【RP】ヒーロー参上! 第1話「出会い」

ページ名:RPHeroes1

 

(>第2話)

登場人物


 


A.D.L.B医療班"フリード"


サンドスター専任研究員 兵頭博士


シンノウ淡水族館マスクドサーファー"マインケ"

 

前書き


実施日時:2017年10月18日

パーク内で独自に”ヒーロー”として活動する謎多きマスクドサーファー「マインケ」と、A.D.L.B医療班の「フリード」の出会いを描く一連のロールの1つ目に当たります。


本文


[パークセントラル 13:00]
[いつもは人の流れが激しい広場の外れに円形に人だかりが出来ている。どうやら刃物をもった男が暴れているのを警備員が取り押さえた現場らしい。]
[丁度警察官への引き渡しが完了したところのようで、人だかりが徐々に薄れていく。]


フリード
[そんな現場の中心人物には思えない白衣を纏った痩身の男性が不愉快そうに佇んでいる。]

……私は医者なのだがね。
まだアニマルガールたちの検診も終わっていないというのに…まったく。


兵頭博士
[広場の隅で一連の騒動を見ていた白衣の女性が歩み寄ってくる]
…見事な手腕でした。
パークが貴方がたを雇っていることは間違いでないようですね。


フリード
[話しかけてきた女性の方を向く。]

…ありがとうございます。
研究職の方ですか。お疲れ様です。
[軽く会釈をしバッグに荷物を詰めながら話す。]


兵頭博士
[内ポケットから名刺を取り出し]
よく研究職と分かりましたね。よく別部局の人間と誤解されるのですが。
私、パーク研究開発局に勤めております兵頭と申します。
以後お見知りおきを。
[名刺を差し出す]


フリード
これはこれはご丁寧に…
[名刺を交換する。]
申し遅れました。ADLBキョウシュウエリア駐屯地所属のフリードと申します。
以後宜しくお願いします。
[再び会釈する。]


兵頭博士
[フリードに目もくれず名刺に目を通す]
キョウシュウエリア…。あのザク少佐の同僚の方でしたか。
なるほど。騒動を初めから見ていましたが、それならば納得というものです。
パークも人が出入りする以上軋轢は避けられないものですから、貴方がたのご助力は治安維持に役立っていると思います。
毎度ご苦労様です。


フリード
見られていましたか。お恥ずかしい限りです。
来園者達はもちろん貴女方研究者を始めとした職員達が各々の職務を安全に全う出来るよう、我々警備員も日々精進していく所存です。
…と言いましても私の本職は医者なので荒事にはあまり出ないのですが。


兵頭博士
…医者? あの取り押さえ方からはとてもそうは思えませんが。
もしよろしければパークへ来るまで何をされていたか伺いたい所です。
[着信音]
――失礼、部下からです。


フリード
ええ。では。
[再びバッグに荷物を詰め始める。]

 

マインケ
……あーっ、これは遅かったようだね……[ヘルメットを被った女性が広場に駆けつけ]
……都市部じゃ駆けつけづらいし、自転車かなにかを申請するべきだったな……


フリード
[マインケを一瞥する。]
…失礼。何かのイベント会場をお探しなら場所を違えているかと。


マインケ
あ、いや……これは仕事着さ[腰に手をあて胸を張り]

……ここら辺で"波"を感じたから来たんだけど、もう終わったようだね。さすがはセントラル。警備員がいっぱいだ……これじゃ活躍の機会もないよ……


フリード
波…?
それにしてもまるでヒーローかなにかのような出で立ちですな。
[バッグに再び目を移す。]


兵頭博士
波?
[スマフォを操作しながら兵頭が戻ってくる]
少しお話を聞かせてもらいたいですね。
丁度今、面白い報告が部下からあった所です。


フリード
[視線を手元に向けたまま]
おかえりなさい。
その方は一般の方だと思いますよ。


マインケ
いっぱ……!?一応これでもパークスタッフなんだけれどもね……[腕を組み]


