眠らない街

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眠らない街



  • 街の呼び名:眠らない街
  • 正式名称:ノンレム
  • 人口:大規模

街の特性

  • 全体がすっぽりと真っ白で巨大なドームに覆われたギラギラ眩しい街。
    • 周辺の畑や池や林も含めて街の全てがまるごとドームの中に入っている。
  • ドームの天井にはギラギラした「人工太陽」が昼夜問わず輝き続けている。
    • 直視すると目が眩むような強力な光源のもとに街は常に晒され続けている。
    • 昼であると夜であろうと人工太陽の明るさは一定で、何が起ころうとも常に明るさを街民に提供している。
    • 人工太陽の光はかなり強く、刺すような光を防ぐためにわざわざ遮光グラスをかけている者も多い。
      • 人工太陽のもとに身を晒すのを嫌う街民たちは、普段から建物の影に隠れて安寧を得ている。
    • 人工太陽の消費エネルギーはかなり高い。
      • 街に一基だけの火力発電機で産まれたエネルギーを全て注いでやっと光を保ち続けている。
  • 日没が無い。
    • そのため、街民たちは時間の感覚を失ってしまっている。
    • 時間感覚がなくなってしまったのもあり、街の風紀は大きく乱れてしまった。
  • 人々はいたるところで酒を呑み、大声で歌を歌って、下品な踊りを踊っている。
    • 光の当たらない路地では常日頃から怪しく危険な取引が行われている。
    • 街庁は常に警吏団を結成し治安の維持に努めていたが、警吏団も年月を経て堕落の一途をたどり組織として機能していない。
  • どこからか入りこんできた「ヨイゴシ」というドラッグが蔓延している。
    • 薬の効能は「眠らずに活動し続けることができる」というシンプルなもの。
      • もとはと言えば、いざという時に使用されることを想定して作られた薬だが、不正な用法容量の使用が目的になっている。
      • 薬自体に強い中毒作用はないはずだが、街のどこかで粗悪な模造品が多く製造されており、粗悪なものほど副作用が強く何故か中毒性が強くなっている。
      • 主な材料は「オクスリ草」というドーム内部でも収穫の出来る薬草。
    • 当然そんなものを服用し続けることは危険だが、若者を中心に多くの者たちが「ヨイゴシ」の服用を続けている。
    • 危険なドラッグが蔓延することで、街の治安はさらに悪化していっている。
  • オクスリ草
    • ドーム内部、特にドームの端へ行くほど自生する数が増える。
    • 光がないところでは育たない。暗闇が少しでも続くとあっという間に萎びてしまう。
      • そのため常に灯りのもとに晒された眠らない街での生息にはかなり適した植物。
    • 「ヨイゴシ」の主材料になるため、薬品を密造している者たちにとってはなくてはならない魔法の薬草。
    • 危険な植物のように扱われるが、正しく調合すれば非常に優秀な薬の材料。
    • 本来は街に自生する植物ではなかったが、何者かが街に持ち込んだとされている。
  • 血走った目の街民たちが自由気ままに生きる様子はまさに混沌。
    • 陽気と狂気の狭間にある、昼夜を問わず酔いどれているのがこの街。
    • 街民たちは皆その陽気と狂気を受け入れ、むしろそのことを楽しんですらいる。
  • ドームの外へ出ると、特殊な気候が相まって周辺には日が差さない。
    • そのせいもあって日中であろうと気温は氷点下に近くドーム外部は恐ろしく寒い。
    • ドームの内側が無茶苦茶なカオス世界であろうと、この世界に閉じこもっている事の方が多くの街民にとっては幸せのようだ。
  • 明るい世界を望まない人々は影に集う。
    • 影には怪しい商人や危ないクスリなど、暗いものが集う。
  • 街民たちはドームの内側にこもりきりで、本物の太陽に一切当たらない。
    • それもあって街民はみんな肌が青白い。
    • 時間の感覚が人それぞればらばらで、眠りにつく時間も人によって大きく違う。
    • 不健康そうな人が多いのも、時間感覚が狂っているから。
      • 街にある時計はどれも乱れに乱れているので、アテにしてはならない。
  • 街は常に昼間のように明るく、いつも騒がしい。
    • 街外からきた通行者は、喧噪に慣れるまでの数日間、眠れない日が続くという。

