登録日:2017/07/26 Wed 18:10:00
更新日:2024/02/08 Thu 13:45:27NEW!
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イナズマンとは新人類と戦う自由の戦士である!
イナズマンとは石ノ森章太郎原作の特撮番組および同タイトルに登場するヒーロー。
全25話。
●目次
概要
その当時のオカルトブームを受けて作成された作品であり、敵も味方もミュータントの超能力者、二段階変身するヒーローなど当時としてはかなり珍しい構想。
少年の味方の心優しい強いヒーローが敵の超能力者と戦う…といった番組だったが、11話あたりから次第に重苦しいハードな話が多くなっていく。
正義の集団である少年同盟はどんどん影が薄くなり、レギュラーキャラがほとんど出ない話も珍しくなくなっていく。
そういった傾向はむしろ主人公の孤独さを強調させ過酷な雰囲気を強調させていたといえるだろう。
ガンガン人が死に、ゲストキャラもボロボロにされることが多いモブ厳な作品でもある。
番組のオープニング主題歌の前には、その回に登場するゲスト怪人を紹介する映像が3秒ほど流れ「フォォォ~~~ゥ」と変な鳴き声がかかる*1特殊な演出がある。
因みにイナズマンになることは変身ではなく変転という。
斬新な要素をいくつも取り入れた作品だったが、視聴率的な苦戦とオイルショックのダブルパンチを受け方向転換せざるを得なくなる。
ここからの開き直りが続編の『イナズマンF』につながっていくのである。
あらすじ
東南大学の学生であった渡五郎は、怪物に襲われている少年少女を助けるも海に落とされてしまう。
助けられた五郎は少年たちが超能力を持つミュータントの集団『少年同盟』であり、
現人類を滅ぼそうとするミュータントたちの集団『新人類帝国』と戦っていることを知る。
少年同盟の創設者キャプテンサラーに超能力を覚醒させてもらった五郎は、
サナギマンからイナズマンになる超能力を取得し帝王バンバ率いる新人類帝国と戦うことを誓う。
だが彼は知らない…これはあまりに過酷な運命の始まりでしかなかったことを…
登場人物と組織
◇渡五郎(演:伴大介)
主人公。
少年同盟にミュータント能力を目覚めさせてもらい超能力者となりイナズマンに変転し新人類帝国と戦う。
序盤は少年同盟の見てて悲しくなるくらいかっこ悪い制服を着ていることが多かったが、11話から私服が多くなる。
変転前でも透視や超聴力などの超能力を使う。他の同盟員とは異なり制服の色が黒になっているなど少年同盟でもかなりの高位にいる様子。
約束は死にかけても守ろうとする漢。
11話以降は正義感や使命感を強くし、ストイックな一面が目立つようになる。一方では新人類でも信じてみるべきという心優しい面を見せる事も。
ゲストやモブがひどい目に合う作品だが彼もしばしば死にかけたり視力を失ったり強盗殺人犯扱いされたりと碌な目に合ってない。
一人称は俺だが変転後や他人の前では私も使う。
光明寺博士の作った人造人間や火忍や星博士とはたぶん別人。
剛力招来!
◇サナギマン
筋組織を思わせるちょっと…いや大分…ごめんなさい物凄く怖い見た目のヒーロー。イナズマンになる前の状態。
徒手格闘で戦い、敵の攻撃を受けてベルトのゲージにエネルギーを貯めこむ。
弱い弱いと酷評されることもあるが実際それほど弱くはなく、壁を突き破ったりドラム缶や岩を投げ飛ばしたりドアを破壊したり手錠を引きちぎったり、ファントム兵士程度なら圧倒できる強さ。全神経を集中する事で千里眼や念動力も使える。
それでもミュータンロボにはかなわないし、基本は繋ぎなのですぐにイナズマンになることが多いが。
火の中など温度が高いところではすぐに変転できる。
因みに中盤と終盤に変転の際のバンクが変わっている。
サナギマンは待つ。
イナズマンに成長する時が来るのを、ひたすら待ち続けるのだ!
超力招来!!
サナギマンが成長するとベルトのゲージが頂点に達し、
イナズマンになるのだ!