フリード
おや、それは大変失礼しました。
[ようやくマインケへ向き直る。]
Amigos de la bestiaキョウシュウエリア駐屯地所属のフリードと申します。
以後よろしくお願いします。
[マインケに名刺を渡す。]


マインケ
これはどうも……ふむ。ADLBのヒトか……私はマインケ。普段はシンノウでヒーローをしている者……だけれど、ここじゃ私を知るヒトは少ないみたいだね……
[フリードに名刺を渡す。そこには「広報局 マスクドサーファー マインケ」と書かれていた]


フリード
ふむ…?ヒーローの方…ですか。なるほど。
それはそうと兵頭博士が貴女に用事があるようですが。


マインケ
あぁすまない……で、なにかな?[兵頭の方を向き]


兵頭博士
先程"波"と仰っていましたが、それはサンドスター濃度のことを指すのでしょうか?
[ヒーローに詰め寄り]
大気中のサンドスター濃度は基本的に一定であることは…あなたはご存知ありませんね。
まあ良いです。実は私も波を追ってここにいます。
[無線機のようなものを取り出す]
[針は緑の領域を抜け、黄色の領域で細かく動いている]
この針の意味が分かりますか?


マインケ
えっ!?いや、わ……わからない、かな……[動揺し]


兵頭博士
ふむ。少し説明差し上げましょう。
[片手を顎にあて]
サンドスターに限定せずとも、何事も一定であろうとするものです。
川は決まった水量で流れ、風は季節によって決まった法則で流れる。
それが乱れる時、あるいは乱れているということはつまり。
[フリードとヒーローを見やり]
『そこで何かが起こる、あるいは起こっている』という事です。
私はサンドスター濃度の乱れを観測しながらここまで来ました。
たどり着いてみれば、暴漢騒ぎ。
そして最後まで残っているのはあなた方という訳です。
ご理解いただけましたか?


マインケ
……なんとなく、かな。


フリード
[熱弁する兵頭を呆然と眺める。]
はあ、概ね理解しました。


兵頭博士
端的に申しましょう。
私はあなた方のどちらか、もしくはお二人ともが原因であると言っています。
大気中のサンドスターを乱すようなことを目撃していませんか。
例えばアニマルガールの野性解放など、ですね。
――まあ、私も原因がわからないのでこうやって手をこまねいているのですが。
[肩をすくめる]


フリード
(ザ・研究者って感じだ。)
なるほど。
少なくとも私の警棒による殴打が原因では無いと思いますが。


マインケ
……[バイザーの奥の瞳が一瞬鋭くなる。が何事もなかったかのようにヘルメットを脱ぎ]
……私にはわからない、かな。アニマルガールならまだしも……私はヒトだからね[微笑み]


フリード
[マインケがヘルメットを脱ぐ一瞬、フリードと目が合う。]
………そうですね。


兵頭博士
ふむ…。という事はまたも無駄足だったというわけですね。
[片手で頭を叩く]
これは参った。花渡くんになんと言ったら良いのやら。


マインケ
[兵頭の顔を見、すこし考えた後]……あー、もしかしたら私と一緒にシンノウから来た子が野生解放したのかもしれないよ?彼女はヒトの感情を読むために、よく野生解放をするらしいから……


フリード
ミンククジラくんの事ですか?


マインケ
……っ、よく知ってるね!私より彼女の方が有名なのかな?


兵頭博士
[2人の間に割り込むように]
そのアニマルガールがどこへ行ったか教えて頂けませんか。


フリード
いえ。何度か検[博士に遮られる。]


マインケ
か、彼女は気まぐれだからさ。目を離した隙に何処かに行っちゃったよ……バイクとか、サーフィンとか楽器とか好きだから、そういう店にいたりする……んじゃないかな!?[わかりやすく緊張し]


フリード
……。
[じっとマインケを見る。]


兵頭博士
ふむ、なるほど。
[スマフォを取り出し電話をかけ始める]
……ああ、花渡くん。何度も悪いけれど、私のいる周辺で楽器やバイクなどを取り扱っている店をリストアップして送ってもらえないかな。
うん…、面白い話を聞いてね。
[ちらりとヒーローを見て]
なんでも人の心を読むそうだよ。…うん、うん…頼んだよ。
[電話を切る]
…ああ、話を遮ってしまって申し訳ありません。
どうぞ続けて下さい。


