大魔王サタン(キン肉マン)

ページ名:大魔王サタン_キン肉マン_

登録日:2020/02/06 Thu 09:33:50
更新日:2024/05/16 Thu 12:36:38NEW!
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まばゆき光あるところ


必ず深き闇もまたあり


ああ憎い・・・



大魔王サタンとは、漫画『キン肉マン』の登場キャラクターというか、何というか。


CV:郷里大輔




概要

キン肉マン世界における最大の巨悪的存在。そして期待の新人にして本作屈指のネタキャラ。
主な説明としては“この世の怨念の集合体”であるらしいが、現行シリーズでの発言から、元々は天上の神々とも関連があるのではないか?とも予想されていた。


単にサタンと呼ばれることもあるが、そのままだと“サタン”と呼ばれる、形而上学上の悪魔と区別し難いためか、肉世界の物は大魔王サタンと、冠詞まで付けて呼ばれる(名乗る)ことが多い。


ただし、これも最近になってから漸くまとまってきた話であり、以前は

  • 悪魔
  • サタン
  • 悪魔サタン
  • 魔王サタン
  • 魔界の領袖サタン

……等と、呼ばれ方が一貫していなかった。


初登場は『7人の悪魔超人編』と息の長い悪役ではあるが、「なんだかよくわからないけど悪いやつ」的な曖昧な描写をされる事が多く
その正体らしきものがようやく語られ始めたのは、web連載に移行した2010年代も末になってからである。


主に登場する時にはカリカチュアされた悪魔の“影”や“幻影”とも呼ばれる姿を執ることが多いのだが、
続編の『Ⅱ世』では悪魔将軍の姿をとった“恐怖の将”として、
web連載の『オメガ・ケンタウリの六鎗客編』では、冒頭で巨大な悪魔としての姿とまさかの実体化を見せており、本性と同様に真の姿も定かではない。



後の新章で実体化した際は

と、そのどことなく悪魔将軍を思わせつつも洗練されていない・・・・・・・・昭和テイスト溢れる一目で分かるゴテゴテの悪役デザインは読者にも好評。
よく見ると顔や実体化前のシルエットなどこれまでのサタンのイメージを基調としたデザインであり、ベルトに悪魔将軍と同じシンボルマークやアシュラマンのひさしもある。



性格

率直に言って最低のゴミ屑


基本的にどのシリーズでも共通して性格は傲岸不遜であり、狡猾にして悪辣。
言葉巧みに他者の心の隙間を突き、様々な形で自分の都合の良いよう動かす為に虚言や甘言で唆す手段を取るが、他者の存在は「自分にとって便利な手駒か否か」以外の価値を見出しておらず、情の類は皆無。
利用価値を見出さなくなれば平気で他人を裏切って使い捨て、約束を反故にする事を厭わない冷酷非道な卑劣漢である。
こうした特徴は、主な配下であった悪魔超人達とも共通している……と言いたい所だが、サタンの影響の及んでいない際の悪魔超人達の行動や主義主張は旧連載の頃からサタンと一致していたとは言い難く、現行までのシリーズにて設定が補完されてきた面もある。


巨悪ではあるが同時に慎重な一面を持ち、積極的に表舞台に顔を見せるような真似は好まず、事件の裏で糸を引く黒幕というスタンスを徹底していた。
……一方、下記の様に巨悪であるにも関わらず喋り方に威厳もクソも無いのも特徴の一つ。
一応、「サタンの声を耳障りに感じる超人=正義超人」と判断して攻撃したという理由はあるが。



【戦闘スタイル】

『究極の超人タッグ編』までは常に影としての登場であったために、リングに立って直接戦うことはなかったが、様々な能力で正義超人達を苦しめた。


『オメガ・ケンタウリの六鎗客編』で実体化した際は圧倒的なフィジカルに物を言わせた技を見せ、その破壊力は手負いとはいえ屈指の強豪であるオメガマン・アリステラを一方的に蹂躙するほどである。
大柄なアリステラを片手で投げるほどの怪力を発揮し、エルボーによる攻撃を得意とする。
……が、よりによって試合相手が完璧超人始祖の一角であるジャスティスマンだったのが運の尽き。
その上、長年謀略を駆使することに腐心していたためか、自分ではザ・マンにも食らい付けると思い込んでいたパワーは完璧超人始祖には通用するレベルではなく、実際の試合は良い所なく惨敗を喫してしまった。


ただし、初試合で良いところが全く無かった事や、ジャスティスマンの徹底的に見下した罵倒と発言から弱いと誤解される事も多いが、決して弱い訳ではない。
ジャスティスマンとの試合においてもその強烈すぎる攻撃を特殊能力無しに幾度となくその身に受けており、タフネスも並大抵ではない。
あくまでも超人種の頂点に立つ完璧超人始祖クラスに届かないだけであって、先述の通り(手負いとはいえ)現世代超人ならば最強クラスのアリステラを蹂躙しキン肉アタルに決死の覚悟をさせる程の力は持っている。


マイクアピールに関しても、ヒールらしい煽りを得意としている。
総合格闘技に近いガチガチのファイトスタイルで戦うジャスティスマン相手に、曲がりなりにもマイクパフォーマンスを駆使して試合を盛り上げた点については、読者からの評価も高い。
とにかく、相手が悪かったとしか言いようがない。



尚、ゴールドマンなどの他人に憑依していたときの技は基本的に依代由来と考えてそちらの項目へ。



【特殊能力】

  • 落雷

攻撃や挨拶代わりの破壊など、最も使う機会が多い。「悪魔の制裁」として直接当てるのではなく街灯を折ってバッファローマンに突き刺すという使い方も。


  • ジェネラル・ストーン

超人をドーピングし、醜悪の心を開放する恐怖の将の身体の一部でもある蠱悪のダイヤ。
バッファローマンには「きたねぇダイヤ」「下品な宝石」と吐き捨てられている。
「Ⅱ世」に登場した「悪魔の種子」たちの前身は、元レスラーのアシュラマンを除けば強い弱い以前にまともにリングに上がったことさえない一般超人であり、その強化の度合いは安易かつ凄まじいものがある。
また、昨日今日手に入れた力でブーストがかかっているだけのド素人にも関わらず、悪魔の種子たちはまるで自分たちが百戦錬磨の強豪悪魔超人であるかのように振る舞っており、当人の意識や記憶さえも戦闘に特化した形に収斂されていってしまう効果を持つことが見受けられる。
一時的にサタンを騙すために悪堕ちの芝居を打ったバッファローマンも、ダイヤを受け入れて理性を失い狂暴化しかかっており、その精神汚染はかなり早い。
手にしたものの体内に埋め込まれるが、敗北すると抜き取られミイラとなる。


ジェネラル・パラストへ乗り込むために騙し取ったバッファローマンが投げ捨てた拍子にヒビが入り、万太郎の攻撃で粉砕されるので強度はかなり脆いようだが、再生アシュラマンに脚として合体したときは万太郎の掌を切り裂く硬度となった。
ちなみに欠片はコンステレーションの星の代用になる。


投げ捨てたバッファローマンにコンステレーションが「望んでも手に入るものではないというのに」と怒るなど
貴重な物のようでもあるが、求めた者には即時授けられるため劇中ではお手軽なチートアイテムという印象が強く、
これで強化された悪魔種子に対しても元祖悪魔超人であるサンシャインは「あくまで(花や実でなく)種子にすぎねえ」と苦言を呈していた。
安易な外付けパワーアップを毛嫌いしているゴールドマンとしてもまず用いない手段であり、「Ⅱ世」の恐怖の将=100%のサタンという裏付けになっている感がある。