◇イナズマン
蝶を思わせる青いヒーロー。いかにも石ノ森デザインな顔をしている。「チェスト!」が掛け声。
敵の超能力を真っ向から破る必要があるため異様に多彩な能力を持ち
- 念力で相手がどこにいても殴れる、蹴れる。
- 倒れそうな家やビルを自力で起こす。
- 逆転チェストで敵の攻撃を跳ね返す。それどころか壊されたダムやビルの再生ができる
- 雷や竜巻をおこしたり、瞬時に周囲を真空にして気圧差で巨大な人工島を木端微塵にするなど天候を自在にあやつれる。
- ていうか、上記の島一個分ある要塞を吹っ飛ばす爆発のど真ん中にいて、そのまま上空数㎞から落下して全然平気。
- しかも同じ爆発→落下をモロに受けたヒャクメバンバラ相手に、普通に素手でダメージを与える格闘能力。
- 一度食らった毒への耐性。
- 絶対零度の吹雪をぶち破る。
- 敵どころか大型爆撃機ごと爆発させられる超力稲妻落とし。喰らった敵は一瞬でドロドロ。
- 毒ガスを亜空間に飛ばす。
- 光速のフラッシュやレーザーを発射された後に逆転チェストで撃ち返すありえない素早さ。
- マフラーから生コンを発射して相手を固める。
- 敵の作り出した固有結界や異次元空間から簡単に出入りする。
- 瞬間移動、テレパシー、幻影、透視能力など一般的な超能力もトップの強さ。
敵の弱点を見抜く聡明な着眼点も相まって、特撮界でもトップクラスの強さのヒーローとなっている。
苦戦するときは少ないが渡五郎の時から弱っていた場合は例外。
Aパートでの戦闘シーンでは初めからイナズマンの姿で敵の前に登場することも多いが、イナズマンにパワーアップするためのエネルギーをどうやって貯めたのかと突っ込むのはNG。
最終話でエネルギーを吸い取る部屋に閉じ込められ絶体絶命の危機に陥るが…?
◇ライジンゴー
イナズマンがキャプテンサラーより与えられたスーパーカー。
空が飛べ、トラックくらいなら楽々運搬できる。強力なミサイルや網、噛み付き、2本のカッターで攻撃する。更に後部から煙幕を張る事も可能。
自動操縦機能がありイナズマンが気絶しているのに助けに来たことも。
ちょっとやそっとの爆発、更に絶対零度の吹雪の中ですら平気な耐久性もありイナズマンに負けず劣らずチートな車。弱点は街中で乗り回すにかっこ悪すぎること。
因みにライジンゴーの玩具はよく売れたらしい。
◆少年同盟
悪心に染まる前の少年少女の超能力者で構成された正義の集団。発想がサウザーやポルポトと同じ
オレンジ色のクソダサい制服とヘルメットが特徴。
◇キャプテンサラー(演:室田日出男)
渡五郎を超能力者にした少年同盟の教祖創設者。
実は第1話しか出てこない。
◇少年同盟員
少年同盟に所属している超能力者たち。女性は割と年長者が多い。
前半はいろんな人員がいたが後半はいつの間にかでなくなる。
後半でもよく出てくるのは大木サトコ、サトコの弟の大木カツミ、富川カオルの3人。
超能力を持っているはずだが基本的には役に立った描写がなく、戦闘もせず、やたら捕まる。
その割に何かにつけて五郎のことを責めまくるためイメージが悪い。
終盤では偽物作戦の際に五郎を最後まで信じたり、毒で動けなくなった五郎が実は生きていることを見抜いたり、
五郎が処刑されそうなところを助けたりと出番が少ないながらも印象に残る活躍もしている。
◇丸目豪作
五郎と同じ大学に通う男。所謂コメディリリーフ。
1年中下駄履きの学生服でとおしている禿のヒゲダルマ。学費と生活費をアルバイトで稼ぐ苦学生で、コテコテの博多弁を使う。
五郎の話では大食漢との事だが、甘い物は嫌い。
喜怒哀楽がはっきりしており基本的にオーバーリアクション。よく敵に襲われる。
なぜか超能力者でもないのに五郎にも少年同盟にも信用されている変な男。
ライジンゴーを置きっぱなしにして敵に盗まれる大ポカをしたことも。
全体的に役に立ってないことが多いが、人がいいためそれほど不愉快な感じはしない。
一回だけ敵の秘密を五郎たちより先に探りだしたこともある。
◆新人類帝国ファントム軍団
帝王バンバを頂点としたミュータントの王国。
将来の人口爆発による食糧難に備えた人類減少が目的。そのため、征服よりも破壊や殺戮を目的とした作戦が多い。
通常の人間を捕まえて強制労働させることも多々ある。無理やり新人類に改造されたものも多く、実質バンバの独裁に近い。
作風の変化に合わせて中盤以降はえげつない作戦が増えてくる。
詳細は該当項目参照。
バ~ラバラバラバンバ~!