フリード
どうも。
えーっと…どこまで話しましたかな。


マインケ
……[気が抜けたのか息を吐き]ミンククジラを何処で知ったか、だね。


フリード
あぁ、そうでしたね。
どうも最近物忘れが酷くて。
…簡易検診の依頼を受けて何度かシンノウに伺ったのですが、彼女だけ何故か毎回不在でして。
健康体ならばそれで良いのですが、万が一それで体調を崩したりしたらと思うと気がかりでして。
[心配そうに眉にシワを寄せる。]
…まあ私にかからずともきちんとした検査は受けているとは思うのですが、この目で見ないと安心できないタチでして。


マインケ
……ふむ。検診、ね。……彼女は検診があまり好きではないらしいよ?きっと、そのタイミングを見計らって隠れたり旅に出たりしてるんじゃないかな……困った子だね[苦笑し]


フリード
ふむ…困った子だ…。
しかしその元気があれば大丈夫そうですね。
[全く大丈夫そうな顔はしてない。]


マインケ
[申し訳なさそうな顔をする。が、それはすぐにいつもの余裕そうな顔に変わり]
……彼女は元気そのものさ。大丈夫なんじゃないかな


フリード
ふむ…。そうだといいのですが。


マインケ
検診もだけれど、心配されるのも嫌だからね……
[誰にも聞こえないように呟いたが、フリードには聞こえていた]


フリード
[一瞬表情が険しくなり、マインケを一瞥する。]
おっと…すみませんね。おじさんの長話に付き合わせてしまって。[マインケと兵頭を見やる。]


兵頭博士
お気になさらず。
[スマフォに送られてきたデータを見て]
これは面白い。お二人もどうぞ。
[スマフォの画面を二人に見えるように差し出す]


フリード
[スマフォの画面を見る。]


マインケ
これは……?


兵頭博士
[そこには兵頭博士の指定した店は周辺にないと報告されていた]


マインケ
……。


兵頭博士
いや全く面白い。
[ヒーローに目線を向けて]
彼女…ミンククジラでしたか?
彼女はどこに行ったのでしょうね。他に心当たりはありませんか。


マインケ
さっきも言っただろう?彼女、気まぐれだからさ。もう心当たりはないよ


兵頭博士
なるほど、ご協力感謝します。
[ヒーローの肩に手を置き、耳に顔を近づけてヒーローにしか聞こえない声で]
隠し事をするならもっと上手くやったほうが良いですよ。
態度も何もかも素人のそれです。何がしたいかは聞きませんが。いずれ…バレます。


マインケ
……っ[動揺し、兵頭を睨む。その瞳は先程までの黒色ではなく、海の色を湛えていた]……ご忠告ありがとう。兵頭"さん"[彼女にしか聞こえない声で]


兵頭博士
[相変わらずヒーローにしか聞こえない声で]
心が読めるんでしたね? 私の考えも読めるのではないですか?
口には出さず心に仕舞っておいて下さい。後輩の世話を焼くのは嫌いじゃありません。

[ヒーローから手を離してフリードに視線を戻し]
ついつい話し込んでしまいすみません。
興味のあることに直面するとどうしても夢中になってしまうたちでして。
研究者の性でしょうかね。


フリード
…お気になさらず。
彼女検診が嫌いだそうなので、医者の私がセントラルにいると知っていればシンノウに帰っている頃なんじゃないですかねぇ。
まあ、人間の私には心は読めませんが。


兵頭博士
しかし、一理あります。明日はシンノウに足を運ぶことにします。
面白いデータが取れそうで今から楽しみです。
では、私はこれで失礼します。
[二人に深々と頭を下げ踵を返す]
[悠々とした足取りで兵頭博士は広場から立ち去った]


フリード
さようなら。
[会釈をする。]


マインケ
……"またね"[微動だにしないまま]


