登録日:2016/07/21 Thu 04:09:37
更新日:2024/01/25 Thu 13:54:38NEW!
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テラフォーマーズ 変態 裸族 だいたいこいつのせい 年齢詐称疑惑 改造人間 ナルシスト 厳選 班長 残念なイケメン ナンパ師 どうしてこうなった めんどくさい男 プロポーズ 天才 サラブレッド 品種改良 人類の到達点 最強 ロングロングアゴー ジョー 金髪 新しい血族 碧眼 ジョセフ 石田彰 アネックス1号 自惚れ プラナリア 電気ウナギ 首位 神に最も近い生物 愛殺 マーズ変態ランキング1位 面倒くさいの到達点 ジョセフ・g・ニュートン 愛すべき変態←だったのに ローマ連邦
土台 無理があった…
敵は億 学び団結し増え続ける億
型や100人 減る一方 30余になってもなお団結しない…
火星はゴキブリの星 100000000対30の戦い
億VS三十————……
……但し
一つ その数字に敢えて付け加えるなら—————
その三十数人は………… 只の平均化された三十ではなく————
「なに……」
——————〝序列〟があるという事
「…美しい愛に 呼ばれてね」
ジョセフ・G・ニュートンとは、漫画テラフォーマーズに登場するキャラクターである。
プロフィール
国籍:ローマ連邦*1
性別:男
年齢:24歳
身長:187cm
体重:99kg
CV:石田彰
人物
アネックス計画において、新興国ローマ連邦から送り出された幹部であり、ヨーロッパ・アフリカ第六班の班長。
第一部の登場人物であり『バグズ2号』計画の責任者であるアレクサンドル・グスタフ・ニュートンの玄孫。
金髪碧眼の美男子であり、鍛え抜かれた肉体と、美形でありながら笑うと子供のように愛嬌のある顔立ちが特徴。
愛称は「ジョー」。
非常にコミカルかつ軽い性格で、女性へのアプローチは非常に積極的。
しかし長身のイケメンなのだが、その積極的すぎる姿勢が相手をドン引きさせてしまい、他人にはナルシストのような印象を与えてしまう。
仮にナンパに失敗しても「残念だな 可愛いコだったのに」と特に執着した様子はなく、割り切りはヒジョーに早い。
一方でアネックス副艦長であるミッシェル・K・デイヴスには並々ならぬ執着を抱いており、彼女と出会って四日目にプロポーズした。
当のミッシェルには冗談だと思われていたようだが……後にも『おれと結婚して欲しい』『考えてみてほしい おれと共に生きる未来を』などとプロポーズを重ねており、本気だということが伺える。
それらの言動から所謂残念なイケメンだと思われがちだが、その経歴は常人の範疇を大きく超えている。
彼は17歳……高校生の時、オリンピックの陸上十種競技で金メダルを獲得した。その為テレビで彼を知っている者も多い。
十種競技とは、
- 100m
- 400m
- 1500m
- 110mH
- 走幅跳
- 走高跳
- 棒高跳
- 砲丸投
- 円盤投
- やり投
これらを二日間でこなすという過酷な競技であり、必要とされる身体能力には様々なものがある。十種競技がキング・オブ・アスリーツと言われる所以である。
……とはいえ、それだけであれば「凄い」が「普通」の話である。
たまたま、そういった身体能力を持った天才がいた……それで終わってしまう。
だが……ジョセフの凄まじさは、その後にあった。
彼は高校を卒業後、他の学生と同様に陸上を引退。EUで一位の大学に進学する……と同時に。
空軍の幹部候補学校に通い異例の成績を修めて卒業する。
結果、生物学と航空宇宙学の修士号を持ちながら空軍将校となるという驚異的な経歴を持っていた。
もはや、「輝かしい」という形容詞が陳腐となるほどの経歴である。
当然その戦闘能力は非常に高く、手術によって他の生物の特性を持ちながらも火星ゴキブリであるテラフォーマーにあっさり殺されてしまう登場人物が多い中、生身のままテラフォーマー数千体の死体の山を築くという桁外れの実力を持っている。
アネックス一号がテラフォーマーに襲われた際には、他班と同様に緊急脱出プランである『プランδ』により脱出。
しかし搭乗した高速艇ごとテラフォーマー達が張った『網』に捕らわれてしまい、全班の中で唯一脱出に失敗してしまった。
