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☆第十二幕:眠れる虎
オーブ連合首長国はオロファトの情報管理省本省ビルの最上階に情報管理省長官アンドリュー=バルトフェルドの執務室がある。普段は『怠惰長官』がやけに精を入れて淹れるコーヒーの香りが漂い、その長官の怠惰ぶりに小言を絶やさない律儀な筆頭補佐官の説教が響き渡る至って平和な場所であるのだが、あいにくこの日はこの執務室が開かれて以来の剣呑とした雰囲気が漂っていた。
「誰であろうと来客にはおもてなしをするのが俺の礼儀だ。まあ、一応は聞かせてもらうがコーヒーはいかがか―――――」
「結構だ。お互い反りの合わない人間同士で世間話をしたところで面白くも無かろう。いつかのソラ=ヒダカの件の時のようにさらりと終わらせてしまおう。」
半ば結果を読みながら敢えてコーヒーの用意を示したバルトフェルドの誠意を素っ気無く振り払ったのは治安警察省長官ゲルハルト=ライヒ。そう、よりにもよって統一連合のインテリジェンス部門の長2人がこの場で会談する事になったのである。
「やれやれ。反りが合わないといってもコーヒーの味覚程度は共有できると思ったんだが………」
「あいにくだが、貴官のコーヒーを飲みにわざわざ受付嬢とそこのダコスタ君を説き伏せてここまでやって来たのではないのだ。いい加減、貴官も真面目になれ。『眠れる虎』の相手をするのは私の本意ではない。」
「ふむ、『眠れる虎』ね。構わんさ。あんたの話題次第で俺は『砂漠の虎』にでも『腐った虎』にでもなってやる。安心して話しな。」
ライヒの液体窒素の冷気を飄々とかわすバルトフェルド。ライヒの方でも糠(ぬか)に釘、豆腐に鎹(かすがい:釘の一種)と分かったのか、バルトフェルドの呑気な態度を無視して話を始めた。
「我々治安警察省の捜査によって、先のオラクル事件の首謀者がローゼンクロイツである事、そしてそのオラクルを造る為の重要部品を売り渡した組織がモルゲンレーテ社である事が判明した。
これを受けて主席は統一連合全機構を以ってローゼンクロイツ―モルゲンレーテの殲滅作戦を行う事を裁可された。そして本作戦の総指揮官には私が任じられた為、貴官も本作戦に対して最大限の協力を行うように要請する。」
チッ。と、内心でバルトフェルドは舌打ちする。統一連合という組織は形式的にも実務的にも主席という存在に異常なまでの権力が配分されている。今まではこの歪なシステムがバルトフェルド以下の旧クライン派に対して有利に働いてきていたが、今回はライヒが上手くこの歪さを利用した形となったのだ。しかし、一本取られたといってもそこはバルトフェルド、そんな内心など表情にはおくびにも出さずに今までの軽口調子で相槌を打つ。
「主席のご指示なら別に結構。喜んで手伝わせてもらおう。で、俺達は何をすれば良いのかな?」
「東西ユーラシアにおけるローゼンクロイツの殲滅作戦は治安警察省主体で行う。貴官ら情報管理省にはそのローゼンクロイツにニュートロンジャマーキャンセラーを供与してあの大惨事を引き起こした外道モルゲンレーテの摘発作戦の指揮を取ってもらいたい。モルゲンレーテに対して全世界規模のパッシングを生むと同時に一斉検挙で必要な情報を揃えるのだ。無論、その為の権限と人員はローゼンクロイツ殲滅作戦に支障が出ない限り、最大限譲渡するつもりだ。」
「了解したが確認したい。当然の事ながら、あんた達のもってるモルゲンレーテの情報も貰って良いわけだな?」
「構わない。当方としても担当者としてウェリントン大洋州部々長とカントンテロ対策特別本部本部長を派遣する事にしている。彼らに外道モルゲンレーテの全情報は渡してある。好きに使えば良い。」
