仮想第25話:ガルナハンの春(中編):第二幕B

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☆第二幕:幕間_温泉にて技術者の休息(後編)



「うわーっ♪ヨーコ、リュシー、温泉温泉♪」


 必要なんか全然無かった。一体、どこからこの温泉の話を聞いたのかスレイプニールの旧紅組3人が揃いも揃ってやって来たのである。


「(アゼルボフさん。この温泉って、俺たちだけしか知らないんじゃ―――――)」


「(ああ。そのはずだ。この温泉はこの地熱プラント建設に関わったスタッフを労う為にあいつに作らせた代物。その一番湯を密かに楽しむ為にわざわざ極寒の非正規ルートを通って誰にも気付かれないように温泉に来たっていうのに―――――)」


 思わぬ乱入者の為にあたふたする2人。声も何故か小声になる。とにかく、何でこんな乱入者が来たのか困惑する頭で冷静に考えようとする。


「それにしても持つべきものはやっぱ同胞よね。」


 とは、ユーコ=ゲーベルの言。


「あれは同胞というより敵ですわね。………まあ、捕虜となっている以上は敵も味方も今のところは無いのでしょうけれども。」


 とは、リュシー=マドリガルの発言である。この2人の発言だけで、シゲトには何となく事の真相が分かりかけてきた。


「(アゼルボフさん………)」


「この際、敵だ味方だとかは忘れましょ。あの自称『捕虜』さんに感謝しないと。」


 で、止めとなるシホ=ハーネンフースの一言。アゼルボフがプルプルと震える。震えがさざ波となって男湯全体を揺らしている。


「(あんっのやっからぁ~………!)」


 アゼルボフが震えている事など知らずにシホ達旧紅組3人衆はおしゃべりを続ける。


「本当に感謝しなければなりませんわね。あの方が週に一度しかシャワーを浴びれないという私たちのボヤキを聞いて、こちらを案内してくださらなければ、湯船に浸かるなどこれから先できたかどうかも定かではありませんでしたわ。」


「カーネギーさんだっけ。何か同じコーディネイターの捕虜って言われても、最初ドジ過ぎてナチュラルかなって間違えちゃったよね。あの火砕流に巻き込まれたモビルスーツ隊のパイロットだったなんて尚ビックリ!コーディネイターっていう色眼鏡を差し引いても全然弱そうだったからね。」


 下手人判明。まあ、大方の予想通りだったというだけだが。


「ユーコ、恩人をそのようにこき下ろすものではないですわ。………まあ、あの御仁なら火砕流が収まった後で火砕流の蒸気で前後不覚になって生温かくなった火砕流に着水、そのまま捕虜になったと言われても十分な信憑性があるのですけれども。」


「そんな事どうでもいいから、とりあえず入りましょ♪プラントじゃお目にかかれない本物の温泉よ。楽しみまなきゃ♪」


 そう言ってなんだかんだと一番温泉を楽しみにしているシホが湯船に入る。それに続いて残りの2人も湯船に浸かる。香水か何かの芳香族の芳しい香りが男湯女湯を問わず周囲に解き放たれる。こうして、技術組と操縦組という何とも奇妙な合い風呂が出来上ったのである。



 さて、至って奇妙な星の下に生まれたこの合い風呂状態、どうなっているのであろうか。まず、女湯側であるが。


「う~ん、最高!こんな場所があるんならコーカサスも捨てたものじゃないわね。」


「そ~だね。ボクも気持ちいい。」


「しかし惜しまれますわ。これほど気持ち良いものであると知っていたのならばアイスティーを持ってきたのですが。」


 女湯は至って普通に和やかに花園が咲き乱れている。一方、男湯側はというと。


「(どうしましょう。)」


「(どうするかな。)」


 と、何とも肩身の狭いひそひそ声で男2人寂しく喋っているのである。しかも、『どうしましょう。』と考えているものからしておかしい。


「(どうしましょうか………この隙間………)」


「(難しいところだな………)」


 2人の思考の先は男湯と女湯を区切るひ弱過ぎるトタン板、その貼り付け部分の隙間の事である。社会の窓という慣用句が世の中にはあるが、この隙間はこの成語に準(なぞら)えてちょうど『倫理の窓』とでも呼べるような意味合いを持っていたのだ。


「(アゼルボフさん、見ますか?)」


「(いやいや、とんでもない。シゲト君に譲るよ。)」


 と、2人揃って怯んでいるようにも見えるが、実は互いにこそこそと『ちょっとだけ』はその隙間を利用していたりもする。


「(シゲト君、これも一つの経験だ。女生(にょしょう。本来なら『女性』と書くのだが、書き分けの都合上異字体とする。)の美しき裸体を拝むのも男性のなすべき経験の一。どうせ君の歳ではあれほどの豊満な美を目にした事もあるまい。)」


