登録日:2012/07/28 Sat 02:52:09
更新日:2024/01/16 Tue 11:10:50NEW!
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伝説が、壮絶に、終わる。
『ダークナイト ライジング(The Dark Knight Rises)』とは2012年公開の米映画。
映画バットマンシリーズ第7弾で、『バットマン ビギンズ』、『ダークナイト』に続く「ダークナイト トリロジー」の完結編。
前作から引き続き、監督はクリストファー・ノーラン、主演はクリスチャン・ベール。脇を『プラダを着た悪魔』のアン・ハサウェイと『マッドマックス 怒りのデス・ロード』のトム・ハーディが固めている。
脚本はクリストファーと弟のジョナサンによる共同制作。
全米では2012年7月20日、日本では7月28日公開。
前作はアメコミ映画の枠を越えた、社会派超大作として高評価を得、あまりにも有名であるが、今作ではむしろ第1作目『ビギンズ』の続編としての要素が色濃く出ている。
なので、前作だけ見た観客には突然登場したある登場人物に「誰?」と首をかしげる者もいたとか。
また、前作の高すぎるハードルと、リアル路線だった前作に比べてツッコミどころが多く(奈落とゴッサムの位置関係、核の扱い、終盤のベイン等)、評価は賛否両論。
ちなみにトム・ハーディの他、ジョゼフ・ゴードン=レヴィット、マリオン・コティヤールといった、ノーランの前作『インセプション』に出演していたキャストも起用されており、吹き替え声優も概ね同作と同じである。
◆物語
ハービー・デントが死に、バットマンが姿を消してから8年が経とうとしていた。
ゴッサムシティはデントの死後に施行されたデント法により犯罪が減少し、平和を取り戻しつつあった。
そんな中、ゴッサムシティに女怪盗のキャットウーマン、さらに謎の傭兵であるベインがやってきたことにより街の平和は脅かされようとしていた。
既にバットマンを引退していたブルースは、街の平和を守るために再びバットマンとして立ち上がる。
◆登場人物
- ブルース・ウェイン/バットマン
昼はウェイン産業の会長、夜はバットマンとして犯罪と戦う闇の騎士。
デントの罪をかぶって逃亡してからは一度もバットマンとして活動しておらず、新しく完成したウェイン邸で8年間引きこもっている。
過去の度重なる戦いの後遺症から足が不自由になっており日常生活では常に杖を突いている。
ベインらの不穏な動きを知ってボロボロの体に鞭打って8年ぶりにバットマンとして復帰する。
- セリーナ・カイル/キャットウーマン
ゴッサムシティにやって来た女怪盗。
バットマンにも勝るとも劣らない運動能力を駆使して宝石などの金品を盗む。
金を持っている人間からしか盗まない主義で一般市民からは盗まない。
ある人物の依頼で自身の犯罪履歴を全て消すことが可能な究極のソフト「クリーン・スレート」をもらうことを条件にウェイン邸に忍び込みブルースの指紋を採取する。
ちなみに作中では「キャットウーマン」という呼称は一度も使われていない。
正体不明の傭兵。
過去に患った病の後遺症で全身に激痛を感じており、痛みを抑えるためのガスを吸引するために常にマスクを身につけている。
ある人物に雇われてゴッサムシティにやって来たが真の目的は…
実写映画初登場の『Mr.フリーズの逆襲』では改造実験により誕生したアーウー言ってる筋肉ダルマだったが、本作では深い理性を携えたヴィランとなっており、原作に近いキャラクターになっている。
実はラーズ・アズ・グールが指揮する「影の同盟」の一員で、彼の一番弟子を自負している。
- ジム・ゴードン
ゴッサム市警本部長。
デントの犯した罪を隠し続けることでゴッサムは平和になったが、市民に事実を隠し続けていることへの罪悪感に苛まれている。
妻子は家を出て実家に帰っている。経緯は不明であるが、おそらくは前述の隠蔽に加え、前作でゴードンが汚職警官を放置して結果的に家族を危険に晒した事が原因で関係が冷え切って別居に至ったと思われる。*1
- ジョン・ブレイク/[[ロビン>ロビン(バットマン)]]
ゴッサム市警の巡査。
正義に燃える新人警官であり、ゴードンからも期待されている。
幼い頃に両親を失った孤児であり、警官になってからも育った孤児院に行っては子供たちと交流している。
ラストで、まさかの本名が明かされ、彼がブルースの遺したバットケイブを発見したところで物語が終わる。
