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ロマ達三人を乗せたジープは見張りをしていた丘陵地帯を抜けて、赤茶けた砂岩質の崖の谷間に差し掛かった。その狭間を通る一筋の砂利道を、猛スピードで駆け抜ける。ここを抜ければその先は、深い木々の生い茂る山岳地につながっている。山道に入り込めば、奥深い森の中に紛れて追手を巻くこともできる。そうコニールは考え、アクセルを限界まで踏みつける。
時折大きくジープは大きく蛇行し、激しい揺れがソラを上下左右に振り回す。車体が跳ねる度に、彼女の小柄な体はシートに強く叩きつけられた。シートベルトをしていなければ、とっくに外に投げ出されていただろう。
「しっかり捕まってな! 振り落とされるよ!!」
コニールがそんな事を叫んでいたみたいだが、よく聞えない。必死に後部座席にしがみつくのが、今のソラには精一杯だったから。石に乗り上げたのか、いきなりシープが大きくバウンドした。胃がベルトで限界まで締め付けられ、思わずソラは吐きそうになる。
――どうして私逃げているの?
――私、オーブからさらわれたのに。
――私、何から逃げてるの?
記憶も思考も何もかも、ソラの中が白く冷たく染まっていく。一体何が起きているのか、どうして自分はここにいるのか。
何も判らない。
何も考えられない。
かろうじてソラが理解できたのは、今、自分の乗っているジーブが何かから一心不乱に逃げ惑っているという事実だけ。向かい風に混じる細かい砂粒が、肌に当たる鋭い痛みとともにそれを教えてくれた。
激しく揺さぶられながらぼんやりと後ろを振り向くと、後方上空ずっと遠くにうっすらと小さな影が見えた。三角形の紙飛行機を逆さにしたような形。あれは以前TVで見たオーブの戦闘機だとソラにも分かった。そしてそれが自分を追う”何か”である事も。
――どうしてオーブの戦闘機に追われてるの?
――私、オーブ人なのに?
分からない、わからない、ワカラナイ。その言葉が頭の中をぐるぐる駆け回る。
「ソラ君、伏せろ!」
突然ロマが座席を越えてソラに覆いかぶさってくる。え?と思わず声を上げようとした次の瞬間、後ろで大爆発が起きた。
「きゃああああああああ!」
爆風と衝撃の津波がジープを木の葉の様に吹き飛ばす。車体が大きく前のめりにつんのめる。ソラの上に伏せていたロマは、反動で助手席前部に背中から思い切り叩きつけられた。鈍い痛みが体の芯に響く。
「ぐぅっ!」
土煙の奔流がジープを押し流し、翻弄する。コニールは車体を転覆させまいと必死でハンドルを操った。
「こんちくしょおおお!!」
両の腕に渾身の力を込めて、暴れる車体を押さえ込む。おかげでどうにか転覆だけ免れた。なんとか態勢を元に戻したジープは再び速度を上げ、逃げていく。
「ううっ……」
床やシートに叩きつけられた痛みにソラはうめき声を上げた。腕や背中があちこちが激しく痛い。額が少し熱く感じたので、ソラは砂埃で汚れた手で触ってみた。ぬるっとした感触。
血だ。
すうっと背筋が冷たくなっていった。
――あの戦闘機は……私を殺す気なんだ……!
もう一度、後ろを振り向いてみる。狙いを外した戦闘機は大きく弧を描いて旋回し、再び襲い掛かろうとしていた。逃げ惑う兎を狙う猛禽のごとく。
――なんでこんなことにー怖い、怖い、怖い、嫌、嫌、嫌、嫌……!
――助けて、助けて、誰か、誰か……!
助けを叫ぼうと思った。だがその声が出ない。体も指一本動かない。声は声にならず、奥歯が細かく震える音と荒い呼吸音がただ出ていくだけ。心が恐怖で塗りつぶされていく。
――殺される、殺される、死ぬ、死ぬ、死ぬ……!
