フォロッド城/フォーリッシュ

ページ名:フォロッド城_フォーリッシュ

登録日:2012/01/13 Fri 12:28:04
更新日:2023/08/11 Fri 10:13:26NEW!
所要時間:約 15 分で読めます



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dq ドラゴンクエスト ドラクエ dq7 石版 青の石版 ドラクエ国家・都市・村 ドラクエ観光名所 からくり兵←鉄の斧 デスマシーン←フリーズ多し ダメージコントロール_フノウ。キノウテイシ…←フリーズの合図 住民全員消失 フォロッド城 フォーリッシュ マシンマスター デスマシーン



フォロッドはドラゴンクエストⅦに登場する国。青の石版。
ゲームでは5番目に訪れる。前はオルフィー。次はグリンフレーク


フォロッド地方には、国王が住まう『フォロッド城』と、その城下町(というか砦・前線基地)の『フォーリッシュ』の二つの拠点がある。
フォロッド編のストーリーは切ない結末から人気が高く、『ドラクエシリーズで泣けたシーンといえば?』という話題になると、この地方のエピソードを挙げる人は多い。


大陸東部へは橋が壊れていて行くことができないが、ストーリーの終盤にコスタール地方をクリアした後に別ルートから行くことになる。


ストーリー

ふしぎな石板・青から過去世界へと飛び、山脈を迂回して辿り着いた町『フォーリッシュ』。
砦のような堅牢な作りのこの町は、魔物が生み出した戦闘兵器『からくり兵』の大軍と戦争状態にあり、壊滅の危機に頻していた。


フォーリッシュの西にある『フォロッド城』はここよりまだ安全らしく、主人公らは話を聞くために城へと向かう。
からくり兵の侵略に苦しむこの国では傭兵を募集しており、主人公一行もこの国を救うため傭兵として協力することとなる。


作戦会議

傭兵として認められ、フォロッド王に謁見した主人公らは、兵士長トラッドの指示で作戦会議への参加を促される。


会議室ではからくり兵に打ち勝つための作戦が話し合われるが、戦力で劣るフォロッド軍がとれる策は限られていた。
キーファが「連中が“生き物でなく作り物”である点につけこめないか」と提案すると、兵士の一人が「からくり技師のゼボットに協力をお願いしてみては」と意見し、兵士ヘインズもこれを支持する。


しかしトラッド兵士長は「あんな偏屈は何の役にも立たない」と兵士の意見を一蹴し、食い下がるヘインズらに「ならば好きにしろ」と不満そうに言い残して会議を終わらせてしまう。
結局、次の作戦は決まらないままだったが、主人公らは傭兵の初仕事としてゼボットへの使いに行くよう、ヘインズから依頼される。



ゼボットの研究所にて

ゼボットの住む『からくり研究所』はフォロッド城のさらに西、岬の近くにあった。
一人黙々とからくり開発に勤しむゼボットに話しかけると、彼は不機嫌そうに
「帰ってくれ。城や町の人間がどうなろうと、僕の知ったことじゃない。」
「さっさと城へ帰ってトラッドの奴に言っておけ。二度と人など寄越すな……とな。」

と言い放ち、主人公らを突き返す。


一行は城へと戻り、ゼボットの勧誘に失敗したことを報告する。
それを聞いたヘインズは肩を落とすが、トラッドは「あいつはそういう男だ」と言い、主人公らに見張りの仕事をするよう指示する。


しかしその後、フォーリッシュ陥落の急報が届く。
フォーリッシュは全滅こそ免れたものの、もはやからくり兵と戦える力はなく、敵軍はフォロッド城にも迫っていた。
トラッドは城の兵士・傭兵らに、戦いに備えるよう命令する。
さらに「こうなった以上、ゼボットの力を借りるのも仕方ない」と主人公らに同行し、改めてゼボット説得へと向かうこととなる。



