勇猛なる者の胎動

ページ名:勇猛なる者の胎動

アメノミハシラにとっての最重要課題の一つ、それが交易路の潤滑な運営である。

月面にガリレオ市ができたことにより、地球とコロニー間の貿易について、その中継地としての役割は半減した。だがミハシラを中継する貿易船はなお多く、また法人税の安さもあって各種企業や研究所も多くあるため、人と物の往来は止むことはない。

往来が増えれば増えるほど、それに付随し、増えるものがある。

人類最古の職業の一つ。すなわち盗人である。

宇宙海賊と呼ばれる無法者たちは、その積荷を狙って交易船を襲い、ひどい場合には口封じのために乗務員をすべて殺害することまであった。彼らの一部には、MSや戦艦まで所持している組織までいる始末である。その多くは、先の二回の大戦で撃破され、打ち捨てられたが海賊たちの手により回収され、彼らと結託した悪徳ジャンク屋によって修理されたものである。

交易船には自衛のために武装がなされていることが多いが、それでもMSに対抗できるほどの装備を持っているような船はまれだった。

貿易路の安全確保は、本来ならば統一連合の仕事だろう。旧ZAFTが主体となった宇宙軍は、宇宙での治安維持も仕事に入っている。

ただし、宇宙軍はもっぱら政府転覆を狙うテロ組織との戦いに忙殺され、貿易路の安全確保はついおろそかになりがちという面も確かにあるのだ。

宇宙軍指揮官のムウ=ラ=フラガは有能な人物ではあるが、それでもすべての責務を完璧にこなせるわけではない。

そのためにガリレオ市やアメノミハシラは、傭兵部隊を多く雇い、交易路の安全確保に尽力している。本来ならば自国の軍隊を持つべきなのだろうが、人口が少ないという止むに止まれぬ事情から、人材はもっぱら傭兵に頼っている。

特にアメノミハシラが傭兵に与える報酬は法外とも言える値段である。十年も勤め上げれば、後は不自由なく暮らせるだけの金額が支払われる。

ただし、事前の審査は厳しく、責務は重く、仕事は困難を極めるため、よほどの腕利きでなければ雇われることはない。

その腕利きの傭兵の中でも、特に名を知られたMS乗りがいた。

ドレッドノートガンダムΗ(イータ)を操る、カナード=パルスである。



まるで極上の舞踏を見るような感動すら覚える、カナードの操縦技術だった。

しかし相対する敵にとっては、それは悪魔のダンスに見えたことだろう。

「こ、こ、このバケモノが!」

ゲイツRが矢継ぎ早に放つビームライフル。それを、ドレッドノートは最小限の動きだけで、ほんのわずかにかわしてみせる。盾で受けることすら必要ない、とばかりに。

NJCを備えたドレッドノートは、エネルギー切れとは無縁の機体である。いくら動き、ビームを放っても、その動きを止めることはない。

しかしながら、カナードの操縦は、そんなものなど必要ないのではと思えるほどに、動きに無駄がなかった。

スラスターのわずかな噴出、アクチュエイターのかすかな稼動、それだけでカナードはすべての敵の攻撃を紙一重でかわしてみせる。

そして無造作に放ったとしか思えないビームマシンガンの射撃は、正確に相手を貫き、爆散させるのだ。

敵はすでに旧式のゲイツRとは言え、圧倒的に数に差がある。ドレッドノートも決して最新式とは言えない機体だ。にもかかわらずカナードは対等の戦いを展開して見せている。

いや、背中のイータ・ユニットを封印したかのごとくに一切使っていないことを考えれば、対等以上の戦いぶりというべきか。バスターモードもソードモードも展開することなく、マシンガンとビームサーベルのみで、カナードは次々と敵を撃退して行った。

5機目のゲイツRが撃墜され、配下のMSの数が半分に減ったところで、敵は戦闘意欲をなくしてしまう。おざなりな射撃を二、三度した後に、ドレッドノートに背を向けて逃走しようとする。