大きく見開かれたソラの蒼い瞳は、己の命を狩り取ろうとする狩猟者の姿に釘づけになる。思考が凍っていく。
死が、目前に迫っていた。
「あのジープちょこまかと!」
谷間を逃走するジープを上空から追尾するマサムネのコックピットで、民間人が乗ってるなどと知る由も無いレイルズはいらただしく吐き捨てた。
狙って撃ったビームも砂利道に大きな穴を穿っただけで終わった。敵はプロなのかこちらの照準射線を巧みにかわしていく。マサムネは可変モビルスーツだ。飛行形態ではビームライフルの射軸は固定されているので、移動する小型目標を狙うには不向きだった。だがミサイルもあと一発しかなく、曲がりくねった谷間が続くこの場所ではそれも当てにくい。
《カクテル3! 深追いしすぎだ! カクテル2を先回りさせるから一度引け!!》
「隊長!あいつは自分にやらして下さい!ジープなんかに馬鹿にされてたまるかってんだ!」
《レイルズ!》
通信機から上官が激しい怒鳴り声が聞こえる。だがその呼びかけも耳に届かない。デコイで騙され、あげくにジープ一台にこうまで振り回されている。本当なら今頃はもう基地のバーで初陣の祝杯を上げている頃なのに。レイルズの全身は怒りで沸騰していた。
「レジスタンス風情が舐めてんじゃねえ!」
逃げまどうジープに再度狙いをつけるためにレイルズは、機体を右に旋回させ、いったん距離と高度を取る。武装変更しミサイルを選択、命中精度を高めるためにレーダーレンジをショートに絞り込む。そして大きく機首上げ、機体を急上昇させた。
遮蔽物を避けるために狭い谷間に沿って飛ぶのではなく、直上上空から照準をつける狙いなのだ。フットレバーを強く踏み込むと、脚部ブースターが蒼いバーナー炎を曳いて、雄々しく咆哮を上げた。レイルズのマサムネは、上空の雲の群れを抜け、そのまま一気に天空高く駆け上がる。そして雲を抜けた高度5000で反転し、今度は地表目掛けてまっ逆さに急降下していった。
モニター一面に広がる赤茶けた谷の狭間、そこに自分をコケにした忌々しい目標――レジスタンスのジープが小さく見える。シーカーロックオン。
「これで終わりだ!!」
絶叫とともにレイルズは引き金を引いた。
「リーダー!」
「!?」
それを最初に発見したのはコニールだった。天を見上げたまま彼女の顔は、凝固していた。ロマも、そしてソラも彼女と同じく真上を見る。そして見つけた。天空から落ちてくる一本の金属の矢――マサムネから放たれたミサイルを。
殺意と破壊の塊は自分達めがけて一直線に急降下してくる。奇妙なことに三人の目には、音速を超えて飛来してくるはずのそれが、何故かひどくゆっくりと落ちてくる様に見えた。外板を覆うジェラルミンの装甲に、陽光がキラキラと照りついている様子までハッキリと分かる。よくいう死に際というそれなのだろうか。コンマ5秒かあるいは1秒か、僅かな時間が凄く長く感じる。
逃げられない。もう逃げられない。
ソラも、ロマも、コニールも、誰も彼もがその時、”死”を覚悟した。
――瞬間。砂岩質の谷間で真っ赤な閃光が炸裂し、凄まじい轟音と共に醜塊な火柱が立ち昇った。業火と衝撃の渦が大地を引き裂き、粉砕された地面や岩は砂塵の濁流となって、辺り一面全てを押し流す。
破壊の津波がその場にあった形あるものを全て無に変えた――はずだった。だが。
「……い、生きてる?」
ソラゆっくりと目を開けると、伏せていた床が目に飛び込んできた。同時に忘れていた傷の痛みがじわりと蘇る。だが今はそれが何かたまらなく嬉しい。痛みは生きている証なのだから。しかし同時に、何故自分が無事なのか分からなかった。特に怪我をした様子は無いし、ジープも壊れていない。
無事だった。何故?
ミサイルが飛んできたのは確かだったのに。見てみれば周囲はどこか薄暗い。
「もう……大丈夫だよ」
穏やかな声がソラにかかる。ロマだ。ソラがゆっくりと顔を上げと、彼は助手席で安堵の笑みを浮かべていた。
「ほら」
ロマはソラに後ろを見るよう促す。ふと背中に大きな気配を感じたので、ソラは恐る恐る振り返る。そして見た。
(あ、あれは……?)