トラッドとゼボット

ゼボットの研究所に着くと、トラッドはフォロッドの現状をゼボットに伝え、どうか力を貸してほしいと頼み込む。
しかし、やはりゼボットに協力する意思はなかった。


「俺たちの生まれ育ったこの国が、滅びようとしているんだぞ!」
「いいじゃないか。人間はどうせいつか死ぬ。いま死んでもいつ死んでも同じさ。」


必死の説得も通じず、一行は戦いの迫るフォロッド城へとまたしても戻ることに。
しかし、ゼボットの研究所を出てすぐ、一体のからくり兵が目の前に現れる。
トラッドは、城から遠いこの場所にもからくり兵が迫っていたことに驚くが、そのからくり兵は既にダメージを受け故障しているようで、すぐに動作を停止してしまった。


一行があっけにとられる中、「騒ぐなら他所でやれ」と研究所からゼボットが出てくる。
しかし彼は、初めて見たからくり兵に興味を示し、研究所内に運ぶようトラッドに指示する。
トラッドは、ゼボットの様子に何かを感じたのか、先に城へ戻るように主人公らに伝えるのだった。



フォロッド城での戦い

トラッドを研究所に残して城へと戻ると、フォロッド城ではからくり兵との戦いが繰り広げられていた。
主人公らは研究所での出来事をヘインズに伝え、兵士らと共に応戦するが、次々と迫り来るからくり兵に主人公らも疲弊していく。


その時、城に妙な音が響き渡り、からくり兵たちは突然戦いをやめ、動作がおかしくなってしまう。


からくり兵を狂わせる妙な音は、遅れて駆けつけたトラッドとゼボットに同行する一体のからくり兵から発せられていた。
ゼボットによると、からくり兵は特殊な音波によって操作されているらしく、彼は研究所にやってきたからくり兵を改造してその思考回路から破壊のコトバを取り除いた上で、さらに敵のからくり兵を狂わせる妨害音を発せられるように改良していたのだ。


トラッドは、ゼボットの改造したからくり兵『エリー』に勝機を見出だし、翌朝に作戦会議を開くよう号令をかける。



からくり兵団拠点へ

城での戦いの翌日。
作戦会議では、対からくり兵用の妨害音を用いた敵の本拠地の攻略作戦が検討されていた。


会議では、

  • 敵軍の再侵攻に備えて、城に兵士・傭兵らを残す。
  • 本拠地には、主人公一行・トラッド・ゼボット・エリー(改造からくり兵)の少数で乗り込む。
  • ゼボットらはエリーの妨害音で敵を無力化し、主人公らが内部へ潜入して敵の親玉を叩く。

…という作戦が立案される。*1


かくして作戦は決行され、主人公らはフォロッド城の人々に見送られながら敵の拠点へと向かう。
からくり兵団拠点でトラッドらと落ち合うと、エリーの妨害音波によって拠点周辺をうろつくからくり兵を一掃。
その隙に主人公らは拠点内部に入り込み、その最奥でからくり兵を指揮する『マシンマスター』、そして切り札である『デスマシーン』と対峙し、激戦の末これを退ける。


トラッドはからくり兵の恐怖が去ったことに大いに喜び、国王に伝えるべく一足先に城へと戻る。
ゼボットは拠点内にからくり兵の生産設備がない*2ことを残念がりつつ、
「お前たち、強いんだな。人間がそこまで強くなれるなんて知らなかったよ。」
と主人公らを賞賛するのだった。



ゼボットとエリー

主人公らはフォロッド城に戻る途中、フォーリッシュへと立ち寄る。
町の人々は主人公らを英雄として歓迎するが、遅れてやってきたゼボットとエリーを見て空気が一変する。
からくり兵の恐怖が染み付いているこの町の人々に、エリーの姿は刺激が強すぎたのだ。


ある子供は涙を流してエリーに怒りをぶつけ、大人たちも「からくり兵は信用できない」「いつ人を襲うか分からない」と非難する。
ゼボットは「エリーは僕の友達だ!」と叫ぶが聞き入れられず、エリーを連れて退散する。


