オスカー(FF:U)

ページ名:オスカー_FF_U_

登録日:2018/07/24(火) 02:23:30
更新日:2024/03/21 Thu 11:33:09NEW!
所要時間:約 12 分で読めます



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ファイナルファンタジー ff:u ff 石井康嗣 仮面 正体不明 慇懃無礼 四凱将 オスカー カオス 混沌



「伯爵様がご満腹なれば異界は安泰。‘混沌’もさぞかしお喜びでございましょう」



TVアニメ『FF:U ~ファイナルファンタジー:アンリミテッド~』の登場人物。
異界の支配者・タイラント伯爵のしもべ?である。


CV:石井康嗣




◆:概要


タイラント伯爵の側近で、執事か召使のように甲斐甲斐しく世話をしているガウディウム四凱将の一人。


黒地に黄色、赤、緑でラインや模様が描かれた全身ローブを纏っており、一見道化師のようにも見えるが、目と口に横長の穴が空いただけのシンプルな仮面を着けているため不気味な印象を与える。
やたら身体をくねらせながら喋るのも特徴。
笑い方は「ホーホッホッホッ!」「ンフフフフフフ」。



基本的にガウディウムの中に居り、伯爵の食事の給仕を務めたり、“混沌”の様子を観察・報告したりしている。
配下の人形生命体・クルクスの生みの親でもあり、彼女を使役して黒き風や双子たちを追跡させては、情報を他の四凱将に提供するバックアップ役も担っている。



時折目元のアップが映し出されるが、仮面の奥に覗く目は非常に不気味。
実は第1話冒頭の砲撃獣と一刀獣による外界での対峙シーンの後、オスカーの眼球のアップが映しだされている他、
その第1話の終盤でも『風』の戦いを眺めている姿がある。


すなわち、砲撃獣と融合した「先代の“混沌”」を除けば、本作で一番初めに登場した敵キャラと言える。



◆:性格


ひとことで言うと謎の存在。


伯爵は勿論、他の四凱将や白い雲に対しても非常にへりくだった態度を取り、常に「様付け」かつ敬語で会話する。
アイに「むぅぅ…くぉらー降りて来いこの逆さまヤロー!」と罵られた際には「なんという言葉遣い! 嘆かわしいですねぇ~」と苦言を呈しているが、一方で『雲』の行方を問い質す『風』に対して
「キミ、魔剣士殿のこと好きですねぇ~」「魔剣士殿はキミのことなど歯牙にもかけておりませんぞ?」等、明らかに煽るような発言をしており、物腰丁寧というよりは慇懃無礼な印象が強い。



第11話「シエル」と第12話「フングス」の合間に起きた出来事を描く小説『双の絆』では、より悪意を滲ませた描写が多い。
必死に双子を助けようとするリサの心を砕くような発言や、『雲』の独断を監視しながら
「お前は踊っていればいいのだ。伯爵の手の上で。混沌を成長させる駒として――」とモノローグで呟く等、本編以上に底知れない邪悪さを匂わせていた。



伯爵とは非常に近しい立場にありながら、召使いじみた業務に身をやつしているためか、プライドの高いフングスピストから警戒されている様子はあまりない。
ヘルバには特別に技術提供を行う等、割と良好な関係のようだが、この二人が踏み込んだ会話をする場面が本編ではほぼないため実態は不明。


癇癪を起して無茶を言う伯爵を諫めようとするシーンもあるが、大体スプーンを顔面に投げつけられる。
スプーンが仮面に弾かれる音がシュール。



謀略に長けており、最初期から双子の持つ特異性を認知した上で、彼らを追い詰め“混沌”を成長させるための非常に長期にわたる誘導と監視を行ってきた。
『風』や『雲』が「アンリミテッド」と呼ばれる存在であることも知っていた様子。


また、普段は甲高い声や滑稽じみた笑い声を発しているが、クルクスが命令に沿わない行動を取ろうとした際にはかなりドスの利いた声音で呼びかける場面も。



以上のことを統括すると、謎の存在である。



◆:戦闘力


ヘルバ以上に戦闘シーンが少なく、まともに『風』と対決したのは第9話ぐらいである。
この時は気配を遮断したまま工場の天井に潜んでおり、『風』がショットガンを撃つまでは誰もオスカーの潜伏に気付いていなかった。
また、ショットガンの直撃を胴体部に浴びながらも、貫通することなく弾が落下しており、見た目に反して防御力も高い。


詳細な描写はないがオメガクリスタルを回収したと思しき場面もあるので、ある程度はオスカー本人も戦闘力があるのではないかと推察される。*1


基本的には傀儡系のモンスターを使役する。



戦闘員というよりは技術者としての側面が強い。
シドが開発した異界時計イザベル(地下鉄の発車時刻を知らせる機構を持つ)をさらに魔改造し、双子の動向を追跡・誘導するための罠としてチョビに装着させていた。