 万が一の為の盾を立てる為に結構シゲトに対して残酷な発破をかけるアゼルボフ。さすがにシゲトも腹を立てて反撃する。


「(そ………!大体、アゼルボフさんには経験があるんですか!?)」


 が、アゼルボフそれをさらりとかわす。


「(いかんせん経験者は先達として未経験者にそれを経験させる義務があるからね。)」


「(うぐっ。)」


 シゲト轟沈。


「(さあ、後ろは守るから千載一遇のこの好機を逃さないんだ!)」


「(………)」


 などとアゼルボフにそそのかされて従ってしまったあたり、シゲトも嫌いではなかった事の証左である。


「(どうだい?)」


「(………………………)」


 で、もはや半分息は途切れ途切れ、視野はその隙間一点に注ぎ込まれてしまって、これが『ホモサピエンス』の発情期です、などと動物園か生物実験室に置かれていても不思議ではない発情中シゲトが出来てしまったのである。


 かくして生まれた一種の幸福の均衡。旧紅組3人衆はおしゃべりを、シゲトはその3人衆の肢体を、そしてアゼルボフは野生化して発情するシゲトと時たま見える3人衆の肢体を肴にして楽しむ寒気未だ厳しい春先の温泉道楽。

しかし、世の中そうそう上手くはいかないのである。開放系における均衡とは本質的に崩壊するものであり、外部からの予期せぬ流入だけでこの幸福の均衡は正しく泡沫(うたかた)の夢と化すのである。そして、その崩壊は女湯にある人物が入って来る事から幕を開けるのである。



 その一人を見た時の第一反応は個人個人で結構幅があり中々興味深いものであった。


「(おや、誰か入ってきたようだ。)」


 至って普通なオスマノブ=B=O’アゼルボフの反応。まあ、初見の相手であれば視線がストレートに出会うかよっぽどの美人でもない限りは男湯から覗いている人間の反応としてはごく当然の反応であろう。


「(げっ!!!ヤバッ!視線合ったかも!!)」


 兢々諤々なシゲト=ナラの反応。確かに相手はシゲトにとってよく知る人、しかも怒らせると当事者に物理的ダメージが入る類の人種に入る人物である。相手が覗き見している自分を捕捉しようが捕捉しまいが恐れ戦くのはまあ当然の反応である。まあ、そもそも覗きなどという物騒な事さえしなければそんな恐怖に駆られる事もないのであるが。


「(チラリ)………(クスリッ)あら、こんにちわ。………」


 対象を認めてから挨拶の前にクスリと笑ってしまったのはシホ=ハーネンフース。別に相手を見下していたわけではなく、前回会った時の印象を思い出してしまいついクスリと笑ってしまったのである。だが、傷口を裂き広げるような真似をしないだけ、シホの部下2名よりかは大分ましな反応である。


「(チラリ)………(ニヤニヤ)あら、良く来られましたわ。(ニヤニヤ)」


 何だか無駄ににやけ笑いが止まらないのはシェリー=マドリガル。口調こそ下品さを薄める為に普段の丁重ぶりを装っているが、相手の傷口に塩を塗りこもうとする悪意はそのにやけ笑いの為にばればれなのである。そして。


「(チラリ)あっ!コニールだ!この前のシャワーの時の話しようよ!!!」


 で、悪意か善意かはともかく(もっとも、この場合の善意とは法律用語の善意、すなわち無知という意味合いである。)喜々揚々と傷口にオキシドール原液(つまり過酸化水素水)をぶっかける、『エースof空気読めない子byスレイプニール組』の称号を冠して何ら恥じるものの無い旧紅組3人衆最後の一人ユーコ=ゲーベルの一言が温泉にやってきた長タオル一枚のコニール=アルメタのトラウマ古傷にクリーンヒットしたのである。


(大丈夫よ。まだ成長期は終わっていないし………コニールは”まだ”でしょ?)


(へー。”まだ”なんだ?)


(コニールさんってもう19歳ですわよね。………でも、最近の子は意外と初心ってっ聞きますしねぇ。)


(………頼むからあたしの前でそーゆー話は止めてくれる?………クスリッ………)


 以降、シャワーが上がるまでの間、コニールがサンドバッグ兼おつまみ状態になった事は容易に想像が付く話である。そして、コニールは前回の轍を踏む気は更々なかった。


「あっ、ごめん。場所間違えた。」


 長タオル一枚剥がせば全裸になるような服装で出向く場所が風呂以外にあるか、あるのか、あるんだな、誰の部屋だ。などというツッコミはこの際無視して、コニールは回れ右して元来た道を戻ろうとする。