ジョセフは非戦闘員を逃す為に、テラフォーマーの大群を相手に戦うことを決意するが……
『人類の到達点』
時間は流れ、中国第四班の裏切りによって日米合同第一班が窮地に陥っていた頃。
テラフォーマーとの戦闘後の隙を突かれて爆に拉致された主人公・膝丸燈とミッシェル、そしてその爆によってテラフォーマーへの囮として使われた八重子とアレックス。
それらを助ける形で、ジョセフは再び登場。半裸で。
冒頭のセリフはその際のものである。
八重子はその唐突っぷりと裸であることと「生身のまま変態していない」ことに驚くが、そんな彼女の不安を他所にジョセフは襲い来るテラフォーマー達を悉く斬り捨てていく。
その姿に、八重子はかつてミッシェルが語っていた「ジョセフ・G・ニュートンの噂」を思い出す。
ヤツの経歴の自由っぷりはヤツの裏にある力とそれへの信用が関わっている
それは ヤツが〝ある一族〟の本家の出だと言う事
————その一族ってのが怪しいコンビニ本にあるような眉唾モンなんだが本人も肯定してた有名な話があってな
ジョーの一族はM.O.手術とは全く異なるアプローチだが『造られた人間』だと言われている
『その一族』の結婚相手は金・コネクション・人種・国籍一切関係なく『容姿』と『能力』と『病気への抵抗』だけで決められると言う————――
つまり『人間』を『品種改良』している
生物界でもトップクラスの特性を持つ『人間』という種の——————
42.195kmを全力疾走する〝体力〟と〝心肺能力〟
マンモスを絶滅させる〝投擲能力〟
平均IQ186の〝知能〟と〝学習能力〟
食べた物を即座に使う〝消化吸収力〟
その手の〝触覚〟はあらゆる芸術的な〝道具〟を生み出し
〝術理〟を理解し 達人のように扱い 何より美しく――————
他のどの生物の求愛行動よりも美しく―—————
『舞う』
『M.O。手術』を戦闘用に施す以上——————
『素体となる人間自身の強さ』が大きく関わるなら……
ヤツが一番強いという事は分かっていた
ヤツが一位だ
『マーズ・ランキング』1位————
〝人類の到達点〟
ジョセフ・G・ニュートン
あのアドルフさんさえも上回る『人類の最高戦力』。
それがこの男、ジョセフだったのである。
中国班・爆との戦闘では当初、爆とはほぼ互角の戦いだった。
それもそのはず、爆は中国が独自に開発した『紅式手術』*2によって常にツノゼミの力を発揮している状態である。
一方でジョセフは生身のまま。いかに彼が『最強の人類』であろうと、人工的に強化された上に高い戦闘能力を隠し持っていた*3爆に対して苦戦するのも無理はない。
更にテラフォーマーの大群との乱戦、剣を振り回しながらの戦い、間合いや空気抵抗、慣性の法則……
瞬きの回数すら生死を分ける要因になる戦いの中、ジョセフは『テラフォーマーは武器を持っている人間から優先的に狙う』という習性を利用し、あえて武器を手放すことで爆にダメージを負わせることに成功する。
爆は形成逆転の為に、冷静にある作戦を考える。
『ミッシェルを車外に蹴りだしてジョセフとテラフォーマーに対する囮とし、更にその隙に変態して立て直す————』
それが最も〝合理的な〟爆の判断だった。
確かに、ジョセフはミッシェルに執着している。更にテラフォーマーは『女性や孤立しているものを最優先で狙う』という習性がある。
先ほどまでの戦いを考えれば、変態しさえすれば爆にも逆転の目があるだろう。
爆らしい、実に〝合理的〟な判断である。
合理的な—————
「……てめー……何してんの?」
————だが。同時にそれは、最もやってはいけない選択だった。
爆は忘れていたのだ。自分が地球上でもっとも強い人間と戦っているということを————
「ねえ 何してんの?」
————『相手がジョセフ・G・ニュートンだと言う事』を。
ミッシェルを足蹴にされたジョセフは瞬時にキレ、数発の打撃で爆をフルボッコにした上に左足を一瞬で切断。
「今までの接戦は一体……」と読者が思ってしまうレベルで爆を圧倒し、車外に放り捨てた。
「————分かるまいよ 女性を足蹴にする様な男には———— 一生ね」
突如として鬼のような戦闘力を発揮したジョセフへの疑問を口にしながら吹っ飛ばされていく爆にそう呟き、ジョセフは『100%』ミッシェルを助け出したのだった。
特性
ベース生物————???