実務的な話をしながらもバルトフェルドはつくづく感心する。気に食わない男ではあるのだが、こと実務の話となればライヒは非常に信頼でき、そしてこちらの要求に最大限に応えてくれる名パートナーであるのだ。無論、それはライヒにとって理となるからそれほど気前が良いわけであり、場合によって偽情報を掴まされて踊らされた挙句に責任を取らされて失脚する可能性も無いわけではない。しかし、現時点ではこの男はバルトフェルドにとって最も仕事をする上で信用できる人間の一人となっていたのである。
「話は以上だ。何か質問があるようなら受け付けるが。」
「いや、この仕事の件については無しだ。」
「そうか、では失礼する。唐突に押し掛けて申し訳無かった。次にここへ来る時は可能な限り事前に連絡するように心がける。」
そう言って、情報管理省に嵐のようにやって来た男はこれまた嵐のように自分の都合で周囲を騒がせた挙句立ち去って行く。
「待て!」
はずであった。ドアノブに手をかけたライヒをバルトフェルドの雷鳴の如き一言が静止させたまでは。
「どうしたのかな。筆問は無かったはずだが。」
「ああ、『この仕事の件について』はな。」
今までとは声色の違う声でバルトフェルドは答える。
「あんたに聞きたいのはもっと別の事だ。」
「手短に頼もう。」
「オラクル事件で使われたニュートロンジャマーキャンセラー、あれもモルゲンレーテが売り渡したというわけか?」
「そのとおりだ。あの外道は自らの技術力を高める為に、世界最悪のテロ組織にニュートロンジャマーキャンセラーを売り、結果としてあの大惨事を引き起こした。」
「じゃあ、あんたはオラクル事件が起きるまでそのニュートロンジャマーキャンセラーについては何も知らなかったと。」
「何度も言わせないで欲しい。お恥ずかしい限りだが、我々も外道モルゲンレーテめの動きについては全く知る事ができな―――――」
「嘘だな。」
きっぱりと、そして冷厳と、バルトフェルドはライヒの言葉を否定した。
「”あんたほどの奴なら”モルゲンレーテに少なからぬ監視の目を向けていたはずだ。何せモルゲンレーテは世界最大の軍需企業ながら、本籍をアメノミハシラに置くいわば『国に属さない武力』。ましてや、その技術力は旧オーブ国営企業時代から培われてきたものでこれも放置できるものではない。
で、監視の目を向けていたならば、”あんたほどの奴なら”どれだけモルゲンレーテが隠密に事を進めていようが戦略物資ニュートロンジャマーキャンセラーの横流しなんてのは薄々感付けるはずだ。ましてや、手駒の無い俺達情報管理省ならともかく、人員も豊富で権限もある治安警察省なら確実に掴めるわけだ。
そして、その件を掴めていたならば、”あんたほどの奴なら”血眼になってニュートロンジャマーキャンセラーを探すはずなんだ。現実に、ローゼンクロイツに渡ったニュートロンジャマーキャンセラーは第二のデストロイとなりかねない凶物へと変貌した。
だが、なのにあんたはこれについて何も知らないと言った。じゃあ仮に、あんたの言うとおりこれがあんたの失敗だとしよう。オラクル事件が起き、治安警察省は都合良くローゼンクロイツとモルゲンレーテの癒着の証拠を偶々掴んだ。そして、オラクル事件の真相によってローゼンクロイツの地盤を揺るがす事ができるようになった。
つまりな、出来過ぎているんだよ。あんたの『失敗』は不幸中の幸いかローゼンクロイツとモルゲンレーテの首を刎ねるに十分な材料を揃えるに至った。そして、あんたの『失敗』はまず”あんたほどの奴なら”まずしでかさないような凡ミスなわけだ。今までの事を纏めるとな、こういう結論が出てくるわけだ。」
そこでようやく一息ついたバルトフェルドは、再びライヒの顔を見るなり正しく”猛虎”の如く歯を軋ませるほどに噛み締めて、目玉が飛び出んばかりに瞼(まぶた)を見開いて、余りにも低過ぎる底冷えのする声で言い放ったのだ。
「貴様、己の謀略の為に西ユーラシア5000人の命を売ったな?」
ライヒの冷気が液体窒素ならバルトフェルドが噴き出す寒気は最早絶対零度と化していた。あのライヒを、あのゲルハルト=ライヒを凍らさん、それほどの殺気の刺々しい雹に彩られた極寒色の寒気流がライヒにマッハでぶつけられていたのだ。
