登録日:2023/05/14 Sun 00:00:40
更新日:2024/07/05 Fri 13:24:47NEW!
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水属性 魚族 遊戯王 遊戯王ocg 自己蘇生 禁止カード フィッシュボーグ チューナー 遊戯王ocgデッキテーマ項目
「フィッシュボーグ」とは、遊戯王OCGに存在するカード群である。
概要
このカード群に属するモンスターの多くは、以下の共通点を持つ。
イラストはロボット改造を施された水槽であり、その中に何らかの生物が描かれている。
おそらく水槽にいる生物が戦闘ロボットを操縦している模様。
よく見ると魚どころか水生生物でない物体も見受けられるが、全員まとめて魚族に統一されている。
カード解説
フィッシュボーグ-ガンナー
チューナー(効果モンスター)(禁止カード)
星1/水属性/魚族/攻 100/守 200
自分フィールド上にレベル3以下の水属性モンスターが存在する場合、手札を1枚捨てて発動できる。
このカードを墓地から特殊召喚する。
このカードをシンクロ素材とする場合、他のシンクロ素材モンスターは全て水属性モンスターでなければならない。
一番最初のフィッシュボーグ。
また日本では初の「魚族・チューナー」である。
場に特定のモンスターがいるときに手札コストを払うことで自己蘇生を行う。
この蘇生効果にはターン中の回数制限がないため、素材として消費してもそのターン中に再度使用することも可能。
このカードだけを見ると「手札コストが実質的な回数制限になっているので、派手な活躍は難しい」となるかもしれない。
しかしそれは「潤沢に手札を稼げる効果と併用すれば、派手に何度でも自己蘇生できる」という意味になる。
そんなバカなカードがあるわけ…と言いたいが、しっかりと存在していた。
生還の宝札
永続魔法
自分の墓地に存在するモンスターが特殊召喚に成功した時、
自分のデッキからカードを1枚ドローする事ができる。
TG ハイパー・ライブラリアン
シンクロ・効果モンスター
星5/闇属性/魔法使い族/ATK2400/DEF1800
チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上
(1):このカードがフィールドに存在し、自分または相手が、このカード以外のSモンスターのS召喚に成功した場合に発動する。
このカードがフィールドに表側表示で存在する場合、自分はデッキから1枚ドローする。
《生還の宝札》は《フィッシュボーグ-ガンナー》が蘇生する度にドロー。
《TG ハイパー・ライブラリアン》はシンクロ召喚する度にドロー。
いずれも自己蘇生チューナーである《フィッシュボーグ-ガンナー》との相性は抜群。
これらのカードと併用すれば、手札コストどころか手札交換となりデッキが尽きるまでドローを繰り返すことすら容易であった。
ちなみに《生還の宝札》については、《フィッシュボーグ-ガンナー》登場時点で既に制限カード、そしてそこから半年足らずで禁止カードとなっている。
他に相性の良いカードとして《ジェネクス・ウンディーネ》が存在する。
フィールド条件、墓地肥やし、手札コスト確保と《フィッシュボーグ-ガンナー》の運用に必要な要素のほぼ全てを備えている。
登場時から主な活躍場は【ガエル】になる。
主力モンスターのほとんどが「レベル3以下の水属性」であるため自己蘇生の条件を満たし、同デッキのシンクロ召喚を可能にしている。
シンクロ召喚の他にも「《生還の宝札》と絡め、射出カードによる1キル」「《デスガエル》を《イレカエル》でひたすら特殊召喚し《死の合唱》で止めを刺す」など、幅広い勝ち筋をもたらしていた。
そして《フォーミュラ・シンクロン》《TG ハイパー・ライブラリアン》などドロー効果を持ったSモンスターが登場しては、そのパワーは飛躍的に増加。
【ガエル】を超え水属性が絡むデッキで大量ドローソースとして機能し、手札を維持したまま場を整えることが可能。