  • 黒後家蜘蛛の囁きブラックウィドーズ・ウィスパー

巨大なクロゴケグモ*2を対象の体内に送り込み、
その胸にクロゴケグモの腹部の赤い模様が大型化した赤い砂時計を浮かび上がらせ、その砂が落ち切る
三日後の準決勝、試合開始のゴングが鳴った666秒後に必ず死に、死ぬ直前、サタンの生贄となるという呪いを与える。
砂が落ちるにつれて対象となった人物は衰弱するが、キン肉マンの場合は気力で一時的に砂時計を隠して影響がないかのように振舞うこともできた
解呪の方法は、対象を愛する者の中に一人だけいるキーパーソンと抱擁を交わすこと。
キーパーソンの条件はサタンが詳細を説明する前に時間超人に追い払われ、キン肉一家とテリーマンは「被害者に対して最も愛を持っている人間」と見ているが
ナツコは「サタンが無作為に選んだ」ライトニングは「絶対に解らぬようサタンが選び出した」と語っており、実際に愛情の深さが関係しているのかは不明。
ちなみに真弓がスグルを抱擁すると何故か砂の速度が速まったが、これに関しても特にサタンからの説明はない。
わざわざ解除できる条件を設けた上で教えてくれることについては「一縷の希望はかえって絶望を倍加させる」というサタンの悪趣味なサド趣味によるもの。
これを見た時間超人のライトニングも「ジョワジョワサタンのやつはこの上ねえ悪だぜ」と苦笑交じりに賞賛している
サタンはキーパーソンを説明する前に追い返されたが、儀式の参加者達はキーパーソンの名前からその意図まで全て知っており、何らかの方法で伝えられるらしい。
負のパワーを込めるほど精度は増すとされ、儀式への途中参加も認められる。


尚、砂時計の中身は砂鉄であり、磁気によって上に戻すことができ、全ての砂が戻るとクロゴケグモが逃げ出す
わざわざクロゴケグモを使う理由は、愛を忌み嫌うサタンにとってはメスがオスを食い殺す性質が好ましいため。



  • 結界

宇宙空間に浮かぶ謎の心臓から放たれる稲妻状のバリア
マッスルガム宮殿・魔界・超人墓場を同時に封じ込め、ラーメンマンの蹴りでもびくともせず、残虐の神でさえ超人を一人出すだけでパワーを使い切ってしまうという強力な代物。



  • サタンの制裁の一撃

影の口から、鋭い円錐形の鉄の杭を吐き出し、制裁対象を貫く。
誰が呼んだか[[「魔王一本杭」>闘将!!拉麺男]]。



【得意技・必殺技】

  • 急角度スープレックス

さあ制裁の時間だ!



アリステラの引きちぎれたオメガハンドの指部分を強引に掴んで繰り出した技(その為、ダブルアームスープレックスにも見えるし閂スープレックスにも見えるという判断の付けにくい形に)。
空中に舞い上がってからの垂直落下技のため、まともに受けたらアリステラの絶命は免れないと思ったのか、アタルは自らをクッションとすることで阻止した。



  • サタニックソウル・ブランディング

もはや順番などどうでもいい!
私に逆らう者はただこうしてひとりずつ…


殺していくだけだーーっ!



サタンが対ザ・マン用と豪語し、ジャスティスマンへ仕掛けたフェイバリットホールド。
うつ伏せの相手の両足を自分の片足でインディアンデスロックのように固め、更に両腕をサーフボードストレッチで固めた上で空中に舞い上がり、もう片方の足で相手の頭を踏みつけながら勢い良くリングに叩き付けていく。
決まった時の相手を足蹴にして地面に捻じ伏せる様な形は仮にも「大魔王」を名乗る者に相応しいヒール感に満ち溢れ、サタンの姿とも相まって最上級の悪役としての迫力を醸し出している。
ビッグボディの強力アトミック・ボムをベースに自分の向きを前後逆にして、空いた片足で相手の両足をロックしたような技。あるいは背後からの踏み付けを追加したキン肉アタルのナパームストレッチとも言えるだろうか。
また、実在するメキシコ出身のプロレスラーであるスーパー・ドラゴンのオリジナルホールド「カーブ・スタンプ」とは仕掛ける体勢が同じ。
勿論、実在の物は投げ技等ではなく、グラウンドで相手を固めてから顔面を何度もマットに叩きつけていくという、関節技と打撃をミックスさせたアピール抜群の痛め技となっている。
アタル版マッスルスパークなどが決まっても小揺るぎもしなかった立方体リングを揺るがす凄まじい威力*3を持つ技だったが……実体化サタンの力を確かめるべく、わざと食らった3階のバカは軽い吐血で済み、案の定その後の試合にもダメージを残さないド畜生ぶりであった。
余談だが、これ以前(以後も)に登場したホールド状態で落下する系統の技は空中で固めてから落とすのが定石だったが、サタンはわざわざ地上で固めてから空中に上がるので「モタモタして見えて格好悪い」との声も。所詮は素人なので大目に見てやって。
「魔王の魂の烙印」を意味する技名から、憑依への布石ではないかと心配する声もあったが、特に関係はないようだ。
多分、完全に極まれば急降下による空気抵抗で相手の胸にサタンの影の形の傷ができるとかそんなところだろう。


余談だがこの技を分解していくとかなり面白い。
まず技の名称こそブランディングだが、掛け手の体制は悪魔将軍の大雪山落としにかなり近い。
しかし大雪山落としが正面から踏み抜くのに対して、この技は後ろから踏み抜く、という見方によっては今シリーズの悪魔将軍とサタンのスタンスを対比させたようになっている。
次に足で頭を踏む形も如何にもサタンらしいといえる。だがこの形はサタンの理想主義と詰めの甘さを体現した構造にもなっており、まず腕は固めただけで極めてはおらず、腕を後方に固めるせいで相手の胸が大きく前に出てしまう。
そのためせっかく頭部を踏みつけて置きながら着地点が相手の胸部となってしまっている。
確かに衝撃は完璧超人始祖奥義級であり並の超人なら粉砕できただろうが、ジャスティスマンに通用しなかったのは彼のタフネスもさることながら、上記の打点が分散している事も考えられる。
そしてこの点こそが他人(悪魔将軍)の力を利用するのみで自ら前に出ず、研鑽して来なかったサタンと、数億年の研鑽を積んできた完璧超人始祖の最大の対比とも見える。




  • エルボー

実体化後に打撃技として多用。
しかし、あれだけの巨体をフルに活かした渾身の一撃(フライングエルボー)も、ジャスティスマンの強靭で柔軟な首に余裕で受け止められてしまった。
相手をダウンさせた際には、籠手を回転させるギミック付きのド派手なエルボードロップも繰り出した。
読者からは「エルボー(肘)でそこを回転させる意味があるのか?」とも言われたが、純粋に打撃の勢いを増すという目的があったのだろう。




遍歴

【初代】

7人の悪魔超人編

初めて存在が言及された『7人の悪魔超人編』では、その名の通り連載途中でしれっと本物の悪魔になった悪魔超人*4の支配者として存在が示される。


実態は不明であったが、7人の悪魔超人達の解放と、そこから始まるアレキサンドリア・ミートのバラバラ事件から始まる、
キン肉マン、延いては正義超人との全面対決の裏側で糸を引いていたようである。
後の『黄金のマスク編』では、当事者であるミートからも悪魔サタンの影と、そのままの名前で呼ばれていた。


