ウォーカー・ギャリア

ページ名:ウォーカー・ギャリア

ウォーカー・ギャリア (WALKER-GALLIA) タイプは、アニメ『戦闘メカ ザブングル』に登場する架空の兵器。

テンプレート:ネタバレ

目次

機体解説[]

テンプレート:機動兵器

ザブングルに次いで変形合体機能を持つウォーカーマシンである。頭・腕・背部ローターで構成されるギャリィ・ホバーと胴体および脚部で構成されるギャリィ・ウィルからなる。変形構造自体はザブングルに比べて大幅に簡略化されており、その複雑なシステムを廃した事で代わりに各部が強化され、ザブングルを上回るパワーと機動力を誇る。機体色はエメラルドグリーン&ホワイト。劇中ではほとんどの場合、ギャリアと略して呼称されていた(以下、本項でもギャリアと呼称する)。

ザブングル、ブラッカリィとともにザブングルタイプにカテゴライズされるが、ザブングルから幾つかのコンセプトは継承しているものの、外観や構造に大きな変更がみられるため、差別化してウォーカー・ギャリアタイプと呼ばれる事もある。この点はブラッカリィに関しても同様である。

本機は完全な戦闘用ウォーカーマシンである。その上、複数存在するザブングルとは異なり、劇中ではジロンが乗った1機しか登場しておらず、そもそもシビリアンへの販売用モデルであったのかどうかも不明である。狭義のザブングル・タイプとの最も大きな差異は、背面に取り付けられた巨大なローターである。このローターによって得たホバーで、ギャリアは抜群の跳躍力を手に入れており、物語の後半でイノセント側にのみ供給された飛行ウォーカーマシンのドラン・タイプとも互角以上の空中戦を展開することが可能となった。

兵装については、合体時に頭部となるギャリィ・ホバーのコクピット、合体時に腰部となるギャリィ・ウィルのコクピットにそれぞれ連装のリモコン機関銃(機関砲)が装備されている他、5本指のマニピュレーターによって汎用の手持ち武器も用いられた。専用の30mmライフルも用意されているが、劇中、特に印象的に用いられたのは市販品の大口径バズーカで、その火力の大きさから多用されている。

最終回まで合体機構が無傷で残ったため、分離状態の2機それぞれにパイロットが搭乗することが多かった。ギャリー・ウィルのパイロット兼ガンナーを最も多く担当したのは、サンドラット団最年少のチルである。

ギャリィ・ホバー、ギャリィ・ウィル[]

ギャリィ・ホバー上半身部のネーミング。大型ホバギーで、背部ラックに大型バズーカをマウントして移動することもある。巨大なホバーを装備したことで飛行高度はブングル・スキッパーを上回るが、戦闘力が低いためにもっぱら移動するための形態である。メインパイロットはジロンだが、第29話冒頭でブルメが乗った事もある。ギャリィ・ウィル下半身部の名前で、合体時のボディの7割を占める程になる。三輪型の大型トライクで、ブングル・ローバーやギャリィ・ホバーのような飛行能力は持たないものの、パワーと荒地走行安定性で優れている。メインパイロットはチルだが、初登場時はラグが運転し、ブルメとダイクも操縦することがあった。

劇中の活躍[]

キッド・ホーラがけしかけたカラス一家を苦戦の末に倒したカーゴ一家であったが、アイアン・ギアーは大破、ザブングルもジロンの機体が失われてしまった。辛うじてアイアン・ギアーの同型艦のグレタ・ガリーを接収し乗り換えたものの、ウォーカーマシンをはじめ戦力の補充を必要とするアイアン・ギアー一行は、グレタ・ガリー内に残されていたカラス・カラスの借用書を根拠に、自分らもウォーカーマシンを前借りすべくLポイントに向かう。しかしカシム・キング派の2級司政官ドワスの独断によってプログラムされたガードマン達と交戦状態に入り、そのままLポイントを襲撃する。

もともとギャリアはホーラに支給される予定であったが、Lポイントを襲撃してきたアイアン・ギアーの一行によってブーメラン・イディオムもろとも強奪され、3日の掟によりジロンの所有となった(一方、ギャリアを眼前でジロンに奪われたホーラは、見返りとしてドワスより新型ランドシップ・ガバリエを受領している)。以降、最終回までジロンの愛機(これ以降、ザブングルに乗ることは無くなった)となり、反イノセント勢力の主戦力として活躍することとなる。

その後、装備拡充のためにメッカバレーの武器商人の小屋で見つけたバズーカをトロン・ミランと取り合いになり、肉弾戦およびトロンのカプリコタイプと果たし合いを行う。終止、トロンに圧倒されていたジロンだったが、果たし合い中にホーラのガバリエと交戦状態に入り、加勢に入ったトロンによりそれを退けるもトロンは戦死、形見として譲り受けたバズーカはギャリアの主兵装となった。

ジロンとチルが乗って以降、イノセントが差し向ける数々のウォーカーマシンを退けた。ザブングルと比較してずんぐりむっくりとしたフォルムのせいかコミカルな動きが多く、ランドシップの砲撃から逃げたり、慌てて逃走する際にはバタ足まで見せた時もある。寒冷地帯ではオイルの凍結等でエンジンの掛かりが悪くなり、出撃に際して、火炎放射器で機関部を熱するという暴挙も行われた。

