空見上げる街
- 街の呼び名:空見上げる街
- 正式名称:ギオイ
- 人口:小規模
街の特性
- 峡谷の底、資源が豊富な谷底に広がる街。
- 見上げた空は嘘みたいに青く、峡谷の隙間から遥か遠くに見える。
- 谷の上は白っぽい地面がひび割れた荒地。
- 有害な塵が舞う、泥っぽい色の植物が生えた、荒涼とした大地。
- でも、その大地に曇がかかる時はほとんどない。
- 荒涼とした大地と一転して、谷の底は緑豊か。谷底には塵が入り込んで来ないので安全。
- 地上の光景と、谷底の光景は別の世界。
- 地上では塵が吹き荒れているが、谷底は鳥のさえずりが聞こえるぐらい静か。
- 農耕や牧畜も行われているほどののどかさ。
- 有害な塵が舞う、泥っぽい色の植物が生えた、荒涼とした大地。
- 街の建物は赤土の壁で、焦げ茶の屋根。道や区画もきちんと整備されている。
- 谷底に一切塵が入ってこないのは、谷に蓋をするように透明な結界の膜が張られているため。
- 固まった塵が結界を突き抜けて、手のひらサイズの塊になり、谷底になだらかに落ちてくる。
- その塊は「空の結晶」と呼ばれる。
- その時の空の色を反映した、キラキラした結晶体。
- 加工してアクセサリーや厄除けに使われるという。
- その塊は「空の結晶」と呼ばれる。
- 結界を張っているのは、街長である魔法使い。
- 峡谷の表面に結界を張る以前は、地表の塵がしょっちゅう街に入ってきていた。
- 人体に有害な塵に街民は困らされていたが、街長がそれを解決したという。
- 固まった塵が結界を突き抜けて、手のひらサイズの塊になり、谷底になだらかに落ちてくる。
- 街民は、塵を避けるためのスカーフのようなものを着用している。
- 谷底には塵が入って来ないが、塵が入って来ていたころの名残の文化。
- 巻き方をアレンジしたり、口元を覆わなかったり……。
- 男女問わずファッションアイテムとしても親しまれている。
- 峡谷にぶつかるように渓流が流れ込んでいる。
- 川は滝となり谷底へ流れ込み、谷底を横断、それから地底に続く穴へと流れ込んで行く。
- つまり一つの川の流れが、峡谷の底を突っ切っているということ。
- 川の水は住民の生活用水として使われる。
- 塵に触れているものを体内に取り込むと危険なので、ろ過の上で使用。
- 地底へと流れて行く川に、カフスの木の葉で作った舟を流す祭り。
- 舟には空の結晶を乗せる。
- 街や自分たちに襲い来る厄を、葉の舟にどこかへ運んでもらう願いを込める風習。
- 川は滝となり谷底へ流れ込み、谷底を横断、それから地底に続く穴へと流れ込んで行く。
- 地表の荒野は不毛の地。
- ランケンと呼ばれる種の泥色の植物は、何故か塵に耐性があり、荒れた地上でも生き残っている。
- ランケンは薬師や錬金術士の素材に使用されるという。
- 地表の塵を吸い込むと、呼吸器系に異常が出る。
- 多量の塵を吸い込むと、心拍が停止してそのうち死に至る。
歴史
- 街の成立について残された文献の話。
- 昔、とある魔法使いが旅の最中、動植物がほぼ死滅した荒野にたどり着いた。
- 魔法使いは世界に絶望していて、何も考えないまま歩き、そのまま行き倒れて死ぬつもりでいた。
- 魔法使いはただ荒野を歩き続けた。そうしていると、突然自分の体が宙に浮いた。
- 落ちていた。視界が悪く、足元に大きな谷が口を広げていることに気付けなかった。
- 魔法使いは、深い谷底へ落ちていく中で、自身の死を悟り目をつむった。
- 自分の体が強烈に地面に叩きつけられることを覚悟した次の瞬間、何かが引き裂けるような音を聞き取った。
- 魔法使いが恐る恐る目を開くと、自分の体が谷底に生えていた巨大なカフスの木に引っかかっていた。
- 魔法使いは醜い荒野の底に隠れる、緑の園を発見した。
- 魔法使いはこれを運命と受け取り、その場で生きていく覚悟を決めた。
- そうしてその魔法使いの子孫が、現在の街長となっている。
- 偶然街を見つけた人が少しずつ増えていき、今の人口になったという。
- 地表を舞い散る塵の正体は分かっていない。
- 自然物ではないとも言われているが、正体はいまだに不明のまま。
- 百年前の世界変の際、地表の塵が荒れ狂った。
- 余りの勢いに街を守っていた結界が破られ、多数の街民が塵を吸い込むことになった。
- 多くの者が呼吸に障害を残し苦しんだと言われている。
- 再度同じことが起きないように、街長によって結界は強められているという。
街が抱える問題
- 塵の解決方法。
- もしも塵を吸い込んでしまった場合などへの対策がない。
- 塵の正体が掴めておらず、対策を講じるには「吸い込まないようにする」以外の手段がない。
特産品
- 空の結晶
- カフスの木の実
- メイッキーニ
- ソルマナッス
- レンジ
- 塵防ぎのスカァフ
- ダイチ魚
- 白砂粘土
- アンカルのミルク
- 零時の惑
- 絵の具『砕石空結晶』
- 理解の種子
- ランケン
- タニゾコトボウ
名所
- 谷底風車
- 緑茂丘陵
- 荒力の滝
- ギオイ川
- 見上げ空の名所
- 結界封鎖室
- カフェ『ニータニッカ』
- レストラン『ジントキス』
- ギオイ塵の研究所
宗教
- ナチィレ教
- いつの間にか根付いた自然信仰
- おそらく途中で外からやって来て街に根付いた街民が持ち込んだものらしい。
- いつの間にか根付いた自然信仰
“外”の世界について
- 世界の仕組みに関して、街民たちは理解していない。
- 地表の荒野の塵が厄介すぎて、街外から誰かがやってくることは少ない。