ジョセフのM.O.手術のベースとなった生物は未だ不明。
ミッシェル達の危機に現れたジョセフは、あくまで『生身のまま』『変態せずに』戦っている。
だが、ジョセフが何の『特性』も使っていないのか————?
その問いの答えは、『NO』である。
彼が使うのは、『人間としての特性』。
- 渡り鳥やイルカのように、数秒だけ寝たり体の一部だけ寝るという体質を備える。
- 『ゲート・コントロール理論』*4を駆使し、数秒で傷の痛みを消す。
- 『リアレバー(踵)』で走り出すことで*5、走り出しから最高速度を出すことが出来る。無論これは言われてできることではなく、かのマイケル・ジョーダンや宮本武蔵に匹敵する運動センスが必要とされる。
- 『眼球を左右別々に動かす』ことで、死角からの攻撃にも対処する。いわゆる武道における『散眼』だが、ジョセフの場合はマジで左右に眼球を動かす。
- 中国拳法の達人である劉翊武の放った『発勁』を近くにいた爆に対して受け流すという、『術理』に対する理解力。
- 才能と幼少からの訓練で完璧な『ボディ・イメージ』*6を身に着けており、『やりたい動き』と『できる動き』に一切の差がない。
- その反応速度は電気的な限界である『0.1秒』。
etc.……
……ジョセフの戦いぶりを見れば、大体の人間はこう思うだろう。
『こいつ人間じゃねぇ』と。
だが、ジョセフにとってそれは違う。
………ああ……
ああ いつも見る その顔だ
何を考えているか解るぜ 『人間じゃない…!』——————だろ?
冗談を言うな 私こそが『人間』
人の持てる才能を碌に持たず
訓練により 人間に習得可能な技能も修復可能な欠点もあると言うのに 努力もせず
挙句 そんな奴らが他の生物の特性に頼るなど―――――――—————
おれに言わせれば お前らの方が人間じゃない
これが〝人類の到達点〟のプライド。
ジョセフ・G・ニュートンが信じる『人間の力』である。
それ故にジョセフが戦闘で主に使うのは、己の「人間としての力」と、「人類の最高傑作」である〝剣〟————
彼の専用装備ジョージ・スマイルズのみ。
ただし、中国班との戦闘で撃たれた足の傷を何らかの能力で修復する描写があり、『再生する生物』が彼のM.O.手術のベースであると思われる。
専用装備
対テラフォーマーコーティング式西洋刀 ジョージ・スマイルズ
ジョセフが使用する専用武器。身の丈ほどもある長剣であり、刀身には幾何学的な文様と『M.A.R.S.1』『George.S』という文字が刻まれている。
かつて『バグズ1号』に搭乗し、ジョセフ同様『ニュートンの一族』であったジョージ・スマイルズの名を持った剣。
また、ジョージが戦闘時に使用した剣と酷似した外見を持っている。違いは刀身の色だけである。
「コーティング式」の名の通り刀身に特殊なコーティングが施されており、理論上はあらゆるものを切断できる。
しかし全長がジョセフの身の丈ほどもあること、また刃が極端に薄く重量バランスが取りづらい。
その為、「剣の達人」とも言える技量がなければ思い通りに使いこなすことが出来ない。
ジョセフはそのボディ・イメージによって、軍隊に入ってからたったの二年で総合剣術を修めており、この剣で多数のテラフォーマーの屍を築いた。
『愛』
火星最後の戦いにおいて、ジョセフは中国の戦艦『九頭竜』に搭乗する凱将軍の『アリタケ』の特性*7によって洗脳されてしまう。
その場にいたアネックス艦長小町小吉、そしてロシアの幹部シルヴェスター・アシモフ、劉は洗脳されたジョセフとの戦闘に突入。
いかにジョセフといえど、この歴戦の戦士長三人が「本当に殺す気」であれば、それは不可能なことではなかった。
しかし三人の脳裏に、人懐っこいジョセフの笑顔が蘇る。
ジョセフの正気を呼び戻そうと、小吉は「ミッシェルとディナーに行くんだろう…!?」と呼びかける。
その呼びかけに、ジョセフは己の「過去」を思い出す————————
注意! ここから先はテラフォーマーズ第二部終盤のネタバレになります!
