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第十一幕:調律者動く(前編)
その日、治安警察省長官ゲルハルト=ライヒはその直属の上司である統一連合主席カガリ=ユラ=アスハと会談していた。
アスハとライヒの関係は一言で言えば『光と影』である。
アスハはそのカリスマ性によって建国間も無く不安定な統一連合を内側から固め、ライヒはその冷徹さと合理性によって統一連合の不満分子を除去していく。アスハの性分からすればライヒの行動、ひいては治安警察省の存在自体は堪え難いものであったが、アスハも現在の統一連合にはライヒの辣腕が必要である事を認めており、それ故に不本意ながらライヒの大権を認めているのである。
ライヒもアスハを統一連合を纏め上げる上での必要物と捉えている。自分とは思考のベクトルが違う存在であり、少なからず対立する存在。しかし、そうであるからこそライヒは自分には到底縁の無いカリスマ性という価値を有するカガリの存在を認めているのであり、そのカリスマ性の希少性の為にカガリの暴走にも付き合ったりするのである。
この2人の関係は両者共に『統一連合に必要だから存在を認める。』というスタンスであり、正反対ながら意外と互いのスタンスの共有は図られているのであった。共有されていないことがあるとするならば、アスハはライヒの活動の大まかを知っているつもりであるのに対して、ライヒはアスハに見えぬように見える分の数十倍の仕事を処理している点だけである。
今、アスハは要約された数枚の資料に目を通している。否、既に資料には目を通し終えており、今のアスハは蒼白になって資料に書かれた事実を呑み込む事に全精力を傾けていた。
「モ………モルゲンレーテが………オラクルを………ローゼンクロイツに………売った………だと………」
アスハにとっては到底信じがたい内容であった。話の要約は以下の通りである。
モルゲンレーテ社の暴走。そんな言葉だけで済まされる問題ではない。
「これが………もし、本当だとしたら………モルゲンレーテは外道だ。人の命など何とも思わない、金という餌だけを追い求める人の理性という手綱を失ったリヴァイアサンだ。」
混乱と憤怒に翻弄されるアスハとは対照的にライヒはいつも通りの冷静さである。
「外道ですか。まあ、今回の件に関してはモルゲンレーテは外道の謗(そし)りを免れないでしょう。とにかく、これでモルゲンレーテの首は掴みました。後はどうやって利用するかを―――――」
「ふざけるな!!」
アスハの逆鱗がライヒに炸裂する。
「利用するだと?お前はこの期(ご)に及んでなお”利用価値”の観点からしか物を見れないのか!?この話が本当ならば、モルゲンレーテは金欲しさにテロリストに最も危険な武器を売り、その結果として何千人もの犠牲者を出したんだぞ!
お前の言う通り、モルゲンレーテは外道と呼ばれて何の反論もできない存在だ!ならば、何故それを弱みとしてモルゲンレーテを利用し生かしておくという選択肢を選ぶ事ができる!!何千人という犠牲者達を前に、お前はその選択を胸を張って宣言できるのか!!!」
猛烈なアスハの反撃に対してもライヒは何ら感情を表に出す事も無く話を受ける。
「確かに主席の言う通り、あの外道を放置しておくのは問題でしょう。いくら親オーブ第一の軍需企業で主席との関係も深いモルゲンレーテといえども、金に目が眩んで最高軍事機密であるニュートロンジャマーキャンセラーをあろう事かテロ組織に売り渡すというのは言語道断。今回は”高々5000人”の犠牲者で済みましたが、金が足らぬといって次にモルゲンレーテが売り捌いた代物で今度は何人死ぬかは分かったものではありません。」
「ああ!早速、緊急の記者会見を行ってモルゲンレーテへの弾劾―――――」
「お待ちください。モルゲンレーテへの弾劾はもうしばらく時間を置いてからの方がよろしいでしょう。」