7人の悪魔超人の中でも、特にバッファローマンとは契約者と契約主という間柄であり、関係が深い。
元々バッファローマンは正義超人であり、100万パワーを誇りながら大した取り柄もなく、落ちぶれたバッファロー一族の末裔でしかなかった。
サタンは赤い血と引き換えに1人の超人を倒す毎に1万パワーずつを与えることを約束し、バッファローマンは1000人を殺害して破格の1000万パワーを得た*5ことにより、
バッファローマンは7人の悪魔超人のリーダーにまでなれたのだった。
バッファローマンからは単に悪魔と呼ばれ、炎のような姿で出現していた。
このように、この頃の姿は伝説通りの正に悪魔であり、不気味で得体の知れない存在として描かれていた。
規模の大小こそあれ単なる札付きの荒くれ集団にすぎなかったはずの
7人の悪魔超人がガチの悪魔崇拝主義者の団体だったことは
超人委員会にとっても完全に予想外で、バッファローマンの背景を調査した
委員長の部下はショックのあまり一人は寝たきりになりもう一人は世捨て人になってしまったほどである


戦いの末、7人の悪魔超人のうち6人が敗北。最後の1人となったバッファローマンとキン肉マンの対決となる。
バッファローマンがフェアプレイを見せ、友情に目覚めそうになると完全に体を支配。胸には1000の傷が集まって蝙蝠の羽のような黒い紋様を浮かび上がらせた。
この時のバッファローマンは目に普段はない瞳が浮かび上がり
耳まで裂けたような口に紅潮し膨れ上がった全身の筋肉と
まさに悪鬼のような様相となり、格闘ゲーム「キン肉マンジェネレーションズでも
より凶悪なファイトスタイルとなった別キャラ扱いでこのバージョンが登場している


この時は数々の悪魔殺法に加え、角を突き刺すことで対戦相手の超人強度を吸収するという能力を見せ、キン肉マンの火事場のクソ力さえも吸いつくしてミイラにし[[バッファローマンを文字通りの火事場にし>文字通り(日本語)]]てしまっている*6
だが、サタンをもってしてもバッファローマンが戦いを通して自我と誇りを取り戻す事を阻止することはできなかった。
敗れたバッファローマンは自ら1000万パワーの象徴であるロングホーンをへし折り電撃で焼かれようとしていたミートの頭部を救うと、
「今度はサタンとの契約で得た力ではなくいつか自分だけで本当の強さを手に入れたらお前達の仲間に入れてくれ」と、死闘を繰り広げたキン肉マンと本心から語り合い去っていく。
しかし、バッファローマンも覚悟していた通り、それを許さなかったサタンは得意の鉄柱ポッキリ攻撃で刺し貫いて処刑したのだった…。



このように、『7人の悪魔超人編』におけるサタンは悪魔超人の支配者であり、伝説における悪魔そのもの、という描かれ方をしていた。
ところが、このサタンの立ち位置は次の『黄金のマスク編』にて早くも揺らぐ事となる。



黄金のマスク編

続く悪魔超人達との決着編『黄金のマスク編』では、正義超人達に力を与えている源であるキン肉大神殿に祀られている黄金のマスクを、
サタンの配下にして分身でもある悪魔六騎士に奪取させる。
バッファローマンにバラバラにされる瞬間に見たというミートの証言により、ここで初めて「サタン」の名が明かされる。
一人称(日本語)「オレ」、サタンか自我を失ったゴールドマンか判然としないが悪魔将軍の笑い声は「ギャハハハ」「グワッハハハ」*7
かくして黄金のマスクを取り戻すベく立ち上がったキン肉マン達と、悪魔六騎士との戦いが火蓋を切った。
六騎士はそれぞれ1つずつ黄金のマスクを持ち、どれかが本物という触れ込みであったが、六騎士達の持っていた黄金のマスクは全て偽物。
そして、本物の黄金のマスクを守る存在として、戦死した五人の騎士の集合体である悪魔超人軍最後の刺客、悪魔将軍が出現する。


悪魔将軍は、向かってきたジェロニモを、五人分のパワーを集約した地獄の断頭台で一蹴。
その後、バッファローマンの復活、アシュラマンとの決戦を経て、アシュラマンをも吸収して六騎士全員の集合体となった悪魔将軍とキン肉マンの一騎打ちが始まる。
だが、その中で悪魔将軍のデスマスクの下の素顔が、今回の事件の発端において悪魔六騎士に奪取された筈の、黄金のマスク=闘いの神ゴールドマン自身であったことが判明する。


ゴールドマンにちゃんと身体もあった太古の昔のこと。
ある子供が口にした「二人は仲がいいから絶対に無いだろうけど、二人が戦ったら弟の平和の神シルバーマンどっちが強いの?」という純粋な疑問をきっかけに弟と仲違いが生じ、
裁きの神ジャスティスが見届け人となった決闘=天上兄弟大喧嘩により、ゴールドマンシルバーマンは互いに首を刎ね合って相討ちとなってしまった。
その後ゴールドマンの首は、長年に渡り平和の象徴として神殿で祀られたが、
なおも消えない憎しみにより呼び寄せられたサタンが、配下である悪魔六騎士を仮の肉体として与えて誕生したのが悪魔将軍であった。
悪魔将軍は(前シリーズラストでサタンに逆らったため300万まで低下したはずの超人強度も1000万に戻して)バッファローマンを蘇らせるという人知を超えた能力も見せる。
悪魔将軍はとにかく強かった。作者であるゆでたまごがどうすれば倒せるのか悩むくらいに強かった
だが、最終的には死して魂のみとなってもなお、半死半生のキン肉マンを支えて立ち上がらせる正義超人の友情パワーを目にし“悪のパワー”への疑問が生じたこと、
そしてバッファローマンの捨て身の貢献により、
キン肉ドライバーでデスマスクと鎧を粉砕される。


黄金のマスク=ゴールドマン自身は無傷であったものの、自らの汚い策が余計にキン肉マン達の友情パワーを増大させてしまったことを認め、潔く敗北を受け入れる。
自らを壊せとまで言っていたが、弟のシルバーマン=銀のマスクに説得されて歴史的な和解を果たすと、
金銀合体マスクとなって死亡したり傷ついた超人達を回復させ、戦いは締め括られたのだった。



かくして終わってしまった『悪魔六騎士編』であるが、序盤はともかく、終盤の悪魔将軍は殆どがゴールドマンのパーソナリティの下で行動しており、試合後にはサタンの姿も影も見られなかった。
悪魔将軍とサタンはどのような関係なのか、悪魔超人の支配者であるはずのサタンがなぜこの状況で顔ひとつ出さないのか、
なんだかよくわからないままに次シリーズへと進んでしまう。(後のシリーズでの描写から考察するとゴールドマンが正気を取り戻した時点で憑依から追い出されてしまっていた可能性もある)



『夢の超人タッグ編』以降のサタンと悪魔超人


続く『夢の超人タッグ編』では、悪魔六騎士のうちアシュラマンサンシャインが引き続き登場し、サタンの指揮下に戻るでもなく“はぐれ悪魔超人コンビ”と名乗って暗躍を続ける。
ここで“はぐれ”と断られていることからも解るように、この時の二人は悪魔超人軍ではない=悪魔将軍の敗北を以て悪魔超人軍も壊滅したかのような扱いをしている。
更に不甲斐ない悪魔将軍の采配に愛想を尽かした*8と答えるなど、「悪魔超人の支配者はサタンではなく悪魔将軍」という認識がほぼ定着してしまった。


ただ、この『夢の超人タッグ編』にて、正義超人に対する新たなる巨悪となったのは、自分達を“神に最も近い”と称する傲岸不遜な完璧超人であり、悪魔超人は添え物。
しかも、サンシャインとアシュラマンは正義超人から友情パワーを呪いで奪ったり、狙っていた訳ではないとはいえ、初代キン肉マングレート(プリンス・カメハメ)の命を奪う等の外道な行為を行う一方で、
嘲笑していたはずの友情が悪魔にもあることを受け入れ最終的には悪ぶってるけど本音はいい奴等と認識されるようになる有り様であった。


