Phase-24-20

ページ名:Phase-24-20

ヨーロッパの冬は厳しい。乾いた風は寒さを直接叩きつけてくる。寒さは建物の壁や着こんだコートすら貫いて肌を刺すようだ。


 オラクルにより徹底的に破壊された街のあちこちで、座り込んだ子供や老人の姿が見える。春が近いとは言え、しばしは続くであろうこの寒さを彼らは乗り越えられるのだろうか。統一連合による支援がようやく本格的となり、配給や仮設住宅の建設も行われている。とはいえ被害に比して援助の量は、はるかに及ばない。


 戦争の傷跡は世界の至るところに残っている。特にユーラシア一帯は、ブレイク・ザ・ワールドや九十日革命によるダメージが甚大で、未だ回復の途上にある。そこに来て今回のオラクル騒動だ。


 直接的な被害により命を落とした人間も多いが、これからさらに、家を奪われ、着るものに事欠き、日々の食事すらまともに取れないために、間接的に命を失う人間も多く出るだろう。


 人々の心を写してか、灰色に染まったように沈んだ街を歩き、白い息を吐きながら、アスランはその事実に心を痛め、そして憤りの炎をさらに燃やしている。足並みは自然と早いものになり、護衛の部下たちが付いて行くのにいささか苦労するほどだ。


 遠い東ユーラシアで、レジスタンスの連合が統一連合の遠征軍を撃退し、ゴランボイの地熱プラントを奪取した件については既に彼の耳にも届いている。


 レジスタンスを率いているのは今回のオラクル騒動にも深く関係しているローゼンクロイツだ。そしてレジスタンス連合にはかのリヴァイブも参加しているらしい。それに遠征軍に参加しているはずの親友、イザークとディアッカの安否を案じる気持ちもある。


 そういった外部から入ってくる情報には、あえて耳をふさぎ気を取られないようにして、アスランは自分の仕事に専念している。再会したばかりのシンのことも気になっていたのだが。


 そうやって冬の間ずっとオラクルの事件に専念し、活動していた成果が、ようやく今日になって、出ようとしている。アスランが向かった先は、監査局のチームが滞在するホテルだった。第一次の調査結果報告を聞くためである。


 ホテル側で用意した会議室に足を踏み入れると、既にチームの面々は顔を揃えていた。みんなご苦労だった、とねぎらいの言葉をかけつつ、アスランは席に座る。そして間を置かずに言った。


「堅苦しい挨拶や前口上は無しだ。早速本題に入る。今回の事件について、判明した事実を報告してくれ」


 チームの面々は上官の言葉に頷く。すばやく目配せをし合うと、報告役を割り当てられた部下の一人が、眼鏡を直しながら立ち上がる。


「それでは報告いたします。手元の資料は随時ご覧ください。結論から申し上げますと、今回のオラクル事件に関して、統一連合内部に協力者がいることはほぼ確実と思われます」


 アスランの眉がぴくりと動く。予想外の報告ではない。アスランも当初からその可能性を疑っていたからだ。ただ、こうして正式に報告されるに至り、さすがに衝撃を受けたのも事実である。大型MSによる大規模破壊活動を裏で糸引いた輩たちの中に、統一連合所属の者がいるとなっては。


 部下の報告はなおも続く。


「オラクルの心臓部に使われていたNJCについては、オーブにて密輸に関わった企業を割り出しています。そして実際の運び人役をやらされた海運業者も掴みました。  その海運業者が運搬中に、MSを所持する海賊に襲われ、積荷のNJCを奪われた。オラクルの稼動準備を進めていたローゼンクロイツが、偶然にそのNJCを入手した。  中心的役割を果たしているのは、国際的に指名手配されているローゼンクロイツ幹部、ミハエル=コンペンテーファー、シーグリス=マルカらである。以上が表向きの真相です」