城に着いた主人公らは国王やトラッド、ヘインズから活躍を労われ、褒美の品を貰って正式に傭兵の任を解かれる。


一方、ゼボットはフォロッド国の王女と話し込んでいた。


「そうですか。このからくり兵にエリー姉さまの名を……。」
「いいんだぞ、笑っても。お前が笑っても、僕は気にしない。」
「いえ……エリー姉さまのこと、まだ赦していただけないのですね。
あれは事故だったのですよ。
エリー姉さまだって、あなたをおいてひとりで逝くなんて……。」

「分かっているさ。でも僕はエリーを赦せない……。
僕をおいて逝ってしまうなんて赦せるわけがない……。」

「だから、からくり人形で自分を慰めているのですね。」
「そうさ! 彼女は死なない。絶対にだ。」
「……。」


ゼボットの話が終わるのを待ちながら、ひとりで花を愛でているからくり兵の“エリー”。
「ハナ…… キレイナ モノ。 キレイ…… ウツクシイ……。」
城の人々も、からくりに心が芽生えることもあるのだろうかとエリーを見て考える。
王女への挨拶を済ませたゼボットは、エリーを連れて研究所へと去る。


その後、ゼボットのからくり研究所へと赴くと、機嫌の良さそうに「ラン ララン♪」と口ずさむエリーと、人嫌いが以前よりも増したゼボットに会うことができる。


「またお前たちか。もうこの国にも、この僕にも用はないだろう?
もう誰の顔も見たくないんだ。 僕のことは、ほうっておいてくれ。」


「僕にはエリーがいる。 それだけでいいんだ。
もう他には何も必要ない。」


ここまででフォロッド地方の封印は解かれ、現代に大陸が復活するが、この物語の結末は現代で見ることができる。(後述)



登場人物(過去)

  • トラッド

フォロッド国の兵士長。ゼボットの兄。
ゼボットが人間嫌いになった経緯を知っており、それゆえにゼボットに期待を寄せる部下からの提案に難色を示していた。


  • ヘインズ

フォロッド国の兵士。
からくり兵との戦いに勝つためにはゼボットの協力が必要不可欠と考え、トラッドに代わって主人公らに指示を出す。


  • ゼボット

人間嫌いのからくり技師。トラッドの弟。
かつてフォロッド国の王女エリーと恋仲にあったが、事故でエリーを失ったことで人の儚さを悟り、永遠の命を持つからくりの研究に没頭するようになる。
からくり技師としての腕は確かで、フォーリッシュやフォロッド城では彼が作成した『からくり掃除機』などの製品が稼働している様子が見られる。(故障もままあるようだが)
からくり兵の内部構造も即座に把握し、戦争の勝利に大きく貢献した。


「技術に罪はなく、使う者次第」という考えを持っており、破壊のコトバばかりプログラムされたからくり兵という存在に同情している。


  • エリー(王女)

フォロッド国の王女。故人。作中には登場しない。
ゼボットと恋仲にあったが、若くしてこの世を去った。
ゼボットの研究所にて彼女が書いた手紙を読むことができ、その内容からトラッドとエリーが森へ狩りに出掛けた際に事故にあったようだ。


  • エリー(からくり兵)

ゼボットの研究所に迷い込んだからくり兵。
ただし一般的なからくり兵とはカラーリングが異なる。
ゼボットによって改造され、人に攻撃する意思を持たない。
また、他のからくり兵の動作を狂わせる妨害音を広域に発することができる。
発声機能もあり、ロボット然としたカタコトではあるが会話が可能。


ちなみにゼボットの研究所にはもともとゼボットお手製のからくりメイド『エリー』が存在し、話しかけると「こんにちは! わたしは エリーです」と書かれたパネルが胸に表れる。
しかし、からくり兵のエリーが手に入って以降、自作のエリーのパネルに書かれた名前は消されてしまった。