ジャンプ本誌連載の最終章となった『キン肉星王位争奪編』では、悪魔超人のうちバッファローマン、アシュラマン、ザ・ニンジャが、
キン肉スグルの兄、キン肉マンソルジャーことキン肉アタルのチーム“超人血盟軍”の一員となって登場。
真・友情パワーを掲げてぬるま湯に浸かった実弟スグル達を戒めると共に、
火事場のクソ力を恐れる邪悪五神に唆された偽王子達からの盾となろうとするアタルに命を賭して従う……と、完全な善玉のポジションであった。


そんなこんなで、連載が進むにつれて悪魔超人の善玉化が急速に進行。
悪魔超人の支配者であったはずのサタンは影も形も無いままに週刊少年ジャンプでの連載は終了したのだった



【キン肉マンⅡ世】

『王位争奪戦編』から大きな戦いもなく28年が過ぎた……という設定の本作では、
悪魔超人の残党は残虐超人、完璧超人の残党と合流した悪行超人による三軍同盟d.M.p*9を結成し、
平和に慣れきった新世代の育成にも失敗した正義超人への復讐を遂げるべく、新世代悪行超人の育成を着々と進めていた。
この組織にも特にサタンは関わっておらず、復活した悪魔超人軍の指揮を執るのは悪魔六騎士サンシャインであった。
さらに新世代超人の軟弱さを非難するチェック・メイトが伝説超人にまで暴言を吐き始めると、サンシャインが「悪魔超人ではなく悪魔そのものを育ててしまったのか」と悔やむ場面まであり、悪魔超人から見ても悪魔は喜ばしいものではないとも描写されていた。
尚、サンシャインの昔語りの中で六騎士が肉体であった筈の悪魔将軍が、六騎士を含む悪魔超人達を直接指導している姿が描かれており、
悪魔将軍の何者なんだかわからなさに拍車をかけている。


また、連載開始と同時期に後述の『77の謎』が出版され、ここでは「悪魔将軍はゴールドマンとサタン自身が合体したもの」とされた。


『悪魔の種子編』


笑い声: 「バゴアバゴア」


大魔王サタンが久々に大きく関わったシリーズ。時系列上は2020年2月現在で最新の登場。


恐怖の将よりジェネラル・ストーンを授かり、齢58歳でありながら全盛期の肉体を取り戻して悪魔超人として復活を果たしたREBORN再生アシュラマンが、
同じくジェネラル・ストーンを得て強化された“悪魔の種子”達を率いて登場。
ここで語られる“恐怖の将”の正体とは悪魔将軍なのだが、その本性はゴールドマンではなく大魔王サタンとして描かれている。
弱体超人に巧みに取り入り悪魔超人化させて手駒とする等、かつての大魔王サタンを思わせる行動を見せているのも大きな証拠。
漫画内の描写も見ると、サタンがアシュラを手駒とするべく息子のシバを狂わせたのではとの疑惑もある。


同作で判明した新事実として過去に悪魔超人が地球の支配に成功した時代があったという。
その期間は、結構な長さ&頻度であったらしく、そうした時代では捕えられた正義超人の捕虜同士を闘技場で殺し合わせそれを観戦しながら酒を呑んだり
戦死した正義超人の戦士たちの魂を亡骸に閉じ込めた状態でそれを材料にして、特設リングの土台を作るなど悪趣味極まりない残忍な文化が発達していた模様。


そうした悪魔たちの専横を阻止せんと立ち上がったキン肉族やロビン王朝の先祖をはじめとする正義超人の勇者たちとの間で「正悪超人大戦」と称される世界規模の戦いが何度も勃発しており、
初代で描かれた現代の戦いはそれらの記憶が遠い昔の伝説になった後の物語ということになる。
そして、そうした悪魔超人の支配する時代には、常に首領として悪魔将軍の姿があったともされている。


……こうした情報からも、この時点の連載では大魔王サタンが何者かを媒体として現世に出現する時の姿が悪魔将軍と設定されていたようである。
実際、ジェネラル・ストーンを受けとる場面で“サタンの影”に対して、アシュラマンが「将軍さま」と呼び掛けている。


また、伝説超人達新世代超人達には黄金マスク編の顛末を「悪魔将軍が力を求めて黄金のマスクを奪った」と説明していたらしく、
ここからも「悪魔将軍=サタンの化身」であり、依代に過ぎない筈のゴールドマンのパーソナリティに支配されてしまっていたのはイレギュラーだった、という扱いが伺える。


黒い影のときの話し方は以前と同じイメージながらも無印よりやや老人口調で一人称は「ワシ」だが、
『Ⅱ世』の悪魔将軍はサタン成分全開なのか、「バゴアバゴア~」というヘンテコな笑い声を上げる上、
全体的に口調も荒く、「オレさま」とか言い出したり小者全開でみみっちいのが特徴。
身体がダイヤモンドパワーを思わせる結晶の集合体として描かれているが、
これは、自身でも語っているように本来のダイヤモンドパワーではなく、ジェネラル・ストーンの集合体である。


こうして、歪んだ力を与えられた“悪魔の種子”達は、主である“恐怖の将”復活のために、またもやミートの肉体をバラバラにして正義超人に戦いを挑んだのだった。


最終的に“悪魔の種子”達は万太郎達に撃破され、最強のREBORNアシュラマンも敗れることに。
しかし、自軍が敗れたにも関わらずミートの頭部とだけでも合体しようとしたことには全身全霊を賭けて戦ったアシュラマンも怒りを顕にし、
自分の尊ぶ“悪魔道精神”に反するとして断罪。
サンシャインもこれに同調する中、怒りの“恐怖の将”は、仮にも自分の為に死闘を演じたアシュラよりジェネラル・ストーンを取り上げるという最低の報復に出る。
そうして、アシュラが老いぼれの姿と戻ったのを嘲笑ったりしていたのだが、そうこうしている内にタイムリミットが過ぎ、
最後まで外道を貫いた“恐怖の将”の肉体は崩れ去ったのだった。


崩れ去る際にも


バゴアバゴア さ…騒ぐな凡人ども〜〜〜っ オレは不死身の“恐怖の将”だぁ〜〜っ!


ま…また何者かに取り憑き こ…この次こそ 本当に転生を遂げてやる~~~~~~~っ!!