そこには自分達を覆わんばかりの巨大な影が聳え立っていた。一体の鋼鉄の巨人、モビルスーツ。己を盾にして自分達を守り抜ぬいたその姿に向かって、コニールは希望に満ちた想いで叫んだ。
「シン!」
一瞬レイルズには何が起きたのか認識できなかった。ミサイルは命中した。だがしかし目標は破壊できなかったのだ。なんと何か巨大な物体が突如谷間の影から出現し、ジープの盾となってレイルズの放ったミサイルを受け止めたのだ。一体それはどこから現れたのか。
否。
ジープに気取られすぎて、レイルズは”それ”の出現を見落としていたのだ。レーダーレンジを絞り込んだのが仇となったのだろう。しかも渦巻く爆煙に紛れ、相手の姿がモニターでも視認できない。今もそいつはその中で蠢いている。
「くそ!」
いったん態勢を立て直すために、レイルズは急降下していた機体を上昇に転じさせた。鋭利な機首が持ち上がり、再び天空へと上向く。だがレイルズのマサムネが踵を返し腹を見せたその瞬間、いまだ消えぬ爆煙を切り裂いて一条の閃光が放たれる。金属製の鞭だ。それはレイルズ機の左主翼を瞬く間に絡み取り、そのまま力任せに一気に引きちぎった。
「何!? うわあああああ!!」
片翼を失ったレイルズのマサムネはたちまち制御不能に陥った。糸の切れた凧の様にくるくると回りながら、地面めがけて真っ逆さまに墜ちていく。とっさに彼は変形機構を作動させる。
マサムネは可変モビルスーツだ。機体が飛行機形態から、人型へとたちまち変わる。ノズル部分が伸びて両足となり、装甲が折りたたまれ胸部に変わり、頭部が出現する。内部に格納していた両腕部が展開し、機首部分はシールドへと変化した。ムラサメの後継機種というだけあって変形後の姿も先代に似ていた。
レイルズはたくみに背部と脚部のバーニアを操作し、自由落下状態を着地姿勢に持っていく。養成学校で幾度もなく繰り返したエマージェンシー・シミュレーション通りに。だが、その1~2秒後レイルズのマサムネは、崖に激しく叩きつけられる。
「ぐああああっ!!」
何とか変形したものの機体姿勢が崩れていて、着地バランスを失っていたのだ。高度も足りなかったのだろう。骨まで響く重い衝撃がコックピットの彼を襲う。顔面がヘルメットに叩きつけられたが、歯を食いしばって必死に耐えた。
「痛っう………。くそおっ……」
痛みのあまりに飛びそうになる意識を懸命につなぎ止め、レイルズは損害をチェックした。幸い特に異常はないようだ。ほっと一息つく。しかし次の瞬間レイルズは驚くべきものを目にした。
頭部に燦然と輝くV字型アンテナ。機体の各部をスリムにシェイプし、機動性を極限まで追求したシンプルなフォルム。レイルズの前に敢然と立ちふさがるそれは、上半身を褐色に染めた一機のモビルスーツであった。
「な、何だあれは!?」
砂岩質の崖の谷間で、二機のモビルスーツが対峙する。一方はレイルズのマサムネ、もう一方は彼を大地に叩き落したモビルスーツ。その機体は左腰には巨大な対鑑刀シュベルトゲベール、右腰にはハンドビームガン、両手首には金属製の鞭スレイヤーウィップを装備していた。上半身はオーブか連合製で下半身はザフト製に近いが、そのシルエットは連合のウインダムにも似ている気する。
見たことのない機体だった。士官学校の教本で大概の機種は知っているつもりだったが、そんなレイルズの記憶にも一切覚えが無かった。マサムネの搭載コンピューターがコンマ秒の速度で答えを探し出す。
『該当機種無し。不明』
正体不明の敵。
だが今のレイルズにとって”敵”というだけで十分だった。眼前のモビルスーツは左手にシールドを――恐らくそれでミサイルを受け止めたのだろう――構えている以外、まだ手に武器を持っていない。睨み合う双方の間合いは近く、お互い一足飛びで届く距離だった。ライフルで狙うよりサーベルで切る方が早い。
(先手が取れる!)
そう判断したレイルズは瞬時に火機管制システムを格闘戦モードへ移行させ、ビームサーベルを抜刀した。そしてフットレバーを踏み込み背部バーニア出力全開。大上段から猛然と斬りかかっていった。
「うおおおおおおおお!!」
その刹那、褐色のモビルスーツの姿が陽炎の様に揺らめき、動く。ゆらり、と。相手の体躯が前のめりに沈んだ――と認識した刹那、レイルズの人としての意識はそこで途切れた。
ザンッ!!