いつの話だったか——————……
それはジョセフが義務教育を終える頃。
ジョセフは父親に、「何故自分だけ兄弟の中で母親が違うのか」という疑問をぶつける。
そのジョセフの疑問に対して、ジョセフの父親は————
「父さんな 鼻が高すぎたんだ」
————唐突に、そんな話を始めた。
思わず「は…?」と返すジョセフに父は尚も続ける。
「高くなりすぎたと言うべきかな… あと 目も大きすぎた 威圧感を与えすぎてしまう」
そして……
「お前を産んだのは アルバニアの娼婦だ いやリトアニアだったかな…*8」
父は語り始める。ジョセフの母親にジョセフを産ませたのは、ジョセフという人間が欲しかったからだけだと。
それも、ただ単に外見の良い息子が欲しいというだけの理由で。
実際に生まれたジョセフは計算以上に完璧な顔に育った。
完全な左右対称、顔の黄金比を全て揃えながら……ニッコリ笑えば絶妙に間抜けな印象を与え、相手を油断させることができる。
父にとって、ジョセフは強さと柔らかさを兼ね備えた最高の人間だった。
だが……もはやジョセフを産んだ女性は、父にとってはただの他人である。
父と、ジョセフを産んだ女性。その二人の間に『愛』は……なかった。
傷心のジョセフだが、そんな彼にも安らぎがあった。
それは親友のジャックことジェイコブ・A・スミレス、そしてその恋人だったミッシェルことミッシェル・I・マヤコフスカヤのふたりとのひと時。
ジャックは時代遅れの一匹狼で不良だったが、男気溢れる良いヤツだった。
ミッシェルも、ニュートン家の御曹司であるジョセフを決して特別扱いしなかった。
何よりも、ジョセフはそのふたりの間にある『美しいもの』が好きだった。
自身の父と母の間にはなかった『もの』があるように思えたから……
そう。その時はただ、『美しいもの』が見たかった————————
————————だが。そんな穏やかな日常は突如として終わりを迎える。
ミッシェルに暴行を働いた教師を、ジャックが半殺しにして逮捕されるという最悪な形で。
ジャックはミッシェルの為に、逮捕されても何も言わなかった。教師が生きてさえいればジョセフの資産で示談にすることもできたが、その金も受け取らなかった。
ジャックは帰ってこなかった。何日待っても……
ジャックが少年院に収容されてしばらくした頃————————
いつもの道をミッシェルと歩いていたジョセフは、唐突に語りだす。
「何故……」
「何故 最後の一人になっても 恋人を信じてやらなかった」
思わず聞き返すミッシェルに、ジョセフは話し始める。己の恐ろしい計画を……
ミッシェルにセクハラをした教師も、その話を「ミッシェルが暴行された」とジャックに伝えたクラスメートも、ジャックの悪い噂を語った人間も、ミッシェルの両親もジャックの親も……
全て、ジョセフが買収してそのように仕向けていたという事を。
結果としてミッシェルは、〝キスされただけ〟で教師を半殺しにしてしまうジャックを見て『恐れ』、キレると話しの通じなくなる奴だと『見下し』————…『見限った』。女として……
更に悲劇はそれだけで終わらなかった。
弱り切った際にジョセフと肉体関係を持ったミッシェルは、ほぼ100%女性を受胎させるというジョセフの『体質』により、彼の子を身ごもっていた。
そんな彼女に「ジャックは男気があるやつだから、きっと君を受け入れてくれる」と語り、彼女から離れたジョセフ。
ジャックとミッシェルはその後結婚し、第二子をもうけたらしい。だがそれはジョセフにとってもはや、関係のない話だった。
もうジョセフにとって、彼女は————そしてジャックも、用をなさない存在だった。
何故なら、もう彼らに『美しいもの』はなかったのだから。
別にジョセフは、二人の破滅が見たかったわけではない。
ジャックとミッシェルがお互いを信じて、全てを話し合っていれば最悪の結末は……少なくとも、二人が『愛』を失うことはなかったはずだ。
ジョセフは、それが見たかった。だが見れなかった。
ジャックとミッシェルの間にあったのは、ジョセフが最も憧れていたはずの、中途半端な〝愛のようなもの〟でしかなかったのだ。
〝愛〟の——————————……
「確かめずにはいられないんだよ!!!」
『愛』が!!