と叫んでいるので、今回はゴールドマンを本体としていた時とは違い、大魔王サタン自体が復活しようとしていたのだろう。


それにしても“転生”とは、微妙に気になる表現である。


『キン肉マンⅡ世 究極の超人タッグ編』

マサランガ スクリット ブラックウィドーズ
マサランガ スクリット ブラックウィドーズ
悪魔の領袖よ、今こそ我に力を与えたまえ。
マサランガ スクリット ブラックウィドーズ


笑い声:「ギレラレ〜」


時系列上は『夢の超人タッグ編』と『王位争奪戦編』の間に位置する。


このシリーズでは裏切りマンとして名を成したマンモスマンの裏切り行為を切欠に場に満ちた悪の磁場より、
同シリーズのラスボスを務めた時間超人コンビにより召喚させられる。
この時の姿は“恐怖の将”ではなく、昔ながらの実体の無い悪魔の影として出現。
笑い声は「ギレラレ~ッ」(登場シーンのみ「ゲギョゲギャ~」)。
一人称は「我」(正義超人への恨みを吐く時のみ「オレ」)。


この時にサタンの姿を見たミートは、
「悪魔超人最強と呼ばれたあの悪魔将軍でさえ サタンの威光の前にはただのあやつり人形にすぎなかった」
「”最強”の異名を持つ悪魔将軍と双璧…いやそれ以上の悪魔かも」


と語っている。
『悪魔の種子編』では悪魔将軍=サタンのような扱いだったが、今度は“悪魔将軍とサタンは本来は別の存在”かのような解説である。


ここでサタン自身は悪魔将軍はじめ悪魔超人のことを「弟子」と表現している。


ここでは耳障りな声を弄られてキレたりしつつも、1983年当時は配下である悪魔超人と同じく邪悪だと断じた
時間・完璧超人の負のパワーを込めたクロゴケグモでキン肉マンに「試合開始のゴングが鳴ってから666秒後に死ぬ呪い」、秘術“魔の砂時計”をかける。


そして、キン肉スグルを愛している幾千幾万のファンの中にいる、ただ1人のキーパーソンがキン肉スグルと抱擁する解除されるかもしれない・・・・・・・・・・・*10と言うどう考えても無理ゲーな呪いの解き方を自信満々に滔々と語ったものの、その直後に、用済みとばかりに時間超人に切り裂かれて消えていった。
ついさっき“最強”の悪魔将軍と双璧と言われていた奴にしてはあっけない…と言いたくなるが、
一応、死んだり消滅した訳ではなく、実体が無いので不滅であり、一時的に消えただけらしい。


まあ、それ以上にこの展開自体がスグルが万太郎に負ける理由付けを作りたいのが見え見えでとてつもなく不評であったので、
その不評の中で更に嫌われものが評判を落とした程度の扱いであったが。


キン肉マンⅡ世~オール超人大進撃~

『Vジャンプ』で連載された、本編より評判の良かった番外編。
同シリーズに登場したドゥームマンに力を与えたことが語られている。


『キン肉マンⅡ世外伝 テリーザキッドの夜明け』

『別冊プレイボーイ』に前後編掲載された読み切り
道連れにしたテリーマンに生還された無念を抱いて超人墓場で労働に励むザ・魔雲天の復讐の念を見込み、正義超人の息子達を潰すミッションを与えて死者蘇生させた。
魔雲天は息子の暴留渓をキッドの学校に送り込んでキッドを孤立させ、自らも部員を車で送迎するなど
暴留渓の設立した柔術部のサポートを行いながら暴留渓とキッドのデスマッチを演出。
サタンの命令の意図とは多分違うと思う。
結局キッドが勝利し、魔雲天のミッションは失敗したのだが、珍しく制裁などはしていない(魔雲天は本編には全く登場しないので、この後制裁された可能性もあるが)。
余談だが、後に新章中断中にはWEB配信もされたのだが、
後述の通り「ザ・マンを打倒するか、最悪盗み出してでもカピラリアの欠片を奪取する」という目的が推測された少し後に、
実際に超人墓場に侵入して超人を脱獄させている姿が描かれたことになりまたしても妙な話題を提供してしまった。


【新章】

完璧超人始祖パーフェクト・オリジン編』


2012年からwebでの連載を開始した『完璧超人始祖編』では、完璧超人本隊及び、神に代わって地上を管理してきた完璧思想の源流たる完璧超人始祖と、正義超人&復活した悪魔超人軍が激突。
悪魔超人軍は完全復活を遂げて魔界に降臨した悪魔将軍の指揮のもと、はるかに実力が上回るはずの完璧超人を次々と撃破し、主人公のはずのキン肉マン&正義超人達を食う程の大活躍を見せた。
これほど悪魔超人が目立つシリーズだったのだから、当然のように支配者であるサタンは……。




影も形もありませんでした。





まず、今シリーズでの将軍様は、『黄金のマスク編』後に改心した悪魔将軍=ゴールドマンが変身した姿である。
前回の戦いでキン肉マンに敗れたことを受け入れつつも、その存在こそが自分が地上へと降った真の使命が正しかったことを(かつての同志達に)示す証明であると確信して行動しており、
配下である悪魔超人軍にも正義超人達が混乱している内から、完璧超人の襲来の真相を明かして迎撃に向かわせている。


悪魔道精神に則った主従関係だからなのか、悪魔超人達も将軍様の命令ならば命を棄てることも怖れずに殉じているのも特徴で、首領格のアシュラマンとサンシャイン以下、幹部の六騎士から平悪魔までが、絶対の忠誠を将軍様に捧げている。
不甲斐ない采配とか言ってたのは忘れよ。


本シリーズでは悪魔超人軍の最高幹部たちと呼ばれている悪魔六騎士は、サタンの分身ならぬ将軍様が直々に鍛え上げた高弟達であるとされており、
その六騎士が教官となって鍛え上げたのがバッファローマン達7人の悪魔超人であると明かされている。
この組織の力関係と指導の構図は、当時は読者にツッコミを受けていた『Ⅱ世』での描写を引き継いでいる。
こうした体育会系なノリもあってか、将軍様を頂点としたファミリーの様な雰囲気を醸し出しており、過去最高に結束力が高い。
実際、暫く正義超人として活動してきたバッファローマンすらも、将軍様より直々の声がかかった時点で即座に悪魔超人に復帰している。


更に、悪魔超人とは、元々は神に準じる力を持つ完璧超人始祖でありながら下等超人の可能性に着目しつつ、直接の指導をするために地上に降りた古代超人ゴールドマンが誕生させた存在であり、
本拠地である魔界もゴールドマンが創造したと語られ、悪魔超人の結成にもサタンは何一つ関わっていない事になってしまった。
アシュラマンに「我らが将軍様の前身のゴールドマンが~」という台詞があることから、悪魔超人達の中でサタンの存在は無かったことになってるのかもしれない。
事実、サタンの契約者であった筈のバッファローマンにも「永遠の金銀マスクとなり完全に魔界から身を引かれたはず」と、悪魔将軍=ゴールドマンのみの変身と認識しているような言動が見られる。



『オメガ・ケンタウリの六鎗客編』


笑い声:「ゲギョゲギョ」「ゲギョガーッ」


という訳で、超人という種族の成り立ちにも通じる神話級の物語が完結した『完璧超人始祖編』では出番の無かったサタン様(笑)だったが、
何と、続く新シリーズの冒頭にて無かったことにされたと考えてたファンも居た中でいきなり登場。
今シリーズでは大魔王サタンと冠詞まで含めて呼ばれることが多くなり、その呼び方が定着しつつある。
笑い声は「ゲギョゲギョ」「ゲギャゲギャ」。一人称は「私」
試合中には掛け声として「ゲギャ~ッ」のバリエーションを、嘲りや驚愕では「ゲギョ~ッ」のバリエーションを使用している。


本シリーズのサタンは何だか色々と憎いらしく、しきりと「憎い」「憎しみ」という言葉を口にするのが特徴。


サタンの正体について、ここで初めて「ゴールドマンに憑依して悪魔将軍として一体化していたこともある世の怨念の集合体」と委員長から解説された。
[[今まで笑い方や一人称がコロコロ変わったり、バゴアのときは口調すら全然違ったのも集合体なら仕方ない。>ダークブレイン]]
かつて、ゴールドマンの心の隙に取り憑いて手駒としていたことは間違いないようなのだが、
恐らくはキン肉マンへの敗北を機に正気を取り戻したゴールドマンと悪魔超人達に見放されてしまったのだろう。
また、知性の神は「私の古い友人がこの世を揺るがす暗躍を始めた」と語っており、超人の神々とサタンは旧知の間柄である事も仄めかされている。……が、一応は神々と関係こそあったものの、サタンは所詮は尖兵に過ぎず、知性の神が示唆した存在ですらなかった(後述)。