「表向き、と言うからには、裏に隠された物事があるということだな」


 はいと頷いて、部下はさらに説明した。


「調査を進めていくうちにおかしな点がいくつか浮かびました。これは本国のチームから受けた報告なのですが、そもそもNJCの密輸するはずだった先が、東アジア共和国となっているのですが、いくら調査してもまったくその詳細が掴めないのです。  東アジア共和国の政府なのか、軍なのか、テロ組織なのか、ジャンク屋ギルドなのか、企業なのか、研究機関なのか、一切が不明です。我々の調査が不十分だとは思いません。まるで、もともと密輸する相手などいなかったかのように、まったくく正体が見えてきません。  また、問題のNJCが海賊に強奪されてから、ローゼンクロイツの手元に渡るまでの手際があまりにも順調すぎる。  即時稼動可能なNJCなどという代物ならば、喉から手が出るほど欲しがる組織なり企業なりはいくらでもあります。普通は、ジャンク屋組合なり裏のルートで買い取り先を十分に選別し、もったいぶった上で売られるはずです。  でも今回NJCは、ローゼンクロイツが受け取ることが既定路線であったかのように、非常に短期間で彼らのところへと届けられているのです」


「NJCを何としてでも入手したかったローゼンクロイツが、密輸の事実を掴んで、意図的に船を襲ったと言う可能性はないのか? 」


 アスランの指摘に、部下は複雑な表情を見せる。


「可能性はあります。しかしそれにしても疑問は残ります。密輸は、治安警察ですらその事実を掴めなかったほどに巧妙に隠蔽されていました。  オーブ近郊で活動しているテロリストならば、まだ機会もあったでしょう。しかし活動の規模が縮小しつつあるローゼンクロイツが、NJCが密輸されると言うことを、そしてそのルートを、なぜこうも容易く詳細に至るまで知ったのでしょうか?  さらに重要な情報が一つあります……NJCの密輸をおこなった企業に対して、ここ数年、政府からの公的資金を原資とした資金援助が数度にわたって行われているのです。  表面上は産業振興や技術開発のための正当な助成金が、めぐりめぐってその企業に流れた格好になっています。ですが、NJCの密輸と資金の援助の時期が奇妙に符合している。  単なる偶然とは考えられません。NJCを密輸させるために意図的に資金提供が行われたと考えられるのが妥当でしょう。そうなると、今回の事件は周到に準備された結果だということになります。  統一連合内部に、今回のオラクル事件に深く関与している者がいる。これは、ほぼ疑いの無い事実だと思われます」


 報告を終えた部下が席に座った。アスランは腕を組み、資料に目を落としている。想像していたものをはるかに越える内容の報告だった。


 今までにも、統一連合内部で行われた数々の不正を暴いてきたアスランではあったが、今回は桁が違う。  デストロイタイプの大規模破壊活動用MSに対する民衆の忌避感情は凄まじいものがあるし、またNJCについてはその技術も含めて厳格に輸出入や開発が制限されている。それの暴走や流出に統一連合内部の者が関わっているとすれば……


 もしもこれが事実ならば、連合の屋台骨にすらダメージを与えるほどの大スキャンダルに発展する。


 取り扱いは慎重にしなければならない。かと言って、追及の手を緩めるつもりも一切無かったが。


 部下たちに引き続き調査を進めるように指示し、今回の会議を終えたアスランは、皆を下がらせて部屋に一人残った。資料をめくりながら、独り言つ。


「連合政府の内部を捜査するとなると、治安警察とも連携が必要か。あちらも多少の事実は掴んでいるだろうが、メイリンには途中の経過を話しておいた方がいいかもしれないな」


 不意に扉がノックされると、先ほど退出した部下の一人が彼のもとに歩み寄ってきた。困惑したような表情を浮かべつつ、アスランに伝える。


「たった今、西ユーラシア大使から連絡が入りました。アスラン閣下にお話があるそうですが、いかがいたしましょうか」


 西ユーラシア大使が? とアスランはいぶかしみ、通信子機を部屋に持ってくるように指示した。


 そしてアスランは、彼らからの提案に、怒りを爆発させたのだった。




扉の外で待機していた部下は、アスランの怒声に驚き、肩をすくめた。彼の上官は冷静沈着で、めったに声を張り上げることなどないはずだったのだが。今回はいささか勝手が違うようだ。


「どういうことだ! 捜査を打ち切ってチームを本国へ帰還させるようにだと! 何を考えてそんな事を言う! 」


 通信は音声のみで相手の姿は見えない。だが嫌らしいほどに落ち着いた言葉遣いがアスランを苛立たせる。機械の向こう側でこちらを冷笑しているのではないかと勘ぐりたくなるほどに。