一瞬でマサムネの体は上下二つに両断された。
上半身は宙に舞い、下半身は力なく大地へ倒れこむ。そしてたちまち何かに耐えかねたように爆発、四散した。紅蓮の火球を背にして、前に大きく踏み込んだ褐色のモビルスーツの姿が浮かび上がる。その右手にはあるのは巨大な対艦刀シュペントゲーベル。
居合い一閃。
褐色のモビルスーツから放たれた疾風の如き斬撃が、一瞬でマサムネを真っ二つに切り裂いたのだ。破片がパラパラと舞い落ちる中、モビルスーツは血を払うがごとく居抜いた対艦刀をその場で一、二度振るう。太刀の生み出す風圧で漂う粉塵が消え去り、晴れた空から降りる陽光が機体をまぶしく照らした。
《カクテル3、反応ロスト!》
「クッ、馬鹿が!」
僚機の報告にアデルは歯噛みする。新米少尉の自業自得といえばそれまでだが、若い部下を制御できなかった自分にも腹が立った。
「カクテルリーダーよりウイスキー1へ! 敵の増援と遭遇! カクテル3が撃墜された! 至急支援を請う!」
《了解、カクテルリーダー。これよりウイスキー小隊、全機投入する》
アデルの要請に大型輸送機のパイロット達が応じる。すると大型輸送機の両脇のカーゴドアが開き、中から左右二機ずつモビルスーツの姿が現れた。それぞれ胎児のように身を縮めて、輸送機の格納室に納まっている。扉が完全に開いたのを確認すると、システムがGOサインを出す。パイロット達が降下シークエンスを開始する。
「全機拘束ボルト解除確認、安全装置解除確認、降下準備完了! カウントダウン開始!5、4、3、2、1……」
カウント0。
「降下!!」
その掛け声とともに、大型輸送機の脇腹から四機のモビルスーツが次々と射出された。モビルスーツを吊るしたパラシュートが、コーカサスの空に花のように開いて降りていく。それを見届けるとアデルは残った僚機に命令を下した。
「カクテル2、俺と合流しろ! 敵をウイスキー小隊と挟み撃ちにするぞ! 数で押し込む!」
《了解、カクテルリーダー!》
編隊を組みなおすために、アデルは自機を大きく右へ旋回させる。降下した四機のモビルスーツはパラシュートを切り離し、大地に降り立つ。そして横一線の陣形を組んで、レイルズを仕留めた褐色のモビルスーツに向かっていった。
(良いぞ、この感じ――まるで、俺の体の様に動く!コイツとなら……!)
軽い。
シンはダストの動きに満足していた。巨大な手足が滑る様に精妙に動いていく。徹底した軽量化のおかげだろうが、ザフト時代に乗っていたインパルスと比べても遜色はない。先程マサムネを撃破した対艦刀を、刀を鞘に収めるように左腰のハードポイントに格納する。代わりに右腰にあるハンドビームガンを抜いた。
《レンジ2に敵機種確認。ピースアストレイだ。計四機。上空レンジ3にマサムネ2機確認》
ダストのコックピットにAIレイのどことなく無機質な声が響く。
《敵は俺たちを遠距離射撃戦で沈める気だ》
「わかってるさ、レイ」
六対一、数の上では敵が圧倒的だ。だがそんな状況をシンは鼻でせせら笑う。
モニターの中に敵の姿を認めると、彼はフットレバーを一気に踏み込む。背部バックパックのバーニアが全開し、ジェット噴流が激しく閃く。機体はわずかに宙に浮き、まるで滑る様に大地を滑空していった。そのままシンはダストをピースアストレイ隊めがけて、一直線に突進させる。
猛然と突っ込んでくるダストを認識したピースアストレイ隊が、一斉にビームライフルを撃つ。幾つもの光条が空中に走り、熱粒子弾が大気を焦がす。
だがシンは一向に意に介さない。機体をたくみに操り、速度を落とさずに紙一重で飛んでくるビームをかわしていく。ほんの少し機体を捻るだけ、あるいは小首を傾げただけで、次々と襲い来る敵弾を避けてみせた。
「正確過ぎるから……読みやすい……!」
有効射程圏内。引き金を引く。ダストのハンドビームガンが、一番右端にいたピースアストレイの胸部を打ち抜いた。AI完全制御の巨大な自動人形は、自分に何が起きたのか理解する間もなく、たちまち爆散する。