宇宙に浮かぶ謎の心臓にはまった輪の三本の突起から稲妻を発し、影ではなく影と同じ顔とやせこけた体に背中から手首にかけてコウモリのような皮膜と手足には鉤爪を持つ悪魔の姿で現れた。
サタンはまず正義・悪魔・完璧の三属性超人の本拠地に結界を貼り、主要な超人の出入りを封印。
そして悪魔超人の代わりに、新たに“真の悪魔となる一族”の投入を予告する。
再び影としてサグラダ・ファミリア上空に現れたサタンの導きにより地球に襲来したのは、かつて地球を支配する程の一族であったオメガの民の末裔にして一族の悲願を達成するべくやって来た精鋭部隊オメガ・ケンタウリの六鎗客であった。


彼らの先祖は、太古の昔完璧超人始祖による粛清を受けて遥か外宇宙へと追放されたことから、完璧超人始祖に深い「怨念」があり、
完璧超人始祖の首魁たるザ・マンを倒し、神の治世を終わらせることを一族の悲願としている*11
そのために、神々の領域である超人強度1億パワーを越える者を誕生させようとしており、それを叶えられるかもしれない力として「地球の力」マグネットパワーと「太陽の如き力」火事場のクソ力を手に入れようとしていた。



六鎗客は正義の五本槍や、嘗ての運命の五王子との戦いを脱落者を出しながらも制し、
リーダー格にしてオメガの現当主のオメガマン・アリステラと相棒的存在のマリキータマンが火事場のクソ力に匹敵する業火のクソ力の体現者であるキン肉アタル(キン肉マンソルジャー)とブロッケンJr.とのタッグに挑む。
アリステラの「相手と同じ超人強度を得る」特殊能力により、一度は火事場のクソ力を身に付けたかに思われたアリステラだが、
火事場のクソ力はオメガの民が抱き続けてきた「怨念」を背負ったままでは使いこなせない力であり、激戦の末に敗れる。
1億パワーの獲得に失敗し、一族が伝え続けてきた「怨念」を捨てるべきか懊悩するアリステラの前に現れたのは、
まさに「怨念」の化身である大魔王サタンの巨大な影であった。



当たり前であろう 私が慈善事業でお前たちをただ支援してやるお人よしに見えるのか


我は悪の権化 大魔王サタンであるぞゲキョゲキョ〜〜〜ッ



サタンは敗れたアリステラを嘲笑しつつ、自らの目的が自我に目覚めたゴールドマンの代わりとして、1億パワーを越えたアリステラを超人墓場まで導いた時点で肉体を乗っ取り、その力を利用して自分がザ・マンを抹殺することだと明かす。


かつてバッファローマンの超人強度を少しずつ強化したり、キン肉マン戦で強引に火事場のクソ力を吸収させようとしたのも、当時からザ・マンを倒せるほど強力な器を求めてのことだったのかもしれない。


そして、敗れたアリステラを契約者でも無いのに、今回はわざわざ自分の口から放ってまで得意の鉄柱で刺し貫いて処刑しようとするが、
アタル達の慈悲の欠片も感じられない合体技で死んだと思われていたマリキータマンが間に入り処刑を阻止する。昆虫標本とか言うなキャミ!


すると、これまでは“影”以外の姿で現世に出現する時には必ず依代を必要としてきたサタンだったが、
今シリーズ開幕時の悪魔の姿を経てオーバーボディを破り、何と実体化して出現を果たすのだった。



実に愚かだ… 超人という生き物はな


本人曰く、「やろうと思えばいつでも実体化出来るが、依代がいた方が効率的だから実体化しなかった」とのことだが、
実際には永年に渡り、異様な用心深さもあって実体化してこなかったことから、何かしらの伏線になると見られていた。
実体化したサタンは流石に強く、連戦直後とはいえ、現世代屈指の強豪であることを証明したアリステラと、ついでにブロッケンを一蹴。
そのままオメガハンドを両腕で固めて上空に舞い上がり垂直落下させる変形のスープレックスでアリステラを殺害しようとするも、アタルに阻止される。


そこに降臨したのは、キン肉マンを戦場にワープさせるなど陰から地球の超人を支援しつつも、これまでの展開を注視してきた“完璧・陸式”ジャスティスマン
地上を見捨てた神の代行者として世界を司ってきた亜神、天使たる完璧超人始祖の登場に、サタンも「面白いヤツが現れた」「元は下界の一超人に過ぎなかったザ・マンの手下ごときが」と言いつつも警戒する。


アタルは、戦いから身を引いたはずのジャスティスマンが再び戦いに挑む事への疑問を口にするが、ジャスティスマンは確かに現世代の超人達に干渉し戦う理由は無くなったことは認める。
……が、対してサタンの存在を「自分達と同じ旧時代の遺物の中でも最低の部類」「後世にそんな“負の遺産”をのさばらせてはいけない」とボロクソに断じ、



ゲギョゲギョ これはずいぶんな言い方をしてくれるな
元は下界の一超人にすぎなかったはずのザ・マンの手下ごときが


黙れゴミ屑



サタンの煽りに対してみ上記のようにバッサリと言ってのけ、聞く耳も持たずシャットアウトしている。サタンの新しいあだ名が決まった瞬間でもあった。


かくして、ジャスティスマンとサタンの一戦は開幕。
ジャスティスマンを小童呼ばわりしコーナーへ叩きつけ、「ザ・マン本人ならともかくその手下が敵うわけがない」とあざ笑うが、ジャスティスマンは反応することもなく、
今回に限って依り代を使わず実体化した理由を一方的に問い質し、その裏に隠された事情を探る。
その態度に怒ったサタンは猛攻をかけるが、コーナーでのストンピングの連打で無惨に潰れたかと思われたジャスティスマンの顔には、実際には僅かな傷だか汚れが付いただけで無表情も崩していなかった。


激怒したサタンは、ザ・マン用の必殺技「サタニックソウル・ブランディング」を決行。
何故かジャスティスマンも一切の抵抗を見せず、炸裂した大魔王の必殺技はアタルやアリステラ達の戦いの中ではビクともしなかった浮遊リングをも揺るがすが……「こんなものか」と、余裕の笑みを浮かべてロックを外すジャスティスマン。
流石にビビった大魔王だったが、余裕綽々で立ち上がったジャスティスマンが(阿修羅火玉弾を喰らった時よりやや重い程度の)血を吐いたことを見て喜び



ゲギョゲギョ〜〜〜ッ そうだろうやはり効いていないわけがないのだ!
すました顔を装いおってこのド畜生めが



と囃し立てる。本当に本当にビビっていたのだろう。
しかし、尚も自分に吐血させたことを称賛する余裕すら見せるジャスティスマンに対し、試合開始前にコーナーに据えられた裁きの天秤にジャスティスマンの鱗状パーツと自分のベルトのバックルを投げ込み、秤がジャスティスマンの方に傾くのを見て、ジャスティスマンが虚勢を張っていると判断するエンタメ溢れる挑発を見せる大魔王。


こうして勝利を確信したサタンは更なる追撃に出る……かと思いきや、敢えて必殺技まで食らって実体化サタンの力を量り切り、攻勢に転じたジャスティスマンの裁きの技を次々に喰らい、身体の各部にヒビを入れられていく。
予想外のダメージで狼狽したサタンは、数話前の自らとブロッケンを再現するかの如く片足タックルを仕掛けるが、ジャスティスマンを揺るがすことすら出来ない
ジャスティスマンはそんなサタンを見下ろしつつ、「危険を冒して実体化してまで、どうしても今やらねばならぬことがある」と焦りを指摘し、その焦りの原因を改めて問い詰める。


