Aはどったんばったんおおさわぎ

ページ名:Aは優しいね


K博士「それでは! プラナリア君の寿命獲得を祝しましてぇええええ!!!」

「「「「「カンパーイ!!!」」」」」

K博士「いやー良かった良かった! まさかこんなにも早く寿命を手に入れられるなんてね!」

プラナリア「ありがとうございます! これで私は不死身じゃないんですね!」

K博士「そうとも! これから限りある命を生きたまえよ!!」

プラナリア「はい! 」

クマムシ「素晴らしきかな我が神よ! これは運命、運命だ! 今日こそ素晴らしい日など他にない!」

Tレックス「おめでとうございます、プラナリアさん!」

たにし「お、おめでとう! もう私感動で泣きそう……!!」

プラナリア「わ、私もですよぉたにしちゃぁああん!!」

K博士「あはははは! いいねぇいいねぇ今日はうんと食べたまえ呑みたまえ! なんせ……そう、なんせ」

K博士「私達は! ジャパリパーク壊滅の被害でラボに閉じ込められているのだから!」

クマムシ「…………」

プラナリア「…………」

Tレックス「…………」

たにし「…………」

K博士「…………ごめん、これは流石に不謹慎なジョークだったね。素直に謝るよ」

Tレックス「ついていい嘘とダメな嘘があります。博士」

K博士「さっきのは重たいジョークとはいえ、まぁ何だ。ジャパリパーク壊滅事件、サンドスターの暴走から始まった歴史的悪夢からはや一週間。長いものだね、沢山の命が喪われた、沢山のモノが壊れた」

K博士「私達がのうのうと生きていられるのも、全部……運が良かったからだ」

プラナリア「でも、そのおかげで私は寿命を得られました。失ったばかりではありません、救いもありました」

クマムシ「大いなる神のおっしゃる通りだ。スクラップビルドという言葉もあるだろう」

たにし「不滅の炎は燻る事は無い、よ?」

Tレックス「そうです、それに私のように絶滅しないだけマシです」

K博士「ははっ、みんなありがとう。私は君達と会えて本当に幸せだよ! さ、今日は祝いだ祭りだ!」

たにし「おー!! で、でも……これ、お酒? フレンズが呑んでも大丈夫?」

K博士「あはは! 私を誰だと思っているんだい? 天才だよ! フレンズ用のものがあるとも! 勿論、人間も呑める!」

K博士「因みに、筋肉仮面と峰岸女史は先に酔いつぶれたし、田沼千恵君はそもそも未成年だから私直々に送ってった! お酒は20歳になってから! ただしフレンズは除く!」

「「「「「さ、呑むぞー!!」」」」」


一時間後

 