「申し上げたとおりです。今回のオラクル事件については、西ユーラシアの治安警察が捜査にあたることが正式決定いたしました。監察部隊は捜査を治安警察に引継ぎ、事件の捜査を中断していただく。つまりはそういうことです」


アスランは歯噛みする。あからさまな妨害だった。事件の根が統一連合内部にまで食い込んでいるのだから、いつかは必ずこういった事態が起こるとは思っていた。今までも不正を追っている途中ではしばしばあったことだ。やはり今回のオラクル事件には治安警察の何物かが関与しているー…?


ただ対応が早過ぎる。まだ調査は初期の段階であり、事件の全貌を暴くには至っていない。ようやく糸口を掴んだに過ぎない。それにも関わらず、なりふり構わず手を打ってくるとは。そんな事が出来るのは…


(よほどこの問題は危ういものを孕んでいる、ということか)


脳裏によぎった最悪の可能性に頭を悩ませる。


「そもそも監査局が、直轄地とはいえ国外の事件を当初から捜査することがイレギュラーの越権行為なのです。必要ならば政府から指示があるでしょう。手続きをきちんと守って欲しいものですな」


 アスランは鼻白むが、相手の言っていることは正論だ。今回はたまたまアスランが現地で事件に直接巻き込まれた経緯もあったので、そのまま調査を始めたが、本来は政府から正式に命令を受けた上で行動すべきではあった。


 カガリに事後承諾をもらえば良いだろうと考えてはいたが、調査にかまけ、つい連絡を怠っていた。その点を指摘されるとアスランも弱い。


 しかしアスランも引き下がれはしない。妨害してきた相手に手の内をさらすことになるが、あえて強硬な姿勢を崩さずに言い放った。


「すでに調査した部分でも、監査局が扱うべき問題があることが判明している。順序が逆になった事は素直に認めるが、監査局は手を引くつもりはない」


 監査局が扱うべき問題がある、つまり政府内部まで追及が伸びる可能性を示唆する言葉だった。気迫のこもったアスランの宣言にまったく動じた様子もなく、西ユーラシア大使は言った。


「これ以上話しても無駄のようですな。この件はそのまま上司に報告させていただきます。判断は上の者が出してくれるでしょう」


 さすがにアスランも堪忍袋の尾が切れ、敵意を隠さずに吐き捨てた。


「ああ、こっちもこれ以上話すことは無い。時間の無駄だ」


 通信機を叩きつけるように切ると、乱暴に扉を開けて部屋を出て行く。憤懣やるかたないその様子を、部下は敬礼することすら忘れて見送ったのだった。




その日の夜、食事を終えてホテルに戻ったアスランに、早速正式な命令が来た。治安警察長官、ゲルハルト=ライヒの署名による正式な通達だった。内容は西ユーラシア大使のそれと変わらない。 直轄地での犯罪については、治安警察が優先的な捜査権を有している。監査チームは現在までに得た情報を全て治安警察に提出した上で、捜査を打ち切り、本国に帰還すべし。監査チームの協力を必要とする場合は、あらためて要請をする、というものだった。


(果たしてこれはライヒ長官自身の意向か? それとも別のルートからの圧力か?)


 メイリンの前では口にしないが、治安警察の縄張り意識の強さにはアスランもしばしば閉口させられている。自分の領分に土足で入り込まれた治安警察が、面子をコケにされたと憤って、アスランたちの追い出しにかかっている、というのならばまだ救いはある。


 しかし、現在までの調査で分かっている通り、このオラクル事件について政府内部の関与があり、治安警察を動かして監査局の妨害に取り掛かっているとすれば……これは笑い事ではすまない。


(場合によってはラクスたちの力を借りる必要もあるかもな)


 他人の威光を笠に着ることは、アスランの本意ではない。ただし事情が事情である。なりふり構ってはいられない。彼はキラやカガリにも後押しを頼むことも考えていた。


 かつてシンとの再会時にも言っていたように、今の統一連合に問題が山積みであることはアスラン自身がよく分かっている。


 戦争の打撃から立ち直ることを優先にして、ラクスとカガリを中心とした中央集権的な政策を取っていることについては、正しい選択であると彼も思っている。でも中央集権的な政策は、往々にして不正と腐敗の温床となる。


