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見捨てられた街

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• 街の呼び名：見捨てられた街
• 正式名称：ヴェニーレ
• 人口：不明

街の特性

• 街の大部分が砂に埋もれた、人気のない街。岩石の転がる砂漠の近くにある。
  • 渇いた風が吹き荒ぶ、物寂しい場所。じりじりとした日差しが射し込んでいる。
• 古くは大勢の人が住んでいたが、百年前に起きた大災害により、人がいなくなってしまった。
• 街を埋める砂は、「死の砂」と呼ばれる特殊な砂。
  • 長期間体内に吸引し続けていると、肺の活動が鈍化し、時を経ずして窒息死すると言われる。
  • 死の砂は百年前に起きた、近場の「砂塊山フィンガル」が「大噴砂」を起こした時に降り積もったもの。
• 積もっていた砂の量は、以前はもっと多く酷い有様だった。
  • が、吹き付ける乾風や、宝探しに来たトレジャーハンター、埋もれたままの遺体を回収する慈善家たちにより、砂の量はかなり減った。
  • それでも街の七割以上は依然死の砂に埋もれたままで、その全容は砂に隠され掴めない。
• 無数に並んだ石造りの家々は、何段にも積み重なったり、屋上に階段やはしごがあって、登ったその先にまた建物があったりと迷路のよう。
• 建物や階段には、「白閃石」と呼ばれる濁った白色の石が使われている。
  • 現在は死の砂にまみれて、街中の建物はどれも黄ばんでおり、もとの建物の色は分からなくなっている。
• 水路が通っていた跡があるが、今は乾いて砂が詰まっているだけになっている。
  • しかし今でも地下水は通っており、街中に複数ある井戸もまだ生きている様子。
• 死の砂に埋もれてしまった街は誰にも管理されていない。
  • そのため、ヴェニーレは「行き場のない人々の集落」になっている。
    • 自らこんな街に来る人はかなりの物好きか、身を潜める場所を探しにやって来た悪人。
    • だが、「同じ街に住んでいる」という意識を持つ者はおらず、それぞれが自分と自分の周りだけのことを考えて生活している。
  • わざわざこの街まで来て、自分たちが育てられない子どもを捨てていく人も多いという。
• 死の砂が人体に及ぼす悪影響を理解していない街民も多く、呼吸器官障害で亡くなる人が絶えない。
• また、街の表面こそ砂に埋もれていても、砂が入り込まず中が空洞となっている建物もたくさんある。
  • 建物内部で行き来が出来たり、建物に穴を開けたりして、外からは砂に埋もれて見えない部分まで入り込むことも可能。
  • 街に住む住民たちは、他の街民に見つかりにくいような場所に住んでいる。
    • 他の住民がマトモな人かどうかは分からない。それならば互いに場所を知らない方がいい。
    • 外から土を持ってきて、小規模の菜園を作ったりしている者もいるらしい。
• 変事の墓場：死の砂に埋もれた後に造られた墓場。発見された死者の数だけ墓石が建っている。
  • 慈善家たちの手により、百年前の被災者の遺体が埋葬されている。広大な墓地。
• 冥土の塔
  • もとは高い塔だったが、現在は塔の半分が砂に埋もれている。
• 宝の宮
  • とある呪術士が街に遺したとされる金銀財宝が詰まった部屋。しかしその部屋を実際に見た者はいない。

歴史

• 砂塊山フィンガルの大噴砂以前は、大商隊の交易地の一つとして、非常に栄えた街だった。
  • 全盛の時代は街の中に人が溢れかえっていたという。
• 百年前の世界変の際に、大噴砂が起きる。
• 砂塊山フィンガルは噴砂の勢いを強めたり、時折弱めたりしながら、三日間の間噴砂を続けた。
  • 街は死の砂に埋もれていき、多くの人が街の中に生き埋めになった。
  • 被害を免れた者も多くいたが、そのほぼ全てが街を出て「難民」となり、緩衝地帯を歩き回り、他の街へなだれ込んだ。
    • 難民たちが街から脱出する時「この世界の仕組み」上、当時の人々は街を脱出出来なかったはずだが――。
      • 自分たちが「街に閉じ込められた存在」であることに人々が気付く前に、彼らに「通行証」を与えた人物のおかげで人々は無事に街を出ることができた。
  • 大量の砂に埋もれた街は、あっという間に機能を停止し、たった三日で滅びた。
• 見捨てられた街となってからは、人気が無くなる。
• トレジャーハンターたちが現れたのは、この街に「金銀財宝」が眠っているという噂が広まったから。
  • 現在もトレジャーハンターが現れることがあるが、死の砂は無害とは言えないし、砂の量は膨大。自分も生き埋めになる可能性がある。
  • 危険度が高いためか、街がトレジャーハンターだらけになることはない。
• 死の砂に埋もれた、白骨化した遺体を掘る慈善家たちが現れたのは最近のこと。
  • どこの街からやって来たのかは不明だが、自分たちに不利益はないので、街の住民は無関心。

街が抱える問題

• 百年間砂に埋もれっぱなし。
• はみ出しものたちの根城と化している。取り締まる法も、諌める長もいないから、街の無法地帯化は止まらない。
• 「子を捨てるなら砂のヴェニーレ」と囁かれるほど、捨てられる子どもが多い。
  • 街を餌場にするヴェニーレハゲタカに連れ去られたり、柔い砂地に沈んでそのまま……なんてことも。

特産品

• 死の砂

名所

• 冥土の塔
• 街庁街長室
• 変事の墓場
• 宝の宮

宗教

• なし

“外”の世界について

• 外の世界に興味を持っていられるほど余裕がある者の数は少ない。

 

 

 

 

 

 

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