本作ではバットマンのサイドキックとして活躍はしないが、原作ファンのサービスとしてそれに準じた役割を担っている。
- ピーター・フォーリー
ゴッサム市警副本部長。
若い頃はゴードン達とともに街の犯罪やマフィアと戦ったが、平和になった今では自身の保身や出世の方を優先させるようになってしまっている。
- アルフレッド・ペニーワース
代々ウェイン家に仕える執事。
8年間引きこもっているブルースを心配しているがバットマンには戻って欲しくないと思っている。
毎年、休暇にはフィレンツェに行く。
今回遂に、バットマンに入れ込み続けるブルースを見限り、レイチェルの真意を主人にぶちまけ、屋敷を出て行ってしまうが…。
- ルーシャス・フォックス
ウェイン産業の社長。
ブルースがバットマンとして活動するための装備や乗り物を開発して提供している。
新エネルギー開発のために私財の半分を投資してまで進めていた計画をブルースが途中で中止させたことで会社の経営が傾いたことに頭を悩ませている。
- ミランダ・テイト
ウェイン産業の進める新エネルギー開発の資金を投資している女性。
新エネルギー開発にたいして真面目で熱心な捉え方をしているため、ブルースやフォックスからも信頼されている。
その正体は
ラーズ・アル・グールの娘、タリア・アル・グール。
「奈落」を唯一登り切った張本人であり、父を殺したブルースへの復讐のために彼に近づき、自分を慕うベインを利用して計画を練っていた。
ちなみに、原作ではブルースとの子供を妊娠し、その息子ダミアンが4代目ロビンとなっている。
- アンソニー・ガルシア市長
ゴッサムシティの市長。
8年前に施行されたデント法による平和の維持をモットーとしており、市長なりにゴッサムの治安を考えているのだが、犯罪の激減による警察の弱体化、デント法の欠陥、8年経った現在も続く格差社会といった点に気が回らなかったあたり、どこか詰めが甘い人物と言える。
- ジョン・ダゲット
ダゲット建設の社長。
ウェイン産業の乗っ取りを画策している。
- レオニード・パヴェル
核物理学者。
CIAの手引きによる亡命中の飛行機事故により死亡するが・・・
- レイチェル・ドーズ
ブルースの幼馴染。
前作で死亡したため、本作では名前のみの登場。
彼女の死はブルースの心に深い傷を残し、恋人だったハービーの堕落へと繋がってしまった。
生前はブルースとハービーとの間で揺れていた末に最終的にハービーとの結婚を選んだが、その事をブルースが知ることなく命を落とした。
そして、唯一レイチェルの真意を知るアルフレッドはブルースを気遣って真実を隠し続けていた。
「光の騎士」と呼ばれた地方検事。
前作で死亡したため、本作では名前と回想シーンのみの登場。
死後、功績を称えられ、自身の名を冠した法律が作られたのだが、かつては厳格な正義の英雄であったハービーの名が、死後に厳格な正義の象徴に使われたのはある意味では皮肉と言える。
- ラーズ・アル・グール
第1作目で登場した「影の同盟」の首領。
ブルースをバットマンへと育て、倒されたはずだが、今作ではその忘れ形見がブルースを苦しめる。
◆登場兵器
- バットポッド
前作で破壊されたバットモービルの脱出装置として登場した2輪バイク。
バットモービル譲りの強力なキャノン砲を装備している。
今作ではバットマンの他にキャットウーマンも搭乗する。
- ザ・バット
フォックスが新たに開発したマシン。
大型のプロペラにより高層ビルが立ち並ぶ都市部でも高速飛行できる。
自動操縦のプログラムは組み込まれておらず有人による操縦が必須。
- カモフラージュ・タンブラー
バットモービルと同型のタンブラー。
通常タイプの他にキャノン砲を装備したタイプとロケットランチャーを装備したタイプがある。
悪用を防ぐために完成したマシンは全てウェイン社の地下倉庫で保管されていたが・・・
◆用語
- デント法
ハービー・デントの死後に制定された法案。
具体的な内容については劇中では明かされなかったものの、この法案によってゴッサムでの大規模な犯罪(主に組織犯罪)が激減した。
しかし、一方ではどんな小さな罪でも厳しく取り締まり、本来なら可能なはずの仮釈放さえも許されない上、囚人同士によるレイプ被害の可能性があるにもかかわらず男女共同で犯罪者をブラックゲート刑務所に収容する等、生前のデントの思想が悪い意味で体現された弾圧まがいの悪法とも言える。*2
実際、施行から8年経った現在でも廃止の声が絶えない有様であるが、市長は意に介すことなくデント法の維持を主張している。
- クリーンエネルギープロジェクト