その結果、2011年9月付で《メンタルマスター》共々禁止カードに指定されてしまう。
《メンタルマスター》も「回数制限なく特殊召喚する効果」という共通点を持ち、いかにターン中の回数制限が大事かという証拠にもなっている。
なお《メンタルマスター》共々、チューナーモンスターで初の禁止カードとなる。
現在ではシンクロ召喚以外にもリンク召喚の素材という使い道があるため、禁止解除は難しい。
特に《水晶機巧-ハリファイバー》がまだ禁止になっていなかった頃では
「ハリファイバーの相棒として他を凌駕する」という事も禁止解除困難説に一役買っていた。
かといって「1ターンに1度」の回数制限を設けた場合、盤面の条件がある分《ジェット・シンクロン》《グローアップ・バルブ》などに見劣りするカードとなってしまう。
しかもシンクロ素材についての縛りもあるので、これらと比較してシンクロ召喚に不自由する欠点が出てしまう。
これらと比べても「効果使用後も除外されず、毎ターン使用できる」点は長所だが、著しい高速化によりこのメリットが機能しなくなっている。
そのためエラッタする(商業上の)メリットが乏しいことになる。
そういう意味でも禁止解除までの道のりは遠い。
《フィッシュボーグ-ガンナー》禁止以降に続々と「フィッシュボーグ」モンスターが登場しているが、
《フィッシュボーグ-ガンナー》の反省を踏まえてか、自己蘇生効果に回数制限がつけられ、更に効果条件や制約を課せられている。
その条件などが厳しすぎて、他の自己蘇生カードと明らかに劣るカードもしばしば…。
フィッシュボーグ-ランチャー
チューナー・効果モンスター
星1/水属性/魚族/攻 200/守 100
このカード名の効果は1ターンに1度しか使用できず、このカードをS素材とする場合、水属性モンスターのS召喚にしか使用できない。
(1):このカードが墓地に存在し、「フィッシュボーグ-ランチャー」以外の自分の墓地のモンスターが水属性モンスターのみの場合に発動できる。
このカードを特殊召喚する。
この効果で特殊召喚したこのカードは、フィールドから離れた場合に除外される。
コスト無しの自己蘇生ではあるが、代わりに墓地の状態を指定している。
墓地の属性を水属性に統一するのは難解な条件となり、普通のデッキではとても使用できない。
- 手札誘発の殆どを使った時点で条件が満たせない。
- 水属性以外の、展開補助要因を素材として墓地に送っただけで条件が満たせない。
- EXデッキも水属性で固めなくてはならない。
加えてこの条件は「墓地のモンスターが《フィッシュボーグ-ランチャー》のみの場合には発動できない」ため、何らかの水属性モンスターの併用が必須になる。
現代遊戯王において「属性を統一する」構築には、汎用的な便利カードを使用できないという大きな枷を孕んでいる。
それでいて「チューナーの自己蘇生」だけであれば、他にも該当者は多くいる。
つまり《フィッシュボーグ-ランチャー》のためだけに水属性で統一するにはリターンに乏しいという実態がある。
とはいえ《HSR魔剣ダーマ》のように自身を墓地から離して再び墓地を水属性に統一できるモンスターもいるので、必ずしも統一しなくてはならないというわけではない。
だが属性統一以外のデッキで使用し、《フィッシュボーグ-ランチャー》の蘇生をするまで水属性以外のモンスターを控えるというのも、デッキ回転に大きな悪影響が及ぶ。
最悪の場合、この《フィッシュボーグ-ランチャー》の運用のために本来より弱い盤面が生じる恐れもある。
フィッシュボーグ-プランター
効果モンスター
星2/水属性/魚族/攻 200/守 200
このカードが墓地に存在する限り1度だけ発動できる。
自分のデッキの一番上のカードを墓地へ送る。
墓地へ送ったカードが水属性モンスターだった場合、さらにこのカードを墓地から特殊召喚する。
「フィッシュボーグ-プランター」の効果は1ターンに1度しか使用できない。
上手くいけば墓地を肥やしつつ毎ターン任意のタイミングで自己蘇生できる。