歴史

  • ドームができる前、人々は土地の寒さに凍えていた。
    • 空にはいつも灰色の雲がかかり、太陽を浴び続けることも叶わない。
    • いつも凍えるような冷たい風が吹き、人々あ質素な建物を建てて寄り集まり助け合いながら生きていた。
    • しかし厳しい環境は続き、中には凍死してしまう者もいるほど過酷な状態だったという。
  • 約三十年ほど前のこと。
    • 「一日中、太陽を!」というスローガンを掲げる街長が当選。
      • 街を巨大なドーム状の建築物で包み寒気を遮り、強力な明かりを灯し続けることで太陽を手にする、という目標。
      • 当然無茶だという声も多かったが、世界にその名を馳せていた職人集団の協力をとりつけることに成功し、夢は一気に現実的なものに。
      • そして街民からの熱い支持を受けて、ドームの建設に着手する。
    • 職人集団たちの手厚い協力によりドームの建設と人工太陽の造成に成功。
      • 寒さとは無縁で常に明るい光を享受できる世界を街の人々は手にしたのだった。
      • 街は喜びに包まれ、あちこちでお祭り騒ぎ。今でもその際の思い出を語る者は多い。
  • しかし、念願の太陽を手に入れても、それは偽りの光でしかなかった。
    • ドーム建設当初は、「陽時間」と「夜時間」を分けて、「夜時間」になれば人口太陽の光を落としていたが——。
    • 職人集団たちの作り上げた太陽は、その強力なエネルギーが必要な故に再起動時に莫大なエネルギーを消費する。
      • 日ごとに電源を落とすと、エネルギーの充填が間に合わず、街として一年と持たない。
      • 度重なる話し合いの末、人々は「常に人工太陽を灯し続ける」ことを選択する。
  • 常に明るい世界は徐々に街を狂わせ始める。
    • 時間の感覚を失った人々の間に、不道徳な行為が蔓延し始める。
    • 正しい睡眠を失った人々の間に、人同士の衝突や不和が生じる。
  • 人工太陽の光はあまりに眩しく、かえって街に濃い影を落とすことに。
  • 街がドームに包まれたのは三十年ほど前だが、それ以前に起きた世界変の際の記録は残っていない。
    • 人々が暮らし始めたのは四十年前ほど前で、ドームができるまではかなり少人数の集落で街としてもほとんど形を成していなかった様子。
    • そんな集落に職人集団がやって来て、人々の無茶を叶えたのは何故だったのかは街の人たちにも理由は分かっていないようだ。

街が抱える問題

  • 人工太陽のエネルギー問題。
    • 強力なエネルギーを消費する人工太陽だが、常に稼働しっぱなしの人工太陽の元で暮らすことを人々は選んでいる。
    • いつかの「陽の届かない寒さ」を恐れる者は街の中にも未だ数多くおり、そういった者ほど人工太陽に依存しているようだ。
  • 街民たちによる「ヨイゴシ」の密造と乱用。
    • ヨイゴシの台頭は凄まじく、比較的歴史の浅い街にも関わらず、すでに街としての体裁を守れないほど危険な状態。
    • 悪名高き盗賊団がしのぎの場としてノンレムに目をつけている……という噂が流れている。

特産品

  • ノンレム白アプウル
  • ツチウサギ
  • オクスリ草
  • ヨドーシロッパ
  • 不眠草

名所

  • 太陽の広場
  • 暗影通り
  • 大衆酒場バカバカ
  • 白焼けの丘
  • 人口太陽観測所

宗教

  • なし。無神論。

“外”の世界について

  • 街民の世界の仕組みについての理解度は高くない。
  • 外から中へ入ってくることがあっても、中にいた者が外へ出て行きたがることはあまりない。
  • 通行者に対しては何とも思わない。面白いものは歓迎。通行者がどこから来たのかは興味なし。

 

 

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