蜂蜜の街

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蜂蜜の街



  • 街の呼び名:蜂蜜の街
  • 正式名称:メルアピス
  • 人口:小規模

街の特性

  • 深く甘い匂いの香る濃蜜な街。
  • 街の周辺は、赤や黄色など鮮やかな色合いの木々の生い茂る森に囲まれている。
    • 街は秋気候。空気はやや冷たい太陽光で温かい。
    • 花の栽培にも適した気候で、街のあちこちに花壇がある。
  • 「ハナワカバチ」という蜜蜂が街の中のあちこちに巣を作っている。
    • 設置された大量の巣箱や建物の軒下など巣を作る場所は様々。
  • ハナワカバチとは
    • 警戒心が低く、おとなしい。他生物に対する敵意を持たず、蜂蜜を作ることだけに力を尽くす。
    • 針を持たず、顎の力も弱いため、攻撃能力が一切ない平和主義。
    • 街中のあちこちの花壇から蜜を集めて蜂蜜を作る。
    • 卵を産むのは巣に一匹だけの女王のみで、他の働きバチは揃って蜜を集め続ける。
    • 彼らの作る蜂蜜は街の外にまで名を馳せる甘味。栄養価も非常に高く、癖が少ないながらも濃厚な味は老若男女に親しまれる。
      • 街民はその蜂蜜を甘味としてだけでなく普段の食生活にも多く役立てており、3食の食事に必ず蜂蜜が使われる。
        • 街民たちにとってハナワカバチの蜂蜜はなくてはならないものとなっている。
  • 街民とハナワカバチは共生の関係にある。
    • 街民が花を管理し、ハナワカバチはその花から回収し作った蜜を街民に分ける。
    • ハナワカバチとの密な連携は「ギカシア一族」に一任されている。
  • ギカシア一族とは
    • 街に住まう獣使いの一族。ハナワカバチたちと意思疎通を行う。
    • 本来意思疎通の難しいとされる虫との共生ができるのは、ギカシア家に伝わる獣使いの相伝の術。
    • そのため街民とハナワカバチたちの互いの困りごとを解決するのはギカシア家の義務であり、仲介人の立ち場である。
    • 街の創設者もギカシア家の者であり、昔からの慣習で街長を務めるのはギカシア家と決まっている。
      • そのため街の舵取りはギカシアの一族が行なっており、ギカシアは自他ともに認める街の顔でもある。
        • 現に街庁内部の役職持ちの者はほぼ全てがギカシア家の人間で、街はほとんど一族の手で運営されている。
  • ハナワカバチの蜂蜜を食べるのは街民だけでなく、街で飼育されている家畜や周辺の動植物にも影響する。
    • ホネトギュバ
      • ハナワカバチの蜂蜜で育った乳牛。ミルクの味はほのかに蜜の味が香る逸品。
      • 車を引いたり、畑を耕したり、メルアピスの人と共に生きる家畜。
    • プチアマウオ
      • 街で養殖される魚。街のそばの小さな池で生育される。
      • 池には蜂蜜が定期的に投入され、プチアマウオも蜂蜜を栄養源の一つとしている。
      • プチアマウオの魚卵はプチプチとした食感で、ほのかに蜜の甘みが弾ける珍味。
        • 蜂蜜ジュースに魚卵を入れた飲料が街の若者に流行中。
  • 街民にはハナワカバチを、彼らの天敵である「タマクイスズメ」という別種の蜂から守るという役割もある。
  • タマクイスズメとは
    • メルアピス近郊の森に多数棲息する、非常に好戦的な性格の蜂。
    • 鋭い毒針から分泌される液の毒性は非常に強く、古くは「その毒針で刺されれば必ず死に至る」と言われていた。
      • 現在は抗体の開発が進み、もし刺された場合も適切に処置を施せば死は免れる。
        • しかし体内に入り込んだ毒に完全に打ち勝つことは稀で、人により度の差はあれど後遺症は免れない、と毒の危険性は変わらずである。
      • 当然連続して刺された場合や、抗体を投与せずにおくと、猛毒により臓器不全を起こし一日と経たず死に至る。
    • 体格はハナワカバチよりも1回りも大きく、集団で襲われたらひとたまりもない。
    • 女王を主体として巣が形成され、多くのタマクイスズメはオス蜂。
      • 巣とその周辺の縄張りを守る警護役、女王の食事を集める遊撃役、女王の世話をする世話役など役割が多くある様子。
    • 肉食で多くの虫類が捕食対象だが、特に好物はハナワカバチのハチノコ。
      • 巣を襲って食い荒らし、無茶苦茶にしてしまう。
    • 毎年九の月になると産卵期に入り、女王が栄養を求めるため、タマクイスズメたちの食事集めの行動が活発化する。
      • 産卵期のタマクイスズメはいつにも増して攻撃性が高くなり、縄張りに足を踏み入れでもすれば警告なく集団で襲いかかってくる。
      • それどころか縄張りを離れ、好物であるハナワカバチが多く生息するメルアピスの街にも襲来し、巣から卵を奪い去る。
  • タマクイスズメの活動期になると、街民たちはハナワカバチの巣を保護するために戦う。
    • 襲い来るタマクイスズメを撃退準備のため、街民たちは9の月が近づくと普段の生活が一変してしまう。
      • タマクイスズメの撃退のために殺虫スプレーを準備したり、ダミーのハチの巣を用意して誘い込んだり、その手法は様々。
      • タマクイスズメの活動期中は多くの子どもは家の中に押し込められ、大人たちは一丸となって戦う。
    • 人は「蜂に食事と巣の安全」を提供し、ハナワカバチは「自分たちの作り上げた蜂蜜を提供する」という関係性。

