登録日:2011/02/09(水) 06:36:37
更新日:2023/12/14 Thu 10:58:00NEW!
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心理学 背反要素 二元論 超正常刺激 認知的不協和 色々とすごい ds=ラブプラス 哲学者の皮を被った変態
『二元論』、という概念を御存じだろうか。
『世界の事物は根本的な原理として、背反する二つの要素から構成される。』
という概念である。
例えば禁忌とエロス。
例えばと無欠と欠点。
例えばツンとデレ。
無欠と欠点であれば、
完璧超人なのに、
実は怖がり
な美少女の様な。
禁忌とエロスであれば、
イケナイ事なのにいつの間にか
異性として見るようになってしまった、妹のような。
ツンとデレであれば―――もう、皆までいう必要はないだろう。
そして、それらは『ギャップ』として、或は『背徳感』として今日に至るまで我々を魅了して止まない。
――何故我々はこうも、事物の内包した『背反要素』に惹かれてしまうのか。――
認知的不協和と超正常刺激を軸に、考察してみたいと思う。
【超正常刺激と背反要素】
自然界には
『現実のメスより大きなモデル』
『現実の卵より大きなモデル』
等に実際のソレ以上の反応を示す生物が存在するのだが、この様な
『非現実的なのに、その動物を惹きつける刺激』
の事を超正常刺激という。
さて、この超正常刺激だが、
我々でいうデフォルメに似ていないだろうか。
しかし、あくまでヒトなので正確には異なるが、基本理念は共通している。
我々が二次元に惹かれるのがその証拠だろう。
▼デフォルメと現実の相違点
α.)俗に言う美少女キャラクターと、現実のソレの大きな相違点は以下四つ。
・『低い頭身』
・『大きな瞳』
・『無いに等しい鼻』
・『小さな口』
だ。
ちなみにこの構造、『無いに等しい鼻』を除けばどことなく幼児のソレに近い。
我々がデフォルメに感じる『愛らしさ』や、保護欲的な感情を掻き立てる様な何かは、これと無関係ではないだろう。
β.)現実との一致点
前述の相違点がありながら、プロポーションや性的機能は我々の理想とするソレと合致している。
自然界の例にしても、余りに大きいと反応を示さないので、ある程度のバランスが必要である。
如何に目が大きくても、我々がグレイタイプに欲情しないのと同じ理屈だろう。
さて、αとβを統合して考える。
現実に、大きな瞳と低い頭身、無いに等しい鼻と小さな口持ち、それでいて理想的な体型と性的機能を持つ個体が存在するだろうか?
答えは"否"である。
物理学的にも生物学的にも、それこそ現実的にも有り得ない。
つまり我々が二次元に惹かれるのは、両立しえない非現実と美という背反要素を兼ね備えた個体の超正常刺激
―――ひいてはギャップによる物ではないのだろうか。
………?
あっ、待ってまだブラウザバックしないでちゃんと最後には結びつけて考察するからお願いしますお願いしますお願いします
ちなみに、ヒトというのは
『頭の上に何かあった方がいいのではないか。』
という超正常刺激があるらしい。
これは神話に登場する『神』や『悪魔』と呼ばれる個体が、頭に角や輪がある事に起因する。
おなごが髪を盛りたがる心理と同じだ。
つまり、ある意味ネコミミブームとは、我々にとって超正常刺激的に必然だったのかも知れない。
【認知的不協和と背反要素】
典型的な肥満体の中年がいたとしよう。最近薄毛が気になり始めた、どこにでもいる様な40歳の男性だ。
彼には妻と16になる娘が一人いる。
毎日、仕事でクタクタになり帰宅するというのに、娘は目を合わせようともせず、妻も最近ろくに言葉を交わしてくれない。
――娘は、そういう年頃だし…仕方ないか。でも目すら合わせてくれないなんてなぁ…。
そういえば、妻と最後に寝たのはいつだったか。――
そんな事を考えながら、彼は今日も一人発泡酒片手に晩酌をとる。
娘はいつものように彼を見るなり自室へ戻り、妻は彼が帰宅してすぐ眠ってしまった。
――娘は…勉強で忙しいんだろう。妻は…多分疲れていただけさ――
胸で燻る疑念をごまかす様に、何かから逃れる様に発泡酒を喉に流し込む。
――そして、彼も気付かぬ間にその頬は涙で濡れていた。――
さて、彼は最近DSにはまっている。
しかし、その影響で視力が落ちてきた。
この時、彼は
認知1)私はDSで遊ぶ。
認知2)このままだと視力が低下する。
という、矛盾した2つの認知を抱えている事になる。
この様な矛盾した認知による生じる不快感を認知的不協和という。
この不協和を抱えた時、彼の場合であれば
認知3)でも皆やってるし…
認知4)DSで視力回復したとか聞くし。
という新たな認知を加える事により低減ないし、除去を試みようとする。
そして世間はこれを言い訳と呼ぶ。
▼禁忌とエロス
――妹というのは、背徳感をもってして我々を魅了する――
この妹の内包する背反要素は
配偶者選択として有り得ないのに
魅力的
だ。
何故近親相姦が禁忌かというのは、人間が進化の過程で手に入れた『より強い子孫を残そう』という働きによるもの。
もし同族遺伝子内に何らかの『劣化遺伝子』があったら、同族内で子孫を残した時、当然同じ『劣化遺伝子』が発現しやすい。
故に、ヒトはそれを避ける為、なるべく遠くの遺伝子と交配さようとした。
その結果が『同族遺伝子に対する性的嫌悪』である。
さて、妹に対してエロスを感じてしまった場合
認知1)『妹が好きだ』
認知2)『だがそれは禁忌である』
という不協和が発生する。
この不協和を低減する為、新たに
認知3)『行き着く先は不幸しかない』
という認知を加える。
『ああ、これでいいんだ…』
『お互いの為だ…』
と、否定的認知をもって諦めへ向かおうとするのだ。
だが、もし
実 は 二 人 に 血 縁 関 係 が 無 か っ た と し た ら ?
良く訓練された性愛者は超自我の壁すら超えてしまうのかも知れないが、多くにとって最も論理的かつ平和的なのは『血縁関係の有無』だ。
これで不協和の元凶であった 認知2、3 が消え、
認知1)『妹が好きだ』
認知4)『血縁関係が無い』
に変わり、不協和は解消へ向かう。
それも『されど妹』であるという背徳感のオマケ付きだ。
そう、それはまるでカラカラに渇いた喉を潤す清水の様に、絶食後の空腹を満たす高級フレンチの様に、
不協和の解消は、絶頂してしまいそうな感慨を持ってして、我々の心を潤すのだ。
【考察】
超正常刺激の場合、
非現実的なのに
魅力的
という背反要素。
認知的不協和の場合
禁忌的なのに
エロス
という背反要素。
この様に、我々が背反要素を持つ対象に、一方で何らかの否定的な刺激を感じ、それが解消無いし低減可能な場合、
認知的不協和によりギャップや背徳感として昇華され、我々を魅了する。
これは冒頭のツンデレと無欠と欠点にも通じる物である。
イケメンが有利な理由もここにある。
少しばかり残念だろうが、結果的にギャップとして認知されてしまうのだ。
……ねっ?!
ちゃんと結び付けたでしょう?!
君には今、
認知1)『この項目は目も当てられない』
認知2)『だが、どうにかして見れるレベルの物にしたい』
という認知的不協和が生じている。
ここに
認知3)『追記修正する』
という新たな認知を加えることで、その不協和は解消へと向かうだろう。
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