勢い付くアスハをライヒが止める。ここで暴発されてしまっては今までのライヒの苦労が無に帰すのだ。
「何故だ。」
「確かに主席が今すぐにモルゲンレーテへの弾劾発表をなされれば、モルゲンレーテには大打撃でしょう。しかし、腐ろうとも大企業モルゲンレーテ。恐らくオーブに居所が無くなっても強(したた)かに生き延び、また同じような事をしでかすかもしれません。しかも、モルゲンレーテは今ではアメノミハシラ籍の企業。本社の強制捜査もできない現状では、モルゲンレーテを完全に潰す事は不可能です。」
しかし、善は急げを体現したような人格であるカガリ=ユラ=アスハである。多少屁理屈を捏(こ)ねてでもすぐにモルゲンレーテを潰す事に固執する。
「だが、何も完璧に潰さなくても、弾劾すればモルゲンレーテの中でも事件を率先してやった連中が粛清されて、人々からも白い眼で見られるからそれで十分じゃ―――――」
「主席は甘いです。モルゲンレーテが外道で理性の箍(たが)が外れたリヴァイアサンだと形容されたのは主席自身のはずです。
そのような暴走を組織全体で行っていたのであれば跡形も無く潰されるべきであり、もし一部の暴走だったとしてもそのような外道を許してしまった組織には組織全体としてその暴走を許してしまう組織構造があります。組織構造が変わらなければいずれ再び同じような事態が起きる事は明白であり、担当部署の首切りだけで済ましてはいけないのです。
そもそも、今回の事件は統一連合に対する実質的な反逆行為でありこれを中途半端な処分で終えてしまっては潜在的反政府勢力を勢い付かせる事になります。兵法に曰く『最善の策は敵の心を打ち砕く事。』。
我々が反逆行為に対して毅然とした態度を取る事によって、反逆行為を目論んでいる者達の心を打ち砕き、世界秩序の維持増進に貢献するばかりではなく、ひいては反逆行為を挫折した者達にとっても無用な流血と憎悪が回避された事によって統一連合体制内で幸福な生活を送る事ができるのです。故に、殲滅は小規模に、そして徹底的に。ですから、本件は各部署との連携作戦を取りたいと思っております。」
「連携作戦?」
「はい。今回の主犯格はユーラシア全土に地盤を持ち、そして少し前にコーカサス州を勢力下に置いたレジスタンス連合の一大有力派閥の一つであるテロ組織ローゼンクロイツ。そして、金の為に多くの人命を捨てた外道企業モルゲンレーテ。
いずれもこの国を蝕む癌であり、この2つは転移を許す間も無く、一瞬で殲滅しなくてはなりません。その為には我々治安警察省単独やアスハ主席単独ではなく関係部局全てによる包囲殲滅作戦が必要なのです。まず、我々治安警察省は東ユーラシア共和国と西ユーラシア自治区の治安当局と連携してのローゼンクロイツ全拠点と全構成員の一斉検挙摘発の準備。
続いて、情報管理省は世界中のマスメディアや各国政府と連携してのモルゲンレーテへの一斉ネガティブパッシングの準備。更に、ピースガーディアンは東ユーラシア共和国軍と汎ムスリム会議国境守備隊と合同してのコーカサス州奪還作戦の準備。これらが全て完了し、一瞬で両勢力を壊滅させ得る準備が整ったその時に、主席にはモルゲンレーテとローゼンクロイツへの弾劾発表を行っていただきたいと思っております。」
「なっ………」
ライヒが一段落に言い切ったその壮大な構想にアスハは驚愕した。治安警察省を束ねる大君(たいくん:英語でいうところのTycoonであり大元締め、黒幕の意。同字で長女を意味する『おおいのきみ』という読み方もあるが今回は前者の意味で使用。)であるライヒのその深淵の深さをアスハは知っているつもりであったのだが、今回この大構想を一口に述べられた際にその認識が大いに誤っていた事に気付いたのであった。
オラクル事件に始まりコーカサス州の占拠、そしてモルゲンレーテ社の外道。連続して起きたこれらの凶事全てを鎮めるべき難事と取るのではなく、鎮圧の好機と為してしまう。何という権謀家。アスハの胸中にライヒを得体の知れない化け物として恐れたい感情と共に、それと同じほどのライヒを統一連合の影の守護者として認めたい感情が膨れ上がってゆく。