プラナリア「しかし凄い料理とお菓子の数ですよねぇー! ジュースもたくさん! よくここまで揃えましたね!」

K博士「そりゃそんなの一言でカタがつく。私、天才だからー! あは、ははははははは!!」

たにし「博士、ちょっと酔ってる? 酩酊に来たりし悪夢は平気?」

クマムシ「二日酔いの事か? それなら全く心配ないぞ……ああ分かっている! ティラノよ、アルコールには私も気を付けよう」

Tレックス「……心配ですね。アルコール摂取は祝い事に欠かせないとはいえ、怪我をしないように」

プラナリア「痛った!! 小指ぶつけたあああああ!!」

クマムシ「神よおおおおおおおおお!!!!」

たにし「うわあああああ人気アイドルのおみ足に傷があああああああ!!!」

K博士「あははははは!! フラグ回収はっや!! あはははははは!!!!」

Tレックス「はぁ……。だからあれ程……いや、まぁ今日は無礼講としましょう」

K博士「一人だけ呑みすぎなのでは?」

Tレックス「いや、私は皆さんがたくさん呑んでるから……」

プラナリア「はいそれ許しませーん! はい! 私が呑んで! 呑んで! そーれトリスメギストス!! ごくごくごく!」

クマムシ「私も! ごくっごくっごくっ……けふぅ……あぁ、これは良いものだ!」

K博士「そりゃそうだ! 私直伝の調合だから! 信頼と実績のK博士クオリティ!」

たにし「へゃー私ちょっと、結構キテるよねぇー」ぐびぐび

K博士「ん? ……? あ、そうか! 酔っぱらってるのか! 一瞬気付かなかった!」

Tレックス「博士呑みすぎです、全部私が呑みやす!」

プラナリア「私だってー!」

クマムシ「私もだ! すべて呑みつくしてやる!」

K博士「馬鹿ッ!! そんなに呑むなッ!! わ、私の分が!!」

たにし「へへぇ、博士ぇ。めっちゃ眠い……」

K博士「……? もしかして、もうダウン? え、一時間だよ!? 早くない!?」

たにし「いやぁアルコールいいよ! ほんと良かった! でももう無理限界死ぬ……」

K博士「またそんな事言っちゃってー。まだまだ君の中二病も発揮していないしこれからガンガン本当の自分見せるチャンスじゃないか!」

たにし「博士ぇ……」

K博士「……はぁ、しょうがない。この天才に借りを作るとは中々いい度胸じゃないか!」

Tレックス「仮眠室ですか?」

K博士「あぁ。世話のかかる子だよ! ぷんすか!」

たにし「うぅ……博士ぇ、ありがとう……」

K博士「ならずっとお礼を言っていたまえ。だが、あんなにはしゃげる君を見れて良かったよ! またいつでも起きて宴会に加わるといい!」

たにし「…………」

K博士「うわ寝たよ、速攻寝たよ、私の言葉シカトか!? 天才だよ私!?」

クマムシ「なぁ博士、たにしはこの部屋に寝かせておくのもいいんじゃないか? ほら、そうしないと仲間外れみたいじゃないか」

プラナリア「あー! クマムシちゃん良い事言った! 良い事言ったよ今!!」

K博士「流石は見た目は軍人中身は優しきママだね! あはははは!!」

クマムシ「誰がママだ!! まったく!」ぐびぐびぐび

Tレックス「しかし似合っていると思います」ぐびぐびぐび

K博士「ちょっと!? 私の!! それわーたーーすいーーのーーー!!」

クマムシ「私のモノは私のもの、貴様のモノも私のモノだ!!」ぐびぐびぐび

プラナリア「あーーーー!! 私のも奪っちゃ駄目ですよ!!」

Tレックス「……!! 返して下さい、それは私のアルコールです!」

クマムシ「く、くくあはははははははは!! あはははははは!!」ドサッ

K博士「あーあ、完全にやっちゃった。ほら、立てるかい?」

クマムシ「貴様の手は借りん! と、言いたいところだがぁ……肩を貸してくれるか」

K博士「断る」

クマムシ「なんだと!?」

K博士「いや完全に外に涼みに行こうとしてたから。寝るならここでたにし君とセットで寝なさい!!」

クマムシ「まだ私は寝んぞ」

K博士「いいや君はもう限界だ、脚ふらっふらだし」

クマムシ「むぅ」

K博士「君は君なりに頑張っていたんだろう? 必死に盛り上げて盛り上げて。それだけで十分だよ、ゆっくりおやすみ」

クマムシ「……世話をかけるな、博士。ありがとう」

K博士「正直デレるの遅いと思う。まぁけど、君はまさしく……アイドルだったよ!」

プラナリア「よくがんばりました! クマムシちゃん! ほんとに、がんばりましたね! 最高です!」

クマムシ「…………」

K博士「ねぇこのコッチがデレたら寝るシステムなに? 天才の私を愚弄するとはいい度胸じゃないか!」