 権力は腐敗し、より強い権力はさらに早く腐敗するものだ。オラクル事件の黒幕の真意までは図りかねるが、今の統一連合内部は、それくらいの事件が起こりかねない不安定な状況であることは、アスランも認めていた。


 だからこそ、腐敗の芽は早く摘んでしまわないといけない。その点についてはラクスやカガリも同意見だ。今までにも、やりようによっては内々で処理できる問題についても、彼女たちの同意を得た上できちんと公表し、関係者を処罰したことがある。


 公正さを失ったら、統一連合に反対する勢力に対して格好の批判材料を与えることになる、それをアスランは一番恐れていた。


 シンに偉そうに説教をしたのだから、自分もそれに見合った行動を取る義務があるのだと、アスランはひそかに心に誓ってもいる。そうすれば、シンもいつか無駄な戦いをやめて、争いの無い人生を送るように心を変えてくれるかもしれない。はかない希望かもしれないが。




まずはラクスに連絡を取ろうと、電話に手を伸ばしたアスランだが、それが届く前にベルが鳴った。


 少し驚いたが、気を取り直して受話器を取った耳元に、懐かしい声が聞こえてきた。


「ディアッカか、久しぶりだな……今回の遠征では色々と苦労したようだな。しかし、とりあえずは生還して安心したよ」


 だが再会を懐かしむ気持ちを、ディアッカの暗い声が吹き飛ばしてしまう。彼の口から語られたのは、もう一人の友人の窮地だった。


「アスラン、イザークの奴がやばい立場になっている。今回の敗戦の責任をおっ被せられてしまいそうなんだ」


 イザークが? といぶかしむアスランに、ディアッカが事情を説明する。


「今回、無謀な特攻を止めるためとはいえ、総司令官の指令を公然と無視して撤退命令を出したことについては確かにあいつは責められても仕方が無い……だけどマルセイユの派閥の奴ら、今回の惨敗の原因までイザークに押し付けようとしてやがるんだ。


 俺をはじめとした下級士官たちはイザークの正当性を必死に訴えているんだが、上の奴らがトカゲの尻尾切りよろしく結託しているから、ぜんぜん意見を取り上げてもらえない。


 イザークはああ言う奴だから、釈明も一切せずに処分は全部受け入れるって態度で話にならん。バカ正直にもほどがある。


 虫の良い話だが、お前くらいしか頼る奴がいないんだ。何とか、あの石頭を助けてやってくれないか」


 アスランは突如もたらされた情報に驚く。イザークが敗戦の責任を負わされそうになっているとはまったくの初耳だった。さらには、一介の中佐に全責任を押し付けて自分たちの失敗を糊塗しようとするとは、統一連合地上軍の質の低下に情けない気持ちにもなる。


 とりあえずディアッカに、イザークのためにできる限りのことはする、と約束して電話を切ったものの、アスランはそこで考え込まざるを得なかった。


 友人を救うことには躊躇は無い。しかし、これはデリケートな問題だ。統一連合軍の上層部を相手にするとなれば、慎重に事を運ぶ必要がある。下手をすると、現在でも結束の弱い軍組織に亀裂を入れることともなりかねない。


 ただでさえ、ピースガーディアンに対抗意識を燃やす統一連合軍にとって、アスランは敵にも等しい存在なのだ。手を出した瞬間に彼らは敵意を剥き出しにしてくることだろう。


 ディアッカの話が本当ならば、イザークが命令無視をしたことは確実である。軍において上官の命令無視は即時銃殺すらありえる重罪だ。それがたとえ理不尽な命令であっても、部下が自分の判断で命令を無視してよいとなれば、軍全体の規律が保てなくなる。そんな人間をかばうのか、と彼らが抵抗してくるのは目に見えている。


 同様の理由で、カガリやラクスやキラに力を借りることもできない。彼らはイザークのためなら喜んで手を貸してくれるだろうが、彼らの介入そのものがピースガーディアンと軍との軋轢を激しいものとする可能性があるからだ。