フリード
………。
私は相手の心中を覗くことはできませんが、
[唐突にこれまでよりトーンを上げて話し出す。]


マインケ
[フリードに顔を向ける。余裕の表情は消え、目は青いままだ]


フリード
勘は戦地に居た頃から鋭い方でして。
探ろうと思えば相手の思惑が見えてくる。
それはもう恐ろしいほどに、見えてくる。
[ガチャガチャと機材を片付けながら話す。]


マインケ
……それが、どうしたのかい


フリード
ですがだからと言って探ればいいというわけではないと思うのですよ。
[バッグを弄りつつ続ける。]
誰にでも隠し事の大なり小なり一つや二つあるものですから。


マインケ
それは助言かな?それとも嫌味?[声が震え、徐々に髪先が青くなっていく]


フリード
[その様子を気にも留めずに続ける。]
…君は物事を悪い方に悪い方に受け取りたがるんだねえ。残念ながらそのどちらとも違う。


マインケ
……じゃあ、私はどうしたらいいのかな?


フリード
君はヒーローになったんだろう?
だがだからとって全部一人で背負い込むのは"英雄的じゃない"。…君流に言えば"ヒーロー的じゃない"という言い方になるのかな。
私はそう思うんだよね。
[喋り続けながら機材を詰め込む手は止めない。]


マインケ
……[俯き]


フリード
ヒーローだって万能じゃない。辛い時も突っ伏して泣きたい時もあるだろう。
でもそれを一人で背負い込んでいくとじわじわと心が腐り落ちていくんだよ。
密林で絹の服が着ながらに腐り落ちるようにね。
[バシッとバッグに物を詰め終え、マインケを見る。]
"心配"じゃないんだ。
"共鳴"だこれは。


マインケ
きょう、めい?


フリード
"共鳴"…他の人の考え方や行動に自分も心から同感すること。
私もかつて英雄的であろうとした時があった。
一度志半ばで孤独に耐え兼ね挫折した私だが、
今このパークでは再び英雄的であろうとしている。


マインケ
……つらく、ない?


フリード
沢山の仲間がいるからね。
そして君も、その中に加わってはどうかと思っているんだ。


マインケ
私が、ヒトと……


フリード
君はヒトなんだろ?
生物学的な話じゃない。
精神の話だ。
君はどっちだ?


マインケ
……ヒトだ。あの時から、ずっと[目も髪先も黒色に戻っている]


フリード
そうだろう。そうだと思った。
[今日初めて頬が緩む。]


では次に、ヒーロー活動をしてどのくらいになる?


マインケ
シンノウができる前、からかな


フリード
[少し考える。]
…よし、よし。多分大丈夫だろう。
君はAmigos de la bestia通常警備員になりえる資格を持っている。

[はっとして咳払いをする。]
…ここまでやや興奮気味に捲し立ててきたが、どうするかは君の自由だ。
そして断ったからといって君は最早一人ではない。


マインケ
……そうだね……少し、考えさせてくれないかな?私が今ここでそれを決めるには……経験が足りないからね


フリード
いいとも。
ゆっくり考えるといい。
[いつの間にか最初にあった時と同じように無機質な雰囲気に戻っている。]


マインケ
ふふ、ありがとう……


フリード
さて、立ち話が長くなってしまった。
[バッグを持ち立ち上がる。]
私はこれで失礼するよ。
連絡先は名刺に書いてあるからね。


マインケ
……それじゃあ、また[微笑み]


フリード
[今日起きた事を振り返りながらフリードは車に揺られていた。順繰りに振り返って行くものの、ヒーローの存在感に圧倒され午前の勤務や暴漢の取り押さえの事はすっかり霞むのであった。

過去に挫折し、今再びヒーローを目指す彼にとって、彼女は余りにも眩しく映り、だからこそ声を掛けたのだ。少し強引過ぎただろうか。そんなことを考えつつ、帰路に着くのだった。]


[To be continued…?]

 


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キャスト


兵頭博士:Neko3

フリード:ZAKU

マインケ:キキリシュギ

編集・校正:Nordic

 

 

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