歴史

  • 数百年前から存在する古い街。
    • 街の造りは、街が出来た当時から変わりなく、ハナワカバチたちとの関係性も同じままだという。
  • 獣使いのギカシア家が、彼らだけが持ち得る特殊な技術で蜂と対話し、この街を作り上げたという記録が残っている。
    • 現代の研究によると、街の建物の建築技術にはハナワカバチの営巣技術がふんだんに使用されている様子。
    • 数百年経っても健在の建築物とハナワカバチの営巣技術は界隈の研究者の研究対象としても有名らしい。
  • 街ができた当時から、ギカシア家出身者が街の代表を務めている。
    • 街を成り立たせるハナワカバチの存在は街民たちにとって非常に大切なもので、そのハナワカバチと心を通じ合わせることができるギカシア家は街民からも敬愛の感情で親しまれている。
    • 数百年の歴史の中、多少の差異はあれど悪政で街民が苦しんだ記録もなく、街民のギカシア家への信頼は高い。
  • 百年前の世界変の際、タマクイスズメの襲撃個体数が例年の十倍以上の数に増えた。
    • まだ抗体の開発が進みきっていないこともあり、ハナワカバチを守るために戦ったたくさんの人が犠牲になった。
      • 百年前のタマクイスズメの襲撃は今でも街の語り種で、当時街を守るために最前で戦ったギカシア家の青年の活躍は街民たちに親しまれる物語にもなっている。
      • また、タマクイスズメの抗体の開発は世界変を機に大きく進んだとも言われている。

街が抱える問題

  • 例年九の月に襲来するタマクイスズメによる被害。
    • 街の人々はあの手この手でタマクイスズメを撃退しているが、それでも巣や人の被害が出ない年はない。
    • タマクイスズメの毒も年毎にわずかに成分が変わり、昔に比べれば抗体の研究が進んだとはいえ、万全とは言えない状態。

 
特産品

  • ハナワカバチの壷入り蜂蜜
  • ホネトギュバの蜜香る甘乳
  • ハニカムワッフル
  • 蜂の巣帽子

名所

  • ハニカム状建築物
  • 蜜の大木
  • カフェ『カムコムハニィ』
  • 黄金の滝
  • 大輪の花畑
  • ホネトギュバ牧場
  • プチアマウオの養殖池

宗教

  • 特になし、自由な考え。

“外”の世界について

  • 世界の仕組みについての理解度はまずまず。
  • たっぷりの美味しい蜂蜜と、不思議な建物で観光資源は十分。通行者数もそこそこ多い。
    • ハナワカバチの働き次第で収穫量が変化するため、構造的に大量生産が不可能。そのため蜂蜜の出荷はそれほど多くない。
  • メルアピスの蜂蜜の評判を聞いた甘党通行者が、遠くからわざわざこの街を訪れることもあるとか。

 

 

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