「フン、尻尾を巻いて逃げ出すつもりか?そうはいかん!」

カナードは酷薄そうに唇をゆがめる。無力な輸送船を襲おうと牙をむいてきながら、反撃されるとすごすごと逃げ帰る臆病者たちを許すつもりはなかった。

いくら全力で逃げても、ドレッドノートの足にかなうはずもない。すぐに追い着いて、自分たちが誰に喧嘩を売ったのか思い知らせてやる。

カナードはスラスターのレバーを全開にして、ゲイツとその母艦の後を追う……ことはしなかった。

まるで誰かがレバーを押し上げようとした右手を押さえたかのようにその動きが止まる。

彼方に消えてゆくMSの姿をそのまま見送り、深呼吸しながら、まだ力がこもった右腕を、解きほぐすようにしてレバーから外してゆく。

「そうだな。今回の任務は輸送船の護衛だ。海賊の殲滅じゃない。頭に血が上って、物事の優先順位を取り違えるところだったな」

彼はきびすを返すと、本来の目的であった輸送船の護衛へと戻る。

「相変わらず戦いで熱くなる癖は直らない、か。こればかりは性分だから仕方が無い。少しは自制しているつもりなんだがな」

独り言というよりは、まるで隣に立つ親友の言葉に諭され、反省しつつも言い訳しているような、そんなカナードの呟きだった。



スーパーコーディネイターの実験体…というより有体に言えば出来損ないの失敗作として生を受けたカナードが、数奇な運命や恩人との別離を経験した後に、傭兵を生業とするようになってから、かなりの年月が経っている。

その間には、ロウ=ギュールの火星行きに護衛として付き合って奇妙な事件に巻き込まれたり、宇宙海賊に対抗するために劾とすったもんだの共同戦線を張ったり、そこで熱くなってあわや大失敗となりそうになった挙句、ブリッジに正座させられて風花から傭兵としての心構えを滔々と説教されるなど、色々なこともあったのだが、それを語るのは次の機会を待とう。

ともあれ、彼は主にアメノミハシラからの依頼を中心として動いていた。

単純に報酬が良かったからだけではない。NJCを搭載したドレッドノートはメンテナンスが煩雑であり、専門技術に長けたスタッフに整備を任せる必要があるのが一番の理由だった。傭兵のMSに十分な整備を施してくれる雇い主はそう多くない。

また、ドレッドノートが前掲の理由から政治的にデリケートな存在であったことも大きい。もはやNJCの存在自体は秘密ではないものの、自由気ままに行動するというわけにもいかなかった。

その点アメノミハシラは、ドレッドノートがNJC搭載機であることを承知した上で、カナードを使い続けている。

カナードとて「九尾の黒狐」と冗談交じりに渾名付けられているロンド=ミナ=サハクを全面的に信頼しているわけではないし、色々と思惑があるのだろうとは思っている。

しかし、少なくとも利害関係が一致している間は、いたずらにカナードを敵に回すような真似はしないと判断している。

もっとも自分を裏切ったり騙したりするようなことがあれば、たとえ相手が世界屈指の強国の指導者であろうとも、完膚なきまでに叩きのめしてみせるとも思っていたのだが。幸いにして、この二人が敵対するような事態は今のところ訪れてはいなかった。

