カントーエリア上空
14時頃
陽が少し傾いているがまだまだ明るい時間である
そんなところに飛んでいるフレンズが居た
「ふふふふ~ん♪いい天気じゃの~」
「うん!いい天気だね!」
カンザシバトのPinちゃんとアキアカネのアキちゃんは空を自由気ままに飛んでいた。
「うーん、なんかないかのう………」
「あっ!見て!あそこに女の子がいるよ!」
「ここらへんの森に一人とは危ないのじゃ……迷い込んだのかの?」
「とにかく降りてみようよ!」
「そうじゃな」
・・・・・・・・・
「ううっ……どこなのよぉ……石田ぁ…っ!」
「うっ……」グスンッ
彼女は斎条財閥のお嬢様の斎条水咲……ではなくユートリアム・斎条
石田の護衛から抜け出して一人で森の中に入ってきたのだが案の定道に迷ってしまっている。
「おーいどうしたのかの~」
「大丈夫ですか~!」
Pinちゃんとアキちゃんはお嬢様に声を掛ける。
「……あ、あれって……」
「ほー可愛い子じゃな~」
「あ、ウチはアキアカネ……いわゆる赤とんぼのアキちゃんじゃよ~」
にこにこと自己紹介する
「私はカンザシバトのPinちゃんです!よろしくおねがいします!」
同じくにこにこと自己紹介している。
「あなた、名前はなんて言うんですか?」
「ふんっ、この私のことを知らないフレンズがまだ居たのね!」
「私は斎条財閥の次期当主、ユートリアム・斎条よ!」
「さいじょうざいばつのじきとうしゅ?」
「ゆーとりあむ・さいじょう?」
二人共
頭にはてなを浮かべる
「そうよ!世界168カ国に事業を展開する斎条財閥の次期当主、ユートリアム・斎条よ!」
えっへん!と胸を張るお嬢様
「へーっ、凄いんですね!」
「……よくわかんないがすごいんじゃな、ゆーなんとかは」
「ユートリアム・斎条よ!」
「よくわからん名前じゃの……」
(姿は日本人っぽいはずじゃが外人みたいな名前じゃな……はーふとかいうやつなのか?)
「ところでどうしてユートリアムちゃんはここにいるの?」
「森の中を探検してて……ちょっと道がわからなくなっただけよ!」
「つまり迷ったってことじゃな」
「うっ……」
「うーん、じゃあ私が乗せてってあげるよ!」
「べ、別にいいわよ!私一人で帰れる……」
歩き出そうとするユートリアムちゃんだが……
「そっちは逆じゃよ」
容赦なくアキちゃんにツッコまれてしまった
「うっ……」
「………仕方ないわね、いい?私が乗ることを光栄に思いなさい!」
「うん!」
にっこりと返すPinちゃん
「…………ふんっ」
パタパタパタ
「どうじゃ!この眺めは」
「………まあ良いじゃない」
Pinちゃんの背中にユートリアムちゃんが乗り
その隣をアキちゃんが飛んでいる
「そうじゃろそうじゃろ~」
「うん!いいよね~」
「………ところであなた達は何をしていたのかしら?」
「ただ飛んでいただけじゃよ?」
「うんうん、暇だったからアキちゃんと飛んでたの!」
「それだけなの?」
「それだけじゃよ」
「……仲がいいわね」
「そうじゃそうじゃ!ウチとPinちゃんは親友なのじゃ!」
「うん!」
にこっと顔を向き合うアキちゃんとPinちゃん
「ふーんっ…………」
「で、どこで降ろせばいいの?」
「ええっと、確か……あそこの看板のところでいいわよ」
「はーい!」
「いくのじゃ!」
「あ、あんまりスピードあげないでよ!?」
・・・・・・・・・・・・・・
「はぁはぁ……スピード出しすぎよ!」
「えへへっ、ちょっとやりすぎちゃった!」
少しるんるんのPinちゃんと、少し息切れしているユートリアムちゃん
「速かったの~」
比較的のんびりだったアキちゃんは少し遅れて到着した。
「た、助かったわ……あ、ありがと」
少し小声だがお礼を言うお嬢様
「じゃあ、またなのじゃ!」
「ユートリアムちゃん、またどこかでね!」
「ええ、また会いましょう」
飛び立っていく二人
(あんなフレンズもいるのね……)
(親友……か)
飛んでいる二人を見ながら考えているお嬢様であった。
終わり
Tale制作・「アキアカネ「アキ」」キャラクター設定・・・ダイヤモンド
以下のキャラクターをお借りさせていただきました。
「カンザシバト「Pin」」・・・鯖ナメクジ
「ユートリアム・斎条」・・・春日井磯也
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