  • フォロッド兵

傭兵の登用試験において挑むことになるボスモンスター。
システム上はボス扱いだが、シナリオ上は単なる名無しのモブ兵士である。
…が、前作から続く伝統で兵士系キャラはデビルアーマーのグラフィックが当てられているため、単なるモブとは思えないほど見た目が禍々しい。
リメイク版ではカラーリングが変更され、ちょっとだけ人間寄りになった。


そこそこ強いが、4対1なので特段苦戦する要素はない。
ガボの「ほえろ」が有効なのでこれで足止めし続けると楽。
「ほえろ」はからくり兵にも有効なので、ある意味チュートリアルとしての要素もある。
なお、この戦闘では負けてもシナリオは普通に進行する。ただし、シナリオクリア後に受け取れる傭兵としての報酬が減額されるので、できれば勝っておきたい。


  • からくり兵

過去のフォロッド全域でエンカウントする魔物。
珍しくモンスター図鑑に記録されない。
出現率の割に異様に強く、火力や装備を確保できないとかなり苦労する。
フォロッドの次に訪れることになるグリンフレーク地方の魔物と比べてもステータスや取得経験値が一段上なので、フォロッド時点では場違いに強い。


倒すと鉄の斧を稀にドロップし、入手できればその威力は絶大。
一部の個体は隣の聖風の谷地方に向かったようだが、海を渡る際に錆びたのかポンコツ兵と化した。
また、魔空間の神殿ではからくり兵の元となったプロトキラーが登場する。


  • マシンマスター

からくり兵団拠点の最奥にいるボス。
呪文を唱えたりからくり兵を呼んだりするが、あくまで前座なので強さはそれなり。
マスターを名乗る割に小物臭い言動が目立つ。
小説版の小物感はむしろ凄い。


  • デスマシーン

フォロッド編の真のボスにして作中屈指のトラウマボス。
マシンマスターからの連戦になるが、負けてもデスマシーンから戦える。
まあデスマシーンが登場する際にマシンマスター踏み潰してるので、マシンマスターが生きてる方がおかしいのだけども。


異常な火力と防御力による基礎戦闘力の高さはもちろんのこと、最大の問題点は高確率で起こりうるフリーズ
戦闘後「ダメージこんとろーる フノウ。キノウテイシ……」という台詞の後、PS版では頻繁にフリーズが発生するため、ここでコントローラーを投げたプレイヤーは少なくないという。


後にモンスター職として登場。



町・ダンジョン

  • フォーリッシュ

西と北が城壁のようになっている町。ブーメランが購入できる。
過去世界ではからくり兵との戦争の前線基地になっており、激しい戦いによって住民は疲弊している。
過去も現代も、カメラワークを変えないと存在に気付けない部屋があり、ここで詰んだ人もいるとか。


  • フォロッド城

からくり兵団との戦いに悩まされており、傭兵を募っている。
現代では地下より発掘されたからくりの技術を研究し、科学面で著しい発展を遂げている。


  • からくり兵団拠点

フォーリッシュの東にある窪地。
大量のからくり兵や腐った死体がひしめき合っている。
現代では魔物が出現せず、また、未取得のふしぎな石版の場所を教えてくれる占い師が入口に居る。
彼女のお世話になった人は多いだろう。



ストーリー(現代)

現代のフォロッド地方は、エスタード島の南東に出現する。


からくり兵との戦争はフォロッド国の歴史書にも記されておらず、かつて機械と戦争したらしいという噂のみが残っている。*3
長い年月の中で機械文明はロストテクノロジーとなってしまったようだが、最近になってフォロッド城の地下で大昔のからくり掃除機*4が発見されたことをきっかけに、現代でもからくり技術が広く知れ渡った。


年若い現代フォロッド王はからくり技術に強い関心を持ち、国内の学者を集め、国を挙げてからくりの研究・開発に取り組んでいる。
また、試作品のからくり掃除機を国民に配布して生活を豊かにするなどの政策をとり、多くの国民から親しまれている。*5