かくてミハシラに集まった腕利きの傭兵たちの中でも、特にカナードは目覚しい戦果をあげ、傭兵仲間のみならずミハシラの住人たちからも尊敬と畏怖を集めていた。

そしてカナードの戦闘を見た者たちによって、彼はいつしかこう呼ばれていた。

「DeadDanceDreadnought(死の舞踏を踊るドレッドノート)」、「3Dのカナード」と。



ただし、友好的な関係が続いてはいるものの、カナードに不満がないわけではない。

今日もカナードの不機嫌そうな声がコロニーに響いていた。

「まったく、お前らは俺を殺す気か!」

ぎろりと睨んだ視線は、傍らに立つ研究者の心臓を鷲掴みにするかのようにするどく、冷たいものだった。

研究者はびくりと身を縮ませたが、それでも弱々しく言った。

「い、いや、過密スケジュールにはご同情申し上げますが、このテストはカナードさんにくらいしか頼めない代物でして。ご理解ください」

カナードはその技量を見込まれて、開発中のMSのシミュレーションの依頼をたびたび受ける。相手は大概マス・インダストリー社である。というよりそもそもは、ミナが手を回してカナードにこの仕事を斡旋したのだった。

テストパイロットの仕事そのものが気に入らないわけではないが、最近はテストの回数が異常に増えている。この日も輸送船の護衛から戻ると、休む暇もなくテストに駆り出されて、さすがにカナードも苛々している。

それでシミュレーターの中から出てきてすぐに、担当の研究者を一喝したというわけである。しかもそのテストの内容ときたら……

「そりゃそうだろう、この前のS-Ⅱ型とか言うのは扱い易い機体だったが、今度のDB型とか言う化け物機体は何だ?

エンジンを二つ積んでもいるとでも言うのか?スピードもパワーも武装も常識外れだ。俺のドレッドノートでさえ、これに比べればスペックは下回っているぞ!」

カナードの怒号に、研究者は言葉一つ返せない。

「そもそも、こんなものを作り出して、誰が操縦するんだ?俺だって少しでも気を抜けば扱いかねるような、オーバースペックのMSを作っても、パイロットが誰もいないだろう!一応断っておくが、俺は乗らんぞ、ドレッドノートを降りるつもりは無い!」

NJC搭載というアドバンテージはあるものの、ドレッドノートはすでに旧式の機体である。イータユニットやカナードの操縦技術が上積みされた上で、最新鋭のMSに匹敵する力を発揮してはいるものの、このまま技術発展が続きMSの性能が伸びてゆけば、いつしかそれも追い着かなくなる時が来るだろう。

いや客観的に見れば、統一連合のストライクブレードと比較して、ドレッドノートは性能面で明らかに劣っている。カナードの技術をもってしてもその差を埋められない時が、もはや目前に迫っているとも言える。

実はマオ・インダストリーに限らずカナードの能力を認めた複数の会社から、最新式の機体のテストパイロット契約を提示されている。いずれもがドレッドノートを大幅に上回る性能を持つMSだった。

しかしカナードはそのすべてを断っていた。

思い入れなどという陳腐な言葉ではとても表現しきれない。自分に生きる意味を指し示してくれた親友の形見、ドレッドノートを捨てることなど、カナードにはできるはずがなかった。

ドレッドノートそしてブレアがいて今の自分の生がある。生きてゆく限り、いや死ぬその瞬間まで、自分はこの機体、そしてブレアの思い出とともにあり続けるだろう。それはカナードにとって当然の前提であった。

カナードの責めるような口調から必死に逃れようとして、つい研究者の口が滑った。

「い、いや、そのようにご心配していただかなくとも、DB型の乗員には、カナードさんの他に既に当てがありますので」

しまった、と研究者が口を押さえたときにはもう遅い。カナードは先ほどとは打って変わって、笑みを浮かべていた。そして親しげに研究者の肩を抱く。逃げ出せないように、しっかりと。

「ほう、これを乗りこなせるパイロットはもう決まっているわけか。それは初耳だな。当然、テストパイロットの俺には、それが誰だか説明してもらう権利があるよな」

研究者の顔色が先ほどまでと比較にならないくらいに青ざめている。彼が思わず機密事項を、それもよりにもよって笑って聞き流してくれなさそうな人間の前で明らかにしまったことを、その顔色が如実に語っていた。