「ついては、関係部局全ての有機的連動が必要なこの作戦を為す為に、主席の承諾を頂きたく思います。」
畏怖の念に押し潰されんばかりの心境のアスハである。承認のサインを出さないはずが無かった。
「あ、ああ。構わん。今回の件はお前に一任する。頼んだ。」
「分かりました。必ずや、この世界に救う癌を消し去って見せましょう。」
ようやく最後に意志らしい意志を見せたライヒは会談を終えてアスハ主席の執務室から去ってゆく。執務室から出て、その扉を閉めた時、今まで全く表情という表情を見せなかったライヒの顔に少しばかりの笑いが浮かんだ。
「やはり、主席は人が良いな。」
影ながらのライヒの囁(ささや)きは、ライヒをこれら全ての凶事の解決者であるとだけ早合点し、ライヒがこの凶事全ての元凶である可能性を考慮する事を失してしまったアスハへの嘲笑にも似た憐憫であったが、その真意を測れた者はその場には誰もいなかった。
主席との会談を終えて治安警察省本省ビルに戻ったライヒは現状で使い得るほぼ全ての治安警察省幹部を招集した。主席から全権委任のお墨付きを得て他部局の人員も自由に利用できる環境を得たといっても、世界最大のテロ組織と軍需企業であるローゼンクロイツとモルゲンレーテを相手取りしかも一昼夜に事を決する為には治安警察省も持てる全ての力を動員する必要があったのである。
主要な幹部を見ても副長官チルキス=ムガール、大洋州部々長シドニー=ウェリントン、ユーラシア第一部々長イグナシオ=ヨセ=ロドリゲス=ドラド、ユーラシア第二部々長アレキサンドル=オレンヴィチ=バカティン、省内官房課々長ハト=ハタ、テロ対策特別本部本部長ヤレン=チベ=カントン、カフカス問題筆頭参事官メイリン=ザラと錚々(そうそう)たる面子であり、これから行われる作戦がそれだけ壮大である事を顔触れだけで容易に窺(うかが)い知る事ができるほどであった。
「諸君、アスハ主席は我々の調査資料を基に、オラクル事件を始めとする幾多のテロ行為を引き起こした武装組織ローゼンクロイツ、そしてこのローゼンクロイツにニュートロンジャマーキャンセラーを始めとする戦略物資を供給した大企業モルゲンレーテ社、この双方を”完膚なきまでに”殲滅する事を決定した。」
幹部一同がどよめく。ローゼンクロイツの件に関してはオラクル事件という禁忌に踏み入った時点で遅かれ早かれ殲滅作戦が行われる事は想像できていたのだが、その裏にアメノミハシラの大企業モルゲンレーテ社が控えており、しかもそのモルゲンレーテ社も見せしめに潰しにかかるとは誰もが想像できていなかったのである。
「本作戦は情報管理省、各国治安当局、そしてピースガーディアンと東ユーラシア共和国軍とも連携した一大作戦となる。我々治安警察省は東西ユーラシアの治安当局と連携して、今まで収集してきたローゼンクロイツのデータを全て開放し、ローゼンクロイツの地域との連携を遮断した後に全拠点を一斉に検挙、逃げる場所も逃げる残党も一切残さない殲滅作戦を展開する役割を得た。」
幹部一同がもう一度どよめく。各国治安当局と連携して摘発を続けていても腐った肉に湧き出る蛆(うじ)の如くとめどなく溢れ出るローゼンクロイツ、その蛆共をこの世界から金輪際切り離してしまおうというのである。普段ならばそのような青写真を真面目に語られたとしても、その困難さが身に沁みている幹部たちはその青写真を現実を見ない夢物語と一笑に付したであろう。
しかし、今回はその青写真を示したのがかの治安警察省長官ゲルハルト=ライヒなのである。この男が言うからには例えどんな空絵事であろうとも、その裏には十分過ぎるまでの勝算が立っているのである。
「ローゼンクロイツの摘発が困難を極める最大の理由は、かの組織が地元住民の支持を獲得している点である。それ故、外来の我々は地元住民に匿われたそれを捕まえる事が困難となっている。