◇帝王バンバ(声:飯塚昭三)
新人類帝国の支配者。ファントムバンバとも呼称される。
強力な超能力者であり念力で戦う。
この手の侵略者の例にもれず冷酷非道。助けてもらったイナズマンを逆に罠にかける卑劣さも持つ。
優秀な能力を持つミュータンロボットは失敗してもチャンスを与えるが、反逆者や旧人類は何の躊躇もなく殺してしまう。
作戦の連続失敗や謎の第3勢力の登場で憤り渡五郎と手を組もうとするも当然のように失敗。
イナズマンに敗れ、意味もなく巨大化して自爆し海に散った。
◇火炎ファイター
イナズマンとの最終決戦で見せた帝王バンバの正体。
溶けかけの海坊主のような醜い姿。
自在に火炎を操る力を見せたがパワーアップしたイナズマンの敵ではなく呆気なく倒された。
◇ミュータンロボ
新人類帝国の戦力であり怪人枠。ネーミングパターンは○○バンバラ。
邪な心を持つ超能力者をバンバがサイボーグに改造したもの。
都市の真ん中で自然災害を起こすほどの強力な超能力を使い一般人ではまず対応できない。でもイナズマンが強すぎるので…
能力だけ見ると『仮面ライダーアギト』のアンノウンに近い。
怖く演出されるものが多くトラウマになった視聴者も多いのではないだろうか。
コブ、ユキ、ガス、アクマ、カゲ、タケ、ホシなど他では見られないようなモチーフの怪人が多いのも特徴。
◇バラバンバラ
11話に登場したバラをモチーフにしたミュータンロボ。東南大学の石川博士の命を狙った。それまで一切描写のなかった五郎が持つバラのペンダントに似たペンダントを持っているが…?
その正体は…
その正体は渡五郎の死んだと思われていた母である渡シノブ。
バンバとともに新人類帝国に入るように五郎を誘惑する。
実はバンバに無理やり改造され操られておりイナズマンの必死の説得により元の姿に戻るもののバンバの念力からイナズマンを守り命を落とした。
この事件は五郎の心に深い影を落とすこととなる…
因みにこの話の監督・脚本は原作者の石ノ森章太郎先生。さすがヒーローをいじめるのが上手だ。
◇ファントム兵士
各国のエリートをバンバがさらって改造したもの。戦闘員枠。
右手がかぎ爪の、ナチス風の軍服を着たガスマスクという戦闘員とは思わない豪華な見た目。
かぎ爪と口からの毒ガスで戦う。
倒すと溶けて消えてしまう。
◆??????
終盤登場した謎の軍団。
ファントム兵士を引き込んだり、銃火器を使いファントム軍団の計画の邪魔をしたりしていた。
ロボット戦士が主力のようだが…?
以下終盤のネタバレ
卑劣なバンバの罠によりエネルギーを吸い取る部屋に閉じ込められ絶体絶命の危機に陥るイナズマン。
しかし自らの肉体から超能力増幅装置ゼーバーをつくりだし、脱出。
地殻変動装置による日本沈没をもくろむバンバと最後の戦いに出る。
戦いに勝利し装置を破壊したのもつかの間、ファントム軍団の邪魔をしていた謎のロボット戦士「ウデスパー」が現れバンバは部隊長に過ぎないこと、
そして自分たちは「デスパー軍団」であることを告げる。
そしてデスパー軍団の支配者「ガイゼル総統」が姿を現すのだった…
物語は「イナズマンF」に続く…
その他のメディア
漫画版
石ノ森章太郎によるコミカライズ。
細かい設定が変わるのはコミカライズではよくあることだが
- 主人公の名前が風田サブロウで中学生
- イナズマンのデザインが違う
- 怪人はほとんど登場しない
- 仲間もミュータントで積極的に戦う
- サラーとバンバが兄弟
などほぼ別物と言っていいほど設定が異なる。
序盤は丁寧に展開するが終盤は駆け足気味で最終回はイナズマンがほとんど出てこない。
親近者が皆殺しにされたりとやっぱりハードな漫画。
また、当時としては珍しく『人造人間キカイダー』とのクロスオーバー回として「ギターを持った少年」がある。
この回は、後に『キカイダー01 THE ANIMATION』DVD-BOXの映像特典として収録。『人造人間キカイダー THE ANIMATION』シリーズのエピローグを飾った。
映像作品
オーズ・電王・オールライダー レッツゴー仮面ライダー
特撮版がゲストとして登場。キカイダー兄弟とズバットの4人でジェネラルシャドウをリンチした倒した。
声はショッカーグリード役も務めた石川英郎氏が担当している。
仮面ライダー×仮面ライダー ウィザード&フォーゼ MOVIE大戦アルティメイタム
フォーゼ編にイナズマンが登場。ただし特撮版とは別人。
学生だったり名前が風田三郎だったり腰回りにパンツらしき黒い模様があったりするので漫画版からの引用と思われる。
演者は須賀健太氏。
初めは特撮版よりさらに醜悪なサナギマンとして仮面ライダーフォーゼこと如月弦太朗と敵対し、