『儚い』など…………言い訳だ!!!
『愛』が!『心』が!『信念』が!! 本当に尊ばれるべきものなら!
おれ(害虫)なんかに奪われる事など無い筈なんだ!!!
場面は戻り、火星。
ジョセフは唐突にそう叫び出す。それは小吉に向かって……
「小町小吉艦長……」
「ずっと貴方を見ていた… そして邪魔だった……」
「私は愛を持たずに生まれた最強の人間……」
「だから————… 『愛』で私を殺してくれ」
愛と呪い
九頭竜から放たれたレーザー。
ジョセフはそれを防いだ————————二位の特性、電磁バリアによって。
それにより、小吉達三人は「ジョセフは最初から、この場面でミッシェル以外の〝幹部〟を始末する計画だった」事を悟る。
小吉達への攻撃も、決してアリタケによって操られたからではない。ジョセフは最初から正気だったのである。
「『愛』で私を殺してくれ」——————
その言葉を受けた小吉と、ジョセフは一騎打ちに臨む。
いかに歴戦の戦士長である小町小吉といえど、こちらは〝1位〟。〝人類の到達点〟ジョセフ・G・ニュートン。
その能力には大きな差があるはずだった。
だが……その能力差をものともせず、小吉はジョセフと互角以上の戦いを演じる。
その小吉の強さの理由が、ジョセフには理解できなかった。
ジャックの行動は理解できた。
気に入った雌に一人でいいから自分の子を産んでもらうために、その女の連れ子や他人の子を育てるコストを負う……
それ自体は自然界でも当然ある事だし、人類の混血と進化はそうやって進んできたという側面もある。
だが小吉は。
小吉がずっと『愛』している女は—————もう、とっくの昔に死んでしまっている。
そして小吉が今、守るべくジョセフと戦っているミッシェルや燈は小吉にとっては『ただの他人』のはずだ。
なのに何故、小吉はここまでの強さを発揮しているのか……?
ジョセフにとってそれは、人類の〝道徳〟や〝教育〟に従っているだけの後付けの偽善にしか見えない。
だがもしも——————————
——————もしもそれが 愛だと言うのならば
それが!! 愛だと言うのなら!!!
————私を殺してみせろ
〝愛〟という謎のエネルギーが 合理と理念の化身である 私を超える事が 出来たなら
その時————私はやっと 愛を信じて死ぬ事が出来る
脳に電流を流そうとも、心臓を剣で串刺しにしようとも、小吉は止まらない。
その姿に〝ジョー〟として小吉の強さを認めるジョセフと、〝人類の到達点〟として小吉の強さを認めないジョセフがいた。
そして……小吉とジョセフは相打ちとなり、火星最後の戦いは終焉を迎えた。
ジョセフの計画
その後、『ニュートンの一族』であるファティマ・フォン・ヴィンランドとエロネ・新界の手によって回収されたジョセフは、自らの再生能力————プラナリアの特性によって再生し復活する。
そしてその場で、ジョセフと一族の『計画』が語られた。
その計画の目的は————
- ドイツが成功したM.O.手術、エヴァ・フロストの『プラナリアの特性』を奪うこと。
- A.E.ウイルスのサンプルを入手し、それを元に『M.O.手術の成功率を上げる技術』を開発すること。
- 人為的な先天性M.O.を持つ『膝丸燈』の生け捕り。
- ロシアと中国を仲違いさせ、互いの戦力を削らせること。
これらが主な目的である。
その為にジョセフと一族は……
- 火星到着前。アネックス内にテラフォーマーを出現させ、『プランδ』*9を発令させる。
- 着陸初日。脱出に失敗した高速艇の中で、第六班の班員を火炎放射器で殺害して焼死体にする。
- そしてその死体をドイツに発見させ、第四班のものだと誤認させる。
- ドイツ第五班壊滅後、孤立したエヴァを殺害。同時に彼女からのM.O.手術によってプラナリアを手に入れる*10。
- 更にエヴァのコピーを造って実験。プラナリアの再生能力*11の源泉がRNAにあることを突き止める。
といった暗躍をしていた。