「教科書通りだな、AIモビルスーツ! そんなもの何機来たところで無駄だ!」
遠距離での迎撃に失敗し、たちまちダストに接近されたピースアストレイ隊は左手装備のバルカン砲、イーゲルシュテルンで応戦する。すかさずダストは左手の大型シールドでそれを防ぐ。分厚い防御装甲を機銃弾が激しく叩いた。
シールドの向こうではピースアストレイ隊がこちらをバルカンでけん制しながら、左右に散っていく。囲むつもりなのだ。不利になる乱戦を避け、両側面から挟み込む戦術パターンである。
しかしシンから見てその動きは酷くぎこちなく、鈍かった。まるで出来損ないのブリキ人形の様だ。
「遅い!!」
一瞬の隙も見逃さない。のたのたと左側から回り込もうとするピースアストレイの一機めがけてビームを撃つ。
頭部が吹き飛び、機体が大きくよろめいた。そこにさらにもう二発撃ちこむ。右肩と胸に命中。致命弾を喰らったピースアストレイは瞬く間に吹き飛んだ。火球が花火の様に大きく広がり破片が散っていく。瞬く間にピースアストレイ隊はあと残り二機となった。
「クソ! ピースアストレイでは荷が重かったか!」
上空のマサムネ機中では、アデルが地上で行われているモビルスーツ戦の有様に歯噛みしていた。数の上では勝っていても、性能も力量も圧倒的に敵が上なのが一目瞭然だ。そして予想以上に早かった。まさか自分達が体勢を整える前に、半数がやられるとはアデル自身思いもしなかったのである。
「カクテル2! 上空から奴の足を止めにいくぞ!」
《了解!カクテルリーダー!》
これ以上敵に自由機動を許していては勝ち目は無い。そう判断したアデルは、残った部下とともに上空から敵――ダストに襲い掛かる。だがその時、僚機を突如一条のビームが撃ち抜いた。
「カクテル2!!」
随伴していたマサムネが一瞬で火の玉と化し、粉々になる。爆風と破片の波がアデルの機体を激しく揺さぶった。
「何ぃ? どこからだ!?」
予想だにしなかった奇襲に彼は狼狽した。レーダーにも反応は無い。その刹那、不意に視界の隅に自分に向かってくる閃光が覗く。ビームだ!
とっさにバーニアを吹かし右に機体を捻ってよける。緊急回避運動を取るアデルを横殴りのGが襲う。瞬間遅れて機体の脇をビームがかすめていった。装甲が熱粒子で僅かに黒くこげる。
「狙撃か!?」
アデルは悟った。ビームはジープが逃走していた同じ方角から放たれたのだと。そしてその先に黒くそびえ立つ山の中腹に、己を狙う狩人が潜む事実を。
「いい腕ですね」
愛機のコックピットの中で中尉は目を細め、ふっと静かな笑みを浮かべる。もしあとコンマ1秒回避運動が遅れれば、先に撃墜した僚機と同じ運命をたどっただろう。いまや最後の一機となったそのマサムネは、必死に空を逃げ回っている。
シンが戦う荒野を、遥か遠くから望む山の一角。うっそうとした森が生い茂る斜面に、一本角をした灰色のモビルスーツが通常のものより遥かに長い銃身のライフルを構えていた。ザクやグフをよりシンプルにしたデザインをしたその機体の名はシグナス。そして構える銃は遠距離狙撃用のロングビームライフルである。それの射程はロマ達が呼び出された荒野全域をすっぽり覆う事も出来るほどのシロモノだ。
シンがロマ達を直に護衛し、そして中尉は荒野を見下ろすこの山の斜面からの遠距離狙撃で、さらにシンを支援する。二重の護衛網がロマの描いた作戦であった。
シグナスの火気管制システムがライフルのエネルギー残量を伝えてくる。次弾装填、ビームエネルギーの充填完了まであと9秒。中尉はそれにわずかに気を配ると、再び狙いをつけるために照準モニターへと目を戻した。マサムネは必死に狙撃から逃れようと、宙を右往左往と舞っている。
その姿にあれは蝶だな、と中尉は何となく思った。まるで小さな子供の虫取り網から、必死に逃げ惑う小さな蝶だと。
眼下に広がる無尽の荒野でピースアストレイと戦う褐色の敵モビルスーツ。それを仕留める為にマサムネ隊で上空から攻撃し、ピースアストレイ隊で挟み撃ちにするというのがアデルの目論見だった。