ウェイン産業が進めている、ゴッサムのエネルギー問題解決に貢献すると言われる計画。
本来財団の目的ではなかったが、ブルースが興味半分に私財を投入して進行させた。
その実態は、ゴッサムの地下に置かれた核融合炉を用いた小規模な原子力発電。
小型核融合炉を兵器に転用する可能性は低かったが、パヴェル博士により核爆弾への転用技術が生み出されていた。
- 奈落
ベインに拉致されたブルースが「落とされた」、世界の果てに位置するという巨大な地下牢獄。
井戸のように深い穴の中にあり、大勢の囚人がひしめき合っている。
看守はいないので隙あらば穴をよじ登り脱出を図る囚人もいるが、大抵は落下し失敗している。
かつて、一人だけ脱出に成功した子供がいるらしい。
なお、ゴッサムとの移動距離はそう遠くはないようだ。
【主要キャスト】
⚫︎ブルース・ウェイン/バットマン
クリスチャン・ベール(檀臣幸)
⚫︎セリーナ・カイル/キャットウーマン
アン・ハサウェイ(園崎未恵)
⚫︎ベイン
トム・ハーディ(山路和弘)
⚫︎アルフレッド・ペニーワース
マイケル・ケイン(小川真司)
⚫︎ジム・ゴードン
ゲイリー・オールドマン(納谷六朗)
⚫︎ジョン・ブレイク
ジョゼフ・ゴードン=レヴィット(土田大)
⚫︎ルーシャス・フォックス
モーガン・フリーマン(池田勝)
⚫︎ミランダ・テイト
マリオン・コティヤール(五十嵐麗)
⚫︎ラーズ・アル・グール
リーアム・ニーソン(佐々木勝彦)
◆余談
- CGを極力使用しないクリストファー・ノーランであるが本作でも予告編で有名なスタジアム爆破シーンではCGは使用せずに実際に爆破している。
- 全米公開日である7月20日にアメリカのコロラド州オーロラの映画館で本作上映中に武装した男が乱入し発砲、58人が負傷し12人が死亡するという事件が発生している。ちなみにこの男はよりにもよって「ジョーカー」を名乗っていたとのこと。
- この事件の影響で予定されていた日本やパリ、メキシコでのプレミア試写会での監督、出演者の登壇が中止になった。
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- この映画はラストシーンの為にあると言っても過言では無いと思う -- 名無しさん (2015-08-12 02:07:07)
- 奈落がゴッサムのすぐ近所にあるようにしか見えなくて???だった -- 名無しさん (2015-08-12 04:19:34)
- 最後まで観て何故『ライジング』なのかがわかる -- 名無しさん (2015-08-12 06:38:49)
- 無駄がない1作、2作と違って、奈落のシーンが長すぎる印象がある。 -- 名無しさん (2015-08-12 08:13:32)
- 登録日がおかしいんだけど・・・ -- 名無しさん (2015-08-12 09:23:38)
- 旧Wikiからサルベージしたもの(ファイルからダウンロードしました)をベースとしています。 -- 名無しさん (2015-08-12 09:29:47)
- 割と好きな作品、終盤の「ヒーローは── どこにでもいる。 少年の肩に上着を掛け、世界の終わりではないと── 励ますような男だ。」がグッとくる -- 名無しさん (2015-08-12 09:44:46)
- クリーンエネルギーについて修正。核融合炉の話してんのに日本やロシアの惨事がどうたらなどとアホな記述があったので。 -- 名無しさん (2015-08-12 18:36:22)
- 核融合と核分裂は別物だからなあ。修正サンクス -- 名無しさん (2015-08-12 18:40:58)
- ぶっちゃけた話、ブルースが社会復帰する話だよねこれ。 -- 名無しさん (2015-08-12 21:16:23)
- 黒幕の死に様が「ガクッ」てドリフみたいで思わず笑ってしまった。 -- 名無しさん (2015-08-12 21:41:31)
- デントはどこまでも報われない人だな -- 名無しさん (2015-08-12 21:50:56)
- 敵がふごふご言っててかわいい -- 名無しさん (2015-08-13 09:29:17)
- 俺は前作より好きだな。ハッピーエンドだし、「すべてじゃない…まだだ」と「知ってるさ、『バットマン』だ」はシリーズ屈指の名言だし、ヒーローとは何かを象徴する映画だと思う。 -- 名無しさん (2015-08-13 14:12:30)