だが一方でジョセフと『一族』の間には異なる目的があり、そもそもジョセフが幹部達と戦った理由である『ワクチンを作らせないため』というのは、完全に一族の目的から反したものである。
加えて言えば、ジョセフはその戦いで————あわよくば、自分が『愛』の力で殺されることを望んでいた。
加えて、ミッシェルにジョセフが執着する理由は一族の結婚相手として、つまり彼女の『能力』が目当てではない。
彼女は、ジョセフが最も欲しい『聖杯』を————『真実の愛』を持っていると思っているからである。
さらに、地球編で明らかになったことだが、一族が欲しているのは燈の方であり、ファティマはミッシェルを最悪死なせてもいいと考えている。
これらの事から、ジョセフと一族の間にはかなり意見の相違があると見て間違いないだろう。
余談
後半で『プラナリア』と『デンキウナギ』の能力を持っていることが判明したジョセフだが、火星に着く前に元々もっていた特性は不明。
火星はテラフォーミングされたとはいえ過酷な環境である為、十分に活動する為にはM.O.手術が不可欠なはずだが……
もっとも、それも〝人類の到達点〟の特性と言われればそれまでなのだが。
21巻の巻頭紹介ページではベースが『???+プラナリア&デンキウナギ』となっており、何かまだ隠し玉があるのは間違いないだろう。
ちなみに「一位というランキング」「金髪碧眼のイケメン」「いつまでもベース生物が不明」「声優が石田彰」などという点から、ジョセフの裏切りは割と早い段階でも予想されていた。
ただし読者の想像を悪い意味で大きく上回ったのは、『愛』に飢えたとんでもなく面倒臭いヤツだったということである。
お陰でそれまでの残念なイケメンという評価から、面倒くさいネタキャラへと華麗な転身を遂げた。
境遇だけならギリギリ「かわいそうな奴」とも言えるし、人類最強にして全ての黒幕という設定だけならラスボス感もあるのだが、いかんせんやってることが
- 船長相手に殺されたがってるようで死ぬ気ゼロ。そもそも事前に文字通り殺されても死なない特性を奪っている
- 親友を嵌めてNTR
- ローマ班の部下を平然と焼殺
同情するには一線越えすぎで、巨悪と呼ぶにはやってることがどこか小物すぎて……はっきりいって不評である。
七巻特典の腕相撲ランキング決定戦ではミッシェルと対戦。開始早々に手の骨を折られたが、ミッシェルへの愛故に手を放すことはなかった。
そのキモさに思わずミッシェルも不戦敗を認めようとした……が、しばらく手を放そうとしなかった。ミッシェルが後に「死ねよナルシスト」と思ったのも無理はない。
原作者の貴家のイメージは「首から下は室伏広治みたいに」。今から600年でこんな超人が生まれるのかと疑問に思うが、貴家としては陸上のエリート選手の家系からあと二世代ほどで生まれると思っているらしい。
作画担当の橘はイケメンを描くのが苦手なので描きにくいキャラナンバー1かもしれないと語っている。でもすぐ半裸になるところは助かっているらしい。
年齢詐称疑惑
実際は公称よりかなり年上なのではないかという説が囁かれている。本性を現した時、小吉を君付けし始めたこともだが、
そう歳が離れているようにしか見えないファティマ・ヴィンランドが「叔父様」と呼び、
ミッシェルと初めて会った(とされている)日、小吉と飲みながら、「あんなに美しい人に育ってるだなんて」と以前から知っていたようなことを呟いている。
前述のミッシェル・I・マヤコフスカヤの事を「最初の『ミッシェル』」と表現したため、会ったことがあるとすればその後ということになるが……
傍証として、ジェイコブ・A・スミレスの「スミレス」という姓は、ロシア大統領と同じであり、大統領の姓はスマイルズであることが明かされている。
ニュートン姓を持たない前述のジョージ・スマイルズのことを、(公称)曾祖父であるアレクサンドル・グスタフ・ニュートンは「我が孫」と呼んでいるが……?
