処刑台に登るまで - エピローグ |
---|
神託世界【ハイネスフィア】。 世界のために祈り秩序を守る神の代行者【聖女】は女神ハイネの加護を受けた神聖なる存在。 故に、聖女を騙(かた)るという行為はこの世界への、ひいては女神ハイネを冒涜する許し難い大罪である。
これが少女を、かの台の前へと引き摺り出した理由らしい。
二本の木の柱に支えられた、遠目からでも浮いた錆が見える斜め状の刃。 その刃は縄で引き上げられ、今すぐにでも少女の首を斬り落とそうと待ち構えている。
「このクソガキ、よくも騙しやがったな!!」
「なんて娘なの!ハイネ様への冒涜だわ!」
「死罪!」 「死罪!」 「死罪!」 「死罪!」
民衆が罪人と罵るこの少女は、まだ16歳のあどけなく可憐な少女だった。 薄桃色の髪に真っ白な肌。赤にも青にも紫にも変わる、空の虹を映した七色の瞳。 "神秘的"という言葉を少女の形にしたらこんな姿なのだろう。
|
コメント
最新を表示する
NG表示方式
NGID一覧