- ロビンの件は最後の最後に明かされたことだし隠しておいた方がいいのでは…むしろバットケイブの件は書かないべき?黒幕はもちろん書かないとして -- 名無しさん (2015-08-13 18:50:43)
- 人は何故落ちるのか 這い上がるためだ このフレーズ好き -- 名無しさん (2015-09-10 14:22:49)
- スケアクロウ=ジョナサン・クレインがちゃっかり三部作皆勤。監督好きなのかな -- 名無しさん (2015-09-11 00:13:27)
- ぶっちゃけ前作でデントが闇堕ちした時点で詰んでるよね -- 名無しさん (2015-10-15 11:48:48)
- ↑大体ジョーカーが悪いのにジョーカーに全く触れられなかったのがな。役者が死んじゃったから仕方ないとはいえ不自然に見えた。 -- 名無しさん (2015-11-21 22:15:15)
- ラスト以外とにかく敵の思惑通りに事が進み過ぎてストレスたまりまくった -- 名無しさん (2016-03-05 19:50:49)
- そういう意見も判る一方、それでも最後まで己の職務を全うするべく、ベイン達に戦いを挑むヒーロー達と、その中にごく自然に混じっているバットマンの姿が感動的だったと思う。 -- 名無しさん (2016-03-05 19:56:26)
- それは本当にそう思うな。バットマンもだけど特に警官たちが格好よかった -- 名無しさん (2016-03-06 08:10:46)
- ↑副本部長だったかが死んでるシーン見た時自分でもびっくりするぐらい悲しかったわ -- 名無しさん (2016-04-03 12:43:28)
- ビルの壁面が燃えて炎がバットシグナルになるシーンとか鳥肌立った。ヒーロー映画のカタルシスも備えてるよな。 -- 名無しさん (2016-04-20 01:45:59)
- ↑3 まさに「誰でもヒーローになれる」だよな。 -- 名無しさん (2017-04-23 19:47:44)
- 短い期間内に話を詰め込み過ぎてたり、ベインの処理が雑だったり物足りないポイントも多かったけど、グッとくる要素も多かったし普通に面白かった。 なにより人気シリーズを独自解釈でこれだけ綺麗に完結させたことは評価したい。 -- 名無しさん (2017-06-23 06:59:21)
- バットマン ダークナイト ライジング -- 名無しさん (2018-09-30 19:18:24)
- 2作目と比べて批判も多いけど、やっぱりライジングまでないと完結じゃないと思う。全てを犠牲にして戦い続けたブルースが最後にやっと報われる、それ以上の終わりはないよ。 -- 名無しさん (2020-05-28 23:34:17)
- この作品は解放の物語でもある。 ブルースとアルフレッドは長年の職務から解放され、セリーナは犯罪歴から、ブレイクは組織から解放される。 一方で組織に残ることを選んだゴードンのことも否定的に描いてはいない。 -- 名無しさん (2021-01-11 08:56:11)
- 誰でもヒーローになれる。特別なことじゃない。傷ついた少年の方に上着をかけて、「世界の終わりではない」と、励ませばいい。ほんと名言だし大好きな言葉だ。両親を眼前で失った幼きブルースのヒーローは、ゴードンだったんやなあって -- 名無しさん (2022-12-11 04:27:08)
- 奈落の場所はゴッサムの近くではないのでは?上り、脱出したブルースが走ってフェードアウトするけど、次のゴッサムのシーンは雪が降る真冬になってる。ブルースが何ヶ月もあの状態のゴッサムに潜伏して何もしないままなんてありえない(準備を周到に重ねたとしてもあの無秩序を放置はありえない)から、セリーナとの再開時のブルースは、帰還して間もない、長くても数日程度と考える方が自然。つまり、奈落の場所はゴッサムから遥か遠く離れている説を提唱したい -- 名無しさん (2022-12-11 04:32:32)
- 評価は賛否両論なんだ。初めて知った。あまりにも高い壁のダークナイトを越えられなかっただけってで、ライジングも良作だと思うけどなぁ。「人は何故落ちると思う?」って問いかけが二作目ラストで落ちるところまで落ちてから最終作で効いてくるのが熱い -- 名無しさん (2023-02-05 21:28:45)
#comment
*2 中盤で警察に逮捕されたセリーナもデント法の例外措置でブラックゲート刑務所へと収容された。
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