ジャスティスマンの拷問問いを受けてもなお強気の姿勢を崩さず推測と断じるが、追加のジャッジメントツイストを受けてグロッキー状態になってしまう。
そんな弱り切ったサタンに対してジャスティスマンは、「並の超人相手なら圧倒できただろうが」と前置きした上で、

  • 「数億年間実体化を放棄して、実際には寄生虫の如く超人界を蝕んできただけなのに『黒幕』を気取って手駒を利用するばかりだったサタン」

と、

  • 「数億年にわたり研鑽を続けることで自らが世界の管理者を務めてきた完璧超人始祖」

との間に、圧倒的な力の差が生じているのを指摘。
トドメに「世の無常を感じるな」「到底ザ・マンには敵うべくもない」とまで言い放つ。手負いとはいえ、そのゴミ屑に危うく現世代でも屈指の強豪達が葬られかけたんですが……。



ほざけ小童!誰に口を聞いていると……


大魔王サタン様だろう?それがどうしたーーーーっ



ジャスティスマンの冷徹な評価に激昂するも、滅多に見られないマイクパフォーマンスで即座に返したジャスティスマンは、ジャッジメントアヴァランチャーで更にダメージを与えていく。
追加でツームストーンパイルドライバーにつなぐコンボ技を受けてからの効いてない逆立ちアピールも、隙だらけだと言わんばかりにキックを叩き込まれ無惨にも転がされ、思わず共感する読者も多数現れた「好き放題しやがって~」という情けない本音の叫びが漏れる大魔王。


仮にもラスボス候補が言っていいのか解らない「…だが私はまだ倒れぬ」「倒れるわけにはいかぬ…何があっても…」の覚悟の言葉と共に、最後の手段としてジャスティスマンへの憑依を試みる。
だが、一瞬サタンの顔が胸に浮かびこそしたものの憑依は失敗。ジャスティスマンは同化してないサタンの脚を掴んで引きずり出し、追い討ちの延髄斬りを食らわせる。
そして憑依の条件について「それ相応の邪心や悩み・罪悪感を持つ者にしか憑りつけない」と断言したうえで、「(憑依の可能性を)この私に期待したとでも?」と心底冷たい目で見下しながら一蹴される。
この展開を心配していた読者も居たが、まさかの真正面からのフラグへし折りに腹筋を崩壊させる犠牲者が多数となった。


あまりの事態に「天秤はジャスティスマンの罪を認めていたはず」と天秤を指して抗議するサタンだが、今度は天秤がジャストタイミングでサタンに傾く。
天秤が認め、ジャスティスマンが胸中に抱いていた己の罪とは、「サタンのようなゴミ屑を永年放置してきた事への果てなき罪悪感」であり、「それも間もなく消えようとしている」と無表情にオーバーキルなヘッドロックパンチをかましながら事実上の勝利宣言を告げる。
そして遂に放たれた必殺の完璧・陸式奥義 ジャッジメント・ペナルティにより完膚なきまでに粉砕されて敗北したのだった。



敗因

サタンの完敗の原因、それは人を陥れる策謀に腐心しすぎて技と肉体の鍛錬を怠ったことという致命的な一点。
あまりにシンプルかつぐうの音も出ない因果応報の結末であり、結果的にサタンは終始有効打を与えることすらできず惨敗したのだった。あまりの一方的な試合からセルにやられたミスター・サタンダークドレアムにやられるデスタムーアを連想した読者もいた。


しかし、大方の予想通り滅びきることはなく、砕けた体と天秤の上のバックルは再び黒い影に変化。



グググ ま…またしてもザ・マンとその手下どもめ…


だが私は決して滅びはせぬ!
この世から邪心が消えぬ限り…私は何度でも力を取り戻し再びこの地上に蘇る


その時には今度こそ お前たちを皆殺しにしてやる


私らしく策を練ってな…ゲギャギャギャーーーッ!



上記のような負け惜しみとも反省とも取れる捨て台詞を残してしぶとく去っていった。……で、次はアシュラマンに見限られて復活に失敗するわけである。
一方、余りのダメージ故にか、今シリーズ冒頭で登場した“本体”と思われる宇宙に浮かぶ心臓にまでダメージが及び、各地を封印する魔力を放っていた部分が壊れて本体が剥き出しになった描写が挟まれている。
これにより正義・悪魔・完璧超人たちも次の戦いに参加できるようになった。


ずっと大口を開けて戦いを見ていたスグルは「さすがジャスティスマン あのサタンをああもあっさりと撃退してしまうとは」と、改めて完璧超人始祖の引く位の強さへの称賛とともに、止めを刺しきれずに逃げ延びたことを指摘するも、ジャスティスマンによれば大きく力を消耗したために実体化はしばらくできなくなったとのこと。
予想されてたように別に実体化自体にリスクが伴うとか時間と共に力が落ちてくとかではなく、単に凹られただけだったぜ!


そして、更に背後の事情を悟ったジャスティスマンにより、サタンなどは数億年単位の太古から潜む真の危機の前触れに過ぎないと言われてしまうのだった…。
読者の中で非公式に『サタン編』と呼ばれていた今シリーズの名称が変更された瞬間でもあった。



サタンの目的が「ザ・マンの打倒」というのは中々に意外な展開であったが、

  • 「一度は神の手で滅ぼされることが決定された超人という種の未来の為に希望を紡ぎ、守護者にして導き手となる」事を本来の目的としていたザ・マン(及び始祖達)

と、

  • 「超人界に未来など不要、絶望の堆積こそが更なる我が力の増強に繋がる」と嘯き、寄生虫の様に超人達の運命を蝕んできたサタン

は、本質的に対極にある存在と言える。


実際、ジャスティスマンとの絡み*12から過去にザ・マンや始祖達と直接対決した経験があるのかは不明だが、好き勝手やってきたように見えて、実際には彼等の存在があったので好き勝手やってこれなかった悔しさが言動の節々から窺える。


こうして、サタンを撃退したジャスティスマンは、オメガの民の因縁より更に遡る今回の事件と、更にその裏に隠された真実の開示をザ・マン自身より聞かせるべく、生き残った者達の内から選ばれた者達を自ら超人墓場へと導くことに。


そして、謁見したザ・マンよりサタンとは神のなり損ないであり、太古に超人の絶滅を主導した調和の神に神の座に上げてもらうことを目標に協力させられていたという、読者にとっても、更に予想外な真実が明かされることに。


つまり今回の「ザ・マンの打倒」というのも、サタンにとってもザ・マンと始祖が邪魔だったのは確かなのだろうが、今回に限れば調和の神が目指すカピラリア七光線の再発射に必要な、ザ・マンが所有しているカピラリアの欠片の一つを奪取することが目的であり、最悪勝てなくても隙を見て欠片を奪うつもりだったと看破される等、サタン自身は神を越える1億パワー云々と偉そうなことを言っていた訳だが、ここに至って神に対抗するのではなく、神になりたい大魔王という、余りにも惨めで情けない実情を本人も居ない所で曝されることになってしまった。
要は調和の神との利害の一致に過ぎないのだが、これでは真のゴミ屑…。
か…神が悪魔に甘言を弄するなんてそんなバカな!!


