五島秀之(ゴルゴ13)

ページ名:五島秀之_ゴルゴ13_

登録日:2015/04/23 (木) 12:54:27
更新日:2024/01/12 Fri 11:03:10NEW!
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ゴルゴ13 ルーツもの 蒼狼漂う果て ゴルゴ13の登場人物 ハーフ 氏より育ち 五島秀之 五島政之 五島貴之 ゴルゴ13の父親候補 シエイク・ゴトー 2・26事件 馬賊 被爆






ど、どこまでもどこまでも広がる草原を、わ、私は………………





五島秀之とは、『ゴルゴ13』の41巻に収録されたエピソード「蒼狼漂う果て」に登場するゲストキャラクター。


概要

シエイク・ゴトーを名乗っているが、日本人(正確にはハーフだが)の老人男性。
中国・ソ連・アフガニスタン国境で被爆してしまい、生きているのが奇跡の状態という瀕死状態だった。


昔は旧日本軍の少尉であり、東京同盟通信社の本社一階でコーヒー屋を営んでいる元記者の長田は2・26事件の際に彼に会っていたらしい。
2・26事件の時に彼とその父親の住んでいた家が延焼しており、後にこの家からは一人の焼死体が発見されたが、五島なのかその父親なのかは判断できない状態となっていた。
そのまま忘れ去られていた存在なのだが、何故かアフガニスタンにいた。


五島政之というユダヤ国民基金ジュネーブ支部長を勤めている息子がいる。
政之は父親のことはよく知らず、それどころか自分の本当の国籍すら把握していない状態だったらしい。
シャフルードが語るには、幼いころから計算能力に優れ、金儲けの才能があったらしい。
また、正之以外にも彼の兄に相当する貴之という名前の息子もいたが、13歳の時に行方不明になっている。


アフガニスタンの軍人になりきっているが本来はユダヤの諜報機関の人間だったシャフルードという人物が被爆した秀之を保護した。
シャフルードは秀之と共にイスラエルの建国を目指してアラブと戦っていたことから知り合いだった。


核実験の証拠隠滅のために抹殺されかけており、そもそも体調の問題でどちらにせよ既に死ぬことは確定していたが、最期を看取りたいという政之によってゴルゴに護衛の依頼が行われる。
この依頼の意図には「ゴルゴに父の抹殺を依頼される前にこっちで押さえておけば、追っ手の攻撃力は少なくともゴルゴ以下になる」という発想だった。
これを聞いたゴルゴは「ユダヤ的発想」と評しながら、『氏より育ち』という謎の台詞を呟いているが……


経歴

◇2.26事件

2・26事件の最終日に反乱した将校たちは、軍の相討ちを避ける為に降伏をすることにする。
秀之は降伏後、自決しようとしたがその前に男手一つで自分を育てた職業軍人の父にお詫びをするために自宅に戻る。


しかしそこで見た物は、短刀で自決を試みようとする父の姿だった。
父親は自分の為に国賊になって自決をしようとしたのかと秀之は思ったのだが、そんな秀之の考えを否定すると同時に『将校たちは陛下は国民の味方だと思い蜂起したが結果はどうだったか』ということを問いかけられる。
秀之は所詮天皇陛下は国民の味方ではなかったとして裏切られたと感じ、昭和天皇に絶望していた。


それでも秀之は「大義のために立った以上日本人ならば自決するのが当然」と考えていた。
ところが、父によって母親は清朝の末裔の中国人なので純粋な日本人ではないことを伝えられる。
その理論から父親は秀之に対し生きることを告げ、家を延焼させながら切腹自殺を行い炎に消えていった。


◇満州時代

天涯孤独となった秀之は、上海を経由して満州に入り込む。
中国名を名乗り、満州馬賊に身を投じた秀之は、射撃の腕前で各地の頭と友好的な関係となる。
そして、秀之は100名に及ぶ部下を抱える馬賊の頭となった。


やがて、ソ連国境を訪れた秀之はそこで帝政ロシアのロマノフ朝の末裔、ソフィアという女性に出会う。
東洋人である彼は、初めて見るソフィアの青い瞳や顔に魅力を覚える。


二人は深い関係となり、一人の子供を授かる。この子供が、秀之最初の息子である貴之だった。
つかの間の幸せを感じていた秀之だが、ソフィアはスターリンの官憲に捕えられる。
妻は秀之と貴之を残し、シベリアの最果てに流刑されてしまった。


残された息子の貴之とは良好な親子関係を築いていたが、貴之の不思議な銃の扱い方には疑問を抱いていた。
そんなある日、馬を乗りこせるようになった貴之をつれ阿片の輸送隊を守る任務を行う秀之だったが、異様な射撃センスを見せる貴之が自分の息子だと察知され、人質作戦が展開される。
秀之は息子の救援に間に合ったことで敵を退却させるが、負傷した己の馬を苦渋の顔で撃ち殺す息子の姿を見ることになる。


その後、秀之は日本軍が中国本土へ侵攻してきたことで祖国に再度失望。
秀之は手下とともに、毛沢東の率いる八路軍に協力して抗日戦を行う。
やがて日本が戦争へ敗北することがほぼ決まると、毛沢東による中国共産党の礎は確実に完成してきていたことを受けて、戦いを求めてシルクロードを通過し西アジア方面に行く。