自動お探し装置ウォルナットを作成し、ヘルバにオメガ探索のための手段として与えたこともある。
微塵も役に立たなかったが。



オスカーの恐るべきは前述の通り長期スパンで練られた謀略にある。
彼の策謀はピストのように直接戦闘でアドバンテージを得るためのものではなく、“混沌”の成長と外界侵略という大局的な視点に立ったものであり、そのために極上の素材であるアイとユウを第1話から掌の上で転がしていた。


『雲』と戦わせる目的でその実兄である魔道士・赤い霧を蘇生させたり、小説版において双子を両親との幸せな幻想で追い詰めつつそれを救おうとするリサを絶望寸前まで追い詰める等、最も“混沌”を効率よく成長させる手段を熟知していると言える。



最終話にて砲撃獣と一刀獣の対決の余波に巻き込まれ、仮面の1/4を失いながら“混沌”の渦へと落下。
多くの謎を残したまま退場となった――




――が。



◆外界の章における活躍


本編終了後の物語を部分的に描いた「外界の章」にて、ヘルバ共々生存が確認された。
本編最終話で割れた仮面はそのままで、浅黒く生気に欠けた地肌と不気味な眼が剥き出しになっている。


異界アイドル女王として復活したヘルバに付き従い、彼女の登場に合わせてピンスポを当てたり、ガウディウム庭園の花に水をやったり、薔薇風呂の傍に控えたりと、相変わらず執事なんだか召使いなんだかよくわからない仕事をこなしていた。



一方で消息不明の『雲』を捜索するために、新たなる傀儡・クルクス2号を生み出して調査にあたらせており、以前同様情報集も怠らない。


リサが恋人・ドルクの真相を知って怒りに呑まれ、氣現獣が暴走した際にはいち早く撤退をヘルバに進言し、氣現獣の暴走すらも自陣の利となるよう誘導する等、悪意と実益を兼ねた持前の智謀も健在。



◆:配下のモンスター等


  • クルクス(CV:井上喜久子)

第2話でオスカーの身体から生み出された人形。創られた直後はマリオネットのような形状だったが、生命を吹き込まれると白い肌に紫色の髪、半透明の翼を生やした妖精のような姿へと変わった。
会話能力はなく、「くっくるゆー」としか喋れない。


戦闘力は持っていないようで、基本的には追跡や調査が主な任務となる。
オスカーを始めとする四凱将の命令に服従する感情の無い人形と思われていたが、第20話で爆風に巻き込まれ墜落しそうなところを『雲』に救われてからは、彼のことを気にするようなそぶりを見せることも。
おのれイケメンめ。


最終話では一度はオスカーの命令で“ソイル”と“ミスト”瓶を廃棄するも、ひとつだけ残しておいた空瓶を瀕死の『雲』に届け、逆転の一手に繋げるという大役を果たした。


外界の章でも生き延びており、再会した『雲』にクリアのオメガクリスタルを渡しつつ、以降も彼に付き従うようになる。
やはりイケメン大勝利か……
クルクス2号との戦いで負傷した後、魔道の崩玉と一体化して十字剣クルスソードへと変身できるようになり、それに伴い『雲』が“ミスト”の力を再び使えるようになる。


つぶらな瞳と愛らしい仕草に、蠱惑的な女性キャラを演じることが多い井上氏にしては珍しく「無機質っぽくてかぼそい演技」が合わさった結果、コアな人気を集めた。



  • キュブアシュラ

第9話で不毛さんによって組み立てられた大型ロボット。
金色のボディで内部は歯車動力、六本の腕にはハンマーやドリルといった武器が装着されており、足裏にはキャタピラがあるため移動性能も高い。
おまけにミサイルを複数同時発射できる、耐久面も冷気熱気雷撃衝撃とあらゆる攻撃に耐性がある等、ロマンの塊のようなロボットである。
……が、顔がオスカーの仮面と同じデザインなため、激しく攻め立てながらもあの顔が映ると妙に笑える。


召喚獣オーディンと一騎打ちの末、グングニルに身体を貫かれて爆散したものの、直後に小型化して復活。
しかし間髪入れずチョビのチョコボキックをもろに喰らい、今度こそ機能停止した。



  • ウォルナット

ヘルバに与えた自動お探し装置。サギちゃんの居た屋敷そのものがウォルナットであり、ヘルバがくつろいでいた中心部の部屋には排出扉が複数機設置され、そこから様々なものを出現させていた。
本来の用途はオメガクリスタル探索なのだが、ヘルバ曰く「変なものばっか見つけてくる」とのこと。


最終的には、『風』を見つけてきてしまい、召喚獣アトモスによって屋敷ごと吸い込まれた。



  • 魔道士 赤い霧(CV:田中秀幸)

魔剣士『雲』の実兄で、『風』の故郷ウインダリアと『雲』の故郷ミステリアの戦争で落命した戦士。
『雲』同様、線の細い美丈夫だが、赤を基調としたコスチュームを纏い、魔剣の宝玉から抽出した魔力で攻撃魔法を使用する。