ライヒにとっては修羅場である。仮に下手を言ってライヒが今回の一件を差し向けたようにバルトフェルドが感じ取ったとしたら、バルトフェルドは即座にその事をアスハに上奏するだろう。アスハも政治的判断ができない人間ではないが、何よりも義を尊ぶ人である。ローゼンクロイツとモルゲンレーテを潰す為に
「………なるほど、確かにそういう見方もあり得るだろう。事実、私もその可能性には心惹かれるものがある。」
「………貴様………!」
「だが、あいにくながら私にはそのような危険な橋を渡る度胸など無いのだ。」
「何?!」
「考えてもみたまえ。今回のオラクル事件、私の知る限りでの最新の情報では犠牲者は5038人に上ったそうだ。だが、別の見方をすればこれほどの大事件ながら”高々”5000人弱の犠牲者で済んでいるのだ。いくつもの奇跡が重なった為にな。
今回の事件、オラクルが故意か偶然かは知らないが”偶々”人口密集地帯を避けて進撃し、そしてソラ=ヒダカの一件で”偶々”西ユーラシアに来ていたアスラン=ザラの活躍によって5000人弱の犠牲で抑えられた。では、もしどちらの偶然も無かったなら?
どちらが欠けていても4桁で済むはずもあるまい。5桁は当然行くだろう。5桁で済むのか?5桁で済めば幸運だ。あの進路を人口密集地帯を避けずに進撃すれば6桁など容易に達成できよう。6桁?まだ甘い。あれが本気で破壊を前提に行動し、加えて道中の迎撃部隊が悉(ことごと)く殲滅されたならば、7桁だろうと余裕なはずだ。最悪、第二のデストロイとなった暁(あかつき)には8桁も馬鹿げた数字ではなくなってくる。
ローゼンクロイツとモルゲンレーテの殲滅、確かに魅力的な提案だ。”4桁程度”の犠牲で為されるのならば私も考慮しただろう。だが、5桁6桁7桁となっては話は別だ。例え潰したところでオラクルの暴走を止められなかった統一連合の不始末は残る。西ユーラシアの人々の貧しさと憎しみを助長しては、ローゼンクロイツを滅ぼした代わりに、第二第三のローゼンクロイツが現れるのが落ちだ。
サクリファイス(華麗なる捨て駒:チェス用語で必死ないし即詰みさせる為に敢えて捨てる駒の事)は嫌いではないが損得の天秤に架ける程度は行う人間だ。今回の件は得に比して損が大きすぎる。人の感情を計算に入れない愚者ではないのでね。」
「………なら、ニュートロンジャマーキャンセラーの件、あれはあんたも把握していたはずだ。何故止めなかった。」
「それが私の失策だ。ニュートロンジャマーキャンセラーの横流しを暴露すればモルゲンレーテは確かに終わりだが、もう一方のローゼンクロイツは生き残る。最低限、ローゼンクロイツ側にもダメージが残る程度まで事を大きくしようと目論んでみたが、結果を見てみればローゼンクロイツは私の予想を大きく超越してしまったというわけだ。」
ここまでの弁解を聞くに至って、バルトフェルドもこの一件がライヒが主体的に行ったものではないと判断するようになった。
「あんたも一応”人の痛み”を分かる人種である事は分かった。今回の件についても強欲が災いしたが、あんたの立ち位置上この好機を生かす為にローゼンクロイツを泳がせた判断は全否定できるものでもあるまい。俺とあんたでその利害の天秤の作りにそこまで致命的な食い違いが無いと分かった以上、俺はこれ以上あんたのこの件に関する行動を否定する気は無いし、あんたも好き勝手にまた謀略の糸を張れば良いさ。だがな、もしまた自分の火遊びで家に火が付くような事が起きたなら………」
「起きたなら、どうするのかな。」
「俺が貴様を刈る。邪魔なんだよ、貴様みたいに国を自分の一存で賭けちまう奴は。特に何もかも綱渡りなこの時期にはね。」
ライヒは内心で舌打ちした。これは単なる脅しではない。治安警察省というライヒの強大な権限の独走によって起きた今回の一件を受けて、その治安警察省へのカウンターパワーに情報管理省がなってやるというアンドリュー=バルトフェルドの宣言なのである。