プラナリア「こっちがデレ損ですねぇ」ぐびぐび

Tレックス「しかし気持ちよさそうに寝ていらっしゃるので良いのでは」ぐびぐび

K博士「いじめかな? 私の分全部かっさらう気なの!? ちょっと!?」

プラナリア「あははははは!! 私は今日の宴会の主役です! つまり! 一番多く呑む権利がある!!」

K博士「異議あり! 主役だからこそ早期退場は許されないよ!!」

プラナリア「えー? 私はもう結構満足ですけど? 寿命ももらって、祝ってくれて。そもそもクマムシちゃんと活動もサポートしてくれて、もう充分です」

K博士「プラナリア君……って、そんないいムード出しても呑ませるか!! それ私んだ!!」

プラナリア「あははははは!! それじゃおやすみ博士! 二度と私達の目の前に現れないでください!」

Tレックス「……凄いセリフ残して寝ましたね」ぐびぐび

K博士「……私がデレる隙も無かった。プラナリア君は、なんだかズルいな」

Tレックス「……けぷ。これで最後ですか」

K博士「…………もう分かってたけど、全部呑んだのかい」

Tレックス「むふー。私自身、自らを褒める事はあまりないですが、これは頑張ったと言えるでしょう」

K博士「これはじゃない。全部だ、君もたにし君もクマムシ君もプラナリア君も。全員、頑張ってない人なんていない」

Tレックス「それは……嬉しいですねぇ」

K博士「君酔ったらそうなるの!? えぇ……この天才K博士が圧倒されまくりだな今日は……」

Tレックス「……博士」

K博士「なんだい? 先に言うけど、寝たら承知しないよ。私一人じゃないか、え、なにこの宴会。ボッチで楽しめと!?」

Tレックス「…………」

K博士「まー、私の手なんか握っちゃって! そんなあざとさで私が赦すとまぁ許せちゃうよなぁ。ちょっろ! 私ちょっろ!」

K博士「もおおおおおおお!!! 私だけ呑み足りないんですけど!! ど!!」

K博士「今日は無礼講って言ったのがまずかったか……私の分も残しておいて欲しいな! もう!」

K博士「……っていうか、確か、最後に残った人が後片づけして帰るだっけ?」

K博士「…………さては、皆で口裏合わせてたな? 私が残るように仕向けたな?」

K博士「あははははははははは!! あっはっはははははははははは!!!」

K博士「――――全く。そんな事、私が気づかないとでも思ったのかい?」

K博士「偉人を超えた英傑、天才の中の天才たるこの私が、その程度の企みなど看破して当然だよ。全く君らは本当に……」

K博士「さて。隠していた『ボイスレコーダー』は機能しているかな? ……お、あったあった」

K博士「えーハローハロー! 今日は……いや、ネタバレはやめておくか」

K博士「さて。あとは……そうだね、遊び心として『ヒント』をあげよう。無論後述する『ルール』には則らないフェアな提示だ」

K博士「『ヒント』私達の宴会は本物だ」

K博士「『ヒント』このお酒は私特性のお酒、フレンズにも人間にも呑める。アルコールが回れば寝落ち確定だ。泥酔すれば2日は起きないレベル」

K博士「『ヒント』ジャパリパーク壊滅は一週間前に本当に起こっている。ひどい有様で汚染されてない箇所は何処にもない程だ」

K博士「『ヒント』実は、私はマスクをずっとしているよ」

K博士「『ヒント』一番重要なのはティラノ君の言葉の中にある、ある言葉。それはあるルールによって成り立っている」

K博士「これだけでは全容は把握できないが、軽くなら推理できるかな?」

K博士「さて――――私は幸せ者だ、と。そんな独り言を言ってみたりしちゃおうか」

K博士「……これから言う言葉は、多くは語らない。ただ、記録として残しておいて欲しい」

K博士「私は……」

K博士「今日は人生で最高の一日で……これ以上ないくらい幸せだった」

K博士「いいかい? 一応勘違いしちゃう人もいそうだから付け加えるけど、今から規則を守って則って礼儀ただしく言うけれど」

K博士「これはバットエンドじゃない――――ハッピーエンドさ!」

K博士「シリアスでなくギャグだよ。そこのところお忘れなく!」

 

 


 

 

田沼千恵「…………さて、仮眠終了。仕事仕事」


私はすっかりぴったりになった白衣に身を通す。

あくびが上手く出ないから花粉症って事にして――――席から立った。


tale 負の遺産 クライシス・オブ・ジャパリパーク

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