◇イスラエル時代

秀之親子は各地の遊牧民に助けられながら西へ向かい、彼らはトルコ・イスタンブールに到着。
イスタンブールでは、ユダヤ人が大量に集まっており、イスラエル建国の基地状態となっていた。
世界中から集まってくるユダヤ人たちの私心無き行動に心を打たれ、シャルーフドと出会い、対アラブ戦に参加することとなる。


アラブ軍相手に圧勝するユダヤ人の戦いの合間に、秀之は各国の援助物資集積所に銃弾を受け取りに行った際にユダヤ系スペイン人の少女であるクラチナ・メンデスと出会う。
クラチナと仲を深め、彼女との間に出来た子供が政之だったが、政之を生んだ後にクラチナは過労で死ぬ。


これで、自分と一つの国を結ぶ絆が途切れたと考えた秀之。
そのころのイスラエルは国家の独立を承認され、急速に国家の形を整えていた。
その中で彼はシャフルードに二人の息子を託し、イスラエルから去る。


秀之の落ちつける場所は、結局は果てしない大草原で馬を走らせられる土地だった。
彼は満州に再び潜入し、昔の仲間の元へ帰っていったのだった……


劇中の活躍

シャフルードに保護された後に、当初はエルサレムで匿う予定だったが、息子である政之の提案でジュネーブに運ばれることになる。
空港での銃撃戦などでシャフルードが犠牲になる中、ジュネーブの屋敷で警護下に入った。
追手たちは、監視の目をかいくぐり秀之の抹殺に向かおうとしていたが、依頼を受けていたゴルゴによって殲滅作戦が始まった。
屋外での激しい戦闘の中、秀之は死期を悟って自分語りを始める。


ど、どこまでもどこまでも広がる草原を、わ、私は………………
どこまでも……………
ど、どこまでも………


そして上述の経歴の詳細を語り、草原への想いと共に目を静かに閉じて激動に満ちた生涯を閉じた。
その死は息子の政之の涙を呼び、秀之を追っていた日本人記者の竜造寺にはぬくぬくと平和な日本に侵っていると感じさせて恥を覚えさせた。
死を迎える瞬間にも追手の集団とゴルゴを含めたボディーガード達が激しい銃撃戦が行われていたが、やがて敵の殲滅は完了した。


ところが、竜造寺が帰国した後に秀之の息子の貴之の正体は実は護衛を行ったゴルゴ13なのではないかという疑惑が持ち上がる…。


残された謎

秀之はゴルゴが事実上の警護という形で守ることになった珍しい人物でもある。
ゴルゴは基本的に護衛の依頼は拒否しており、ゴルゴが秀之を守ったことは己のルールを破ったことになるのだ。
実際には警護形式の依頼こそ行ったことはあるが、その際は依頼人に直接的な表現にはせずに「対象を殺す相手を殲滅して欲しい」というような形であくまでも「特定の相手の殺害依頼」という形を取らせている。
ところが、政之の依頼時の台詞は率直に警護を頼む内容なのだが、特に訂正はせずに意味深な台詞と共に受注している。


そして、作中でも本来拒否するような内容の依頼を受けたのかということから「ゴルゴ13=五島貴之」説が疑われる流れとなった。
結局答えを探りに向かった竜造寺が行方不明になったことで五島貴之の現状は不明のままなのだが、ゴルゴのルーツ議論において五島貴之説の根拠の一つとなっている。


余談

  • ゴルゴのルーツにおいて五島貴之説が正解だった場合、ゴルゴは中国人(或いは満州民族)の血筋も持つことになり、「日本+ロシア+中国」という3つの人種からルーツが成り立っていることになる。

  • 尚、「氏より育ち」とは「人格の形成には、家柄や血縁よりも環境や教育の方が強く影響する」という意味である。





その時、Wiki篭りの瞳が語っていることがよく分かった。項目は追記・修正されてこそ幸せなのだ。


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  • 相変わらずゴルゴの項目は良く出来てるな。「アッシュ最良の日」とかもお願いしたい。 -- 名無しさん (2015-04-24 21:44:13)
  • きっと、探りすぎて、「ターン!」されてしまったんだろうなぁ……。 -- 名無しさん (2016-04-13 20:38:50)
  • 「氏より育ちだな」が、単にユダヤ的発想に対して言っていたとしても、これもゴルゴには珍しい「無駄口」だよな。依頼人には、よく「要点だけ言え」とか釘を刺すからな。 -- 名無しさん (2016-07-09 10:17:13)
  • ゴルゴのルーツ話だと一番好き -- 名無しさん (2018-10-07 19:13:05)
  • ゴルゴルーツ説の中では俺も一二を争うくらい好き。にしても竜造寺、せっかく貴重な体験して生存したのに自ら…。 -- 名無しさん (2020-04-21 01:55:05)
  • 著作権保護のため、項目名を「蒼狼漂う果て(ゴルゴ13)」からキャラクターである「五島秀之(ゴルゴ13)」への変更を行いました。エピソード項目からキャラクター項目にする都合上、内容をエピソードの記述からキャラクターに主眼を置いた内容にするために一部記述の削除や変更もしております。 -- 名無しさん (2023-08-19 00:19:08)

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