城の学者らは『からくり人間』の開発を目標に掲げているが、実用化に成功したからくり掃除機と違い、参考になる“人型のからくり”が発見されていないためか、開発は難航しているようだ。



古のからくり兵の発見

主人公らがフォロッド王に謁見した直後、一人の兵士が「禁断の地にて、古のからくり兵を発見した」と国王に告げる。
報告を聞いた王は目を輝かせ、ただちに西へと向かうよう兵に準備を進めさせる。


フォロッド地方の西端──かつてゼボットの研究所があった場所──は、現代フォロッドにおいて“禁断の地”とされており、何者も立ち入ることは禁じられていた。
若い頃に禁断の地に向かったことがあるという老人の話では、「禁断の地には小屋があり、中から人のものとは思えぬ声が聞こえた」とのことで、幽霊が住んでいるという噂もあるようだ。


国王自ら兵を率いて西へと向かおうとすると、兵士の指南役であるアルマンが現れ、「決して禁断の地に入ってはなりませぬ」「私に免じて、何も聞かずにお止めくだされ」と王を制止する。
しかし王は聞き入れず、「土産話を待つが良い」と言い残して西へと旅立ってしまう。
主人公はアルマンから「私の足では追い付けない」「どうか国王を止めてほしい」と頼まれ、西へと向かうこととなる。



禁断の地へ

主人公らが禁断の地に着くと、王より先に着いてしまったらしく、あたりは静けさに包まれていた。
長い年月を経て荒れ果てたゼボットの小屋に入ると、そこには朽ちたからくり掃除機やからくりメイド、そして白骨化したゼボットと、その世話をするからくり兵『エリー』の姿があった。


死の概念がないエリーにはゼボットが亡くなった事が理解できず、何百年もの間、毎日スープを作っては看病を続けていたのだ。


「ぜぼっと キョウモ ウゴカナイ……
ナニモ シャベラナイ……
すーぷ サメタ。ツクリナオシ……」


この様子にキーファやマリベルらも驚きを隠せず、「信じられない」と言葉を失う。


そこに、フォロッド王の一団が到着。
王は主人公らを見て、即座にアルマンの差し金であることに気づくが、「邪魔立てすれば、私はアルマンを捕らえなければならなくなる」と釘を差し、兵士に指示してエリーを連れ去る。


ベッドに横たわる白骨の隣に立った王は、
「これが…いや。きっと、そなたがからくりを作り出した者なのであろう。
偉大なる発明家よ。すでに物言わぬそなただが、その優れた知恵、借り受けるぞ!」

と敬意を示し、その場を去る。



アルマンとエリー

フォロッド城に連れられたエリーは、王の指示で学者らに部品を外され、徐々に動けなくなってしまう。


アルマンは王に謁見し、エリーを禁断の地に戻すよう頼み込むが、アルマンがからくり兵を『エリー』と呼んだことで王は
「このからくり兵はエリーというのか、アルマンよ!」
「アルマン。そなた、私に何か隠し立てをしておるな!」

といい、兵士に命じてアルマンを地下牢に閉じ込めてしまう。


主人公らは地下牢でアルマンと面会し、アルマンがトラッドの子孫であることを知る。
アルマンは、健気にゼボットの世話をするエリーをそのままにしてやりたいと語り、エリーを直すためのパーツをフォーリッシュから取ってきてほしいと主人公たちに依頼する。


エリーの修復

主人公らはアルマンの孫娘から隠し場所を聞き出し、『からくりパーツ』を手に入れてアルマンへと渡す。
アルマンは親切な兵士の助けを借りて地下牢を抜け、城の研究室にて分解されたエリーを修復する。