会談の始めにバルトフェルドは言った。『あんたの話題次第で俺は『砂漠の虎』にでも『腐った虎』にでもなってやる。』その意味では正しくライヒはバルトフェルドを『砂漠の虎』へと変えたのだ。皮肉な事に、この一件を持ち込んでしまったが為にライヒは自分にとっての強敵を一人政権内に生み出してしまったのである。
「………話が終わったのなら、私はここで失礼しよう。先ほどの言葉、よくよく胸に刻んでおく事としよう。」
「別に胸に刻んでくれなくとも結構だがね。その分、俺があんたを刈る時期が早くなるだけだ。」
「………精々刈られないように努力する事としよう。」
こうしてライヒは去っていった。ゲルハルト=ライヒの数少ない敗北の一コマであった。
ライヒの去った後には殺気までのライヒを威圧していた雰囲気を取っ払って再び垢抜けたお気楽長官風となったバルトフェルドと、さっきの対決の一部始終を見て久しぶりに自らの上官の器量に感激したマーチン=ダコスタの2人だけが残った。
「さすがはバルトフェルド長官です!!あのライヒがたじたじ!統一連合の治安警察省以外の10長官の中でも、ライヒとあそこまで渡り合える人はやはり長官しかいません!」
部下の異様な煽(おだ)て上げに苦笑するバルトフェルド。
「そんなにすごいと思っているんなら、何でいつもはああも小言臭いのかねえ。」
「当然、怠けている長官より、働いている長官の方が仕えていてやり甲斐があるからです!」
「俺はあの怠惰な生活の方が好きなんだがねえ。」
「好きか嫌いかは関係ありません!それに、好きなら仕事を全部片付けて、後任に後を託してから第二の人生の時に謳歌すれば良いだけです!」
「はあ、ダコスタ君は厳しいねえ。ま、現実問題として、そろそろダコスタ君ばかりに任せ切りにできなくなってきているわけだからしょうがないんだが。」
そう言ってからバルトフェルドは外出の準備を始める。
「長官?」
「ダコスタ、頼まれてもいいか?」
「何でしょうか?」
「モルゲンレーテの件、全権委任する。」
「えっ!?!」
愕然とするダコスタに対してバルトフェルドは何か間違ったイメージを送ってしまったような失敗感を持ちながらも笑いながら訂正する。
「いや、何も今から遊びに行くわけじゃない。ライヒの不始末の清算をしに行くだけだ。」
「不始末の清算………ですか。」
「ライヒはこの件を逆手にとって、本格的にローゼンクロイツを叩き潰すつもりだ。奴の最大目標は現在のところローゼンクロイツの壊滅、その為には形振(なりふ)り構わず何だろうとやらかすはずだ。
だが、手段は結果で正当化されないっていうのが現代の面倒なところだ。ライヒもそこは分かっているんだろうが、あいにく奴はそういう”体裁”より”実益”に走る男だからな。特にこういう余力の無い時には体裁をかなぐり捨てるはずだ。で、その服をかなぐり捨てて全裸になった治安警察省に仮初(かりそめ)にしても服を着させてやる人間が必要ってわけだ。
ダコスタ君でも可能だろうが、治安警察省もあの殲滅作戦には本気を出している。総指揮官には次官クラスを投入してくるだろう。いざという時に多少無理できるように、最悪ヒエラルキーの法則で一時的に奴らより上に立てる俺の方が向こうに行った方が有利なわけだ。その点、モルゲンレーテの件に関しては治安警察省は完全に俺達に従ってくれる。ダコスタ君が実務を行っていても、向こうはいつもの事かと見過ごしてくれるはずだ。」
「『怠惰長官』の異名も伊達じゃありませんね。」
ダコスタの揶揄に苦笑しながらもバルトフェルドは着々と外出の準備を進める。そして、ドアノブに手をかけ、そのドアを大げさに開くと、かつてを思い出すかのような一節を吐いたのだ。
「行くぞ。アンドリュー=バルトフェルド、出るぞ!!」
『砂漠の虎』もユーラシアへと向かった。世界は正にユーラシアへと収束しようとしていた。
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