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海上の街

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• 街の呼び名：海上の街
• 正式名称：シンケバイン
• 人口：中規模

街の特性

• 海上に浮かんだ、機械油と磯の匂いのする街。
  • 工場が作動する重々しい音と、ミミカモメの啼き声がする。
• 海底から伸びた巨大な一本の柱と、その周囲に並ぶ複数の柱が、街の広がっている金属の巨大な土台を支えている。
  • 幾本もの柱の間には鉄骨が複雑に組まれ、その上厳重な封印術が施されており安定性は確か。
  • 海面から街までの高さは五十メートルほどで、かなり高い。
• 街は海面からかなり離れた高い場所にあるため、海がいくら荒れていようとも街に影響はない。
  • とはいえ海がずっと荒れていると船が出せないので、良いことではない。
• 海から来た者が街へ昇るには、街を支える柱のそばの船着き場から続く昇降機から。
  • 昇降機は街を支える柱に沿うように設置されている。
    • 海上から街まで伸びる巨大な運搬エレベーターで人や物資の上げ下げが行われる。
  • 船着き場は海に沈めることも出来る。跳ね橋の原理の逆で、海中の柱に沿って沈む。
    • 大波が来る予報がきたときは、船着き場を海中に沈め、昇降機を街に引き上げて回収する。
      • 大波が来た後は、点検必須。
      • 点検を行わずに昇降機を稼働して、ワイヤーがちぎれ、痛ましい事故が起こったことがある。
        • 街に寄港した船へ乗り込もうとしていた大勢の人が乗っていた。
        • それ以降、昇降機や港の点検は義務化された。
• 優秀な海洋予報士が複数街に在籍しているので、海の荒れについての予報は完璧。
  • 昇降機の引き上げ回収や、船着き場を沈下させ、事前に備えておくことができる。
  • 街に寄港している船舶には事前に通告して、波に襲われる前に街から離れさせたりする。
• 街は百年前から急速に発展したが、その代償として目をそらし難い海洋汚染の問題を背負い込むことになった。
  • 近海から生物の姿が消え、海の表面には油が浮かんでいる。
• 街にはギラギラ光る建物が多い。太陽光が直に刺さって反射している。
  • 建物が銀色に光るのは、使用される建材の材質が年月を経て変化したせい。
  • もともとは濁った灰色だったけど、海風に晒されたのが原因らしい。
• 太陽光がキツイので、街民のほとんどがサングラスをかけている。街にいると太陽光でジリジリ熱い。
• 街は油の匂いのする工業区と、住商業区に分けられている。広さは工業区が七割、残りが住商業区。
  • 住商業区は、建物が密接して並んでいる。
    • 三階～四階建ての建物が多い。大体の建物が一階は店、上が住居。
  • 工業区は、街外から受注を受けて部品を作るのが主。
    • その工場で作られているのは大きな何かの一部分だけということがほとんど。
      • どこかの街で発明された空中飛行機械の部品が発注されたこともある。
    • 工業区は夜でも灯りが消えない。夜半の街は暗い海上に浮かぶ銀光で綺麗。
    • 排水や排気の問題が山積みだが、大体の問題が解決されないまま放置されてきた。
      • 周辺から魚の姿は消えて、空気も悪くなり、百年間向き合ってこなかったツケが来ている。
• 農園や樹園もあるが、工業区の排気や四方八方から吹くうえ、農作物に影響の悪い潮風で栽培は上手くいかない。
  • 食料は街外から輸入して大量に保存するのが当たり前。
  • 自給率のことを考えて、劣悪な環境でもしっかり育つ食物の開発が急がれている。
• 街の工業区で働く人々の服装。
  • 工場員はオレンジっぽい制服。外で作業してる人は肌を露出して真っ黒に日焼けしている。

歴史

• 百年前は、漁師が多くいる海面に漂う小さな街だった。
  • 建物は大きな木の板の上に作られて、木の板同士で通路が繋がれている。小規模な木造の街。
  • 古くから海上に存在しているのに、何故か大きな波に襲われたことがなかった。
  • しかし、世界変の際、巨大な津波が街を襲うことが街の予報士により予測された。
    • 今まで津波が来たこともなく、対処方法が確立されていなかった。
      • その上、街を襲うと予報されたのは規格外の波。
      • このままでは、街は波に飲み込まれて沈んでしまう。
    • 当時街を訪れていた大魔導士カルディアの四番弟子が街を救う。
      • 波の襲来の当日街に迫り来る巨大な波から、特異な魔道で街を守った。
  • 街は波の被害に遭わなかったが、事態を重く受け取った街民たちは今までの気楽な生活を捨てることを決意。
    • このままでは、また波が来た時に今度こそ街が沈んでしまうだろう、と考えた。
      • 「それじゃあ、沈まない高さまで街を持ち上げよう」
    • 数十年の時間をかけて、今の巨大工業都市を作り上げた。
    • 街を造るのに必要だった精巧で超大な技術は、とある職人集団の力を大いに借りたもの。
      • 海底の基礎や巨大な柱の作製には、他の街の人々の力も借りたらしい。
  • 百年前の大津波以降、世界変の時のような巨大な波に街が襲われたことはないという。
  • 街のやり方についていけず、大陸に戻って集落を築いた者たちもいる。
    • 「自然との調和を失った」と判断し、街から出た人々。漁業を営んで生活している。

街が抱える問題

• 工業廃水や大気汚染の問題。
  • 近海から魚が姿を消したせいで、漁師の数は激減し、さらに食料自給が厳しくなってる。
  • 最近は海洋汚染を除去する運動も盛んになって来たが……。
    • 「街の発展を妨げる活動」と見なされて、あまり支持はされていない模様。
• 大気汚染が進み、海鳥の姿も減った。
  • が、なぜかミミカモメと呼ばれる全長一メートルほどの巨大な海鳥が街に巣食うようになった。
  • 頭部に耳のような丸い物体が二つついた鳥。くちばしは黒く、体毛は灰色。翼の羽の先は黒い。
  • 鳴き声が独特で、うるさい。人を襲って食べ物を奪ったり、ミミカモメ同士が街中で喧嘩したり、とても迷惑。
  • 街下部の鉄骨に営巣し、船着き場や街を訪れた船に糞を落としたりする。

特産品

• 潮風ソルト  
• ミミカモメ料理（硬い）
• ウズマキ貝
• ノリゴケ貝
• 波知らずの護符
• 廃棄ガス色の絵の具

名所

• シンケバイン工業区
• 貿易センター  
• 輸入物即売所  
• 折りたたみ港
• 第一昇降機
• 酒場『プラントガッツ』
• カルディアの弟子の銀像
• 海面バンジー受付所  
• 高所釣り
• シンケバイン食堂

宗教

• ナチィレ教
  • 一部で、百年前から信仰が続いている。

“外”の世界について

• シンケバインの周囲には、海しかない。つまり他の街との空間である緩衝地帯も全て海。
• 他の街に行くには、当然船に乗る必要がある。
  • 船には大概街間の行き来が可能になる通行証が存在しているため、船に乗れば簡単に街を出られる。
• 仕組みを理解している人は多くない。
• 渡航者は、工業区への生産依頼が多いため、観光目的で街を訪れる人が少ない。
  • そのため観光客への扱いが微妙、通行者に対して特別親切でもない。

 

 

 

 

 

 

 

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