「さあ、静かなところで、二人きりでゆっくり話そうか」

時と場合と相手次第では甘い言葉にも取れるが、当の研究者にとってはとてもそうは思えなかった。しかし、不意に救いの主が現れる。

「そこら辺でやめておけ。取って食われると思って相手が震えているぞ、可愛そうに」

カナードを止める声がした。振り返ったその先にいたのは……

「ふん、ちょうど良かった。こいつよりはあんたに聞いた方が話が早そうだ」

ロンド・ミナ・サハクの顔に苦笑いが浮かんだ。どうも最近は自分を「あんた」呼ばわりする無礼な男が増えているな、と思ってのことかどうかは、定かではない。



ミハシラ行政府の中央庁舎。応接室にカナードはいる。

年代物のペルシャ絨毯、壁には著名な画家の描いた油彩、天然無垢の木を使ったテーブル、青磁の碗に注がれた茶。さすが強国ミハシラという豪勢な応接室だったが、カナードはまったく臆することなく、黒革のソファーに無造作に座り、足を組んでいる。

入り口に立つ護衛役のソキウスが、カナードの一挙手一投足に対して鋭い視線を向けているのだが、それもどこ吹く風だ。

「国家主席も存外暇なんだな。一介の傭兵風情の相手をしている余裕があるのか?」

皮肉っぽく、挑発的に言うカナードだった。

「暇がないのは無能の証拠だ。私は有能で仕事が速い。余裕は十分ある」

しれっとして答えるミナの方がはるかに上手だった。見事に切り返され、言葉では適わないと悟ったカナードは、腹立ち紛れに茶を流し込む。思いの他熱くて、むせてしまうカナードを見て、ミナが笑った。

どうも調子が狂う、それがカナードの素直な感想である。

カナードがミハシラに傭兵として現れてからほどなくしてミナは接触を試みてきた。何のつもりかと、はじめは警戒していたカナードだったが、どうもそうではないようだった。

ミナはカナードを脅すわけでも、かと言って懐柔しようと甘い言葉をささやくでもない。時折こうやって不意にカナードを呼びつけては、色々と話をして、その反応を楽しんでいるだけなのであった。

結局彼女が自分をどうしたいのか分からないカナードは、苛々させられながらも、いつの間にか相手のペースに乗せられてしまっている。傍らにいつも控えるソキウスの無表情が、これまた無言の威圧感を放ってきて厄介なことこの上ない。

「ミハシラに行くのなら止めはしないが……とりあえずロンド・ミナ・サハクには注意しろ。あれほど食えない相手はいないからな」

他人の心配など滅多にしない劾が、カナードにわざわざ忠告した意味が、今ならば理解できる。

カナードは、髪を乱暴にかき上げながら、ささやかな抵抗を試みた。身を乗り出し、再びミナに真っ向から視線をぶつけて問い詰める。

「ところで答えてもらおうか。俺がテストさせられているあの化け物MS。あんたも開発に一枚噛んでいるんだろう。あれは一体何だ?そして誰を乗せようとしているんだ?」

しかし、ここでもミナが一枚も二枚も上手だった。

「ああ、DB型は私が依頼してマオ・インダストリー社に開発させている。モルゲンレーテには頼めない事情が色々とあってな。

ちなみにパイロットに考えているのはこの人物だ。今までの戦いぶりの報告書を部下にまとめさせたところでな。興味があるのならば読んでみるか?」

傍らの封筒から書類を取り出し自分の前に無造作に放ったミナを前にして、カナードは開いた口が塞がらなかった。

自分がテストさせられているのは、アメノミハシラが極秘に開発させているMS。その桁違いのスペックからして、おそらくは統一連合、いや世界で最強を誇るエターナルフリーダムとトゥルージャスティスに対抗させるためのものだろう。

それくらいはカナードにも予想が付いていた。しかしこうもあっさり肯定されるとはさすがに思いもしなかった。

ただでさえ統一連合は、自分たちに対して距離を置くアメノミハシラによい感情を持っていない。そのミハシラがエターナルフリーダムとトゥルージャスティスに匹敵するMSを持つ。統一連合はそれを「謀反の気配あり」と見なし、嬉々としてミハシラを叩こうとするだろう。ゆえに、その開発は極秘におこなわれるはずである。