「させませんわ!」


「さ~せないよ~!!」


 が、無理な話だった。シェリーとユーコが雌豹の如く温泉から飛び上がると、殺気を感じて脱兎の如く完全な逃走態勢に入ろうとしていたコニールの両腕をがっしりと掴み取ったのである。

そもそも、俊敏性、反応速度、演算処理能力、全てにおいてほぼ一般ナチュラルの平均値を凌駕するコーディネイター、その中でも上位に位置するザフトレット2人の強襲を受けたのだ。コニールは一般ナチュラルに比すれば相当荒事に慣れており、筋力も高いといえるが、そんな程度のレベルで遺伝子改良された砂時計の住人に勝てるはずがない。

サラブレッド種が野生馬(厳密に言うと野生馬は絶滅している。)に俊足で秀でるように、ホルスタイン種が野生牛(厳密に言うと野生牛は絶滅している。)に乳量で秀でるように、質と量の点から圧倒的に不利となったコニールは2人に連行され温泉に半強制的に浸けられてしまったのである。


「放せ!放せって!」


 じたばたするコニール。が、よろめきつつも頑として腕を放そうとしないシェリーとユーコ。


「いい加減素直にお縄を頂戴なさい。もう逃げ場はありませんわ。」


 まるでコニールを下手人の如く扱うシェリー。コニールいじめの加害者という意味なら問答無用でシェリーが下手人なのだが、あいにく今そう言う非難を口にできる輩は男女の区切りの向こう側にしかいなかった。


「そ~ゆ~事!今度は逃がさないんだから~!」


 で、見たとおり無邪気なままにコニールを追い込んでいくユーコ。法律世界においては善意の第三者という厳密な認識を持っていない者は時として恐喝の片棒を担がされる事(たとえば恐喝で奪い取った土地を土地ディーラーを介して民間人に売るとする。恐喝で奪い取られた物品は原則的に初期の所有者に返還されるが、この場合は何も知らない民間人が強制的に土地を奪い取られる事になるので土地の返還は善意の第三者たる民間人の利益を保護する為になされない。)が往々にしてあるのだが、今のユーコは正しくコニールからすれば悪意に等しい黒さを持つ善意の第三者へと変貌している。


「………クスクス………」


 で、旧紅組3人衆の中で一番ましなシホでさえ『自分は関係無い。』との意思表示なのかこの修羅場から目を逸らして明後日の方向を向いているのだが、顔はクスクス笑っておりしかも耳ばかりは欹(そばだ)てているというのだから、到底コニールの援軍になるはずもない。強いていえば、非友好的中立といったところであろう。



 敵軍多数、自軍孤軍。そしてこのまま降伏すればサンドバッグ兼おつまみは確定。こんなコーカサス州の現状と当らずとも遠からずの窮状に置かれたコニールがどのように行動するか。現実にレジスタンスに単騎参加したコニールである。武力の前に屈し屈辱の前に甘んじるなどという行動ができるはずもない。


「こら!放せ!放せって!私はあんた達の玩具じゃない!」


 じたばたするコニール。が、シェリーとユーコの2人は腕を放すつもりが全く無い。


「放せと言われて放す者がこの世のどこにいるのですか?」


「そ~そ~。だから白状しちゃえ、告白しちゃえ、ゲロしちゃえ。」


 などと余裕綽々のコーディネイター2人である。しかし、窮鼠猫を噛むとはこの事をいうのかコニールの悪足掻きの実る時が遂に来たのである。

コニールのじたばたはナチュラル女性のそれを圧倒的に凌駕するものであり、2人がかりとはいえシェリーとユーコはよろめきを抑える事ができなかった。そして、そのよろめきで踏鞴(たたら:昔の製鉄には鉄を融かすほどの超高熱を燃焼効率の悪い木炭で生み出さなくてはいけなかった為、木炭を完全燃焼させる為に自転車の空気入れのような空気ポンプ、すなわち踏鞴を用いて無理やり酸素を送り込んでいた。その空気ポンプは両足で互いを踏み込んで動かしたので、転じてオットットとよろめきながら足を何度も踏み込む事を踏鞴を踏むと表現するようになった。)を踏んだユーコが踏み付けた足場。その足場は普段ならただの少しばかり尖(とが)った石でしかなかった。

しかし、質量バランス的に人間2人分近い質量で加圧されたその石はユーコの右足に食い込み、ユーコの意識を一瞬だが右足に完全に向かわせる事となった。


「痛~いっ!!」


 一瞬の隙。だが、コニールはその一瞬の隙を常に攻め圧倒的劣勢から一自治区を確立するまでに至ったリヴァイブの一員である。機を見るに敏という言葉を故事成語の範疇に収めたままにしているはずが無い。

