていれば、超えた分を即座に捨てる。
また、エピデミックカードが出た場合その解決を行う。
- エピデミックカードの解決
1:感染マーカーを1つ右に動かす(右端まで行っていれば何もしない)
2:感染カードの山札の底から1枚引き、その都市の補給品を全て貯蔵庫に戻す。(この時、補給品が0であれば何も起こらない)
3:今めくったカードも含めた捨て札となっている感染カードをシャッフルし、感染カードの山札の上に置く。
底から引いた時の処理が違うぐらいで、基本的には本家のエピデミックと同じ。
- 感染の処理
1:感染マーカーがある欄の数値分の枚数、感染カードの山札の上からめくる。
2:その都市から補給品を1つ取り除き、貯蔵庫に戻す。補給品がない場合、代わりに疫病コマを1つ置き、疫病マーカーを1つ進める。
3:2の手順で疫病コマを置こうとするときに既に疫病コマが3個ある場合、「アウトブレイク」が発生する。アウトブレイクが発生した都市と隣接する全ての都市について2の手順を行う。
- 勝利条件/敗北条件
勝利条件は月ごとに違うが、決められた数の「目的」を達成すれば勝利となる。プロローグでは供給施設を3つ建設すること。
敗北条件は以下の通り
1:プレイヤーカードをひけない(きっちり0になる場合は1ターン続行が可能)
2:疫病コマが8回置かれる(疫病マーカーが8の欄まで進む)
敗北条件はシンプルになっているのだが、本家と違い治療薬を開発して疫病の蔓延を止めることができないため、決して楽ではない。
ゲーム終了後の処理
- ゲームに勝利した場合
次回のプレイは次の月の上旬になる。
補給レベルを2下げる。
- ゲームに敗北した場合
上旬であれば、次回のプレイは今の月の下旬になる。下旬であれば、次の月の上旬になる。
補給レベルを2上げる。
- アップグレードの獲得
ゲームの勝敗に関わらず、グリッドに接続されている都市の数に応じた補給ポイント(勝利すればさらに+1)を受け取り、それでアップグレードを買うことができる。(プロローグ時は不可能)
- キャラクターのアップグレード:その回に参加していたキャラクターに、アップグレードを1つつける。上書きしても構わない。
- 都市カードのアップグレード:都市カードにシールを貼り、その都市カードに特殊な能力を追加する。
- 感染カードのアップグレード:感染カードにシールを貼り、その感染カードに特殊な能力を追加する。
- 人口の増加・都市の再建:都市やヘイヴンの人口を増やす。最大で8まで。人口が0になった都市の人口を1にするのには余計に補給ポイントがかかる。
別に敗北したってアップグレードは貰えることに注意。
これによって味方を強化していき、より困難な状況に対処していくことになる。
1~7の数字もしくはsmallなどで指定してください。
ここから先は自分で「パンデミック:レガシー」をプレイして確かめること。
追記、修正は崩壊した世界を救ってからお願いします。
[#include(name=テンプレ2)]
この項目が面白かったなら……\ポチッと/
#vote3(time=600)
[#include(name=テンプレ3)]
コメント欄
#comment
コメント
最新を表示する
NG表示方式
NGID一覧