チューナーでもないし《黄泉ガエル》でも良くね?ともなるがこの任意のタイミングというのは非常に重要であり、スピード化が著しい昨今墓地に落として即座に、あるいは一連の展開の中でのレベル調整など用途は広い。まあ毎ターン蘇生できるメリットも薄れているのだが
しかしデッキトップが水属性モンスターでなかった場合は自己蘇生ができない上に、再度発動できるようにするには一度墓地から離す必要がある。
【フルモンスター】の派生である【水フルモン】であれば確定で効果を発動できる。
しかし先に《フィッシュボーグ-ランチャー》でも触れたが、デッキを水属性で固めるという構築制約は極めて厳しい。
特にこちらは【フルモンスター】を求められるため、フルモンのお供《雪花の光》との相性が悪い。まあ失敗しても蘇生すればいいわけだが…
また何らかの効果でデッキトップを水属性にし、確実に効果を成功する手立ても存在するにはする。
だがいずれの場合も、弱小モンスター1体の自己蘇生のために割に合わないコンボを求められている部分は否めない。
シンクロ・リンク召喚の素材にするには、より使いやすい自己特殊召喚効果持ちが大勢いるため、返り咲く可能性は低い。
フィッシュボーグ-アーチャー
チューナー・効果モンスター
星3/水属性/魚族/攻 300/守 300
このカード名の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードが墓地に存在し、自分フィールドにモンスターが存在しない場合、手札から水属性モンスター1体を捨てて発動できる。
このカードを特殊召喚する。
この効果で特殊召喚したターンのバトルフェイズ開始時に、水属性モンスター以外の自分フィールドのモンスターを全て破壊する。
フィールドが空きつつこのカードを墓地に用意する必要があるため、やや手間のかかる条件になる。
《揺海魚デッドリーフ》等のモンスターカードではフィールドにモンスターを残してしまうため条件を満たせず、
そのため《おろかな埋葬》《隣の芝刈り》などの魔法カードで墓地に送りつつ「モンスターが場にいない」という条件を満たす必要がある。
つまり《フィッシュボーグ-プランター》とは構築上の相性が悪いと言える。
手札コストについても、他のフィッシュボーグや【海皇】などを捨てることでメリットに転用できると理想的。
他のフィッシュボーグと比較すると、デメリット内容が回避しやすいところも長所。
水属性モンスターで固める以外にも以下の手立てがあるため、盤面形成の自由度を下げずに済んでいる。
- 破壊耐性を持つモンスターを立てる
- バトルフェイズが存在しない先攻1ターン目で使用する
- 効果を使ったターンのバトルフェイズを放棄する
- バトルした後のメインフェイズ2で使用する
- 《BK 拘束伴兵リードブロー》など、破壊を逆手にとれるモンスターを用意する
また「レベル3のチューナー」「シンクロ召喚時の制約がない」要素の魚族モンスターは、このカードが初。
そのため自己蘇生効果を無視しても、【魚族】のシンクロ召喚を柔軟にしてくれたという部分も高く評価されている。
やや面倒な条件はあれど、一定の活躍は期待できる一枚でもある。
フィッシュボーグ-ドクター
効果モンスター
星4/水属性/魚族/攻 400/守 400
「フィッシュボーグ-ドクター」の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分フィールドに「フィッシュボーグ」モンスター以外のモンスターが存在する場合にこのカードは破壊される。
(2):このカードが墓地に存在し、自分フィールドのモンスターが「フィッシュボーグ」モンスターのみの場合、自分メインフェイズに発動できる。
このカードを墓地から特殊召喚する。
この効果で特殊召喚したこのカードは、フィールドから離れた場合に除外される。
「フィッシュボーグ」をカテゴリ化させている唯一のカード。
しかし「フィッシュボーグ」のサポートではなく、「フィッシュボーグ」以外の運用に制約をもたらす記載になっている。
自己蘇生の条件は「フィッシュボーグ」だけが自分の場にいる時と厳しめ。
尚且つその後に「フィッシュボーグ」以外のモンスターを召喚すれば即座に自爆してしまう。