自分達が黒幕に利用されていた事を知ると自暴自棄に陥ったが、弦太朗の体を張った指導により更生。
正義のために戦う決意を固め、自由の戦士イナズマンとして覚醒する。
仮面ライダー×スーパー戦隊×宇宙刑事 スーパーヒーロー大戦Z
フォーゼ版のイナズマンが時空の流れを飛び越えて登場。
アルティメイタムでは流れなかった「サナギマンは待つ」のナレーションも披露し、スペース蜘蛛男に捕らえられたフォーゼの窮地を救った。
「先生! 助けに来たぜ!」と言われたが、この時代(2012年)の弦ちゃんは知るわけも無かったのでちょっと驚いたがすぐ共闘、スペース蜘蛛男を撃破した。
ゲーム
スーパーヒーロー作戦 ダイダルの野望
イナズマンがキカイダー編で登場し新人類帝国も登場する。
豪作たち仲間も少し登場する。新人類帝国からはイツツ、コブ、カガミ、バラバンバラが登場。
原作再現はそれほど多くないがイチローが五郎をジローと見間違える、イナズマンがドクガンダーと間違われる、イナズマンとキカイダーが戦う、
ギルハカイダーが新人類帝国に所属、バンバがジャイアントデビルに乗ってくるなどクロスオーバーには恵まれている。
最も印象に残るのはミサイルに乗り込んだ結城丈二/ライダーマンの命を救ったのがイナズマンということだろうか。
また、バラバンバラ関連はきっちり再現してある。
イナズマンはサナギマンで戦闘開始し変転に1ターン必要な欠点もあるがサナギマンの時はBCゲージが2倍たまる利点もある。
技も使いやすいものが多くそろっているがレベルが上がるまでは上記の仕様もあり少々使いにくい。
なお、今作ではイナズマンFにはならない。
スーパー特撮大戦2001
最序盤でイナズマンが仲間になる。
強化タイプが武器も性能も成長系、分身+逆転チェスト持ち、移動後攻撃可能、長射程と文句なしの強ユニット。
イベントでFになると技が増えますます強くなる。
原作の強さを考えるとそれほどおかしい設定でもないがその強さをロボット勢にも分けてくれ…
新人類帝国からもイツツ、トゲ、バラのミュータンロボと帝王バンバと火炎ファイターが登場している。
バラバンバラのステージで勝利要件を満たさないとイナズマンFになれない代わりにバンバと早く決着をつけるIF展開となる。早解きでもしない限りはそんな酔狂な真似をするプレイヤーはいないと思うが。
立花のおやっさんに五郎とジローが似てることを言及されるくらいでクロスオーバーの機会にはあまり恵まれないが、
イナズマンが変身したウルトラマンジャックを尻目に逆転チェストで津波を楽々押し返すという笑劇衝撃の展開がある
ウルトラマンジャック「ありがとう、イナズマン!」
私は追記・修正する…平和に建てられた項目を俺たちのような悲惨な目に合わせないためにも…追記して…修正して…追記・修正してやる…!
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- キカイダー01のOVAの後日談でアニメ化してたけど一回こっきりには勿体無いクオリティだったな…山口勝平のクールなイケボも良かった!そういえばフォーゼの教え子の方のイナズマンってこのアニメ版のデザインに近いよね -- 名無しさん (2017-07-27 00:25:44)
- 入江甚儀さんと須賀健太さんで「ギターを持った少年」の実写化を!! -- 名無しさん (2017-07-27 11:23:36)
- PSのアジト3で一生懸命育てた蜂女がイナズマンにぶっ殺されたと友達がブチ切れてた。そりゃー蜂女ではイナズマンには勝てねーだろう・・・ -- 名無しさん (2017-07-28 09:02:20)
- 作品の知名度がもっとあればチートヒーローの代名詞的扱いになっていた…かも? -- 名無しさん (2021-12-18 23:14:38)
- アギトとファイズとカブトの御先祖さま -- 名無しさん (2023-02-22 20:56:20)
- 少年同盟員の評判を聞くと豪作も2回ほど五郎さんを責めたし、真の理解者は五郎さんを非難する描写がほぼない「F(フラッシュ)」での協力者の荒井さんだけになるけど… -- 名無しさん (2023-04-06 19:54:56)
- BLACKRXは「確かに強いけど評判に比べると結構苦戦したり敵の仲間割れに助けられることも多いんだな」って感じだけどこっちは「いやこんなに強いのありか!?」ってくらい諸々の描写がぶっ飛んでる -- 名無しさん (2023-08-05 08:49:46)
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