だが敵はすでに自分達が空中に展開する事を事前に読んでいて、先手を打つべく布陣していたのだ。こちらの空中からの支援を、狙撃によって潰すという策で。自分の作戦が根底から覆された事をアデルは知った。
「くぅううっ!!」
機体を揺さぶる激しい振動に振り回されながらもアデルは次の手を考える。このまま何の遮蔽物もない空中にいては、ただ撃墜されるのを待つだけになる。かといって逃げ帰るわけにもいかない。すでに部下を二人も失っているのだ。アデルは一か八かの選択を選んだ。
マサムネに搭載された無人モビルスーツの指揮機能を使い、残ったピースアストレイ全機に命令する。――自己の損失を省みず、目標に特攻せよ―-と。そして彼は空中で機体の変形機構を作動させた。
「何っ?」
その時、シンは敵モビルスーツの変化にいち早く気がついた。
二機のピースアストレイは急に向きを変え、二機同時にダスト目掛けて突進してきたのである。それまで一定を距離を保ち射撃戦に徹していたのが、突然戦法を変えてきたのだ。右手のビームライフル、左手のイーゲルシュテルンと両腕の武装を片っ端から撃ちまくって突撃してくる。照準をつけている様子はない。まさに乱射だ。二機の放った弾幕がダストのシールドに次々と叩きつけられる。
だがシンもそのまま黙ってはいない。シールドで防御しながら後方にジャンプ、敵弾を避けると同時にハンドビームガンで反撃する。右側のピースアストレイは放ったビームに胸部中央を撃ち抜かれ、たちまち炎上。寸刻後には粉々に吹き飛んだ。
すかさずシンは残った一機にも撃つ。一撃が右肩から下、右腕とビームライフルを破壊する。ところがそれでも最後の一機となったピースアストレイは止まらなかった。むき出しになった肩口からは内部部品が覗き、白い煙がシューシューと吐き出しながら、こちらに向かってくる。
「……まだ生きてるか!」
完全に仕留められなかった事にシンは歯噛みする。最後に残った信念なのか、半壊したピースアストレイは怯むことなく突き進んでくる。まるでゾンビだ。
「何のつもりだ? カミカゼか、それとも……上か!!」
瞬間、シンは真上から突き刺す殺意を察知した。
「うおおおおおおっ!!」
雄たけびと共に、ダストの直上からモビルスーツ形態に変形したアデルのマサムネが急降下してきた。ビームサーベルを抜刀し、自由落下のまま突っ込んでくる。落下速度をそのまま斬撃に乗せて、その威力を倍増させるつもりなのだ。これではビームサーベルで受けても、そのまま真っ二つにされかねない。
「チッ!!」
落下してきたマサムネは、もう目前に迫っている。避けられない、と判断したシンは足を止め、対艦刀を抜こうとした。しかし不意に機体が大く揺れ、ガクンと動きが重くなる。
《シン!?》
「しまった!!」
AIレイの声に振り向くも遅かった。なんと半壊したピースアストレイが残った左腕を使い、ダストの左腰に組み付いていたのだ。上空の敵に気取られた瞬間に近づかれたのだろう。それを見落としていた己のうかつさを、シンは内心吐き捨てる。
ピースアストレイに動きを止めさせ、それごとダストを叩き切る。これが敵の――アデルの作戦だったのだ。
「もらったぞ!テロリスト!!これ以上罪のない市民の血は流させん!」
上段に構えたマサムネのビームサーベルが一際閃く。地上でもがくダスト目掛けて、アデルは一気に切りかかる。
「させるかよ!!」
シンが吼えた。フットレバーを思い切り踏み込み、コントロールスティックを全開で叩き込む。
ダストの腰がわずかに沈んだと思った途端、その左足が大きく跳ね上がった。蹴りはピースアストレイの腰部に食い込み、そのままダストは一気に蹴り上げる。互いの装甲が激しくぶつかり合い、火花が飛ぶ。凄まじい打撃音を撒き散らして、半壊したピースアストレイが宙に舞った。それも地上のダストと、上空から落下してきたマサムネのちょうど中間に――。
「なんだと!?」