しかし、今回我々にはローゼンクロイツが大企業モルゲンレーテ社の走狗として武器供与の見返りにオラクル事件を引き起こし彼らの祖国であるはずのユーラシアを焼き払ったという明確な証拠を手にしている。かの地域の住民はオーブ系の企業を酷く嫌悪している。ユーラシアの守護者ではなく大企業の尖兵に堕ちたローゼンクロイツを知れば、住民はローゼンクロイツへの庇護を止め、むしろ積極的に摘発に協力する。
本作戦はユーラシア全土に癒着するテロ組織ローゼンクロイツの息の根を止め得る最初にして最後で最大の好機である。以下に各員への指示を出すので各人はこれをローゼンクロイツとの最終決戦と思い、全力を尽くしてあの拝金主義の走狗の幾万の首の一つも残らず斬り捨てるように。」
「はっ!」
幹部達の眼には冷静で鳴る治安警察省の幹部としては珍しいほどの情熱の炎が灯っていた。ライヒの言葉は別に激励効果を期待したような言い回しではなかったのだが、その事実だけで幹部達はこの大作戦への熱意を溢れんばかりに有してしまったのである。
「ムガール副長官。貴官にはローゼンクロイツ殲滅作戦の陣頭総指揮官となってもらう。本作戦に関連する全部局への指揮権限を私の名代として与える。直ちにモスクワへ行き関連部局を指揮下に収めよ。」
「はっ。かしこまりました。」
ムガールは冷淡な目付きの中に炎を燃やしながら訓令を受ける。今まで余りにライヒの存在が強大過ぎたが為に『空気副長官』とまで揶揄された男である。この件での総指揮という晴れ舞台を与えられて高揚しないはずが無かった。
「ドラド部長。貴官は配下の西ユーラシア自治区内の治安警察省関連部署を纏め上げよ。バカティン部長。貴官は同じ事を東ユーラシア共和国内で行うべし。特に東ユーラシア共和国は治安当局の力が弱いので必要ならば統一連合地上軍の増援を要請しても構わない。私から話を付けよう。」
「はっ。西ユーラシアの女子供一人に至るまで対ローゼンクロイツ戦線の一兵といたしましょう。」
「お任せあれ。東ユーラシアがローゼンクロイツの広大な墓標となる様が目に浮かびます。」
ドラドとバカティンの2人の部長は過大なまでの装飾を施した文を返す。この日の為に彼ら2人はローゼンクロイツの跋扈する東西ユーラシアで地道な治安維持活動を続けていたのである。それらを清算して余りある反撃の手法をどうするかに彼らの思考は既に向かっていた。
「ザラ参事官。貴官にはカフカス地区に対する全権限を特別に与える。カフカス地区、そして奪還されたコーカサス州の占領地区内に潜伏するレジスタンスを根こそぎ検挙せよ。」
「了解しました。ええ、一人たりとも逃しませんわ。この私の眼の黒い内は、誰一人としてコーカサスから逃さない。」
雪女でさえ凍死するような極寒の微笑を浮かべてさぞ面白そうに返事を返したのはメイリンである。彼女は既に信頼していた者達に裏切られたと思っているのである。その負の感情を以ってすれば彼女の言葉を実現する事など容易すぎる事は明白であった。
「カントン本部長。貴官はモルゲンレーテ社への強制捜査の準備をせよ。オーブ総支店はもちろんの事、工場、営業所、民間部門に至るモルゲンレーテ社の捜査できる全ての場所を捜査して証拠を集めよ。」
「はい。あの外道めの首を掻き切れると思うと胸が躍りますよ。」
カントンは嬉々として命令を受ける。対テロ作戦において常勝将軍の名を縦(ほしいまま)にする猛将の矛はモルゲンレーテに向けられた。
「ハタ課長には全体的に手薄となった治安警察省全体の人員配置を任せる。ローゼンクロイツ戦線に手薄になる部分を上手く補強せよ。」
「了解しました。」
主要幹部への訓示が終わると治安警察省幹部の一大会合は終了し幹部達は各々の持ち場へと散っていった。主席への根回しに治安警察省への訓示、どちらも済ませてしまったライヒは最後にある場所へと向かったのだった。
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