結局のところザ・マン(および邪悪五大神)が危惧していたのは真の黒幕にして、かつての同志である調和の神の一派であり、そもそもが神ではない「中途半端な存在」であるサタンなど最初から眼中になかったようだ。とはいえ、放置による好き放題に苛立ちを覚えていたことが前述のジャスティスマンによる度を越した制裁に繋がってしまった感も。


こうして、神の舎弟の大魔王という予想外の真実を迎えることになった訳だが、せめてものフォローをすれば、あの性格からしてサタンもいずれは調和の神を出し抜くつもりだったと考えてもおかしくはないと考察は出来る。


いずれにせよ、尖兵であるサタンを敢えなく撃退されて目的を崩された調和の神達は、自らの手で超人を滅ぼすべく、かつてのザ・マンと同じく「下天」を行うのだった…。



【結局サタンって何者なんだ?】

  • 7人の悪魔超人編:悪魔超人の支配者
  • 黄金のマスク編:悪魔超人の支配者で、自らの分身の悪魔六騎士を肉体として黄金マスクに与えて悪魔将軍に
  • 夢の超人タッグ編:悪魔超人の支配者は悪魔将軍
  • 悪魔の種子編:悪魔将軍の正体はサタン
  • 究極の超人タッグ編:悪魔将軍とサタンは別人
  • 完璧超人始祖編:ゴールドマンは以前からサタン抜きで悪魔将軍だった
  • オメガ・ケンタウリの六鎗客:真の黒幕である調和の神のパシリ

結論:意味はわからんが、とにかくすごい巨悪だ!


果たしてこのキャラクターに統一性のある設定を与えることができるのか、ゆでたまご先生の手腕にご期待ください!


【余談】


  • 悪魔将軍の人格が登場するたびに全然違うのは、含まれるサタン成分の量によるのではないかとの説がある。
    『悪魔六騎士編』の悪魔将軍は「キン肉マンの新必殺技特訓をノリノリで妨害しに行く」「パイプ椅子で殴る」などの粗野な部分も見られたが、一方で自らの敗北を認める高潔さも備えており、サタンとゴールドマンが半々。
    『悪魔の種子編』の悪魔将軍は小物であり、サタン100%。
    『完璧超人始祖編』の威厳に満ちた悪魔将軍はゴールドマン100%…という理屈である。キャラの不安定さを押し付けられたとも言う。

  • 上記の理由により、公式ガイドブック『77の謎』において「一番の悪行超人って誰?」という質問に対しては「悪魔将軍」とコメントが出された。
    更に「ゴールドマン部分は改心したが、残ったサタンの方は純粋悪で同情の余地など全く無い」と断ぜられている。

  • 知性チームにはその名も「サタンクロス」なる超人がいるが、あちらは知性の神によって寄生虫サタンクロスを植え付けられたサムソンという悪魔超人が寄生虫の名を自身のリングネームとして名乗っているもので、大魔王サタンとは関係がない。
    なお、その寄生虫サタンクロスの名称が大魔王サタンに由来するのかは不明。

  • ジャスティスマンの「黙れゴミ屑」は読者に大ウケし、実体化した状態の超人としてのリングネームが不詳なのも相まって「ゴミ屑」はすっかりサタンの愛称(蔑称ではない)として定着してしまった。
    更に、対戦相手の3階のバカの余りの遠慮と容赦の無さから、威厳とは別方向サタン様と呼ばれるようになっており、明らかな悪役であるにも関わらず、同情論すら賑わう有り様となっている。

  • そして読者のジャスティスマンの株を落とさずにどうサタンが勝つのか…という予想を裏切りまさかのジャスティスマン完勝
    試合内容もとことんヒール役を演じ覆面ぽいのに表情豊かなサタンに対し、素顔なのに無表情なジャスティスマンは相変わらずの塩な戦いに加えサタンのパフォーマンス中に蹴るなど容赦なし。奥の手の憑依は多少は効いてるようなほぼ唯一のプロレス的リアクションをさせたものの即引っぺがされて失敗
    プロレスをしてくれないジャスティスマンやそれよりもプロレスをしている天秤に対するサタンの反応など笑いどころも多く、あまりに一方的な試合にどっちが敵か分からなくなるような発言まで飛び出し、試合後は古典的な悪役の退場と完全に違うベクトルで読者の心を鷲掴みしていった。

  • 今シリーズは『オメガ・ケンタウリの六鎗客編』として一区切りになっているので、これでもサタン様はラスボスである。完全にラスボス(笑)だが。

  • Ⅱ世で評判を落とした面々の復権が図られることも多いWEB連載の中でサタンは散々な結果に終わったわけだが、
    Ⅱ世でプロレスと無関係な手段でスグルを殺そうとして不評を買ったサタンが、今度はプロレスに徹して完敗して変なファンを獲得したのはある意味で復権と言えなくもないかもしれない。

  • 劇場版キン肉マン第五作『晴れ姿!正義超人』で「悪魔将軍の先祖」を名乗る江戸時代の朱天童子や、第六作『ニューヨーク危機一髪!』で大都会パワーを吸収して怨念から実体化した青黒い悪魔将軍もサタンの仕業なのではないかという説もある。詳細はこちら。

  • 調和の神ザ・ワンの目的が「超人が新たな神の座に値するか否の審判」だった今となっては何故わざわざサタンのような小物を使ったのかと思えなくもない。

ただ、天界の神々に「超人(にこの世の行く末を任せる)よりサタンの方がマシ」等と宣った者がいたようなので、一応その神の意見を尊重し試す機会を与えたのかもしれない。



追記修正は恨みつらみと憎しみを込めてお願いします。



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*1 「ネコ科動物みたいで可愛い」という意見も……
*2 ちなみにこのクモ、銅像の首を捻って引き千切るほどのパワーを持っており、単体でもめちゃくちゃ強いが、キン肉マン級ならばチョップで両断できる程度
*3 神威の断頭台やアロガントスパークと同じく“ガガァン”SEが付けられている。
*4 当初は余りの暴れっぷりに追放されたはぐれもの集団というだけだった。8人とかいたしコマによって顔ぶれが違うし
*5 1000人を倒したのであれば1100万パワーになるのでは?というツッコミが入ったのか、アニメ版では900人に修正されている。しかし、悪魔超人に転生したんだからリセットされるのは当然と、1000人設定を肯定する声もある。
*6 このときはバッファローマンと一体化しているのか悪魔も悲鳴をあげている
*7 なお、サタンの支配力が最大限に高まった悪魔将軍はデスマスクの口にあたる部分が大きく裂けて哄笑するような面相になる
*8 実際悪魔将軍は死力を尽くすもキン肉マンに敗れたアシュラマンをスープレックスで投げ飛ばし、役立たずの末路として自害を強要したうえに吸収するなどかなりの非道を敢行した上で敗北しており、アシュラマンが不満を覚えるのも当然といえば当然であった
*9 「デーモン・メイキング・プラント」の略称。この時点ではまだ悪魔超人軍の影響も強そうではあったのだが…
*10 しかもそのキーパーソンにサタンが選んだのは「許婚に遠慮してハグを拒むであろう、貞淑な女性」こと、二階堂マリと言う外道っぷり。
*11 ……が、実際には確かに無法を行ったΩの民を粛正し、同じ状況となることを危惧してイレギュラーの発生を防ごうとする等、厳格なルールこそ強いたものの、その“神の治世”=超人の滅亡を目論む調和の神とその一派による主権の掌握を阻み、超人の世界を守ってきたのは当のザ・マンと始祖達であったという事実をアリステラ達は後に知ることになる。つまり、Ωの民は始祖達から自分達の追放の理由を知らされていなかったのが大きな齟齬の原因とはいえ、ザ・マンの打倒を為し遂げていた場合には、自分達の手で超人という種そのものの滅亡を招いていた可能性が高いのである。
*12 天秤の仕組みについて「覚えているぞ」と以前見た事があるような反応をしている

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