突如現れた壁の出現に、アデルは完全に意表を突かれた。これでは敵モビルスーツ――ダスト――を斬れない、と気づく。だが体勢を立て直す暇もなく、彼のマサムネはそのまま落下スピードを乗せた凄まじい斬撃で、ピースアストレイを一刀両断してしまった。爆発が辺り全てを包み、着地したマサムネに爆風と破片の雨が降り注ぐ。しかも巻き起こった砂塵と爆煙はその視界までも封じてしまった。
「おのれ! 奴はどこだ!?」
モニターには吹き荒れる砂と灰色の煙が入り混じった光景しか映らない。大地に降り立つも何も見えない中で、アデルは必死に倒すべき敵を探す。だが、いまやそれすらも遅かった。突然目前を覆う砂塵が、横一文字に切り裂かれる。
「何ぃぃっっ!?」
次の瞬間、アデルは信じられないものを見た。いつの間にかマサムネの両腕が切断されていたのである。さっきまでビームサーベルを握っていた二つの腕は、どこかに斬り飛ばされていた。肘から下を全て失なわれ、鋭利な切断面から内部回路が覗いている。そこからオイルと小さな火花が飛び散らせて、マサムネはよろよろと後ずさった。
一体何が起きたのか、アデルは理解出来なかった。ただコックピット中に点滅する赤い警告ランプが、自機の深刻な損害を伝えているという事だけかろうじて判る。数瞬の間を置いて、砂塵と爆煙が晴れていく。風が全てを流し去ったあとに現れたもの。そこには対艦刀を振り抜いたダストの姿があった。
《危なかったな。組みつかれた時はどうなるかと思ったぞ》
「ん?少し肝でも冷やしたか?」
《あいにくだが、俺はそんなものは持ち合わせてはいない》
AIレイの軽口を聞き流しながら、シンは眼前の敵機を見る。相手は両腕を失い、よろめいたままだ。マサムネの戦闘能力は完全に失なわれていた。
「ここまでだな」
スッとダストが対艦刀を水平に構える。だがその途端、マサムネは背部と脚部のバーニアが猛烈な勢いで噴射し、弾くように大きく後方に飛びのいた。ダストが慌てて刀を振るうが、すでにマサムネはその間合いから大きく逃げ延びていた。
「チッ!」
「まだ…死ぬわけにはいかんのだ!こんな所で!!」
アデルは必死で機体を操る。そしてその勢いのまま戦闘機形態に変形、一気に加速し超低空を飛び去っていた。
《追うか?》
「いや、もう無理だろう。こっちは射程外だし、あんな低空で逃げられれば中尉の位置からも狙えないだろうしな」
地平の向こうに消えていく敵の機影を見送りながら、ダストは対艦刀を左腰のハードポイントに収める。コックピットではシンは暑苦しそうにヘルメットを脱いでいた。そしてそれを傍らに置くと、ひとつ大きな深呼吸をする。ようやく彼も一息つけたようだ。
西日が照らす雲上の高空を黒い大型輸送機が、自分達の住処サムクァイエット基地へと帰還していく。その後ろを一機のマサムネがのろのろとついていく。
だがマサムネは時折ガクッと翼を傾け、今にも墜落しそうだ。飛行状態が安定していないのは、傍目からも明らかだった。コックピットに耳障りな警告音が鳴り響く。動力系の状況を示す計器用のモニターに、いくつも赤ランプが点滅していた。
「ここが限界か……。このままだと墜落するかもしれん……」
機体の窮状をアデルは輸送機に伝えた。
「当機に異常発生。損傷が激しく基地まで帰投できるか分からない。ウイスキー1への合流を希望する」
《了解、カクテルリーダー。当機への合流を許可する。これより後部カーゴベイを開ける。当機が誘導するから、それに従って着艦してくれ》
「すまん、ウイスキー1」
彼の通信を受けて、輸送機の後部大型ハッチが開く。ピースアストレイを四機収納していただけだって、輸送機の格納庫はかなり大きい。マサムネは誘導に従って機体を輸送機の後部にピッタリつける。すると輸送機からマサムネのところに二条のか細い光が伸びてきた。機体誘導用のレーザーサーチャーである。アデルは機体をそれには同調させると、自動操縦に切り替え輸送機にコントロールを預ける。