早速、バランスを崩したユーコの方へコニールは全体重を傾ける。しかも、運の良い事にかえしに喰い付いたブラックバスの如くユーコは腕を放さない。ここに来て、シェリーはユーコとコニール2人分の質量をたった一人で支える事になったのである。いくらコーディネイターとはいえ、自分の2倍近い質量を腕だけで、しかもモーメント付きのそれを支え切れるはずもない。数秒の格闘の末には、シェリーもコニールの方向へよろめき倒れたのである。3人がよろめき倒れた先は女湯組はその存在理由を未だ理解していない貧弱そうな区切り。そして、その区切りの先には。


「うわっ!」


 さっきから女湯の押し問答に全視力と全神経を注いでおり、突発的事態に備える事が出来なかったシゲトがいた。一方、その眼前で女性3人の質量を一気に受け止めた貧弱なトタン板の区切りはそんなもの受け切れるかよとでもいうぐらいに無抵抗に傾いてその質量をシゲトへと押し付けたのである。


「「きゃぁっ!」」


 そして結論。コニール、シェリー、ユーコの女性陣3人はトタン板1枚挟んでシゲトを押しつぶしたのである。3人分の重量に悶絶するシゲト。だが、シゲトにとっての不幸は悶絶した事ではなく、このダメージで気絶できなかった事である。何故なら、シゲトが悶絶している内に女性陣4人はシゲトの存在に気付いたのである。


「………これはどういう事でしょう………」


 とりあえず現状を冷静に理解しようとするシェリー。


「きゃ~、覗き~、スケベ~、変態~!」


 何か適当な言葉の羅列のはずなのだが、ほぼ正鵠を射ているユーコ。


「………変な壁だとは思っていたけど………そして、この隙間………」


 そして、この場において一番冷静に状況を理解しており、今後の対応まで頭の中に展開しているシホ。


「………あんた………」


 で、想定外のカードを引き当てたコニールは右腕に握ったその鉄槌を。


「ナイス!」


「へっ?」


 腕を掴んでいる2人に振り当てて拘束を振りほどくと、脱兎やゼクゥの俊足すらとろく感じるであろう超高速で温泉から遁走したのである。コニールの逆鱗(龍)、暴れる(無)、花弁の舞い(草)を想定して見切り(闘)、守る(無)、堪(こら)える(無)態勢に入っていたシゲトは肩透かしを食らう。が、何もシゲトに危害を与えようとする相手はコニールばかりではなかった。特にこの現状においてはコニール以上に危険な相手が3人もいたのである。


「どういう事か、納得できる説明をしてもらおうかしら。もちろん、一般常識に照らして十分納得できるもので。」


 えらく怖い顔をして比較的遠くから仁王立ちにずかずかと近付いてくるシホ。その視線はさながら鷹の如く、その右腕はさながら虎の如く、そしてその後光はさながら明王の如く。正しく不動明王の如く強制力を用いてでもシゲトを正道に帰してやる気満々である。

が、シゲトとしては正道に帰るのは結構だが強制力の余波に与(あずか)るのは御免である。すぐさま事情を説明して強制力の矛先を少しでも自分から遠ざけようとする。


「ち………ちが………こ………これは、アゼルボフさんが………って、あれ!?いない!?」


 シゲトがシホの眼力に負けて生贄として差し出そうと指差した先にはアゼルボフがいなかった。何も機を見るに敏はコニールばかりの専売特許ではないというようにアゼルボフは事がまずい方向にいきそうになった時に脱衣室に逃げ込んでいたわけである。三十六計逃げるに如(し)かず、まさにここに極まれり、といったところであろう。

そして、事ここに至ってシゲトはようやく自分が袋の鼠、四面楚歌の項羽、ローマを追われたネロ、腹心実子に背かれたアーサー王ばりの味方零の窮地に追い込まれている事に気付いたのである。


「へえ、この期に及んで下手な言い訳をするのね。」


 シホの明王の一撃確定。


「な~んで覗いていたりしたのかな~!白状しろ、ボクに教えろ!楽になるぞ~!」


 気恥かしさと腹立たしさというより弱みを握って喜々としている陰謀家のように無邪気に笑いながらトタン板越しにシゲトの行動を拘束するユーコ。覗いていたシゲトの本音を逆に引き出す事によってシゲト自身の心を責め立てるという逆説的な責め方はさながら愛染明王そのものである。


「では、どうやって調教、もとい矯正して差し上げましょうか。」


 そして、ハイエナに言い寄られるほどに物騒で、ナメクジに住み着かれるほどに陰湿で、オオカミに恐れ慄かれるほどに残酷な笑みを浮かべて本音の言い間違いをしたのはシェリー。心身ともに跡形も残さんという内心の意気込み、それはまさにシヴァすら討ち滅ぼす仏教最強最悪の暴君、降三世明王が如きである。


「あ………あ………あ………」


「「「さぁー、覚悟はいいかしら?」」」


 その後は、もはや語る必要もあるまい。






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