比女川軌道線は、羽場町(現・久羽市)と比女川市を結んでいた比女川電灯の軌道線である。
駅一覧
新港停留所
塩通線停留所(久羽港駅)
稲田町停留所
↑専用軌道
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↓併用軌道
本町停留所
堀端停留所
城南口駅
↑併用軌道
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↓専用軌道
久佐衛門前停留所
麻中停留所
国橋停留所
千景山停留所
西比女川停留所
↑専用軌道
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↓併用軌道
競馬場前停留所(西比女川駅)
媛八幡停留所
土生町停留所
駅前停留所(比女川駅)※比女川駅移転に伴う路線付け替えアリ。
沿線概況
軍港としての役割を背負うこととなった槌ノ浦港に代わり、比女川の外港としての役目を果たすこととなったのが、千景山を越えた先に開ける久羽新港であった。北方航路などの貨物扱いもありにぎわいを見せていた。
現在の久羽港の中心は姫川左岸であるが最初に整備された港は右岸であり、その痕跡は現在のフェリーターミナルにある。これは当時の姫川がたびたび洪水をおこすことに起因していた。このため、鉄路は姫川の氾濫原すなわち久羽市街の東端を通り、姫川に並行して高巻きに千景山の渓谷を越える必要があった。当然、開業当初から電車である。
新港停留所は久羽港の海岸沿いに位置し、港の機能の中心に直付けする便利で画期的な駅であった。一方で、港湾労働者の輸送のない日中の利用客はさほどであり、稲田町で折り返す列車が多かった。転機は塩久鉄道の開業である。このころには姫川の治水事業と久羽港の拡大は既定路線であり、特に姫川以北は臨海鉄道としての役目をもって建設されたため、新港停留所にまっすぐ並行して入る形で線路を伸ばして貨物ターミナルを置くとともに、当線とも直通できるよう東に分岐したところに旅客ターミナルを置いた。これが久羽港駅であり、塩通線停留所を新設して、稲田町停留所から。
すなわち、ここにデルタ線が形成されていた。稲田町駅を出発するとすぐに併用軌道に入って街中に入る。当時は道幅がかなり狭く、数度のの右左折を経て堀端通に侵入するまで単線区間である。堀端通では北国物産館や正教会など北側に開かれた国際色を感じることができた。
羽場城の外堀の東側を南下し、姫川が見えてくると城南口であり、堤防上の専用軌道に入る。しばらくして川の蛇行区間に入ると千景山を東姫トンネルで抜ける。国橋という呼称は幕藩体制時代に羽場が支藩であった名残である。
比女川平野に入ると西比女川に到着する。ここには車庫と比女川軌道事業部が存在した。ここからは姫街道上をまっすぐ走行し、比女川駅に乗り入れていた。比女川駅移転後は土生町で南へ折れ曲がり、新駅に乗り入れる新設線を走行したが、貨物用に旧来の線路も残された。
鉄道庁による北山本線借り上げ時には、稲田町~塩通線の一区間を残して全廃し、久羽臨海鉄道として羽場~久羽港間と一体的に運用されることになる。
運行形態
30分毎の運転で、うち半数は利用者の少ない久左衛門前・西比女川間を通過していた。
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