魔剣とマントを媒介に、オスカーの生み出した人形へ魂を吹き込まれて蘇った一種の傀儡。
弟に対する激しい妄念を利用され、生前成し得なかった「自身の技量が弟よりも優れていることの証明」を果たすべく、『雲』と激戦を繰り広げた。


コモディーンの攻撃はおろか『風』の召喚獣シヴァすらも魔剣の一撃で葬り、『雲』に対しても優勢を見せたが、シヴァ撃破の際のダメージが思いの外深刻だったため剣戟の最中に魔剣が折れてしまう。
最期まで闘志を捨てずに『雲』と対峙し、遂にその刃を受けて息絶えるも、その死に顔は安らかであった。
対照的に、普段一切の感情を見せない『雲』が、この時ばかりは涙を流しながら兄の尊厳を踏みにじった“混沌”への怒りを露わにしていた。


「外界の章」では彼の墓標から溢れた魔道の力がクルクスを助け、最終的に弟の力になる。



  • クルクス2号

「外界の章」にて新たにオスカーが創り出した傀儡。
造形に関する描写はあまりないが、クルクスとは違い両腕のプロペラを使って飛行するようだ。
武装も施されており、ある程度戦闘も可能。
やはり会話能力に乏しく、「クックルデュー」としか発言できない。


ガウディウムを発見したクルクスを撃滅せんと現れ、武器を持たない彼女を一方的に追い詰めるが、『霧』の墓から噴出した魔道力がクルクスに宿り、返り討ちとなった。



  • 雪の女王

小説『双の絆』にて登場したモンスター。
氷のゾーンに君臨し、双子を氷漬けにした上で家族団欒の温かい夢に閉じ込めてしまう。
夢に囚われた者は徐々に生きる気力を失い、夢の中に閉じこもり、最終的に“混沌”の餌になる。
能力自体は第22話で海パズルに登場したヤルキエルに似ているが、あちらが実際にあった懐かしい思い出を利用するのに対して、こちらは記憶の基づきつつも理想的な脚色を加えて対象を取り込むためより悪質。


リサとチョビの活躍と双子の諦めない想いで夢から脱出され、最期は『風』の召喚獣カーバンクルによって撃破された。



◆:正体について


意味深なカットや伯爵とのやりとり、“混沌”に精通しているようなそぶりから、早い段階で「こいつが黒幕なんじゃないか?」と視聴者の間で噂されていた。


名前が「オスカー」、すなわち「カオス」のアナグラムであることもムック本で指摘されている。
小説版ではさらの踏み込んだ記述が成されており、リサに伯爵の手下と呼ばれた際には「……手下、ね……」と呟いた他、
地の文にてはっきりと「オスカー。……混沌カオス。その真実を知る者は、ガウディウムにも、一握りしかいない――。」と記述されている。



これらのことから、オスカー自身もまた伯爵同様、混沌の化身であるという説が濃厚である。


しかしながら、明確な答えは提示されないまま本編も外部展開も終了してしまったため、真相は闇の中である。
今となっては絶望的だが、今後どこかで本作が再び日の目を見る機会があることを期待したい。




愚かな魔剣士よ。


お前の中に、全ての記憶があるかぎり、心は死なない。殺せない。


お前がどれほどそうしようとも、この混沌はそれを見抜く。


お前の心が動くたびに、憎悪の炎がちろりと揺れる、そのたびに。




仮面の下で、この混沌はそれを感じるのだから……。





◆:その他


◇本作で怪演というと真っ先にピストが話題に挙がるが、オスカー役の石井康嗣氏もかなりの怪演である。
 道化じみた普段の演技と時折発するドスの利いた演技のギャップは圧巻で、オスカーという捉えどころのないキャラクターの不気味さを見事に表している。


◇海パズル起動後は“混沌”が満たされていったためか妙にテンションの高い場面が多く、テンションに比例して身体をくねらせる動作も激しさを増す。


◇ちょうど同時期にあの千と千尋の神隠しが公開されたこともあって、オスカーを見るとカオナシを連想する人も多いとか。





申し訳ございません、少々項目に追記を……はい、また一段と修正されて、とても元気にございます


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  • 外界編だとずっと半分中身が見えてて怖い -- 名無しさん (2018-07-24 02:46:25)
  • 見た目はカオナシ、中身はまるっきり違うのが面白い。あっちはピュアだったけどこっちは混沌 -- 名無しさん (2018-07-24 14:39:05)
  • おそらくタイラント伯爵が混沌に選ばれ一体となった知性とすると、こっちは混沌自身が雑務をこなすために生み出した端末みたいなイメージ。ただ謎っていうのが一種のアイデンティティなので謎のままで終わってよかった感も -- 名無しさん (2018-07-24 16:18:53)

#comment

*1 第12話でヘルバ、ピスト、『雲』がオメガクリスタルを持ち帰還するのに先んじて伯爵がクリスタルを手にしている様子が描かれており、順当に考えればこれはオスカーが回収したものと思われる。また、オメガはクリスタル形態でもヘルバ配下のモンスターが波動で消滅する程度には危険な存在。

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