それこそ一介の傭兵風情に、堂々と語って良い話題ではないはずだった。

もしかすると自分の目の前にいるのは本当に女狐で、俺を化かそうとしているのじゃないか?馬鹿げた考えまで起こって来てしまう。だがミナは相変わらず、からかうような表情をこちらに向けるばかりである。

こうやっていつも、こいつの言いようにされてしまうのだ。カナードは敗北を悟り、眉間に皺を寄せながら報告書に目を通した。

はじめは適当に流し読みをしていたカナードだが、読み進めるうちに表情が変わる。いつしか報告書の内容から目が離せなくなる。

(ここに書いてある内容が本当だとしたら、こいつは、何て技量だ)

カナードとて己の技量には自負がある。今までに数々の強敵を退けてもきた。どんな敵が相手――たとえそれが軍神その人であろうと、親友の形見であるドレッドノートとともにあれば、遅れを取るつもりはない。

そんなカナードですら舌を巻くほどの能力を有する、それが報告書の対象の人物であった。カナードが知っている腕利きの男達、ロウ、劾、ソキウス……そしてブレアにすら匹敵する。

(いや、もしかすると俺を含めて、常識をはるかに超えたコーディネイターなのかもしれん。それこそ、スーパーコーディネイターに匹敵するレベルの)

特に性能が数段劣るはずの旧式MS一機で、統一連合最新式のドムクルセイダー、それもあの地上軍第三特務隊を相手にし、対等に戦うどころか最後には全滅させてしまうとは。

かような奇跡が起こせるとは到底信じられなかった。自分が同じ条件で戦えと命じられたら……答えは単純だ。そんな自殺に等しい命令は無視するだけのことである。

なるほどこいつがパイロットとすれば、あの化け物MSにはお似合いだ。いや逆に、この男の持つ能力を完全に発揮させるために、あれだけのスペックをMSに持たせる必要があったと言えるだろう。

カナードの心に抑えがたい気持ちが沸き起こってきた。戦いを生業とする者ならば誰にでもある根源的な欲求。

すなわち、とてつもなく強い男を自分の目で見てみたいという非常に単純だが、強い衝動が。

「……にわかには信じられんが、一体何者なんだ、この男は?」

ミナの視線が微妙に変化した。カナードにすら気づかせない程度に。

それは自分の計画通りに物事が進んでいることを確信したときのミナの視線、すなわち「してやったり」の視線だった。

「ふむ、興味が沸いてきたか。どうだ、カナード=パルス、その男に会ってみる気持ちはないか?」

カナードは素直に頷いた。ミナが極秘とも言える情報を自分に明かしたことに対する疑念も、今ではどうでも良かった。それよりも、まだ見ぬ強者をその目にする機会を逃してなるものかという欲求がそれに勝った。

かくて、ミナの思惑通りにシン=アスカの人となりに興味を持つように誘導され、手のひらで完全に踊らされることになったカナード=パルスであった。



そしてカナードは、統一連合にとらわれたシンを救出すべく地上に降り立つ危険極まりない任務を引き受けることになる。

当然ながら隠密行動のため、ドレッドノートは置いてゆかざるを得なくなり、与えられたのは(カスタマイズはされているものの)旧式のディンという有様だった。

蛇足ながら、わざわざカナードに対して「とりあえず3Dの名前は維持できるようにDINNを用意しておいたぞ」と言わなくても良い冗談を言うミナであった。他人をからかわずにはいられないのは、ミナ様の悪癖ですね、とはソキウスの言である。

そして二つ目の蛇足ながら、作戦行動中にカナードは「まんまと乗せられた。畜生、あの女狐め!」とコクピットで散々負け惜しみめいた愚痴を言うことになったのであった。



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