目覚めたエリーはアルマンを見てゼボットと勘違いし、「ゼボットは病気だから寝ていないといけない」とアルマンをベッドに連れていこうとする。
するとそこに王と兵士が駆けつけ、『からくり兵がアルマンを襲っている』と勘違いした兵士が、王の制止も聞かずにエリーを攻撃し破壊してしまう。


悲しみに暮れるアルマン。
しかし、アルマンとエリーの様子を見たフォロッド王は
「このからくり…いや。エリーはもう、“からくり”などとは呼べぬ存在なのであろう。
このエリーの主人に対する一途な思い。我々の方が学ばねばならぬ。」

と何かを悟り、どうにかしてエリーを直すようアルマンに頼み込む。


その後、無事修復されたエリーはゼボットの元へと帰され、亡き主と過ごす静かな暮らしへと戻る。
そして、エリーは主人公たちに感謝の気持ちを伝えるのだった。


「ア…リ…ガト……ウ。
えりー ウレ…シイ……。」



眠りにつくエリー

そして、主人公らの冒険がさらに進んだ頃。
エリーは完全に機能を停止してしまう。
しかし、ゼボットに寄り添う彼女の姿は、どこか安らかであった。



登場人物(現代)

  • フォロッド王(現代)

現代フォロッドの若き国王。
母親曰く「珍しい物好きで飽きっぽい」らしく、現在はからくり技術にご執心。
行動力がありすぎる部分はあるが、からくり技術を国民の生活向上に活かしていたりと基本的には良い君主。
アルマンを地下牢に幽閉する際も、忠臣であった彼に配慮し「牢の扉に鍵は不要」と兵士に指示した。


エリーをゼボットの元に返してからも、からくり人間開発は諦めておらず、「先人の知恵を借りずとも、いつかからくり人間を開発し、エリーの友達を作り上げてみせよう」と宣言した。


  • アルマン

トラッドの子孫。フォロッド国の兵士の指南役。
剣術の達人で、教え方も上手く、町の中には「彼の指導で武術大会で二度も優勝できた」という兵士もいる。
ちなみに現代の兵士長はアルマンの息子が務めている。*6


ゼボットとエリーのことを知っており、二人の静かな暮らしを守りたいと思っている。
手先が器用で、壊れたエリーを修復するなどからくり技師としての腕も相当あるようだ。


  • フォロッド城の兵士

現代フォロッドのストーリーにおける名脇役。
地下牢にアルマンが幽閉された時に監視役を務めている彼は、主人公らが面会に訪れると
「カギはかかっちゃいないぜ。アルマン様なら、中にいらっしゃる。
確かに『アルマン様をここから出すな』とは言われたが、『人を入れるな』とは言われてない。
俺は言われたことだけしっかり守ってればいいのさ。」

と言い、面会を許可してくれる。


この対応に、あの毒舌娘マリベルも「ちょっと。この人、カッコよすぎない?」と感心し、キーファも「あははっ まいったぜ!物分かりのいい兵士だな。」と賞賛する。


さらに、地下牢を抜け出してエリーの修復へと向かうアルマンに対し、
「お待ちください、アルマン殿!
その格好のままで表に出るわけには行きますまい。どうかこれを!」

といって兵士の服を脱ぎ、アルマンに差し出す。
この神対応にアルマンも「かたじけない」と好意に甘える。


着替えたアルマンを見た兵士は
「はっはっは!アルマン殿、そうして見るとまだまだお若いですぞ!
ささっ、早く行かれるがよいでしょう!」

と快く主人公とアルマンを送り出してくれる。
アルマンの人徳があればこそ…という場面だが、名無しキャラでありながら非常に印象的なキャラクターである。



余談


  • 現代で魔王が復活したタイミングで、フォロッド城・フォーリッシュからは住民が消失する
    • 恐らく大魔王が粛清したものと思われるが、町が破壊された形跡はなく、BGMも明るいまま人だけが消えているので、かなり怖い。
    • 「トゥーラ弾きのヨハンをフォロッドで目撃した」という話を別の場所で聞くことができるので、ハーメリアのシナリオのように、ジャンに倣ってヨハンが音色で住人を操り避難させた可能性もある。
      ……主人公たちが行ける場所には何処にもいないけど。
    • エンディング後には何事もなかったかのように住人が戻ってくる。