 それに正直に言って、彼らはこういった細かいバランス感覚に疎い面がある。イザークの件を解決しても、他に禍根を残すようなやり方をしないとも限らない。


 自分が動くのが最善であることは間違いないだろう。しかし今、できれば西ユーラシアを離れたくはない。オラクルについて調査を継続したくとも、現地を離れてはどうしても指揮が滞ってしまう。


 結果的に事件は監査局の手を離れ、治安警察に移ってしまう。


「どうする、アスラン=ザラ、いったいどうする?」


 知らず知らずのうちに、独り言が口から漏れている。ベッドに腰掛け、こめかみを押さえ、悩むアスランだったが、答えを出してくれる人間はいなかった。




二日後、アスランの姿はポツダムの空港にあった。


 逡巡の末、彼はオーブに帰還することにしたのだ。監査局の部下たちには、治安警察に捜査を引き継ぎ、漸次帰国するように命令した上で。


 果たして自分の選択が正しいものか、今でもアスランは迷っている。しかし、やはり彼にはイザークを見捨てることはできなかった。


 メイリンは後に残って引き続き事件の捜査にあたることになっている。妻に任せれば大丈夫だと、アスランは自分を納得させた。それが苦しい言い訳であることは承知しつつ。


「色々と大変だろうけれど、体調だけには気をつけてね」


 仕事に忙殺され、見送りに来ることもできないメイリンとの会話は、携帯電話越しになってしまう。それでも、アスランは努めて明るい声で答える。


「そっちこそ。春が近いとは言っても、まだ西ユーラシアは寒い日が続くだろうから。風邪なんて引くなよ。オーブに戻ってくるのを待っているから」


 携帯電話を懐にしまうと、アスランは溜息をつく。自分はいったい何をやっているのだろうと思う。オラクルの事件のことも、イザークのことも両方とも重要なことだ。しかしその両方を選べない以上、自分は何をすべきで、何をすべきでなかったのだろうか。


 もはや、彼はオーブに行こうとしている。責任を押し付けるわけではないが、後はメイリンにすべてを託すしかなかった。


 一方、携帯電話の向こう側、メイリンも深々と溜息をついていた。


「あの人の気持ちには答えたいけれども……どうしたらいいのかしら」


 彼女の手元には、今日の朝にオスカーから渡された、本部からの命令書がある。内容を読み進めているうちに、眉間に皺を寄せた彼女にオスカーは「あれあれ、美人が台無しですよ」といつもの如く無礼な言葉を吐いたが、それも気にならないほどだった。


とどのつまり、命令書には以外にもこう書かれていたのだ。


「ローゼンクロイツを調査した結果、今回のオラクルの破壊活動を彼らの単独犯と断定する。統一連合内部との結び付きについては一切の公表、および今後の捜査は無用である。 情報管理省と協力し、捜査の準備を整えるように」

ローゼンクロイツの関与を否定するものという予想を裏切る内容であった。

「治安警察内部も一枚岩ではないか…」

この治安警察の予想は的中する。このガルナハンの地で悲劇は繰り返される。

そしてこの数か月後、ガルナハンは戦火に包まれる事になる。ローゼンクロイツと、他ならぬリヴァイブの手によって。すべてはミハエル=ペッテンコーファーの掌の上である。


 偶然、ローゼンクロイツの真実を知るソラ ソラを連れてリヴァイブを脱出するシン そんなシンたちに追撃を放つユウナ


事態を知ったアスランたちはキラに協力を要請し、シンの救出に向かうが……


そしてユウナとミハエルは、人類粛清計画「Revival project」の実行を宣言するーー……


 これをきっかけにこの物語は全てがひっくり返ろうとしていた……



機動戦士ガンダムSEED Revival は本回で打ち切りになります。

あとがき

長年に渡りご指摘を頂いておりますが、本作はガンダムSEEDシリーズを基にした創作物であり実際の作品とは一切関係がありません。

登場人物の人間像・思想・人間関係等は完全にオリジナルとなっております。

旧筆者が極めて極端なアークエンジェル組嫌いであり、そういった鬱憤を晴らす場でもあった事をご了承下さい。



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