自ずと《フィッシュボーグ-ドクター》を使いシンクロ召喚するまでは「フィッシュボーグ」以外のモンスターを使用できなくなる。
そしてその「フィッシュボーグ」の数が少ないため、「フィッシュボーグ」中心のデッキを構築すること自体に無理がある。
出張採用するにしても、メリットに乏しい。
《フィッシュボーグ-アーチャー》の手札コストに《フィッシュボーグ-ドクター》を使うことで、召喚権を使わずモンスター2体を場に出せれば理想的で、これでレベル7のシンクロ召喚などの運用が可能になる。
だが《深海のミンストレル》と《海皇の竜騎兵》でピーピング&除外&サーチを行った後に《深海姫プリマドーナ》に繋げれば下級水属性モンスターの自由なリクルートが可能になる。
ここに《深海のディーヴァ》からの連続シンクロ召喚やリンク召喚、《氷霊神ムーラングレイス》のハンデスなどをかました後に《豪雨の結界像》とこれを戦闘破壊から守れる《海晶乙女アクア・アルゴノート》をぶっ立てられる。
かの《烈風の結界像》が猛威を振るい一発禁止とまでなった昨今、あの悪夢を再現できるというだけでも十二分にこのコンボの価値はある。
とはいえそのためには「他のモンスターを場に出す前に墓地肥やし手段+《フィッシュボーグ-ドクター》を手札に揃える」必要があるため、極めて不安定なものになる。
腐るリスクの高いコンボを採用させるかと言われれば、首肯は難しいだろう。そもそもこのコンボ自体は《フィッシュボーグ-ドクター》を絡めずともできるわけだし。
フィッシュボーグ-ハープナー
チューナー・効果モンスター
星4/水属性/魚族/攻 400/守 400
このカード名の(1)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):手札のこのカードと手札の水属性モンスター1体を相手に見せて発動できる。
その2体の内の1体を特殊召喚し、もう1体を捨てる。
(2):このカードが水属性SモンスターのS素材として墓地へ送られた場合に発動できる。
相手フィールドの効果モンスター1体の効果をターン終了時まで無効にする。
フィッシュボーグ唯一の自己蘇生効果を持たないモンスター。
その代わりに手札から自身と水属性モンスターを公開して片方を特殊召喚・もう片方を捨てる効果と、水属性シンクロモンスターの素材になったら相手モンスター1体の効果を無効にする効果を持つ。
自己蘇生はないものの、特殊召喚効果にデメリットが付属せず、自身だけじゃなくて一緒に公開した水属性モンスターを特殊召喚する事も可能と状況に応じて柔軟に使い分けられるのが強み。
モンスター効果無効は先攻では使いにくいものの、水属性シンクロの素材にするだけで使えるためあって損はない。
また、地味に初の「デメリットのないレベル4魚族チューナー」であるため、【魚族】におけるシンクロ召喚がより柔軟になったのも評価点。そして14年間も唯一のレベル4魚族チューナーだった《竜宮の白タウナギ》は勇退する事となった。
特に《超古深海王シーラカンス》とは非常に相性が良く、手札に来た場合はあちらの展開手段として使いつつ、デッキにある分はあちらの効果でリクルートしてシンクロ素材に、と相互に利用し合える。
追記修正はメインデッキとEXデッキを水属性で固めてからお願いします。
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▷ コメント欄
- リンク2ぐらいのフィッシュボーグ名称リクルーターが来るだけで大化けしそうなポテンシャルあるな -- 名無しさん (2023-05-14 19:22:20)
- ↑それを体現してたのがハリファイバーだったんだけどな・・・アビス・オーパーの効果外テキストさえなければな -- 名無しさん (2023-05-14 19:36:03)
- 新規おめ -- 名無しさん (2024-01-29 09:11:56)
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