  • 現代にて、「からくり掃除機に仕事を奪われないように」と精を出す使用人がいる。
    また「からくり掃除機に細かい作業はできないので結局人間は必要」と言う住民もいる。
    • 「機械に仕事を奪われる人間」というのは、AIの研究開発が進む現実でもたびたび話題になるテーマで、ゲーム作品においても『Detroit: Become Human』(2018年)などで描写されているが、2000年発売のゲーム、しかもファンタジーRPGのドラクエシリーズでこういった描写があるのは珍しいかもしれない。
    • ちなみに現代フォロッド王がからくり技術を求める最大の目的は、からくり人間に仕事をさせて人々の暮らしをより楽にするためのようだ。


ツイキ・シュウセイ……サメル……アタタメナオサナキャ……



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  • 訪れた時の陰鬱さは、Ⅶの中では一番だと思う -- 名無しさん (2014-09-01 00:36:50)
  • あの展開からの「アリガトウ」はやめてくれ泣くだろ -- 名無しさん (2014-11-22 18:44:21)
  • 父親をからくり兵に殺された子供がいたり、兵士詰所の本棚とかシビアな描写も多かった -- 名無しさん (2014-11-28 00:08:12)
  • ↑そしてフォーリッシュ陥落時は別の女の子が「こいつがあたしのおにいちゃんをっ!」ちなみに棺桶もしっかり増えてる -- 名無しさん (2015-08-23 20:50:06
  • 最初は父親をからくり兵に殺された少年が壊れたからくり兵を蹴り続けてる。襲撃後になると妹が父と兄の仇と言ってからくり兵を蹴り続けてる。他にも教会のシスターとか襲撃前と後で確実に人が減ってんだよなあ -- 名無しさん (2016-05-01 22:14:48)
  • 現代のこの地方の住人が何をしたんだよ。見せしめ?どうせ消すならレブレサックを(子供たちと宿屋の女将を除く) -- 名無しさん (2016-10-21 01:23:58)
  • オルゴ・デミーラ倒した後に住民たち戻ってきたんじゃなかったっけ?伝聞でプレイヤーが直接確認はできないけど。 -- 名無しさん (2020-05-11 20:39:55)
  • マシンマスターそんなに弱い?からくり兵呼ばれるとけっこうきつかった記憶があるが -- 名無しさん (2020-06-06 07:42:32)
  • 今日2巻読んだ『魔物たちは片付けられない』の第11話にて、このゼボット&からくり兵エリーと似たような展開があったが…ちゃんと死を受け入れていた。 -- 名無しさん (2022-12-07 14:22:07)

#comment

*1 妨害音を放つ味方のからくり兵を量産できれば…と思うところだが、城を襲ったからくり兵の残骸は兵士・傭兵たちに徹底的に破壊しつくされた(彼らの感情を考えれば致し方ないが)上、ゼボット曰く「敵もマヌケでなければ妨害音に何かしら対策してくる」とのことで、妨害音が有効な内に反撃する必要があった。
*2 修理用の設備しかなく、生産はこの地ではないどこかで行っていたようだ
*3 からくり兵は過去の時代に全て破壊・破棄されてしまった模様。現代の人々は「もったいない」と嘆いているが、侵略を受けた過去の人々がからくり兵を憎むのは致し方ないといえる。
*4 かつてゼボットが開発したもの
*5 ただし、技術の漏洩を防ぐためか、まだ試作品段階だからか、からくり掃除機の販売は行っていない。フォーリッシュにはからくり掃除機の評判を聞き付けてやってきた商人がおり、他国でも噂になっているようだ。
*6 兵士長がアルマンを「父上」と呼ぶ場面がある

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