また、彼の過去編では父親も友人も誰一人としてジョセフの名前を呼んでないこと。そして次期当主最有力だったニュートン家先代当主(ジョセフの祖父)の息子の遺影が過去編に出てきた彼の父親と明らかに違うことから、
「そもそも、あの過去編はジョセフのものだったのか?」、「実はジョセフに刷り込まれた別の人物の記憶なのでは?」というものから、
「(上述の謎のベースやスミレス姓も踏まえて)ベニクラゲのM.O.手術で若返ったアレクサンドルなのでは?」等の考察も存在する。
(ただ、アレクサンドルは「長生きして『た』」と過去形で語られ、遺影の人物も伯父などの可能性があるためあくまで可能性の一つに留まっている)
スピンオフでの変態活躍
今日のテラフォーマーズはお休みです。
「ミッシェルさんの部屋に入ると思うと興奮してね」
マーズ変態ランキング一位。
燈のことを同率一位のライバルとして見ている。ちなみに三位(実質二位)は鬼塚慶次*12。
本編で第六班が碌にキャラも立てない内に死亡してしまっているため、班ごとの絡みではほぼ空気。
出るとしたら大体がミッシェルさん関連か幹部関連。でもマルシアさんは野球編で1コマだけ活躍したぞ!
基本的に「お休みです」では愛殺前のジョセフの為、単に半裸の変態として描かれている。
〝人類の到達点〟としてのスペックを無駄に生かし、燈の夢に侵入したり、節分では誰も豆を当てられない超機動の『ONI』と化した。変態なこっちのほうが本編のアレよりマシじゃねと囁かれる
てらほくん
「愛殺くらいしてよ」
ロングロングアゴー。アゴが長すぎる〝面倒くさいの到達点〟。
鼻が超高すぎる父親がセクシーパブ『姉ックス一号店』にて、「童貞を友達のお姉さんに優しく奪われる」というえげつない設定のプレイの結果生まれた。
アゴを操作してBBQの串にしたり足止めしたりできる。本編とは別の意味で人間じゃねぇ。
基本的に愛殺後のジョセフの為、面倒くらいことこの上ない性格。
ファティマとエロネも苦労しているらしい。
テラフォポリス ばっかも~ん!出る杭課24時
「10年後 おれと結婚しませんか? それまでお母さんかお姉さんを紹介して下さい!」
好きな人の似顔絵だけすごいうまいランキング1位。通称うぬぼれ刑事。
基本的にいつも半裸。問題が起きれば金でもみ消す。
この作品ではミッシェルは子供なので「将来を見据えて結婚してください」と迫る。アウト。
しかも本作品では一族全員が全裸をフォーマルとしていた。どうなってんだニュートン家。
だがこの作品でも陸海空全ての王にして料理上手。〝人類の到達点〟にブレはなかった。
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▷ コメント欄
- 「面倒くさいの到達点」というキャッチフレーズがこの上なくコイツを表してて困る -- 名無しさん (2016-07-21 07:15:40)
- 「おれ(害虫 悪)なんかに奪われる事など無い筈なんだ!!!」なんて言っているあたり、ジョセフの元々のM.Oha -- 名無しさん (2016-07-21 12:20:16)
- ↑失礼。M.Oは、ゴキブリかやと思った。 -- 名無しさん (2016-07-21 12:21:17)
- ワクチン開発を阻止するとかいってたし、AEウイルスかと思ってた -- 名無しさん (2016-07-21 14:13:13)
- 「祈れよ。せめて人間らしくな。」←この時まではメッチャカッコ良かった。直後の劉とのやり取りも「人間」であることに自負と誇りを持つが故と考えれば痺れるものがあった。・・・それがどうしてこうなった -- 名無しさん (2016-07-21 18:35:42)
- こういう奇を衒えば面白いと思っちゃうあたりがテラフォーマーズの限界。期待に応えるのも面白さの条件だよ -- 名無しさん (2016-07-21 19:41:26)
- 設定上のスペックはブッ飛んでるが、肝心の行動レベルが壊滅的に低い。「作者より賢いキャラクターは創れない」を地で行ってる…単に「頼れる変態さん」 「愛すべきバカ」のままでいた方が絶対光ってた。 -- 名無しさん (2016-07-21 20:03:04)
- ジョセフの正体はベニクラゲのMO手術を受けて若返ったアレクサンドル・グスタフ・ニュートンだって説がある -- 名無しさん (2016-07-22 21:10:02)