ソルトと合流してからのXポイントでの最終決戦においてはICBMを受け止め、投げ返すという離れ業を行なった(ゲームソフト「スーパーロボットスピリッツ」では超必殺技「ミサイル投げ」、「スーパーロボット大戦α外伝」「スーパーロボット大戦Z」では「ICBM投げ」として、武器のひとつになっている)。

武装[]

固定武装
  • 12.7m連装機銃(ギャリィ・ホバー、コクピット横)
  • 20mm連装機関砲(ギャリィ・ウィル、腰部)
オプション武装ザブングルに比べ専用オプションが少ない。30mmライフル(5連発)ザブングルの専用ライフルと違って固定用ラッチがないデザイン。マガジンは共用不可能だが砲弾は共通。射撃モードはセミオートのみだが、バレルがザブングル用と比較して長いことから遠射に優れる。アニメ用設定を描いたのは出渕裕。ブラッカリィも同型のものを使用している。巨大バズーカ(ロケットランチャー)一般に売られている汎用品。前部にフォアグリップ、後部にマガジンがあり連射及び再装填可能(装弾数は不明)。トロン・ミランの遺品。発射後、ロケット弾から四枚の翼が展開し、回転させ弾道を安定させる。移動時は背部ホバーのラック部に据え付ける。ブーメラン・イディオムギャリアと同時にLポイントから強奪したもの(劇中の「こんなの見つけた」というブルメの台詞から、ギャリア専用品であるとは限らない)。弧状をした本体の左右に握り(グリップ型トリガー付き)が取り付けられた武器で、13連装小型ロケットランチャー兼ブーメランとして使用できる。本編では「ブーメラン・ランチャー」と呼ばれた。砲口の向きが放射状で狙いにくく、装弾数も少なくて使い勝手が悪いせいか、本編では入手後数回しか使用されていない。その堅牢さから格闘用打突武器にもなるが、本編での使用例はない。5連装ミサイルランチャーラッチがギャリアの肩幅に合わせてある専用武装で、取り付けると両肩に跨った天蓋状になる。遠隔発射装置がなく、発射にはいちいちWMの指でランチャー側スイッチ(ピアノの鍵盤型をしている)を押す必要があり、機構上、変形前は使用不可能である。玩具用に設定され、本編では未使用。

特記事項[]

  • 基本的な機体構成のラフ設定は大河原邦男によるが、監督の富野由悠季により合体変形ギミックなどが修正され一度クリーンアップされた。しかしこれも同時期に同じサンライズが製作していた『太陽の牙ダグラム』の登場兵器コンバットアーマーに似たデザインであった為、さらに湖川友謙により大幅な修正が加えられ、決定稿となった。
  • 足の裏には不整地での安定のための突起(スパイク)がある。設定書では、不安定な面への着地時にのみ出る、となっている。しかし設定用の三面図に書かれていたため、当時のスポンサーの玩具などにしっかりモールドされてしまった。2007年に発売された超合金魂のトイでは、スプリング仕込みとなり、接地すると突起が中に凹む仕様で再現された。
  • 同じ富野由悠季監督作品『機動戦士Ζガンダム』第13話にハヤト・コバヤシが館長を務める戦争博物館の展示品のひとつとして、ガンキャノンなどと共にギャリアに良く似た機体(完全に同じデザインではない)がワンカットのみ登場するというスタッフのお遊びがある。資料ムック本では連邦軍の試作モビルスーツではないかと書かれているが、真相は定かではない。
  • 放送当時、バンダイから発売されていた「ザブングル」プラモデルシリーズは1/144・1/100の並行ラインナップだったが、ギャリアは後半の主役メカでありながら諸事情で1/144のみの発売となり、1/100発売中止の報に当時非難が殺到した(詳細はウォーカーマシン参照)。後に同スケールでペーパーモデルやソフビキットも発売された。2006年にバンダイ「リアルロボットレボリューション」シリーズにおいて、開発スタッフから1/100ギャリアの製品化が示唆されたが、シリーズ自体の不振や、特に「ザブングル」を知らない若年層におけるニーズへの不安から、2007年10月時点で企画はペンディング状態になっていた。しかし、25年の歳月を経て『R3 1/100ウォーカーギャリア』として2008年4月12日にようやく発売された。なおパッケージには『1/100ウォーカーマシン・コレクションNo.11』とありR3シリーズでありながら1/100シリーズの続きにもなっている。
  • 劇中で携行する30mmライフルが、当時発売されていたガンダムのビームライフル型モデルガン(キャップ火薬使用。単発式)に、スコープとモノポッドを追加したデザインモデルガンとして発売された。商品化のため(不良在庫整理?)に決定した形状と思われる。「ザブングルオートマチック5連射ライフル」が商品名。完成品は番組スポンサーのクローバーから、KITモデルは製造元の(株)マルシンより販売されていた。対象年齢が15才以下なため、形はライフルであったが大きさは大型ハンドガンサイズ。
    なお、外見は転用パーツが多いが、機構的には引き切り式のディスコネクト機構が加えられており、製品としては進歩が見られる。

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