もう座ったままで何もしなくても大丈夫だ。アデルはシートベルトを外すと、おもむろに大きくにため息を漏らす。俺が甘かったか、とアデルは深く悔いた。
今回の任務は彼にとってはまさか、としか言い様のない結末であった。増援があったとはいえ実質1機の敵モビルスーツの前に、部下2名に加え味方モビルスーツ5機も失うなどと、一体誰が想像できようか。惨敗といってもいい。楽な任務と考えて、新兵を連れて来てしまった己の判断も愚かしかった。
無事着艦し格納されると、機体はロック機構で完全に固定される。軽い衝撃が彼の体を揺らした。未だにモニターは警告音を鳴らし続けている。やかましい。感情のままアデルは力任せに拳を叩き付ける。モニターにヒビが入り、音が止まる。
「覚えていろ、テロリスト共め……!そしてあのモビルスーツ……!!」
レジスタンスなどと謳いながら、村々を襲い物資を奪い、年端のいかない少年少女を海外に売り飛ばす卑劣な者達に負けるわけにはいかない。彼はそう怒り震えた、その被害にあった者達の中に彼の知る者も居たのだ。
リヴァイヴもそういったレジスタンスの持つ裏の顔に無縁ではなかったー
アデルは自分を叩き斬ったレジスタンスの褐色のモビルスーツ――ダストの姿がまざまざと脳裏に浮かぶ。
後悔は怒りに。無念は恨みに。いずれ皆の仇は討つ――アデルの中で執念の炎が燃え盛っていた。
周囲にはもう敵の姿は無い。荒野に残るのは幾つもの残骸と燻る炎、そこから立ち上る黒い煙だった。レーダーで確認すると、シンはダストの足をロマ達の下へと向けた。地平線に傾く西日がモニター越しなのにやけに眩しい。そんな彼の元に中尉から通信が入る。
《無事ですか? シン。私はすでに三人と合流しました。あとは君が来るのを待つだけですよ》
「ありがとう、中尉。おかげで助かったよ。ところでリーダー達は無事なのか?」
《ええ、三人とも無事です。でも少し怪我をしているようですから、あとでセンセイに診てもらった方がいいでしょう》
「怪我だって?誰が!?ソラか!?」
怪我と聞いた途端、シンは驚いた表情で弾かれた様にシートから立ち上がった。だがそんなシンを中尉は優しい口調でなだめる。
《慌てない慌てない。怪我といっても多少の打撲と擦り傷程度ですから。大丈夫》
「そ、そうか……」
それを聞いたシンはドッとシートに腰を落とす。狼狽する様子が判ったのだろうか。通信機越しにクスクスと微かな笑い声がした。
《早く三人に顔を見せてあげなさい。では待ってますよ》
中尉はシンにそう告げると通信を切った。
《もっと早く援護に出ていれば良かったな。しかし真っ先に心配したのはソラの事か。コニールが聞いたらきっと泣くぞ》
「うるさい。黙れ、レイ」
AIレイの軽口に、シンは憮然と返す。ふとAIレイはシンの雰囲気がおかしいのに気づいた。普段なら冗談の一言でも返ってくるのに、未だにその表情は晴れず、どこか重たい空気を漂わせていた。
《どうした浮かない顔だな。今回は俺達が勝ったんだぞ》
「……いや、俺達の負けだ」
《?どういう事だ?》
所詮はAIに過ぎないAIレイにはその意味がわからなかった。
そしてシンもそれがわからないほど幼くも無かった。
「……すまない、ソラさん。とんでもない事に巻き込んでしまった。」
ロマが砂埃で汚れた頭を下げている。コニールも合流した中尉も二人にどう声をかけていいか分からなかった。
「ほ~らね!慣れない事をしても上手くいかないのさ、どいつもこいつもぼくの言う事を聞かない馬鹿ばっかりさ。」
「・・・!」
一瞬、殺したはずの過去の愚かな自分が嘲笑う声がロマの脳裏に響いた。また同じ過ちを繰り返すのか、彼は罪悪感と後悔に打ちのめされた。
今のソラにはロマの謝罪の言葉も耳に届かない。彼女は目の前の現実に打ちのめされ、ただ呆然と立ち尽くしている。どす黒い煙を上げ、赤く炎上するモビルスーツの残骸が彼女にそれを告げていた。
――もう大好きなオーブには帰れない、と。
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