- ベタだけどジョセフは燈とミッシェルの為に聖ゴキと闘って敗北 でも燈の勝利のための切っ掛けを作るとかにしとけば人気キャラになれただろうに… -- 名無しさん (2016-07-23 07:45:11)
- エヴァがすべて覚えてたら終わってたのに「忘れててよかった~」だからなぁ...これで良いのか人類の到達点 -- 名無しさん (2016-07-23 09:12:28)
- こいつアニメのOP映像じゃちょうどサビの「剣の~風~♪」のところでちゃっかり剣構えてやがるんだよなwド汚ぇゲスのくせしてw -- 名無しさん (2016-07-23 10:25:27)
- 本性現してからテラフォから離れたなあ…ゴキの山を築いてた時はワクワクしてたんだが -- 名無しさん (2016-07-24 13:36:15)
- せめて艦長との戦いで死んでおけよ、もしくは自分の側頭部に電気流してろ、と思った -- 名無しさん (2016-07-24 16:36:46)
- 単純にキャラとして面白くなくなったってのがひどい。 -- 名無しさん (2016-09-02 01:07:49)
- カイジでも似たようなやりとりがあった気がするが、最悪の環境をお膳立てしてそこに放り込んだ人間がゆがんだからって人間の本質が悪だとか真実の愛なんて嘘みたいな真理が導けるわけじゃないんだよな。こじらせたクソガキの悲観論でしかない -- 名無しさん (2016-09-02 04:23:39)
- 個人的な執着の部分、要らなかったよなぁ。ニュートン一族の計画だけが動機でよかったじゃねーか。一族の計画とコイツに差を設けたことで、こいつの株は上がったか? むしろ落ちてるんだよ。 -- 名無しさん (2016-10-12 18:52:22)
- 最初はかっこよかったのに後がダメダメなコイツは駄目ジョセフ。ヤバくなったら逃げたり命乞いをして一見ダメダメだが、本当の狙いが分かるとカッコいいジョジョのジョセフは良いジョセフと呼んでる。 -- 名無しさん (2016-12-13 10:13:14)
- ネタか本当か知らないが作者によるとジョセフはARMSのコウ・カルナギの子孫らしい -- 名無しさん (2018-07-12 13:21:09)
- 人類の到達点(バッドエンド) -- 名無しさん (2018-08-22 11:31:42)
- ↑ 人類が頂点を極めても所詮こんなもんでしかないとも取れるのが皮肉すぎる -- 名無しさん (2019-12-20 12:49:35)
- 変態しない変態 -- 名無しさん (2020-04-16 00:42:12)
- 愛を求める悪役という点は悪くなかった。ちゃんと火星で死ね -- 名無しさん (2020-11-22 16:16:38)
- スピンオフだとどれもとんでもないバカで変態なのだが……本編よりも人間としてまっとうな良い奴ばかりって風に逆転している。 -- 名無しさん (2022-08-12 20:35:54)
#comment
*2 不完全変態により、人為変態前でも変態後に近い能力を発揮できる。
*3 爆の公式ランキングは50位だが、ガイドブックによると実際は12位相当とのこと。
*4 〝痛み〟の複雑な信号を司る『ゲート』に干渉し、痛みを誤魔化したり消失させるという理論。
*5 人間の爪先は実は〝ブレーキをかける筋肉〟であり、素早く走り出すのには向かない。
*6 「体が今この状態にある」という事を自覚する能力。
*7 寄生生物の一種。自らの胞子を介し、対象の脳を操ることができる。
*8 高い記憶力を持つはずの『一族』である父親がこんな思い違いをする程度の思い入れだったという証拠である。
*9 そもそもは、中国とロシアが単独行動するための戦術上おかしなプランである。
*10 尚この際、エヴァはアドルフさんの特性をも獲得していた。その為ジョセフにも同様の特性が発現している。
*11 プラナリアは自然界最強とも言われる再生能力を持ち、脳や記憶すら再生させることができる。
*12 燈「あの人はいまや『変わった態度』の方の変態だとは思いますけど……
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